今日の活動
避難訓練
本日は避難訓練をしました。震度6強の地震がきてライフラインが切れたので広域避難場所の向陽高校へ徒歩で避難するというものです。机の下にもぐるのはみんな上手にもぐれています。靴をもって外の駐車場に出るのは、避難開始から2分かかりました。点呼をしてから、車いす3名、徒歩10名で向陽高校まで5分で避難できました。
保護者の方は訓練メール(返信)に参加してもらいましたが、これは1時間以内で4割の返信しかなくちょっと心配です(本日中で7割)。大災害時の電話回線は一気に込み合ってすぐに不通になります。最後までつながるのはメールやネットだと言われています(携帯アンテナ基地局に支障がなければですが・・・)。次回は10月に火災対応で訓練を行います。
待てない時にどうするか
大人が子どもに、「ちょっと待って」「~まで待って」はよく使う言葉です。スケジュールを使う人でも、その内容の準備ができていないと大人は「待って」を使います。「待って」は社会生活の上で大事なルールですが、年少のDちゃんには「待って」は意味が分からずストレスです。いつもこれからスケジュールが始まる前の戸口で「ふぇーん」と泣いてみせます。もちろん、始まりの時間の次には大好きな公園があることは知っていますが、どれくらい待てばいいかわからないからです。言葉がわかりにくく時間の感覚がない人にとっては、「待って」も「ありません」も同じように感じます。
PECSではフェーズ3で「待って」カードを2~3秒から示して時間に耐えることを徐々に教えます。しかし、スケジュールで支障のある「まって」はもっと長い時間です。ではどうするか?「待っている時間をなくしてできるだけ好きな活動、例えばバランスボール遊びやトランポリンなどで時間つぶしをすればどうか」という意見が出ました。確かに、Dちゃんのスケジュールは好きな公園遊びの前に「あつまり(始めます)」で、待つスケジュールになっています。この時間までバランスボール遊びをして皆が集まったら「はじめます」をして、待ち時間0で公園に行くというアイデアです。つまり「待ちフリー」スケジュールの提案です。さてうまくいくでしょうか?
ライフステージと課題内容
C君は高等部生です。前回の支援計画会議で卒業を前にしている年代だし、毎回同じような認知課題や他の子と同じような日課よりも、自分でも達成感があり、人から評価もされる作業課題に替えていくことを話し合いました。それからは、C君に缶つぶしが終わったら公園でブランコというスケジュール提示をしています。作業課題は繰り返しの内容が多い課題で、一定の量をこなし時間もかかり、持続力や体力が少し必要です。小さい時期にはすぐに飽きてしまった人でも、年齢を重ねると落ち着いて取り組めるようになってきます。目標がブランコというところは小さい時期と変わらなくても、作業内容を取り込むことで、ライフステージに合わせた生活に替えていけばいいのだと思います。
行動と気持ちの翻訳
A君が「B君が乱暴なので怖い」というので、怖いときはスタッフに言えばいいよと言うと、「ちゃんと聞いてくれない」と言います。困ったときは、君が困っていることを大人が気付くまで待つのではなく「~さん」と名前を呼んで、「話したいことがある」と言えば聞いてくれるよ。というと、ちょっと明るくなってくれました。
B君には「もし君が中学生から付き合いたくないのに付き合えと声かけられたら怖くないか?」と聞くと「そら怖い」とB君。それなら、君が低学年の人に同じように声かけたら、低学年の人は君が怖いと思う気持ちわかるかな。「そうやな、俺遊びたいだけなんやけどな」、子どもの間に入ってお互いの気持ちの翻訳をするのもスタッフの仕事です。子どもの心の理論の育ちが未熟であれば尚更のことです。
宿題
武漢ウィルス感染症緊急事態宣言の解除の動きもあり、そろそろ学校はじまるから宿題しなきゃなと子どもも思い始める今日この頃です。Z君も「今日は宿題するわー」と電卓を事務室に借りに来ました。発達性読み書き障害の子どもにももれなく、計算ドリルと漢字ドリルが休校用の宿題として出されています。
発達性読み書き障害の子ども、特に高学年の児童にあけても暮れてもドリルをやらせることは百害あって一利なしです。読み書き障害が原因で書きと計算に躓いていると認定されている子どもには電卓を使っていいことにしています。「俺、アホやから」と言う高学年のZ君に「能力が凸凹なだけだ」と何度も繰り返していますが、彼の才能を引き出して花開かせない限りは、気休めの言葉にしかなりません。
ソースが舐めたい!
焼きそばづくりをしている子どもたちの評価をしました。「Y君は嫌いな野菜を除いたり、ソースをなめたりして待てません。」と残念だという報告がありました。Y君は言葉がありませんから直接行動に出てしまったということです。「でも、自分の嫌いなものがあり、好きな調味料があるんだから、これは嫌と絵カードで言ったり、ソース舐めたいと絵カードで言えるようになればいいと思いませんか」と提案しました。
良く、「なんでもかんでも好きな事を絵カードで言わせたら対応できないです」と真剣に言う人がいます。「だったら、口で言う子にはどう対応していますか?」「絵カードを取り上げて言わせなくするということは、喋る子には口を閉じよと言う事ですね」と聞くようにしています。絵カードで要求できるようになれば、「~までまってね」「これをしたらあげるね」と我慢する事も同時に教えられるのです。
でも言葉に代わるものがなければ、いつまでたっても、大人と子どもの間で折り合いをつける話はできません。残ったものは、双方の力ずくです。力ずくは、自尊心と信頼を破壊していきます。だから、野菜が嫌いと言え、ソースが舐めたいと言えるスキルを身につけることが大事なのです。
焼きそばづくり
焼きそば、たこ焼き、お好み焼きと言えばソース味御三家、食い倒れのチャンピオンです。この香りさえふりまけば、子どもは寄って来るものと相場は決まっていました。ところが、最近の子はソース味はそれほど魅力的ではないようです。やれキャベツは嫌いだ生姜の赤いのはキモイと文句をつけて食べない子が増えています。なので、おやつ作りと称してソース系調理を提案しても、ちっとも作る気をそそられないのです。もはやソース味は平成・昭和のかなたのレトロテイストなのだと私たちが考えを改めるべきなのかもしれません。
障害特性に合わせたワードバスケット
ワードバスケットとは、バスケット(箱)に入っている文字で始まって、自分の持っているカードで終わる言葉を考えます。思いついたらその単語(3語以上)をいいながらカードをバスケットに投げ込みます。たとえばバスケットに「す」のカードが入っていて「か」のカードを持っていたら、「すいか!」 といいながらカードを投げ込みます。出てるカードは「か」になりました。こんどは「か」で始まる言葉です。「う」があれば、「かとりせんこう!」です。ワイルドカードはどの音でも使えます。(音数を規定する様々な種類のワイルドカードがあります)
手持ちカードをなくすゲームですが、順番はありません。思いついた人が出していく早い者勝ちです。一人で続けてどんどん出していいのです。でも、これは音韻障がいを原因とする発達性読み書き障害の人にはすごく難しいゲームです。言葉の力には言葉を思い出す「語想起」と滑らかに思い出す速さの「流暢性」があります。従って、読み書き障害の多い放デイ事業所等では、思いつくのが遅い人のために、あえて順番を導入して時間をある程度与えてあげないと、参加しても思いつく速度が遅いので面白くないのです。
しかし、使いようによっては読み書きの障害の良いトレーニングになります。ワードバスケットルーにも年少ルールで2文字にするとか、強い人は4文字以上で参加するなどのハンディキャップ制度を導入すると楽しく遊べると思います。また、手元にホワイトボードの升目を置いて「す」「★」「か」と書いておくと視覚で苦手な音記憶の補助ができるので、取り組みやすくなると思います。ボードゲームも障害特性に合わせた工夫次第で楽しく有意義に取り組めるということです。
生演奏
音楽遊びでは、口三味線やらカラオケに頼ってきましたが、近頃はVさんがピアノ伴奏をしてくれるようになりました。アナと雪の女王、輪になって踊ろう(V6)、さんぽ(トトロ)と弾き語りで演奏してくれます。すると、これまでは、合奏しようとジングル(鈴)を渡してもポイっと投げてしまうWちゃんが、ピアノの生演奏ではしばらくジングルを振り続けるのです。恐るべし、生演奏の力!でした。
街コロ
ボードゲームは暑い日や雨の日用の室内遊びとして、放デイの必需品です。でも、学年も認知レベルも様々な子どもがいるので、戦略や知力だけで勝ち抜くタイプのボードゲームはみんなで遊べません。街コロは、ルールや戦略がよくわかっていなくても、勝てる場合があります。カードの引きや、サイコロの運だけで進む双六に近いゲームともいえます。戦略やジレンマを考えることなく、ただわいわいと賑やかに、カードやサイコロといったコンポーネントを「直に手で扱う」ことに意味や楽しさがあります。それが『街コロ』の魅力とも言えます。
Tバッティング
公園でTバッティングを楽しみました。ピッチャーと対決するバッティングは難しすぎるし、トスバッティングでも動いた球にミートするにはDCD(協調性運動障害)の子どもには酷です。初心者や苦手な子には玉が静止している必要があるので、Tバー(Tの上下は反対になります)に球を乗せて打つのがTバッティングです。
これなら簡単だろうと思うのは甘いです。目と手とボールを協調させボールは打ち出されるのですが、これが難しい人も少なくないのです。それでも何度かTバーのポールを打った後に、パッカーンと打球が飛んでいくのは気持ちがいいものです。スタッフがホームラン級の打球を打ってやると、ひょっとして自分も打てるかもと、真剣な顔つきでスイングする子にエールを送るみんなの声が公園に響きます。
トミカミニカー
男の子だったらトミカのミニカーかプラレール遊びが定番です。事業所にも何種類ものトミカ製品が揃えられています。ミニカーコスの人気は「トミカアクション高速どうろ」です。電動スロープでミニカーが頂上に運ばれていき、一気に高速道路を下りてくるやつです。ただ、人気ありすぎでとうとう電動スロープの内臓モーターギアが擦り切れてしまい、とんでもない大音響を発するようになってしまったので新しいものを買いました。今度は、「オートやまみちドライブ」です。やっぱり新しいものにして良かったです。音が小さくなったので大人の精神衛生に良いです。子どもたちは新しいコースを走るミニカーを延々と眺め続けています。
送迎加算
子どもたちを送迎しているとき、様々な話をします。友達のこと先生のこと家族のこと親戚のこと自分のことなど、特に帰りの車内でぽつぽつと話します。できるだけカーステレオの音など出さないようにして、話してもいいよオーラを運転席から出し続けます。
「ここだけの話やけど」と言う話も少なくありません。運転手は「ふーん、そうなんやー」「それでどうしたの」「どう思ったの」と聞くだけにしておきます。語彙が少ない子や、換語の遅い子もいるので、言い換えたり付け加えたり、「自分はこんな風に思うな」等、大人の感想は自由に述べますが押し付けたりはしません。むしろ「そんなこと考えてたんか」とか「なるほどなぁ」「勉強になるなぁ」とできるだけ聞いて良かった事を伝えて家に帰すようにしています。車中は片道最長15分程ですが、とても大事な時間です。「送迎加算」という内容は単に家や学校から事業所への送迎という意味以外に、カウンセリングの意味もあるのだと思います。
ただ、そろそろ公共交通機関を使って登所してほしい利用者もいます。自力で移動することはとても大事な力だからです。しかし、少し支援しないと通えない子どももいます。こういう子どもの場合、支援のための加算がないのです。最初はスタッフがついて、徐々にSNSや携帯電話を使ってマネージメントすれば高学年なら長期休業中などは自力通所できるはずです。こういう細かなところに公的支援の目が向けばいいなぁと思います。
おばーちゃんへの手紙
U君「今日は、ばーちゃんの誕生日やねん」何か気持ちを表したいと言うので、自作のバースデーカード作成を提案しました。以前覚えたローマ字入力で「おばぁちゃん、お誕生日おめでとう。いつもご飯を作ってくれありがとう。僕にできることを言っください。おばぁちゃんいつまでも元気でいてね」と綴り、自作の封筒に入れました。
家に帰っておばぁちゃんに渡したら、じいちゃんの仏壇にお供えして、泣いて喜んでくれたことを、翌日嬉しそうに話してくれました。「僕としてはそれほど感動しているわけではないけど」と淡々と付け加えながら。
喋り派、作り派
公園の砂場でR君とS君がとダムやら川やら構造物をせっせと作って楽しんでいます。その横でT君が彼らが製作している町の構想についてべらべらと説明しています。R君とS君にしてみれば、構想の説明するくらいならT君が作ってよと思っているのですがT君は一向に手を出そうとしないので、二人は彼の話を聞かなくなりました。気分を害したT君は激高して二人に食って掛かります。
せっせと手を動かして楽しむ子と、口ばかりで動こうとしない子の典型的なケースなのですが、この人たちは相性が合わないのです。ただ、手が動かせないのは、おしゃべりに夢中というより、何もないところからモノを構成する空間認知力が弱く、その分言語性で遊びを補う場合もあります。この場合、箱庭のようにある程度空間の枠組みやキャラクターが出来上がっているもので構成遊びの支援をする場合もあります。
場所と事
Qちゃん今日はあまり活発ではないので、静かな場所で休憩させようと2階にいくことにしました。Qちゃんは自分で移動できるのだけど気持ちが向かないとなかなか移動しようとしません。無理に勧めると怒り出して、車いすに帰ってしまいます。ところが、2階にあがろうとすると、自分から進んで移動するのです。「えー眠たかったのではなかったの?」
よく考えてみると、Qちゃんはお昼のある時はいつも2階でご飯を食べています。このごろ昼食はパクパク食べています。2階は食事ができると覚えていたようです。このように、「場所」と「事」は統合されて記憶されます。ここに絵カード(間接的な情報)を付け加えていきます。もちろん情報は言葉でもいいのですが、言葉は瞬時に消えてしまい再確認することができません。絵カードは見直すこともできるし、「事」のある場所まで運んでいくことで関連付けを強化することもできます。「場所」と「事」を示す絵カードを理解すれば、次はこのカードを選んで要求したり、逆にこちらから「ここにいってこれをするよ」と示すことができます。これが発展してスケージュール支援に結び付きます。でも、まずは場所と事の一致がスタート地点です。
楽器遊び
Pちゃんは普段事業所に着くなり「公園公園!はじめます!」と間がありません。ところが今朝はPちゃんの目に楽器が目に入りました。「公園行きません」と朝の挨拶が終わっても外出しようとしません。楽器で遊べることは何かの経験で楽しかった思い出があるのでしょう。でも、「楽器遊び」の予告の言葉はPちゃんには入りません。通算10日ほど取り組んだスケジュールにその情報があることもまだ理解できていないようです。好きなことがいつあるのか、言葉でなくても絵や写真でわかり、「~したら~」のルールが理解できれば200%過ごしやすくなるはずです。言葉の分かりにくい人、ルールが入りにくい人にスケジュール支援は就学前療育・保育の肝と言ってもいいくらい重要です。
認知課題パズル力か色マッチング力か
ASDのNちゃんは、パズルなら10ピース以上簡単に仕上げてしまいます。非ASDのOちゃんはパズルは形状を細かく見分けることができないので4ピースでも難しいのです。ところが、おはじきの色分けはNちゃんは手続きがわからないのです。Oちゃんは直感的に同じを色を合わせるのだと理解します。部分を詳しく見るASDの人と、非ASDの人の中心的な意味を捉える(中枢性統合:CC)力との違いを見せてくれた認知課題でした。
閉鎖公園調査
長岡京市の公園が閉鎖されているというので、他の公園は大丈夫かどうか、L君とM君で公園調査をしました。乙訓中の公園を回って、わかったことは長岡京市の大きな公園だけが閉鎖をされているようです。
しかし、困りました。学校よりはるかに狭い事業所内でずっと活動するのは不可能で、それこそ3密の集・近・閉です。子どものストレス発散も重要ですが、スタッフの感染へのストレスも狭い部屋では高くなります。公園を閉鎖するのは遊具からの接触感染を防ぐためなのはわかりますが、僕らはどこへいけばいいのでしょう?
ストラックアウト
ストラックアウトは対戦型のゲームですが、負けてしまうとK君は悔しくて怒鳴ることが悪いと知りながら我慢ができなくなります。そこで、チーム戦にすることにしました。チーム戦でも負けは負けですが自分だけではないので我慢ができるみたいです。そして、仲間に「がんばれー」とか「次どうぞ」とか言えちゃうのです。このほかにもみんなでストラックアウトをして、好きなポケモンの絵を完成させるとかすると平和に一日が過ごせます。