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みんなちがってみんないい

緊張リセット 癒やし空間

緊張リセット 癒やし空間 七尾の障害児施設に整備

2021年2月20日 05時00分【中日新聞】

色が変わる装置、水槽など RCが協力
七尾鹿島手をつなぐ育成会(NPO法人)が運営する七尾市小島町の児童発達支援・放課後等デイサービス施設「ほうぷ子どもの家」(大谷済美センター内)に、知的障害者らの癒やし空間「スヌーズレン」の部屋が整備された。七尾ロータリークラブ(RC)の寄付で実現。施設を利用する子どもたちが楽しんでいるという。県内でも徐々に広がるリラックス空間として、知的障害者らの充実した余暇活動に生かしていく。(室木泰彦)

育成会会員は約百人。同施設では現在、特別支援学校に通う児童、生徒ら約十人が夕方に帰宅するまでの放課後を過ごす。高校卒業まで利用できるが定員は十人ほど。マンツーマンかそれに近い指導が必要で、定員以上を受け入れると丁寧な対応が困難になるためという。今回施設スタッフの発案で、外国で長い歴史と実績があるスヌーズレン導入を検討し、七尾RCが協力した。

施設一階の部屋を改修し整備。円柱型水槽は中の水が泡とぐるぐる回転し、魚の模型が本物のようにリアルに泳ぐように見える。球形の光る装置は触ると色が変わる。ビニール状の柔らかいひも状の物が縦横無尽に伸びる造形物などはさわり心地も楽しめる。

いずれも色が青や赤、黄、紫色などに次々と変わるため部屋全体の雰囲気の変化も楽しめるほか、香りを出す装置もある。施設によると、知的障害者らは学校などでずっと体がこわばる緊張した時間を過ごすため、この空間にいる時は光などの刺激を体感しながら力が抜けたリラックスした時間を過ごせる。ドアを閉め個室として利用できるよう、使用中か分かるボードも入り口に設置した。

十九日、七尾RCの木下義隆会長から整備費用に充てる寄付十五万円を受け取った育成会の三谷芳夫会長と八崎(はっさき)和憲副会長は「障害者への社会の理解は進んでいるが、まだまだ課題も多い。新設備による“静の支援”で障害者が成長できるように努めたい」と感謝した。七尾RCは石田朗(あきら)副会長、伊藤隆行幹事が同席した。

【メモ】スヌーズレン=オランダ語「スヌッフレン(くんくん匂いをかぐ)」と「ドゥーズレン(くつろいでうとうとする)」からの造語。重い障害者も楽しめるよう光や音、匂い、振動、温度、素材の触感などの設備を組み合わせリラックス空間を設けるなどの理念や取り組み。1970年代にオランダの知的障害者施設で始まり認知症の人、発達障害の子どもなどに活用され日本国内も普及。障害者がどんな刺激を好むか空間で一緒に過ごしながら共有できる効果が期待される。県内でも設置する施設が徐々に増えている。
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スヌーズレンはこのブログでも3回ほど掲載(Snoezelen:2019/10/16) しました。場所が必要なのとウォーターベッド等の備品が高いので放デイには贅沢品ですが、箱の中にイルミネーションを貼り付けて入ったりかぶったりして楽しむスヌーズレンBOXならどこの放デイでも簡単にできます。

スヌーズレンは、治療法でも、教育法でもありません。支援者は、治療効果や発達支援を一方的に求めることはせず、障害を持つ人のオープンな楽しみ方をありのままに受け入れ、一緒に楽しみます。スヌーズレンは、障害を持つ人が、自分で選択し、自分のペースで楽しむための、人生の大切な時間だという考え方です。「施設によると、知的障害者らは学校などでずっと体がこわばる緊張した時間を過ごす・・・」とありますが、学校の中にもこういう空間は必要でそれは障害のない人にも必要なものです。のんびり過ごすことは普通の事だという発想の切り替えが必要です。

Minecraftカップ2020

Minecraftカップ2020全国大会、「未来の学校」をマイクラ上で発表。全13作品のAWARDが決定!
「未来の学校」をテーマに、SDGsやSociety5.0など未来を考えてマイクラで作品をつくるコンテストを開催。

2021年2月22日 20時00分【MCCUP運営委員会】

2021年2月21日(日)Minecraft Education Editionのプログラミング作品コンテストMinecraft カップ 2020全国大会 最終審査会を実施、Minecraftのワールド上で表彰式を実施いたしました。
Minecraftカップ2020全国大会は、世界各国の教育現場で活用されている「Minecraft: Education Edition」を使用し、テーマにあわせたワールドをつくる建築コンテストです。2回目になる今回は、「未来の学校」をテーマに、Society5.0・SDGsなど、未来を考える課題を生徒たちが調べて表現しました。

総エントリー者数は1770名、応募総数は483作品の中から最終審査会で、全13作品のAWARDを受賞した作品が決定しました。2021年2月21日(日)に行われた最終審査会では、全国からあつまったファイナリストと審査員がオンライン上でプレゼンテーションと審査を行いました。

■Minecraftカップ2020全国大会 AWARD発表ページ
https://minecraftcup.com/awards/

【大賞】
未来への5つの約束~キレイな水と渓谷の洞窟学校~ 浦添昴さん(沖縄県)

【優秀賞】
◆小学校低学年部門
レッドストーン小学校 ピョコ太郎さん(福岡県)
◆小学校高学年部門
エネルギーが学べる学校その名はたかさご小学校 しょうたさん(埼玉県)
◆中学生部門
未来の学びの島! TSUBASAさん(沖縄県)
◆高校生部門
科学と社会の学校~学問とICTと自然の融合~ なおぴえさん(埼玉県)


【審査員賞】
◆大西一平賞
光る学校 高田豊彬さん(大阪府)
◆Kazu賞
ゆっぴースクール 須崎有哉さん(徳島県)
◆神谷加代賞
未来地区小学校 Kouさん(福岡県)
◆鈴木寛賞
未来の学校 かずねさん(東京都)
◆タツナミシュウイチ賞
電気学校 たけるさん(東京都)
◆髙崎正治賞
未来の学校~気候変動に強く、地産地消に取り組む学校~ リュウトラゴンさん(奈良県)
◆コロコロコミック賞
天空の学校西洋のお城と日本のお城 吉川岳人さん(静岡県)

【特別賞】
◆Microsoft賞
Sea school YYK_/さん(青森県)
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優秀賞は驚くようなち密さで構成されています。プレゼン動画の本人も普通の小学生には見えず独特な個性や才能を感じさせます。家に帰って宿題を全部終えてからの時間を費やし、半年間あまりここに情熱を傾けたんだなぁと思います。ぜひ子どもたちにも見てほしい作品です。

僕の髪誰かのためにヘアドネーション

僕の髪誰かのためにヘアドネーションに挑戦中石巻・鹿又小5年佐々木君

2021年02月24日 10:43【河北新報】

病気や事故で頭髪を失った子どもたちに無償提供される医療用ウィッグ(かつら)のために髪の毛を寄付する「ヘアドネーション」に、石巻市鹿又小5年の佐々木佑真君(10)が挑戦している。「誰かのために」と、強い思いで伸ばし続ける髪は、長い部分は45センチほどになった。小学校を卒業する来年まで、50センチ以上を目標にしている。

佐々木君は、テレビ番組でヘアドネーションを知ったことをきっかけに約2年前に髪を伸ばし始めた。番組は小学生ぐらいの男の子がヘアドネーションに挑戦する内容で、「自分もやってみたい、寄付してあげたいと思った」という。母の吏(つかさ)さん(35)は「自分で決めて気が付いたら伸ばしていた」と振り返る。

髪は背中の真ん中まで伸び、学校には一つに結んで行く。赤ちゃんの時から丸刈りだった佐々木君は長い髪の洗い方も結び方も分からなかったが、練習してできるようになった。洗った髪を乾かすには20~30分かかり、少しでも良い状態で寄付できるようトリートメントもしている。

初めの半年ほどは、学校でからかわれたり公園で女の子に間違われたりして落ち込むこともあったが、伸ばすことはやめなかった。吏さんは漫画に登場する長髪のキャラクターの魅力を伝え、「切らない」と固い決意を口にする佐々木君を励ました。事情を知る同級生や先生が周囲に説明してくれたこともあり、理解は広まっていった。

佐々木君は発達障害があり、吏さんは「自分にとっての普通が一般的な感覚と違い、男の子の髪が長くても違和感がない。自分でやろうと思う男の子はなかなかいないと思う」と話す。

へアドネーションには31センチ以上の長さが必要とされ、50センチ以上あればロングヘアなどにもできる。佐々木君は50センチ超えを目指す。

中学校の校則では長髪が認められない可能性があり、伸ばすのは小学校卒業までと決めている。佐々木君は「人のためになると思えば続けられる。大切に使ってもらえたらうれしい」と話す。

吏さんは「ヘアドネーションに限らず、変わったことをしている人がからかわれることがなくなるといい。本人も頑張って良かったと思ってほしい」と見守る。

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講師「何でわからへんねん」、泣きじゃくる男児…発達障害ある小5に暴言

2021年02月23日 10時38分 読売新聞

大阪市立小学校の20歳代の男性講師が授業中、発達障害のある5年生の男児(10)に「何でわからへんねん」などと暴言を繰り返していたことがわかった。男児に当時の様子を尋ねると動揺して泣き出すといい、学校は両親に謝罪。市教委は事実関係を確認したうえで、男性講師の処分を検討する。

学校や保護者によると、男児は算数と国語については特別支援学級で授業を受けている。男性講師は1月20日、特別支援学級での授業中に算数のドリルを解いていた男児に「問題をちゃんと読んでみろ」「前にもやったのに覚えてないんか」などと何度も怒声を浴びせた。

次の授業時間になっても男児が泣きじゃくっていた様子に気付いた女性教諭が校長らに伝え、問題が発覚。暴言について男性講師は学校の調査に対し、「(男児の)解答が違っていたので腹が立った。障害を理解せず、自分本位のペースで授業を進めてしまい、申し訳ない」と話しているという。

男性講師は1月26日から学校を休暇中で、2月15日には校長らとともに両親と対面し、謝罪した。母親は読売新聞の取材に「息子は問題の意味を理解できず苦しんでいたのに、高圧的な言動で追い込んだのは許せない」と話している。

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子どものみずみずしい感性と社会に貢献したいという気持ちや、それを微笑ましく見守る保護者の存在に温かいものを感じます。一方で、子どもの気持ちや子どもに注ぐ家族の視線は全く感じていないと思わせる教員の言動、社会的未熟さにはがっかりします。

普通、自分が出した課題を子どもが理解しないのは自分の見立てや力量の問題なのに、「私が正しい。子どもが問題だ」と感じている教員は彼だけではありません。一人では解けない宿題を学校で一度指導したからと繰り返し出題する教員も、怒りはしないけれども結果としては子どもを貶めている意味では変わらないと思います。

勉強がわからなくて辛かったり、友達にいじめられて悲しい思いをしている一方で、みずみずしい感性や素直な気持ちを子どもから感じる教員であれば、自分の出した課題ができないからと怒鳴ったり、一度教えたことだからと一人ではできない課題を宿題に何度も出せないはずです。

<学校ICT時代>海外の現状

<学校ICT時代>海外の現状を本紙特派員がリポート

2021年2月25日 05時00分 【中日新聞】

全国の小中学生に1人1台のタブレット端末かパソコンを配備し、通信環境を整える政府の「GIGAスクール構想」。新型コロナウイルスに伴う臨時休校を受けて計画が前倒しされ、大半の自治体で2020年度中に配備が完了する見通しだ。ただ、世界の中で日本は教育現場での情報通信技術(ICT)の活用が進んでいるわけではない。各国の現状について本紙特派員がリポートする。

米国ネット環境格差が課題
米国はオバマ政権が2016年に「コンピューター・サイエンス・フォー・オール」を掲げ「幼稚園から高校まで全生徒がコンピューター科学を学び、技術を身に付ける」ため各州や学区への資金支援を表明。トランプ政権も継続した。
米調査機関の昨春の調査で全米の中高生の49%が過去1年でコンピューター科学を学校で学び、46%が週1時間以上だったと回答。メリーランド州のある学校では中1で3次元デザインを学び、高1ではプログラミングで簡単なゲームアプリを作製。学校には安価なノート型パソコンが生徒の人数分備えられ、各授業で日常的に使用し、宿題提出もパソコン上で行っている。
ただ、デジタル環境の整備は各州や各学区でばらつきが大きい。さらに新型コロナで自宅でのオンライン授業が一般化したことで、パソコンやネット環境が不十分な家庭との格差が問題になった。
バージニア州の高校でコンピューター科学を教えていたリア・ガラノスさんは「コンピューターへのアクセスを確保するだけでなく、コンピューターが人生をどう変えることができるかを子どもたちに示すことが重要だ」と語る。(ワシントン・金杉貴雄)

タイ語学の勉強に活用も
使い込まれ、傷も目立つタブレットだがジェシリンさん(14)にとって、教科書が並ぶ書棚であり、図書館だ。「故郷の歴史物語が好き」と頁(ページ)を繰る。出稼ぎの両親を追い、4年前に生まれ育ったミャンマーから隣国タイ・バンコクへ。週6日は縫製工場で働き、日曜にNGOの学習センターに通う。タイ語の発音は貸与されたタブレットから耳で覚え、みるみる上達した。
貧富の格差が世界有数のタイ。6〜17歳の3割近く、260万人もが経済的な事情などで正規の学校に通えない。ジェシリンさんのような移民の子や、学校の整備が行き届かない少数民族地域は多い。国連教育科学文化機関(ユネスコ)が政府や通信会社の協力を取り付け、3年ほど前からタブレット支給やオンライン学習の導入を進めている。
アプリにはタイ語学習のテキストに加え、ミャンマー語や少数民族文字で書かれた各科目の教科書、物語など1000冊以上を収録。随時、更新され「楽しんで勉強するきっかけになる」と学習センター副所長ヤニーニさん(49)。ジェシリンさんは「将来はパソコンを使ってオフィスで働くのが夢」とはにかんだ。(バンコク・岩崎健太朗、写真も)

フランスモデル校で効果検証
「この計算問題に挑戦してみたいのは誰?」。フランス・パリ郊外のレシェーン小学校。1年生の教室で一斉に手が挙がった。指名された児童が電子黒板と向き合う。投影されたタイマーの時間内に全問正解し、喝采を浴びた。担任のマルティーヌ・カバン教諭は「電子黒板のおかげで低学年でも飽きずに授業に取り組める」と手応えを話す。
効果は昨春のコロナ第1波による都市封鎖(ロックダウン)中にも表れた。児童らは自宅のパソコンなどで遠隔授業を受けたが、電子黒板への慣れから、画面上の問題に抵抗感がなかったという。
だが、この環境を享受できる児童や生徒は限られる。仏政府の2018年の公立校調査で電子黒板を使う小学生は4%にとどまる。タブレット端末の配布率は中学校では51%だが、小学校では12%。北欧やバルト3国など欧州の先進国からは大きく遅れている。
昨秋にレシェーン小を視察したブランケール教育相は、2700万ユーロ(約34億円)規模のデジタル教育モデル地区事業を発表。2県の公立校にタブレットやウェブカメラを配備して効果を検証し、来年以降の全国展開を目指すという。(パリ・谷悠己、写真も)

韓国「双方向授業」56%に
IT大国を誇る韓国は昨年4月から新型コロナ対策で小中高校の登校を制限し、オンライン授業を拡大した。政府が低所得家庭への端末提供や通信接続を全面支援。IT教育に精通した人材も多いと自信を示したが、当初は集中力が続かない子が続出した。
教育省は、教員と子どもがネット上でやりとりする「双方向授業」の比率を昨年7月の15%から、10月に56%に高める改善策を実施。兪銀恵(ユウネ)教育相は今年1月、「教員研修、良質な教育コンテンツの開発を続ける」と述べた。
競争社会で、富裕層の子ほど塾や習い事に通う傾向もある。教員1万人が対象の調査では、79%が「オンライン授業で、学習格差が拡大した」と回答した。
地域教育も注目される。ソウル市の中区教育支援センターは昨夏から、地域の童話作家や人気ユーチューバー、料理研究家ら多彩な講師を招いたオンライン授業を開講。10人前後の定員に小中学生が殺到し、毎回ほぼ満員に。担当の朴珠熙(パクジュヒ)さんは「コロナ禍で行き場のない子らに学ぶ機会を提供する必要性が増した。字幕や音響など編集技術も高めてもっと楽しませたい」。(ソウル・相坂穣、写真も)

※ICT=InformationandCommunication Technology(情報通信技術)の略

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海外でもネックは家庭のネット環境です。地域や家庭のネット環境が整備されればバンコクでのユネスコ支援のように移民の子弟でも自国の言語で知識を得たり、端末そのものが現地語との翻訳機になり教育格差を緩和するツールにもなります。しかし、家庭の経済格差がネット環境格差に直結するような状態を放置していると、教育格差はさらに広がっていくということです。日本では約12%(子ども約100万人)の家庭にWifi環境がないと言われており無策のままです。

現在、端末自体はアンドロイドの安物なら1万円台、IOSでも3万円台で購入できます。端末の年数劣化や陳腐化は避けられませんが4年は使えますし公費で保障するなら出費は0円です。しかし、ネット環境はWifi環境を作る光回線だと様々なキャッシュバック販売が展開されているとはいえ使い続けるとなれば月3000円程度を払い続けることになります。家庭WiFiは電気ガス水道の光熱費と同じような存在です。なくてもすぐには困りませんが、それはガスや電気も昔はそうでした。今やそれが贅沢だという人がいないように、高速通信回線も同じなのです。

確かに、Wifi回線は家族も使うものですから公費負担と言うわけにはいかないものかもしれません。しかし、携帯電話のように学校制度を利用する子弟がいれば半額という割引制があれば無Wifi家庭は激減すると思います。結局は将来の利用者を獲得できるのですから会社には損はないはずです。ICT教育の正念場が家庭と地域のGIGAネット環境の整備の段階に移ってきているのです。あげ足取りの国会論戦をやめて真剣に国のICT環境の整備について議論してほしいものです。

 

京都市、全市立学校でICT教育システム導入

京都市、全市立学校でロイロノート・スクール導入

2021/02/25-13:46[株式会社LoiLo]

1人1台端末本格活用で個別学習、協働学習の充実をめざす
2月17日(水)株式会社LoiLoは京都市とGIGAスクール構想実現に向け、教育活動に関する連携協定を締結しました。これにより京都市すべての市立学校で授業支援クラウド「ロイロノート・スクール」の運用が開始します。個別学習の深まり、協働学習の繋がりの往還により、京都市がめざす「すべての子どもが”学びの主役”」となる教育を実現します。

2月17日(水)私たちLoiLoは京都市と連携協定を締結し、協定締結日から令和5年3月31日までの協定期間、京都市すべての市立学校にロイロノート・スクールを無償で提供することに合意いたしました。

京都市の在田正秀 教育長は「令和3年度を”1人1台端末の本格活用元年”の好機と位置付け、ICTの積極活用を通じて、児童生徒の学力定着・向上や情報活用能力の育成、教職員の授業改善を推進したい」と述べました。

また、「ロイロノート・スクールは本市が掲げる個別学習の深まり、協働学習の繋がりを往還し融合できるツールであり、”すべての子どもが”学びの主役”となる教育を実現するのに最適なツールである」とロイロノート・スクールへの期待を示しました。

当社の杉山竜太郎 代表取締役は「教育先進自治体である京都市で、ロイロノート・スクールが運用されることに大きな意義を感じる、京都市の掲げる生徒主体とした授業づくりのために尽力していきたい」と述べ、京都市への教育活動支援について全面的な支援を表明しました。

締結式後半では、ロイロノート・スクールを先行利用している京都市立祥栄小学校の授業の様子を録画映像と中継で紹介しました。当日紹介した映像は以下よりご覧いただけます。

▼ ロイロノート・スクールを使った授業風景

▼ 児童インタビュー

1人1台端末環境での学びが本格始動する2021年、私たちLoiLoはGIGAスクール構想の実現に向けて努めてまいります。

関連記事
● 京都市と株式会社 LoiLo による教育活動に関する連携協定締結について【京都市広報資料】
  https://drive.google.com/file/d/13Jqt9sZX7wwqpxNS-EnVD5wtEiJleLay/view?usp=sharing
● 京都市が教育ソフト会社と協定【NHK NEWS WEB】
  https://www3.nhk.or.jp/lnews/kyoto/20210217/2010009497.html

ロイロノート・スクールについて
ロイロノート・スクールは、教育1人1台時代、生徒の主体性を育み、双方向授業をつくり出す授業支援クラウドです。小学校から大学まで、すべての授業で使えます。資料のやりとり、思考の可視化、意見の共有が直感的にできるため、子どもたちが自ら考え表現する協働的な学びや、教員の負担軽減につながります。個別最適化された学びづくりや遠隔での学習にも効果を発揮します。マルチプラットフォームに対応しており、1日30万人以上が利用しています。全国で5000校以上、1人1台校では320校に導入されています。
導入事例など詳しくはWebページをご覧ください。https://n.loilo.tv/ja
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国産ICT教育システム、資本が小さくても頑張ってほしいものです。多国籍ICTシステムに負けないで頑張ってください。ただ、いつも思うのですが、35人ほどの児童数に対して指導用ディスプレー(電子黒板)の多くは65インチサイズのようで小さいなぁと感じているのは私だけでしょうか。できれば黒板全面に展開する高輝度プロジェクター型やユニット型の黒板の方が生徒には見えやすいと思います。国産システムまで含めて導入しようとする京都市の健闘を期待しています。

トイレ洋式化

学校トイレ洋式化、自治体で格差/石川

2021/3/1【毎日新聞】

家庭のトイレと言えば洋式が一般的になったが、今なお全国の小中学校のトイレでは約半数で和式が残る。昨年9月に文部科学省が発表した全国の公立小中学校にある洋式トイレの割合は57%。「子どもたちが慣れない和式で用を足せずに困っている」という声もあり、近年は衛生面や新型コロナウイルスを含む感染症対策の面からも洋式化が求められている。【井手千夏】

■富山県が全国一79%
文科省の調査では洋式化率は北陸3県でみると、富山県が全国トップの79・3%のほか、石川県55・8%▽福井県57・7%。県庁所在地では富山市が94・1%なのに対して、福井市は51・8%、金沢市は41・9%と全国の中で下位にとどまる。石川県内でも、84・9%の野々市市から45・7%の宝達志水町まで「格差」がある。

TOTO(北九州市)によると、トイレの出荷台数の99・3%(2015年)を洋式が占める。文科省は子どもが洋式に慣れていることや、災害時に避難所になる学校の特性も踏まえたバリアフリーの観点から洋式化を推奨。和式は便器外に飛沫(ひまつ)が飛び散りやすく雑菌が繁殖したり、洋式のふたを閉めて流したりすると感染症予防に効果的だとしている。

特に低学年の児童にとって、慣れない和式の存在は大きなストレスになる可能性がある。トイレ問題に関心を寄せる金沢市の小林誠議員によると、休み時間に限られた洋式に子どもが集中するために、用を済ませられなかった子どもが授業中に失禁してしまうケースがあると校長から声が寄せられている。

■斜めに設置の奇策
全国でも上位に入る富山市は、16年の前回調査から48・6ポイント上昇。その「秘密」は便器自体の交換を優先して進めてきたことにある。学校の個室トイレは内開きが多く、和式から洋式に変えた便器がドアに引っかかってしまうこともあるが、富山市では便器を斜めに設置にしたり、ドアを外開きにしたりするなどしている。費用は1ブースにつき、工事代を含め50万~100万円以内で済むという。

一方、金沢市は16年の29・5%から12・4ポイント増にとどまる。市教委は、市内に学校が多いことに加え、エアコン設置などの課題を抱える中で「優先順位を決めて取り組んでいる」と説明する。古い学校が多く配管工事も必要なことなどから、富山市のような便器交換ではなく、トイレ全体の改修工事を念頭に置く。その分、工事は長期に及ぶ上、縦1列につながる1~3階のトイレの改修には約5000万円かかるという。

20年12月の市議会で全面洋式化のめどについて問われた山野之義市長は「できるだけ早く達成すべく整備計画の策定と実現に取り組む」と応じ、21年2月に発表された21年度当初予算案に420万円をつけ、実態調査を行う。石川県は同年度当初予算案で県立学校16校のトイレ洋式化と手洗い場の自動水栓化に3億3000万円を盛り込んだ。

■トイレに選択肢を
自治体による洋式化を後押しするため、文科省は01年に改修費の3分の1を補助する制度を設けている。その効果もあって、洋式化率の全国平均は16年の43・3%から20年に57%へと増加した。

NPO法人「日本トイレ研究所」(東京)の加藤篤代表理事は洋式化の重要性を挙げた上で、「和式を好む人のために一定の数の和式を残したり、介助が必要な人やトランスジェンダーのために男女共同トイレを整備したりするなど、選べるということが大事だ」と指摘している。

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昔、まだシャワートイレが普及していなかった頃にASDの子どもから「家がシャワートイレなので学校のトイレに行けない」という声がありました。排便の後を紙で処理したことがないというのです。「え?それってシャワーの後は拭かないの?」と聞くと「乾燥機付きのシャワートイレだから大丈夫」なのだと応えていたのが印象深かったです。今となっては乾燥機付きじゃないのかとがっかりする時代になりました。

放デイのアセスメント表に、「排泄は自分で処理できる」というのがありますが、時代が変わればボタンが押せる人なら「STで処理できる」という項目が増えるのでしょう。トイレは臭い汚いが昔の公衆トイレや学校トイレの代名詞でしたが、今や高機能公衆トイレが耳目を集めます。和式を選ぶ人がいるのかどうかは知りませんが、低学年の様式の場合身長にあわせて、床を上げるなどの配慮はいると思います。

 

格安航空会社「ほなやろ課」積極雇用

ピーチ障害者はつらつ・・・「ほなやろ課」積極雇用

2021/03/02 05:00【読売新聞】

マニュアル写真・絵で工夫
勤怠や運航
関西空港を拠点にする格安航空会社(LCC)「ピーチ・アビエーション」で、障害者が大半を占める「ほなやろ課」の取り組みが注目されている。障害を持つ社員がそれぞれの特性をいかして働いており、運航上の重要な実務も任されている。グローバルに展開する同社はダイバーシティー(多様性)を尊重しており、「障害があっても、『成長したい』と挑戦できる環境を整えていきたい」としている。(北口節子)

「ほなやろ課」は、障害者雇用の受け皿として2018年9月に発足し、聴覚障害や知的障害、肢体不自由などの24人を含む29人が在籍。関西弁のユニークな課名には「あらゆる業務において、真摯しんしに前向きに業務に取り組もう」という思いが込められているという。

業務は多岐にわたり、名刺の作製や給与・勤怠業務をはじめ、給油量の管理、航空機の整備記録の保存など運航業務も担う。障害者の積極的な人材活用により、同社の障害者雇用率は法定の2.3%を上回る3%前後を保っている。

様々な障害を持つ課員の誰でも数多くの仕事をこなせるのは、工夫をこらした業務マニュアルの存在が大きい。写真やイラストを多用して「仕事のイメージがわきやすい」と好評で、多数のマニュアルをそろえる。

サポート役に徹するスタッフが質問や相談を最優先で受け付けていることも、安心して働ける職場環境につながっている。トラブルが生じても不安にならず、仕事に集中できるという。障害のある課員がサポートする側に回ることもある。

発達障害がある同課の井上亮一さん(26)は航空機の整備記録のデータ化などを担当。以前の職場では人間関係のつまずきで退職を余儀なくされることもあった。「障害の有無にかかわらず、業務を任せてもらえることにやりがいを感じ、仕事の幅も広がっていく」と充実感を口にする。

障害のある社員の専門的な能力を伸ばすことで、障害者枠での採用後、ITや整備などの一般枠に切り替わったケースもある。


「ほなやろ課」を引っ張る黒木均課長(35)は約10年間、特別支援学校で教諭を務めた経験がある。兄は重度障害があり、職業の選択が限られた。「教え子らには働ける場所をもっと広げたい」との思いで3年前、ピーチに転職した。今では障害者雇用の先進事例を学ぼうと、企業や学校などから講演や指導の依頼が寄せられている。

1月には泉南市の府立すながわ高等支援学校の1年生に向け、キャリア教育についてオンラインで講演した。障害者の職域開発を進め、客室乗務員が主に行う機内清掃にも参加するようになったことを紹介。「掃除だけでなく、不審物の有無もチェックする。何かあれば飛行機を運航できず、責任問題になる」と重要業務を任されていることを説明した。

黒木課長は「障害を理由に簡単な仕事しかさせないなどの行き過ぎた配慮は不要。障害のある人も必要なサポートを遠慮せずに発信するなど、苦手を克服する工夫も大切だ」と指摘する。

◆障害者雇用率障害者の働く機会を確保するため、障害者雇用促進法は、民間企業や国、地方自治体などに対し、一定割合の雇用を義務づけている。3月1日から、民間企業は2.3%、国や自治体は2.6%と、それぞれ0.1ポイント引き上げられた。

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送迎の途中、ぼそっと子どもが「僕は将来どうせ働けない。生活保護で生きていくしかない」と呟いていました。誰が彼にそんな風に思わせたのか腹が立ちますが、一方でこうした障害者雇用・ダイバーシティー雇用の情報を子どもに流していない自分に気が付きました。そんなことは学校がするだろうと思っていても、どの学校でしているわけではありません。心無い大人は、マスメディアに興味本位に引きこもりやごみ屋敷を描きます。子どもたちがそれを見て、自分の未来に仕事はないな誤解するのは当然です。子どもの未来に前向きな情報がもっともっと必要です。身近な格安航空会社がこんなに雇用努力しているとは知りませんでした。がんばれ!ピーチ!

 

一斉休校から1年・・・数年後にストレスが表面化

一斉休校から1年・・・コロナ禍で学校生活「激変」専門家「数年後にストレスが表面化」

2021.3.2 17:06【SankeiBiz】

新型コロナウイルス対策の全国一斉の臨時休校から2日で1年。多くの学校は6月まで休校を余儀なくされ、授業再開後も行事が中止されたり、部活動に制限がかかったりと、学校生活は大きく変わった。子供たちにもストレスによる心身への影響が懸念される中、昨年自殺した児童生徒は過去最多に。現在も外出などの自粛が求められる中、専門家は「今は問題ない子供でも、数年後にストレスが表面化する可能性がある」としている。(藤井沙織)

自殺が過去最多
「最近、子供が急に『習い事をやめたい。宿題もやらない』と言って泣き出すようになった」。兵庫県の会社員の女性(44)は、小学2年の長男(8)についてこう話す。友達や先生とトラブルがあったわけではなく、以前は学校も習い事も楽しんでいる様子だったといい、「どうすればいいのか」と悩む。

コロナの感染防止のため、学校生活にも1年以上にわたり、さまざまな制約がかかっている。常にマスクの着用が求められ、給食は黙って食べる「黙食」。合唱や調理実習など、感染リスクが高い教科や、部活動は制限されている。修学旅行や文化祭、運動会などの行事も中止や規模縮小となり、子供自身も気づかない間にストレスは蓄積している状況だ。

文部科学省などによると、令和2年に自殺した小中高校生は前年より140人増え、統計のある昭和55年以降最多の479人。同省はコロナとの関係の分析や今後の対応策の検討を急ぎ、今年2月から児童生徒の自殺予防に関する有識者会議を重ねている。

変化に注意
子供たちの抱え込んだストレスが「これから表面化してくるおそれがある」と指摘するのは、早稲田大の本田恵子教授(学校心理学)。東日本大震災の際、3年ほど後になって心身のバランスを崩し、不登校などになる子供が数多くいたためだ。

「特に注意が必要」とするのは、ストレスをためこむ子供。泣いたり怒ったり、がむしゃらに勉強したり逆に無気力になったりと、分かりやすい「サイン」があれば、周囲も気づきやすい。だが、「約6割の子供はストレス反応を表に出さず、求められたルールを真面目に守って、自分を抑圧してしまう」と本田教授は指摘する

実際、学校現場で求められる感染症対策に、子供たちは従順だという。大阪府内の複数の公立小中学校長は「子供たちは文句も言わず、感染対策に協力してくれる」と口をそろえる。

だが、ストレスのサインが表面化しないわけではない。子供たちのストレスサインは、朝起きるのが少し遅い▽甘い物ばかり食べるようになった▽大人に気を使っている-など、小さな変化として現れるという。

変化に気づいた保護者は、どうすればいいのか。本田教授は「話を聞いて共感を示し、まず背景にある『悔しい』『寂しい』などの感情を受け止めて」とし、「解決策は子供が決めるので、保護者からは提示しない」ことを挙げた。毎日の登校や宿題、感染対策など、当たり前にできていることに「頑張っているね」「ありがとう」と伝えることも大切という。

相談先はある
大阪母子医療センター子どものこころの診療科の平山哲医師は、コロナ禍での子供たちは「心のエネルギーがたまりにくい状態にある」と話す。「心のエネルギー」は人とのコミュニケ-ションや遊びなど、心が前向きに動くことで生まれるといい、「給食時間に友達と話せず、遊び方も制限される状況が続き、終わりが見えないことが、ボディーブローのように小さなダメージとして蓄積している」という。

そこで、平山医師がアドバイスするのが、外では制約されるコミュニケーションを、家庭でこそ意識的にとることだ。その日の出来事や面白かったテレビ番組などについて、保護者から会話を投げかける。子供が学校の話をしなくなれば、「『今日の給食のお肉は豚だった?牛だった?』など、感想ではなく経験した事実を、会話の入り口にしては」。

子供のストレスは保護者にとっても不安で、対処に悩むもの。各自治体にはスクールカウンセラーや精神保健福祉センターなどの相談窓口がある。自治体のホームページでも紹介されており、平山医師は「相談先があることを知ってほしい。それだけでも気持ちが違うはずだ」としている。

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「心のエネルギー」は人とのコミュニケ-ションや遊びなど、心が前向きに動くことで生まれる・・・という平山医師の説はその通りだと思います。知識やスキルを学ぶのは、それを遊びや生活で生かすから意味があります。実際のリアルな場面がなければ、その必要にも気が付きませんし、言われたからやっているという受け身の自分が際立つだけです。

子ども時代の遊び友達の存在は何にも変えがたいものです。そこから冒険心や挑戦心や競争心や、いたわりやねぎらいや優しさという、より良い自分を目指すエネルギーがわいてきます。すべてがそこから始まるからです。友達から語らいや遊びを抜けば何も残らないと言っても言い過ぎではないように思います。それを失うような予防が必要な風邪ではないし、少なくとも普段のインフルエンザと比較しても子どもの感染死亡事例もない軽度の症状なのですから、ふざけ合う事もできないような過剰な予防を子どもに強いる必要は全くないと思います。

小学校全学年の35人学級を実現

35人学級に、学校現場は満足しているわけではない

前屋毅 | フリージャーナリスト
3/4(木) 7:00【Yahoo News】

小学校全学年の35人学級を実現するための国費を盛り込んだ2021年度予算が、3月2日の衆院本会議で可決された。いよいよ本格的に少人数学級への取り組みが動きだすことになる。しかし、それで終わりではない。

新型コロナウイルス感染症(新型コロナ)の感染予防のために、少人数学級への要望が高まった。教室での密状態を避けるためだ。そして実に約40年ぶりに学級規模の引き下げが実施されることになった。その経緯から、少人数学級は新型コロナ対策だけのため、とおもわれがちである。もちろん、その目的もあるが、それ以外にも大きな目的があることを忘れてはならない。

なぜ、少人数学級の実現が必要なのか。それを理解するには、現場の教員の声に耳を傾けるのがいちばんだ。『もっと!少人数学級』(旬報社)には、少人数学級を体験した教員たちの思いも綴られている。

たとえば小学校教員の高橋公平さんは、「クラスの人数が少ないと授業中よく『喋る』と感じます。もちろん学習に無関係なおしゃべりではなく、授業の課題解決の場面や行事の縦割りの異学年交流などでも一人ひとりができることを進めようという想いがあると思います」と書く。

そして、「教師と子ども、子どもたち同士のかかわりの『濃さ』が、子ども一人ひとりの主体性を伸ばしているのだと考えています。『主体的・対話的で深い学び』につながる子どもたちの姿ではないでしょうか」と続ける。

佐藤光音さんは、中学の教員としてクラス全員が帰りの会で作文を読み合うという実践経験を書いている。その活動のなかで、「ともすれば落ちこぼれ」になりそうな子がクラスの人気者になっていく。

作文をとおして、クラスの子たちが彼に対する理解を深めていった結果だそうだ。大勢のクラスだと、それは難しいかもしれない。佐藤さんは、次のように書いている。

「人数が半分になれば一人ひとりの声を聞く機会が倍になり、それぞれの個性を互いに理解する深さが深まります」

少人数学級では人と人との物理的距離は離れるが、精神的距離は近づく。子どもたちの成長にとっては、はかりしれない「効果」をもたらす。

もちろん、授業も充実する。佐藤さんは、「例えば、机間巡視。人数が少なければ一周回るのにかかる時間が大きく変わります」と書く。教員が子ども1人あたりに目を配れる時間が、クラスの人数が少なければ少ないほど多くなるというのだ。それは、学習効果にも大きく影響してくるだろう。

いよいよスタートする35人学級で、こういうことが実現されていくのだろうか。あまり期待しすぎないほうがいいかもしれない。

先の佐藤さんの話も、実は25人学級での経験なのだ。佐藤さんは33人学級での経験もあるが、「33人学級で同じように作文の読み合いをしてもここまでの深まりにはたどり着くことはできませんでした」と書く。

約40年ぶりに引き下げられて35人学級になっても、まだまだ学級単位としては大きすぎるのだ。子どもたちが大きく成長し、学習効果も上げていくためにも、35人に留まらず、さらなる少人数学級の実現が必要なのだ。

同書のなかで山﨑洋介さん(ゆとりある教育を求め全国の教育条件を調べる会)は、「約11万人の教員、国・地方合わせて約1兆円の追加予算」で20人学級が実現できると述べている。学級人数を毎年度1人ずつ引き下げていって15年間で20人学級を実現し、その間に教員養成と教室など施設の確保もすすめていく、と具体的な方策も提言している。

35人学級がスタートするといっても、それがゴールではない。さらなる少人数学級を実現していかなければ、子どもたちのためにはならない。

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学校定数法では、35人を超えれば学級を分割して最低18人のクラスができるという仕組みです。つまり最高35人のクラスもあれば最低18人クラスもあるという制度で、平均すれば26.5人になるのです(現在の平均は30人)。記事にあるように最も教育効果が上がったと教員が感じられたのは22人なら30人学級にしないとその平均値は得られないのです。OECD加盟国の1学級の平均が21人なので、先進国標準の定員は26人です。

学級定員が減っても学力には大きな差はないという研究者もいますが、公費だけで教育費を賄う先進国と、私費を費やす日本では簡単に比較できません。日本の子どもたちはPISAでは比較的上位にいます。しかし、自己肯定感や幸福度、他者を助けた経験など、いわゆる「非認知能力」に関する調査結果は、諸外国と比べ明らかに低いのです成績以外のところで格差は生じているようにも感じます。学級定員を減らすのは武漢風邪の感染防止策などとケチなことを言わずに、中学校も含めて世界のトップ水準に教育水準を引き上げるとは言えないものでしょうか。

 

下着「白」を6割が指定

下着「白」を6割が指定 長崎 県立高校と国公立中学校

2021年3月5日 6時42分 【NHK】

長崎県内の県立高校と国公立中学校の6割が校則などで、下着の色を「白」に指定していることがわかり、県教育委員会は、色の指定やそれを確認する行為は人権問題になりかねないとして、見直しを求める通知を出しました。

長崎県の関係者によりますと、学校の校則や指導の在り方が全国で議論になる中、県教育委員会が県立高校と県内の国公立中学校の合わせて238校を対象に、校則や指導の際の基準となる「学校のきまり」について調査した結果、全体の58%に当たる138校が下着の色を「白」に指定していることがわかりました。

県教育委員会は、下着の色の指定や下着を確認する行為を例に挙げたうえで、校則などの中には人権問題になりかねない内容や、生徒の実情、社会を取り巻く環境の変化になじまないものが散見されるとして、今月2日付けで県立学校宛てに校則の確認や見直しを求める通知を出すとともに、各市や町の教育委員会などにも同じ文書を送りました。

また、今回の通知では、校則の見直しにあたっては生徒が話し合う機会を設けたり、保護者にアンケートを行ったりするなど、生徒や保護者が何らかの形で参加できるように工夫することも求めています。
県教育庁「かなり前につくられた校則か」
県教育庁の児童生徒支援課はNHKの取材に対し「学校が荒れていた時代に、風紀を守るために下着の色を『白』にそろえることになったと記憶している。かなり前につくられた校則がいまだに残っているのだと思う」と話しています。

そのうえで「人権問題の観点や時代が変わっていく中で、それに則した校則の見直しを積極的に検討していく必要があると考えている。通知を受けて、各学校で見直してほしい」と話しています。

女子中学生「下着の色を確認されるのも嫌」
みずからが通う学校では「学校のきまり」で下着の色が「白」に指定され、着替えに合わせて定期的に下着の色の確認が行われているという女子中学生が、NHKの取材に匿名で応じました。

この女子中学生は「体育の授業で着替える時に女性の先生が教室にいて『下着は白じゃないとだめだよ』と言われることがある。人それぞれ買いたい下着の色やサイズも違うので、店によっては白ではない色しか売っていない場合もあり、今の時代に白だけというのはちょっとどうかなと思う。下着の色を確認されるというのも嫌なので、白だけというルールは変わってほしい。授業では白以外の下着を着ていても支障はないし、むしろ白ではないほうが下着も透けないと思う」と話しています。

専門家「方法によっては人権的にも問題」
長崎県内の教育現場にくわしい長崎大学教育学部の池谷和子准教授は「下着の色に関してまで細かく校則で規定する必要はないのではないか。下着を実際に確認する行為もあるので、それがいったいどのように行われているのか、方法によっては人権的にも問題になってくる」と指摘しています。

そのうえで、池谷准教授は「生徒には『校則があるからただ従う』というのではなく、どうして制限がかかっているのか、その必要性を理解し、将来的には自分で判断できるように成長してほしい。学校には教育機関として子どもたちにそういうことを考えさせる機会を作り、子どもたちの要望によっては、果たしてこの制限がいま現在の社会で本当に必要なのか判断していくことが重要だ」と話しています。

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長崎は武漢風邪の感染防止アプリ(健康状態集約アプリ: 02/05) で先進的な働きを以前紹介しただけに、ショックです。穿った見方をすると、県民は子どもの頃から管理慣れしているのでこのアプリも平気だったのかなと妙な想像をしてしまいます。長崎の学校は何時代なんでしょう。先日の大阪府立高校の頭髪色不登校賠償裁判では学校の裁量権が広く認められたのですが、こういう事は裁判にはなじまず大人側のセンスの問題なのだと思います。いつの時代も古いものは排斥され、未来の世の中では笑い話になるのですが、「服装の乱れは心の乱れ」と本気で考えている人にはなかなか通じません。

めざせ甲子園

めざせ甲子園、知的障害ある生徒の挑戦元プロ選手協力

2021年3月7日 13時00分【朝日新聞デジタル】

【東京】知的障害のある生徒たちが硬式野球部として挑戦するのを支援する「甲子園夢プロジェクト」が6日、発足した。特別支援学校に通う全国の生徒に呼びかけ、元プロ野球選手らが協力して指導にあたる。球児たちの聖地・甲子園へ――。夢につながる第一歩だ。


発案したのは東京都立中野特別支援学校(中野区)の主任教諭、久保田浩司さん(55)。これまで知的障害のある子どもたちにソフトボールなどの指導をしてきた。6日にあった記者会見で、「野球の指導を通して、生徒たちに夢を見させてあげたいし、自信を持たせてあげたい」。指導に協力する元ロッテ投手の荻野忠寛さん(38)は「うまくなりたい思いのある子の力になりたい」と話した。

荻野さんのほか、社会人野球の経験者も指導に加わる。参加者が集まれば今月下旬にも第1回の練習を行い、その後も定期的に実施する予定。コロナ禍のため、オンラインによる指導も検討中だ。

久保田さんは元球児。日本体育大でも野球を続け、教員になって都立高校を甲子園に導くのが夢だった。配属されたのは軽度の知的障害のある生徒が通う養護学校。思い描いていた学校と違い、戸惑った。

転機となったのは3年目。「野球クラブ」の顧問を任された。ソフトボールを教える中で、「キャッチボールを教えてほしい」と頼まれた。ボールの握り方や腕の振り方、足のステップなどを身ぶり手ぶりで基礎から教えた。1時間ほど指導すると、約30メートルをまっすぐ投げられた。「その子は跳び上がるくらい喜んでね。障害があっても、きちんと伝えればできるんだ、と」。今でも忘れられない体験が、新たな夢をはぐくむきっかけになった。

練習は手探りだった。打者がどちらに走るか分かるように自分が一塁ベースで待っていたり、打者と一緒に一塁まで走ったり。ルールを知らない生徒の目線にたって、分かるように教えた。その後異動で何度か勤務先が変わったが、チームを都の特別支援学校の大会でたびたび優勝に導いた。

プロジェクトの将来的な目標は、特別支援学校の大会ではなく公式戦への出場だ。参加した生徒がそれぞれの特別支援学校で出場をめざす。2016年には、鹿児島県で特別支援学校の生徒が初めて、夏の地方大会に出場している。この時は連合チームだった。「甲子園をめざし、夢を追いかけることのすばらしさを伝えたい」と久保田さん。「教員生活最後の夢として、自分にしかできないことにチャレンジしたい」(野田枝里子)

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特別支援学校の高等部生のソフトボールチームはだいたいどの学校にもあります。年1回府下・県下の支援学校対抗戦もあり、その日は選手も応援者も結構盛り上がります。たしかに、試合としては外野に打たれると、連係プレーができないのでほぼ塁に出られてしまい、ピッチャーの玉の速さで勝負が決まりやすいです。

高等部の軽度知的障害の子どもと言いますが、軽度知的障害だけの子どもは野球がそこそこ上手な子が多いのです。高等部は知的な障害のある人を対象としていますが、中学校で特別支援学級在籍籍者は高等部に入学できるので、知的には遅れのない発達障害の子どももいます。この子たちの中に不器用であったり、対人プレーが下手な生徒が多いのです。

そもそも、集団ゲームの楽しさも、下手糞ゆえに学びそびれてきています。サッカーなどは味方も敵も動くので難しいですが、野球は玉がまっすぐに投げられ守備ができれば参加できます。野球の楽しさ、スポーツの楽しさを経験するのは子どもの大切な権利だと思います。

 

 

東芝が特別支援学校にラグビーボール進呈

東芝が特別支援学校にボール贈呈 大野均氏「もう一度ラグビーの素晴らしさ思い出して」

2021年3月8日 14:42 【スポニチアネックス】

ラグビートップリーグ(TL)の東芝は8日、活動拠点のある東京都府中市にある特別支援学校・東京都立府中けやきの森学園にラグビーボール15個を贈呈し、普及担当を務める元日本代表ロックの大野均氏(42)が贈呈式に出席した。

東芝が同市内の特別支援学校にボールを贈るのは、今回が3校目。生徒2人にボールを直接手渡した大野氏は「19年のW杯で日本中が盛り上がり、元気や勇気をもらったという声をたくさんいただいた。昨年はトップリーグが中止となり、日本代表も試合ができなかったが、もう一度ラグビーの素晴らしさ、面白さを思い出してもらうために、寄贈させていただく」とあいさつ。新型コロナの影響で、ラグビーを通じた生徒との交流はできなかったが、「いつか交流したいと思う」と話した。

この活動は東芝にジャージーを供給するカンタベリーオブニュージーランドジャパンが昨年4月から全国約3500の小学校にラグビーボールを寄贈したことに合わせ、東芝独自で始めたもの。新型コロナの影響で、ラグビーに触れる機会が少なくなっている子どもたちにとっては、最高のプレゼントとなりそうだ。

福島県郡山市出身の大野氏は、まもなく東日本大震災から10年の節目を迎える故郷に対しても「10年が経過し、復興が進んでいると思われがちだが、まだ支援が必要な人たちがいる。コロナの中出なかなか明るい話題がないが、少しでもラグビーを通じて元気を届けていきたい」と語った。「個人として、福島にもラグビーボールを届けられたらいいと思う」とも話し、時期を見て普及活動に乗り出す考えも示した。

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ラグビー新リーグ準備室長退任 背景にチーム側の不満

2021年3月5日 7時00分【朝日新聞デジタル】

2022年1月に開幕する予定のラグビー・新リーグについて、新リーグ法人準備室長として制度設計を担当してきた谷口真由美・日本ラグビー協会理事が、同室長の職から退いていたことが複数の関係者への取材でわかった。

新たな室長は岩渕健輔専務理事が務めている。

この人事は、2月17日の日本協会理事会で報告されていた。谷口理事は、参加25チームの1~3部への振り分けを担う審査委員長については留任する。

新リーグは、03年に始まったトップリーグを発展的に解消し、試合の運営権を日本協会から各チームに委譲するなどして運営の「プロ化」を目指している。

複数の関係者によると、過去の成績や日本ラグビーへの貢献度ではなく、新リーグに向けた各チームの事業計画を重視して準備を進めてきた谷口理事ら審査委に対する一部チームの不満が高まり、今回の退任につながったとみられる。

新リーグにはトップリーグ16チーム、下部リーグ9チームの計25チームが参加を表明。6月には1部12チーム、2部7チーム、3部6チームの振り分けが決まる予定だ。

4月にはリーグの運営を担う法人が発足する。

法学者の谷口理事は父が近鉄の元選手・コーチで、大阪・花園ラグビー場内の寮で幼少期を過ごした。そうした縁もあり、19年6月から日本協会理事に就いている。

新リーグの準備は当初、元ヤマハ発動機監督の清宮克幸副会長が担っていたが、企業スポーツの枠を超えた構想、強引とも取れる手法に反発が相次ぎ、20年1月から谷口理事が新リーグ法人準備室長を務めていた。

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ワールドカップで子どもたちに夢を与えたラグビーですが、この間、元会長や次期会長のごたごたで協会内のガバナンスはうまくいっていないようです。今回のリーグ発足も興行主体がプロでもなくアマでもなく中途半端で良くわからないのでもめているようです。

それはさておき、ラグビーボール15個進呈で記事になるということは、特別支援学校の中ではラグビーがいかにマイナーゲームかということです。ラグビーのルールは前にパスしない、ボールを持たない人にタックルはしないという二つのルールだけなので単純でわかりやすいと思うのですが、どうしても乱暴に見えたり危険に見えるということで流行らないようです。

 

ドラマ朝顔

『監察医 朝顔』3・11に向けストーリー変更「今、捜している方がいるからこそ」 - 東日本大震災10年

2021/03/08 06:00【マイナビニュース】

フジテレビ系月9ドラマ『監察医 朝顔』(毎週月曜21:00~)は、上野樹里演じる主人公が東日本大震災で母を失い、遺体すら見つからないという設定で、それをめぐる父娘や祖父たちの心の葛藤を、物語の大きな柱として描いている。

何度も被災地を訪れ、作品を紡ぎあげてきた金城綾香プロデューサーに、今作に込めた思いや、役作りを超えて被災地と向き合う上野の姿などについて、話を聞いた――。

■遺体が行方不明…“無い”悲しさを描く
――原作では、主人公の母は阪神大震災で亡くなったという設定でしたが、第1シーズン(2019年放送)で、東日本大震災から8年後に舞台を置き換えられました。改めてこの狙いは何でしょうか?

私は出身が兵庫で、小学1年生で阪神大震災を経験しまして、もちろん全てではないのですが、8年経った時は街として立ち上がっていたイメージがあったんです。でも、3・11に置き換えようと思って調べたら、8年経ってもまだ立ち上がってる途中でいらっしゃると知って、津波の恐ろしさをあらためて実感しました。それをどう表現したらいいんだと思ったときに、毎回解剖するご遺体と向き合う親子にとって、最愛のお母さん・奥さんの遺体が見つかっていない、“無い”悲しさをドラマで扱ってみるのはどうかと考えました。

また、「亡くなったかどうか分からない」という“不明確”なものを、ドラマではあまり扱わない印象だったので、脚本家さんにも相談してあえてやってみることになりました。この悲しさは、私たちには到底想像が及ばないところなので、手探りではありました。

――第1シーズンで1クールを経て、現在の第2シーズンで2クールというロングランで制作されてきましたが、その間、被災地にたびたび訪れて、交流を続けていますよね。

2年にわたって何度か陸前高田市(岩手県)を訪れたり、周辺の都市にも伺ったり、第2シーズンの前には去年の1月に宮城県の海辺の都市で船を使って遺体を捜索されているチームにお話を聞いたりと、ドラマの制作にあたっていろんなところに行きました。

陸前高田は、最初に訪れてから1年、2年と経っていくと、工事現場だったところに野球場や建物がどんどんできたりして、変化を感じますね。10年という節目は、国からの支援が1段階下がってしまうというのもあるようで、急ピッチで街づくりが進められているさまを見ていると、もともと震災から10年の3月を第2シーズンの最後に迎える予定ではなかったので、不思議なめぐり合わせを感じますし、このテーマに挑戦して良かったなと思えます。

――被災地を取材されて、どのような部分をドラマに反映されたのでしょうか?

特に第1シーズンでは、遺体安置所を描きましたので、規模感やそこにどんな方がいらっしゃったのかなど、大変参考にさせていただきました。また、第1シーズンで風間(俊介)さんが「遺体安置所にいたのは自分だったのかもしれない」と話すシーンは、実際に取材した方のお言葉をそのまま使用させていただきました。


以下略
https://news.mynavi.jp/article/20210308-asagao/2

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最近、月曜日の夜はドラマ朝顔でボロボロになっています。なんで月曜の夜からこんなに泣かせるかなぁとティッシュが足りません。朝顔の父役時任三郎が妻の遺骨探しで震災後の沼地に十年も通う日々、どんどん認知症が進む自分に焦る姿に胸が痛みます。祖父役の柄本明は沼で見つけた娘のハンカチの側にあった人の奥歯を娘と信じ込めずにDNA鑑定を法医学者の朝顔に託します。祖父に母だと嘘がつけなくて悩んでいた朝顔に、青森の漁師が本物の遺骨を見つけてくれます。小さな遺骨を抱えた朝顔からカメラはチルトアップして雪空を映します。

末期ガンの祖父のベッドで祖父と父と朝顔で母親の白い白い指の遺骨を囲む家族の姿、ミシ#ドの和音が耳につくアルペジオで始まる折坂悠太のテーマソングがゆっくり流れだすと、もう心はボロボロです。エンディングがとても長く、涙腺刺激量が半端ないです。明日、3月11日。10年たってもまだ見つからぬ身内を想う方々へ、哀悼の意を表します。

折坂悠太「朝顔」歌詞

ねえ どこにいたの 窓辺には空白んで
僕につげる 「また巡り逢うよ」と

真新しい街に 海鳴りがきこえて
手を振る誰かが 笑っている

ここに 願う 願う 願う
君が朝を愛するように
ここに 願う 願う 願う
その庭を選び今に咲く、花!

最後に ひとつ 聞きそびれた事
ふと呟いてる「あの日なぜ逢えたの?」

お祭囃子の 人波の向こうで
手招く誰かを 覚えている

ここに 願う 願う 願う
君が朝をおそれぬように
ここに 願う 願う 願う
その窓を選び降り注ぐ

ねえ この辺りも変わったよ
また何処かであがる産声を 待ちわびて

ここに 願う 願う 願う
君が朝を愛するように
ここに 願う 願う 願う
その庭を選び今に咲く

ここに 願う 願う 願う
暗闇に呼んだその名を
胸にきつく抱き 願う
物語は続く この僕に
ほら今に咲く、花!


「色はなんか? 」
「群青!淡紅!」
「そりゃ結構」
「そりゃ上々」

Source: https://www.lyrical-nonsense.com/lyrics/yuta-orisaka/asagao/

 

震災から10年

震災から10年若者へどう継承【鳥取】

2021年3月11日 10時00分【朝日新聞デジタル】

岩手県釜石市鵜住居(うのすまい)地区にある釜石祈りのパーク。東日本大震災で関連死を含めた1千人以上の犠牲者の名前が刻まれた慰霊碑の前で、8日、鳥取大学地域学部の2年生の森田恒志郎さん(20)、小川颯真さん(21)、青木蓮音さん(20)が、一人一人の名前をなぞるように見つめていた。そして、何人分も刻まれた「キクチ」という名前のところでじっと目をとめた。

「ここで本当に人が亡くなったんやってわかった」。森田さんはそう振り返った。

7~10日の日程で、同学部の1、2年生7人が津波の被害が甚大だった岩手県、宮城県の沿岸部を、地域フィールド演習の一環で訪れていた。

「キクチ」とは、その日の朝、たまたま立ち寄ったお土産店の女性の名字。「大学生?どこから来たの?」といった何げない会話の流れから、女性の弟が震災で亡くなったと聞いたのだった。

別れ際、女性から「おばちゃんが何かうるさいこと言ってたな、なんて思わんでね」。青木さんは「キクチさんの記憶を、次は僕らの記憶としても残していく」。小川さんは「記録と記憶は違う。記憶なら忘れない。記憶は人を動かす。そしてその記憶を伝えたい人がいる」と痛感した。

10年前の3月11日午後2時46分、多くの人の運命が狂った。キクチさんもその中の一人。決して深いつながりを持ったわけではないが、これから先の3月11日、きっとあの女性の顔を思い出す。自分たちの中では、風化することのない日になる気がしている。


松江市嫁島町の会議室に2月、県内の高校生25人を含む計約50人が集まった。震災発生当時にまだ幼かった人たちに震災の記憶を継承しようと、松江ライオンズクラブが主催し、岩手県陸前高田市の市役所とリモートで結んだ講習会だ。

ライオンズクラブの山田さおりさん(47)が中心となって企画した。昨年、発生から10年という節目を忘れている自分に気がついた。「あれだけ衝撃を受け心を痛めていたのに、自分の中に風化を感じた」と山田さん。当時の状況を知らない若者であればなおさらのはずと感じた。

現地の生の声を聞けばニュースでしか見たことのない被災地の姿もきっと見え方が変わると、昨年11月、災害派遣にあたった松江市職員やカメラマンとともに陸前高田市を訪れ取材を重ね、講習会を実現させた。

当日、同市の戸羽太市長は「被害を減らすためには一人一人が備えることが大事。大人と子どもの両方を動かすことのできる高校生のみなさんが自らの行動で示して欲しい」と訴えた。長男を津波で亡くした女性の話も聞いた。

松江工業高校1年の福留爽太さんは「『その時』に備えて日常を生きる大切さを知った」。松江北高校2年の野浪くるみさんは「高校生にもできることがある。自分より下の小中学生にも防災の大切さを教えていきたい」と思いを受け取った。


発達障害のある子どもの家族や支援者らでつくる島根県の「ウルトラの母の会」は昨年2月、発達障害がある若者らを含む10人で東日本大震災の津波で児童74人が犠牲になった宮城県石巻市立大川小学校を訪問。遺族の案内で校舎や裏山を巡った。

放課後デイサービスで障害のある子どもたちを支援する河上香さん(55)は「適切な判断がその場に立ってできるかは分からない。突然の災害で固まってしまう子どももいるので、実際におんぶして避難する訓練もしなければいけない」と難しさを語った。

同会事務局で中学教諭の大山英子さん(60)は「まずは自分の命を守れる人になって欲しいというのが、親の願い。すべての人が『その時』に何をすべきかという意識を持つことが大切だ」と話す。

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圧倒的な自然災害の前では人は何もできないです。だからこそ、防災・減災のための準備に手を尽くします。海沿いでは津波に対する避難の速さでしょうが、内陸では地震による交通・通信というインフラ遮断への備えです。震度が圧倒的に巨大であれば、救援までの日数が長くかかります。最低1週間生存可能な防災準備をと専門家は言います。

この際に、最も恐れないといけないのは自然の猛威ではなく、人間の心理だと言います。自分にとって何らかの被害が予想される状況下にあっても、それを正常な日常生活の延長上の出来事として捉え、都合の悪い情報を無視したり、「自分は大丈夫」「今回は大丈夫」「まだ大丈夫」などと過小評価をして被害にあう 「正常化の偏見」、「恒常性バイアス」です。災害の芽は全員の心の中にありそれを摘むのは管理者やリーダーの決断一つだと、命を預かる事業として戒めていこうと思います。

自粛生活万歳!

自粛生活万歳!帰省、授業参観、運動会からの解放で喜ぶ女性たち

2021年3月11日 16:00【マネーポストWEB】

コロナ禍で、飲み会などの人が集まるイベントや、家族ぐるみの行事が軒並み中止されることを嘆く声は多い。しかしその裏で、密かに胸をなで下ろした人もいる。

実際、女性セブン読者約2000人を対象にしたアンケートでは、飲み会、季節の行事、子供関連のイベントなどが中止されたことについて、「中止や自粛のままでいい」「大きな声では言えないけれどありがたい」といった意見も多かった。

同アンケート結果でもっとも多かったのは、忘年会や新年会など「会社や仲間内での飲み会」が中止になってよかったという声。次いで、「帰省」がなくなったことを喜ぶ人も多かった。夫の実家に帰らなければならない女性の立場であれば、たしかに納得かもしれない。時事問題や日常の出来事を独自の視点でつぶやき、ツイッターのフォロワー数が18万人を超えるエッセイスト・深爪さんが明かす。

「周囲のママさんからも『夫の実家に毎年帰省するのは気が重かった』という声は多く上がっています。『コロナをうつしたら大変だから』と言って取りやめれば、老親を気遣う心優しい嫁のフリもできて一石二鳥です」

意外なところでは「授業参観」や「運動会」など、子供の学校行事をあげる人も多かった。とはいっても、それも母親ならではの事情から。深爪さんが解説する。

「授業参観がリモートになったから、苦手なママさんと顔を合わせることもなく、家でパジャマのままポテチをかじりながら、わが子の様子を見られるから最高です。近所の小学校では運動会も午前中のみ開催。観覧は2人までと縮小されましたが、これも『弁当をつくらない運動会、素晴らしい』『孫の行事に親より張り切る面倒くさい義両親を体よく断れてありがたい』と親たちは絶賛の嵐。学校、やればできるじゃん、と思いましたよ(笑い)」

ほかにも「ハロウィンがなくなって家の周辺の騒音に悩まされることが減った」(30才・兵庫)、「家の近くで祭りがあるが毎年、人も車もいっぱいで正直うるさかった」(52才・愛媛)、「私が外れたライブのチケットに当たったという人のSNSを見て悔しい思いをしていたが、そのライブが中止になって、気持ちが落ち着いた」(45才・岩手)など、間接的な理由で心の安寧を取り戻した人もいる。エッセイストの紫原明子さんが解説する。

「自粛によって焦燥感から解放されたという人は多い。インスタグラムに投稿されたバーベキューや花火大会の様子を見て、『どこにも出かけない自分はなんてつまらない生活なんだろう、何か楽しそうな投稿をしなければ』という強迫観念に駆られていた人たちは一様に“何に焦っていたんだろう”と楽になったと語っています。

不登校に悩む親子も一緒で、学校が休校になったりオンライン授業に切り替わったりしたことで後ろめたさがなくなり、健やかな気持ちになったケースも。なかには自粛を経て、学校に通えるようになったという声もありました。自粛生活に解放感を覚えた人の共通点は、“みんな同じでないといけない”という同調圧力に窮屈さを感じたという点です」

心理カウンセラーの高見綾さんは「今後、イベントや行事への参加を断るという選択肢がさらに受け入れられやすくなる」と予測する。

「スーパーでわざわざ使い捨て手袋をつけて買い物をする人がいれば、そこまで気にしない人もいる。外出自粛中に旅行に行く人もいれば、旅行どころか近所にすら出たがらず、引きこもる人もいる。コロナ禍は“一人ひとりの感覚はこれほどまでに違うのだ”ということをあぶり出しました。

その結果、“自分と他人の感覚は違って当たり前なのだ”ということに多くの人が気づき始めました。みんなが参加する行事を断るような、以前なら“人と違う”と白い目で見られていた選択肢も、受け入れられやすい状況になってきたといえるでしょう」

※女性セブン2021年3月18日号

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みんなに合わせなくていい。それだけでホッとする。ということはこれまでの日常がどれだけ女性にとってストレスフルだったのかという裏返しです。男性でも、自粛で楽になったと感じることもありますが、女性ほどは感じないような気がします。飲み会の付き合いについては総務省の女性高級官僚が決して飲み会を断らないことで、男性受けが良かったと言います。結局、ストレスに強い人間が生き残るサバイバル社会ということだと思います。でも、家庭生活はのんびり周囲に気兼ねせずに過ごしたいというのは誰でも同じだと思います。そこから、本当に交わりたい仲間との交流や友情が生まれてほしいとも思います。自己決定・自己選択の尊重は自尊感情と表裏一体です。

ミクシィが中学生にプログラミング教えるワケ

ミクシィが中学生にプログラミング教えるワケ 「民間の力」に頼れる学校とそうでない学校の差

2021/03/12【東洋経済】

教育に関心のある経営者や教育に貢献したいと考える企業は多いが、米国などと比較すると、学校教育と産業界の連携はいまだに不十分といえる。まさにプログラミングは、学校よりも企業のほうがノウハウが豊富だが、うまく連携できている学校は少ない。渋谷区の鉢山中学校と、区内の全中学校でプログラミングを教えるミクシィに、学校と企業が連携して授業を行うメリットについて聞いた。

「公民連携」で質を向上させながら持続的な行政サービスを提供
渋谷区は「公民連携」を大きなテーマとしている。財源が豊かな自治体に見えるかもしれないが、財源の多くは住民税であり、その時々の景気の動向などに大きな影響を受けやすい。行政コストを抑えながら、多様化・高度化する地域課題の解消を図るには、区内に拠点を置く企業や大学などと連携して取り組んでいく必要がある。民間企業などが持つ技術やノウハウを生かして、質の維持・向上を図り、効率的かつ持続的な行政サービスを提供していくためだ。

教育分野も、その1つである。とくに渋谷区は、「ビットバレー」と称されるとおり、IT企業が数多く集積している。かねて教育のICT化に力を入れているが、当初から「渋谷区ならではのリソースを探る中で、ITを柱の1つに据え、企業との協議を重ねてきた。国内外からスタートアップを集めて連携する、それこそが渋谷区が生き抜くことができる道」(長谷部健渋谷区長)と考えてきたのだ。

2019年には、渋谷区教育委員会と東急、サイバーエージェント、ディー・エヌ・エー(DeNA)、GMOインターネット、ミクシィの6者が「プログラミング教育事業に関する協定」を締結し、「Kids VALLEY 未来の学びプロジェクト」をスタートさせている。東急が行政や教育機関、IT企業などをつなぐハブになり、渋谷区教育委員会がカリキュラム開発に当たっての教育課程上の助言と学校との橋渡しを行う。そしてIT企業4社は、渋谷区の小中学校に対して各社が開発したプログラミング授業の提供や講師、サポートスタッフの派遣などを通じて、プログラミング教育の支援を行うというものだ。

プログラミング教育は、20年度に小学校で必修化され、21年度には中学校の技術・家庭科で拡充が予定されている。だが、いまだに苦手意識や不安を抱く教員は多く、手探り状態であることは否めない。そこで文部科学省は、プログラミング技術を持つ企業や大学、地域の協力を得て、教員の授業支援や講師として指導してもらうことを勧めているが、渋谷区のように複数企業と教育委員会が提携してプログラミング教育を実施している自治体は珍しい。

鉢山中では全校生徒に全3回の必修授業を実施
一方、IT企業4社は、それぞれの得意分野を生かした支援を行っている。その1つであるミクシィは、SNSの草分けであり「モンスターストライク」などのゲーム開発を手がけることから自社で豊富にプログラマーを抱えている。そこで、コードを自分で入力するテキストプログラミングに挑戦するなど、プログラミングの難易度が上がる中学校の支援を担当しているという。

20年度ミクシィは、8つある区立中学校の全校を対象に、独自開発のオリジナルプログラミング教育アプリを使った講座を実施。その中でも、理数教育重点校となっている鉢山中学校(以下、鉢山中)では、3学年それぞれの「総合」の時間を使って全校生徒約100人に全3回の必修授業を行った。講師はミクシィの技術者で、サポートスタッフも指導に入る。

鉢山中学校で行われたミクシィのプログラミング授業。講師はミクシィの技術者で、サポートスタッフも指導に入る
1回目はプログラミング教育の基本で、ゲームキャラクターに意図した動作をさせることを目的に命令の出し方、つまりプログラミング的思考とプログラムでの具体的な表し方を学ぶ。2回目はプログラミングで作図を行うもので、コンピューターにおける画像データの仕組み、プログラムでの作図の示し方を学んだ後、実際に直線や円、楕円、星形を描く。3回目は時間の経過に応じてアニメーションするプログラミングの方法を学び、課題のコードをまねてそれぞれ再現や加工に挑戦した。

講師やサポートスタッフに質問したり友達に相談しながら、生徒はどんどん課題をこなしていく
実際の授業を見て驚くのは、冒頭の説明は短く簡単なもので、生徒は1人1台のタブレットを使ってどんどん課題をこなしていくことだ。手元に配られた資料を頼りに、時に講師やサポートスタッフに質問したり友達に相談しながら進めていく。例えば、画面上でポインターを動かして始点と終点を決め、ガイドに示された図形を選ぶだけで簡単に図が描ける。図形の横にスクリプトも表示されるため、要領をつかむと直接スクリプト上でテキストを書き換えて色や角度、大きさを変えたり、直接コードを書き込む生徒も出てくるといった具合だ。

渋谷区立鉢山中学校 教諭 松澤貴幸(まつざわ・たかゆき)
「生徒は、われわれが思っている以上にできます。今日の授業は難しいと思っても、1つ教えると2、3、4、5になって返ってきます。普段の授業で、それはなかなかありません」と話すのは、鉢山中でICT担当を務める松澤貴幸先生だ。

鉢山中では19年度も、放課後のクラブ活動の一環として、希望者を対象にしたプログラミング体験学習をミクシィの支援のもと実施した。区内で唯一の取り組みだったが、習い事などで参加できない生徒もいて、授業内で実施できないか模索していたという。理数教育重点校でもあることから、単発ではなく継続的な取り組みとして全生徒に行いたいと考えたからだ。

だが、その後の新型コロナウイルスの感染拡大もあり、20年度上期はミクシィが作ったウェブサイト構築やプログラミングの基礎を学ぶことができる自宅学習用テキストを生徒に配付けするにとどまった。下期の全3回の必修授業は、理数教育重点校として念願の授業だったというわけだ。

生徒は知らずに触っていてもだんだんとルールがわかってくる
「渋谷区では17年9月に1人1台タブレットが整備され、昨年8月に全端末がSurfaceに替わりました。当初から“使い倒してほしい”ということで、生徒には自宅に持ち帰って家庭学習を含めてタブレットを使ってもらっています。子どもたちはデジタルネイティブで使い慣れており、今までやってきたこともタブレットでできないか検討を重ねています。通常の授業では難しいことが、企業がいることでできると実感しており、このまま理数教育重点校の柱としてプログラミング教育に力を入れていきたいと考えています」(松澤先生)

プログラミングの授業については、もちろん教育委員会から方向性の提示があるものの、学校側の要望もミクシィに伝えて内容を作成してもらっているという。とくに子どもたちの現状や理解度、授業の時間配分などは、現場の教員がいちばんわかっていること。できるだけ子どもたちがプログラミングに親しめる内容にするため、両者で詳細を詰めているのだ。ミクシィの技術者で今回講師を務めた田那辺輝氏はこう話す。


ミクシィ 開発本部 CTO室
田那辺輝(たなべ・あきら)
「中学校向けのアプローチとして、ブロックを操作して簡単にプログラムが組めるビジュアルプログラミングは学習しやすいのですが、その次のステップに進みテキストプログラミングを体験してもらうことをテーマとしてきました。プログラミングと言われるだけで抵抗感がある生徒さん、また先生もいらっしゃいますが、テキストプログラミングの入門アプリを用意しましたので、知らずに触っていてもだんだんとルールがわかってきます。操作で現れるテキストコードとプログラムの実行した結果を見ることで、コードの読み方や区切りが自然と理解できるようになるんです。3回目の授業ともなると、取り組む内容の難易度はかなり上がってきました。学校でどのようにプログラミングを教えていくのかには課題がありますが、生徒さんに浸透しやすい内容が提供できたと感じています」

ミクシィは、渋谷区の中学校に対するプログラミング教育支援のほか、全国から中高生の企業訪問も受け入れている。こうした取り組みの背景には、「IT業界の仕事に興味を持ってもらうことで、次世代を育成したい」という狙いがあるという。実際、今回の授業アンケートでは、図形はプログラミングではなく「実際に描いたほうがやりやすい」「大変だった」といった意見もあったが、「難しかったけど面白かった」という声が多かった。

鉢山中では20年度、全3回の必修授業のほかに、数学科の先生の依頼で「数学」でもプログラミングの授業を実施した。直線上の点を通る垂線や角の二等分線などコンパスを使った作図を行う単元で、ミクシィの同アプリを使って作図を行ったのだ。「通常の授業で作図の勉強をした後、プログラミングソフトで学ぶことでより興味を持ってもらえる」(松澤先生)と同時に、コンパスの長さをプログラムコードで確認、変更できるためいっそう理解が深まるという。

事前に数学の授業でプログラミングによる作図を行っていたため、必修授業でもスムーズに作図ができている生徒が多かった
さらに、特別支援学級の担任である松澤先生は、とくに特別支援学級の生徒はICTが大好きだと話す。実際、WordやExcelで行間の変え方や表、図形を描くなどパソコンの使い方を学ぶ「作業」という時間は、難しい内容にもかかわらず好きな生徒が多いという。また通常学級との授業を楽しみにしている生徒が多く、「ICTがあると通常学級との交流授業がやりやすい」(松澤先生)と話す。

こうした渋谷区のような企業連携の好事例を見ると、うちの地域にそんなリソースはないと思う教育関係者もいるかもしれない。だが、企業に加えてNPOなどの団体、サークルのほか、地域にもIT企業で働く人やプログラミングを得意とする人材はいる。そもそもICTでつながれば、どこにいようと場所は関係ない。もっと教育においても、外部の力を借りることに積極的になっていってもいいのではないか。でなければ、「民間の力」に頼れる学校とそうでない学校の差は広がっていくばかりだ。

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放デイの中では、プログラミング教育専門の事業所も立ち上がり始めています。昭和の我々がプログラミングに手を染めたのは、テキストベースのBASIC言語です。コンピュータは8ビット処理のCPUで、ひたすら雑誌のゲームプログラムを打ち込んではカセットテープに記録して友達に見せびらかしました。今となっては、全く忘れてしまいしたが、そのプログラムの命令論理の面白さに引き付けられたものです。マイクロソフトのビル・ゲイツもAppleのスティーブ・ジョブズも最初はこのBAISC言語を走らせて遊んでいたのです。

昭和に比べれば、今はグラフィックベースでプログラミングが学べるほど端末機の性能が向上したのですが、グラフィックプログラムでは細かなオプションやテクニックを使うのが面倒です。結局は文字で打ち込むキャラクターベースの方が手っ取り早くアレンジもしやすいのです。この文を書いていて、ほとんどの人には「なんのこっちゃ?」と読み飛ばされるなと思っています。しかし、プログラム需要が今後爆発的に伸びることが分かっている今、プログラムが使えるのは、これから英語が使えるのと同じくらいかやや多いくらいの職業需要があると思っています。どちらも言語ですからなんとなくニュアンスは分かってもらえると思います。

酸素ボックス・視覚機能トレーニング機器導入

障害ある子の発達支援通所施設開所福山/広島

2021/3/10【毎日新聞】

障害のある子供に運動療育などを行う児童発達支援・放課後等デイサービス「ぽかぽかホームえがお」が福山市松永町5にオープンした。

延床面積161平方メートルでスタッフは5人。県内の施設では珍しい酸素ボックスや視覚機能のトレーニング機器も導入し、学習支援や農業体験など幅広い教育プログラムを用意した。施設から5キロ圏内は送迎も行う。

未就学児が対象の児童発達支援は火~金曜の午前10時~午後1時に利用できる。定員2人。放課後等デイサービスは6~18歳が対象。月~金曜は午後2時半~午後5時半、土曜と夏休みなど長期休暇期間は午前10時~午後4時。定員8人。利用には「受給者証」が必要。

管理者の佐々木舞子さん(30)は「障害が異なるそれぞれの子供に合わせたペースで、さまざまな体験を提供し、保護者のサポートもしていきたい」と話す。電話084・937・4741。【関東晋慈】

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経営規模や運営形態は土曜を開く以外は「じゃんぷ」とほぼ同じですが、部屋の広さは二倍です。酸素ボックス、視知覚トレーニング機材(たぶんスープリュームビジョン=ボクサー等の動体視力訓練用、写真は子ども用)はそれぞれ100万を越す機材です。常勤スタッフ5名ならそれだけで年間の収支はギリギリと思います。そこまでして機器整備に投資した指導内容はどんなものか気になるところではあります。酸素ボックスは、集中力の向上に良いと言われ、通常利用は3日に一度40分程度と放デイのサイクルには合っています。スープリュームビジョンも幼児用訓練モードがあるので無理なく遊びながら訓練できるかもしれません。

これまでの放デイは、感覚統合用のブランコやボルタリング用の壁を設置しているのが流行でしたが、これからは、大人顔負けのハイテク設備の設置が流行るのかもしれません。それでも、そんなことで行動の問題や学習の問題が解決するなら苦労はありません。行動の問題には応用行動分析が、発達性読み書き障害の問題は音韻意識理論が支援に生かされてこそ、その困難が軽減することが望めるのです、行ってみれば酸素は送っているが、酸素を血中に取り込む肺機能が弱いままではせっかくの設備も生かされないと思います。当たり前のことですが、重要なのは支援者の専門的な支援スキルのレベルです。

コロナ禍で変わる「卒業アルバム」

コロナ禍で変わる「卒業アルバム」 行事中止で普段の生活を写真に 【現場から、新型コロナ危機】

3月15日 11時43分【TBS】

多くの学校が卒業シーズンを迎える中、新型コロナの影響は学校生活の思い出が詰まった「卒業アルバム」にもおよんでいます。

「いただきます」
東大阪市にある市立長瀬東小学校。学び舎を巣立ちゆく6年生たちの頭を悩ませる問題がありました。それは「卒業アルバム」です。去年のアルバムを見てみると・・・
「今年行くはずだった夏の林間(学校)の写真。行けてないです。これは修学旅行。例年であれば、11月に広島に行くけど、これがない」(6年担任 吉田貞晴先生)

新型コロナの影響で多くの行事が中止になったため、恒例の写真がほとんど撮れていないのです。代わりに普段の様子をアルバムに載せるということで、撮影の様子を見に行ってみると・・・
「重たい、重たい」
体に重りを付けて高齢者の生活を疑似体験するという総合の授業。カメラマンの手にはどういうわけか、スマートフォンが・・・
「これでいまね、動画を撮っているんですよ。一眼レフでスチル(写真)を撮って、動画と紐づけて卒業アルバムに使う」(カメラマン)

この学校が取り入れたのは「AR(エーアール)卒業アルバム」。東京のコンサルティング会社がAR=「拡張現実」を使って開発したサービスで、アプリを入れたスマートフォンを写真にかざすと、動画を見ることができるというものです。

「これまでだったら載せられないものを載せたりとか、企画を考えたり、生み出すことにもつながった」(6年担任 吉田貞晴先生)
動画で学校生活を記録することができるため、グループに分かれてダンスを披露したり、人文字を作ったり、バリエーションがぐっと増えました。
「緊張するけど、1年後とか、動画なら何してるか思い出せるからいい」(6年生)

一方、こんなアイデアでピンチを乗り越える学校も・・・
カメラを構えるのは子どもたち。児童が自ら撮影した写真を卒業アルバムに載せるのです。大阪の卒業アルバム制作会社が企画し、応募があった全国の学校の中から抽選で30校にカメラが贈られました。
「子ども同士でやると恥ずかしさがなくて、自分好みのポーズができていい」(6年生)
「コロナの中だけど自分たちで頑張れたと、それも1つ思い出にしてほしい。普段見られない子どもたちの様子を見られるし、はしゃいでる様子もすごく楽しそうに見えるので、やってよかった」(6年担任 小池優介先生)

行事がなくても、思い出がいっぱい詰まったアルバムを作りたい。コロナをきっかけに、「卒業アルバム」も変わろうとしています。

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卒業アルバムと言えば無表情な集合写真と写真屋が撮った行事のスナップ写真と相場が決まっています。でも行事がないなら、日常をみんなでして残そうというアルバムはいいです。考えてみたら当たり前ですが、このアルバムづくりに子どもたちが関与するのがいいと思います。今は誰でも写真をスマホで撮る時代です。カメラ屋さんには申し訳ないけど、スナップは子どもの手で作る時代です。

映像の専門家は、これまでのアルバムを進化させて写真と動画を駆使したAR(拡張現実)アルバムを商品化しています。皮の表紙のアルバムはWEBに取って代わられ画面の中に納まり、卒業写真の面影がそのままかどうかは動画でリアルすぎて興覚めです。ユーミンやビギンの曲に浸りながら古いアルバムを開くのも我々の世代が最後なのかなと思います。

 

スマートフォン提示で運賃割引

スマートフォン提示で障害のある人が運賃割引 JRや大阪メトロで障害者手帳の代わりにアプリを導入

2021年3月15日 月曜 午後0:17【関西テレビ】

鉄道各社は、障害のある人がスマートフォンアプリを見せることで運賃割引を受けられるサービスを始めました。
鉄道各社が導入したのは、スマートフォン向け障害者手帳アプリ「ミライロID」です。「ミライロID」に障害者手帳の情報を登録することで、運賃の割引を受けることができます。これまでは障害者手帳を係員に見せることで割引を受けられましたが、人前で手帳を出すことに抵抗を感じるといった意見などから導入されました。
【体験した人】
「こういう風にスマホでやってもらえると取り出しやすくなるのですごくありがたい」
【ミライロ・垣内俊哉社長】
「障害のある方がまた外に出よう、また買い物に行こうとポジティブな気持ちで外に出られる社会になればいいなと」ミライロIDによるサービスは、大阪メトロやJRを含む全国123の鉄道会社などで利用できるようになります。
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ついに出ました!以前ここでも掲載の記事障害者差別解消に証明のデジタル化を2020/09/23でもコメントしましたが、デジタル庁設立の勢いであらゆる証明書をICカード(マイナンバーカード)やスマホで示せるようにするのも差別解消の一つとコメントしました。政府はこの企業と1年ほど前からマイナンバーカードと障害者手帳の紐づけを条件にデジタル処理ができるように提携していたのです。しかも、鉄道全線や市バス地下鉄にも広がる勢いですからすごいです。(3/17現在ミライロのHPでは、JR全線・関東圏の私鉄大半・京都市地下鉄・京阪と阪急電車は療育手帳利用はできないようです)

このアプリは子どもの障害者手帳でもOKですから、知的障害のある人に広がれば自立度が高まると思います(JR全線・京阪・阪急電車等は療育手帳はまだ利用できないようです)。利用方法の詳細は分からないですが、テレビ報道では窓口にスマホを差し出していたので、そのまま改札が通れる仕組みをJRや私鉄カードと組み合わせるならもっと利用価値は高まると思います。この会社のHP読んでみると他にもいろんなこと考えています。デジタル化はみんながより自由になり結果差別が解消されていくというのが理想です。

支援学校の生徒暴行

横浜・北綱島支援学校の生徒暴行、林市長が謝罪「教育の使命、自覚して」

2021/3/17(水) 22:11配信【神奈川新聞】

横浜市港北区の市立北綱島特別支援学校で教諭が障害のある生徒に暴行してけがをさせた事件を巡り、横浜市の林文子市長は17日の定例会見で「本当に残念で申し訳ない」と謝罪し、「教諭としても学校組織としてもあってはならないこと。教育委員会が決意を持って(再発防止に)取り組んでもらいたい」と述べた。

市教委が16日に公表した報告書では、当該教諭の人権意識や倫理観の低さを指摘。林市長は「教職員一人一人に教育の使命を自覚して、コンプライアンスなど服務の順守をお願いしている」と強調。管理職に向けて「人権意識を持って教職員の管理監督に当たらねばならない」と力を込めた。

事件は2019年11月に発生。教諭は傷害容疑で逮捕され、暴行罪で罰金30万円の略式命令を受けた。市教委は昨年4月、停職6カ月の懲戒処分にした。現在は市立高校で教諭として勤務しているという。

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支援学校教諭が障害の生徒暴行、罰金命令横浜市教委が処分へ

2020/2/27(木) 5:30配信【神奈川新聞】


横浜市の特別支援学校の男性教諭が障害のある生徒に暴行し、けがをさせたとして逮捕された事件で、市教育委員会は26日、事件を公表し、教諭が暴行罪で罰金30万円の略式命令を受けた、と発表した。今後、教諭の処分を検討する方針。

市教委によると、教諭は34歳で、北綱島特別支援学校(同市港北区)に所属。昨年11月、体の不自由な生徒をトイレで介助した際、生徒の手が複数回当たったことに激高し、肩を殴る、洋服をつかんで揺さぶるなどした。「一人じゃ何もできないくせに調子に乗るな」などと口にした。

生徒は意思に反して手が動くことがあったといい、揺さぶられた際、車椅子に後頭部をぶつけて約2週間のけがを負った。

生徒の利用する放課後デイサービスの職員がけがに気付いて発覚。教諭は今月5日、傷害の疑いで逮捕された。

市教委は26日まで事件を公表しなかった。当初、生徒の保護者が本人の特定につながるなどの理由から非公表を要望。その後、公表を求めたという。市教委は公表時期について「処分決定時を検討していたが、再発防止に取り組む必要があり、このタイミングになった」としている。

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全身不随の生徒暴行で教諭停職横浜の特別支援学校

2020.4.21 12:40【産経新聞】

横浜市教育委員会は21日、全身不随で車いすを利用する生徒を殴るなどしたとして、市立北綱島特別支援学校(同市港北区)の福田慎教諭(34)を停職6カ月の懲戒処分とした。

市教委によると、福田教諭は昨年11月19日、トイレで生徒の手が複数回当たったことに腹を立てて暴言を吐き、肩を殴ったり、胸ぐらをつかんで体を揺すったりするなどした。生徒は頭をぶつけ、2針縫うけがをした。

さらに、福田教諭は生徒の保護者からの問い合わせにうそをついて暴行を隠し、上司にも虚偽の報告をした。横浜区検に2月26日、暴行罪で略式起訴され、横浜簡裁から罰金30万円の略式命令を受けた。既に納付している。

福田教諭は、何度も生徒の手が当たったためにわざとだと思い込んで腹を立てたと釈明。「けがをさせ、申し訳ない」と話しているという。

市教委の古橋正人教職員人事部長は「極めて遺憾であり、大変申し訳ない」とコメントした。

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これは事件内容も処分もトップの対応もみなひどいです。横浜市林市長は現職3期目でこの夏改選ですから、事件当時も市長の職にあったのです。今回の市長のコメントは事件から1年以上たっておりあまりにも遅すぎます。もっと不思議なのは、この教師は起訴され有罪になっているのに、停職復帰後は高校で教諭を務めていることです。

確かに、教職員の懲戒基準には合致しています。以下は京都府のものですが、体罰による全治1か月未満の傷害は停職処分です。しかし、この教員の行動は生徒の言動を正すための体罰とは言い難く、ただ激昂して相手が弱いので暴行したとしか思えないです。
(1) 体罰
ア 体罰を加えたことにより、児童生徒を死亡させ、又は児童生徒に重大な後遺症が残る傷害を負わせた教職員は、免職又は停職とする。
イ 体罰を加えたことにより、児童生徒に治療期間が概ね30日以上の傷害又は後遺症が残る傷害を負わせた教職員は、免職、停職又は減給とする。
ウ 上記ア、イの場合以外で、体罰を加えた教職員は、停職、減給又は戒告とする。
(注)処分を行うに際しては、被害者等の状況、社会的影響等も情状として考慮の上、判断するものとする。

さらに、この教職員は生徒にけがを負わせたのに上司や親に嘘をつきました。
(6) 虚偽報告
事実をねつ造して虚偽の報告を行った教職員は、減給又は戒告とする。

そして、公務外であっても傷害罪には免職の記述があります。
(3) 傷害
人の身体を傷害した教職員は、免職、停職又は減給とする。

こう考えてみると、処分があまりにも軽すぎるのではないかと思います。支援学校の教職員が肢体不自由者に向かって「一人じゃ何もできないくせに調子に乗るな」という発言だけでも十分免職に値し教員の資格はないと言えます。体の傷よりも心の傷のほうが癒えないものです。本人だけでなく周囲の児童生徒も教職員も大きな心の傷を負ったはずです。まずは行政トップがこんな人が教員であるべきではないと発言して自分の身を切る覚悟で懲戒処分を決断すべきです。これはコンプライアンス以前の常識の問題です。横浜と言い神戸と言い二つの政令指定都市の役人トップの常識は市長を筆頭に地に落ちています。

 

LINE行政サービス停止へ

総務省 LINE通じ提供の行政サービス停止へ

03月19日 11時38分【NHK】

通信アプリのLINEが、利用者の個人情報を業務委託先の中国の会社がアクセスできる状態にしていた問題で、武田総務大臣は事実関係の把握を急ぐとともに、総務省がLINEを通じて提供している行政サービスの運用を停止する考えを示しました。

LINEをめぐっては、システムの管理を委託している中国の会社が、日本国内のサーバーに保管されている利用者の名前や電話番号といった個人情報に、アクセスできる状態になっていたことが明らかになっています。

これについて、武田総務大臣は19日午前記者団に対し、「ユーザーが安心してサービスを利用できる環境を確保する観点から、適正な事業運営が必要だ。関係省庁と連携し、事実関係を把握して適切な措置を講じていきたい」と述べました。

また、武田大臣は、総務省が現在、LINEを通じて提供している意見募集や問い合わせの対応などの行政サービスの運用を停止する考えを示しました。
さらに、保育所の入所申請や粗大ゴミの収集の受け付けなど、行政サービスにLINEを活用しているすべての自治体に対し、今月26日までにLINEの利用状況を報告するよう依頼したことを明らかにしました。

加藤官房長官は、閣議のあとの記者会見で「政府では、LINEを含め民間企業が不特定多数の利用者向けにインターネット上で提供するサービスを利用する際には、機密情報は取り扱わないということで運用している。この基準に沿って、各省庁で対応していると認識しているが、現在、内閣官房を含め、各省庁におけるLINEの利用状況を改めて確認している」と述べました。

そのうえで「内閣官房では、個人情報などの管理上の懸念が払拭されるまでは利用を停止するなどの対応を予定している」と述べました。

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海外の通信系アプリはやばいとLINEが広がりだしたころから言われていました。単なるおしゃべりのやり取りくらいは盗見されても問題ないから大丈夫と大勢の人は思っていました。ところが、便利だと広まった通信系アプリには色々な情報のやりとりを載せたいのが人情です。こうして行政系の個人情報までがやり取りされれば抜き取られるのは時間の問題と、アプリの開発に関わる人ならすぐにわかったのだと思います。

一昨年も国会で海外のアプリの個人情報保護は大丈夫かと言う質問がされていましたが、行政は我が国の法律や基準に合わせた運用をしていると会社が言うので大丈夫だと応えています。会社が言うから大丈夫というのは相当お人よしです。普通はやばいんじゃないかという情報をつかんだなら行政が独自に調査をするべきでした。相手のいう事を鵜呑みにするとは、我が国の安全保障は本当に大丈夫かなと思います。

気になっているのは以前から述べているグーグル採用自治体は半数以上に02/19多国籍IT企業のアカウントが無料で提供される教育系プラットホームです。Googleの生まれが米国で自由主義国だから大丈夫なわけではありません。LINEは生まれも育ちも自由主義国ですが、中国本土に個人情報は流れました。国産の教育系プラットホームの開発は今からでも遅くはありません。政府が音頭を取って、こういう時こそ開発費や設備費の助成金をたんまり出せばいいと思います。GIGAスクールスタートの今年、政府の姿勢一つで子どもたちの個人情報が守られるかどうかの瀬戸際だと思います。

 

ワクチン未接種の教師の出勤を禁じる判決

新型コロナワクチン未接種の教師に対して学校への出勤を禁じる判決が下される

2021年03月22日 12時30分【THE TIMES OF ISRAEL<GIGAZINE】

2021年3月21日(日)、イスラエル・テルアビブの労働裁判所が「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の定期検診やワクチン接種を拒否する学校教職員の出勤を禁止することができる」と、労働者の権利よりも子どもの安全が優先される判決を下しました。

イスラエル・ツルイガルの地方議会は、学校で働くすべての労働者に対してワクチン接種および新型コロナウイルスの検査を受けることを要求しました。この決定に対して、同地域にある学校でティーチングアシスタントとして働くSigal Avishai氏が、ワクチン未接種でも学校で働けるように議会の決定を覆すための訴訟を起こしました。

これに対して、3月21日に労働裁判所は「Avishai氏は仕事に戻ることができず、支払いも受け取れない」という判決を下しています。

裁判を担当した裁判官のMeirav Kleiman氏は、「Avishai氏が主張する個人の権利」と「学生や保護者、学校で働く労働者が有する権利」を比較検討した場合、「後者を優先すべきという判断になる」と判決について説明。そして、COVID-19に感染するリスクを回避するために、プライバシーと個人の自主性がある程度損なわれるのは仕方のないこととしています。

Avishai氏は従業員に対してCOVID-19検査を求めることは「ある程度不快なこと」と認めていますが、個人の医療情報を開示するという「プライバシーの侵害」は、比較的被害の少ない行為であるという見解を示しています。

今回の判決に対して、ツルイガルの地方議会で雇用法を専門とする弁護士のNaama Shabtay Bahar氏は「これは経済全体に影響を与えるであろう歓迎すべき前例です。労働裁判所は労働者の権利と一般市民の利益との間の正しいバランスを取りました。すべての労働者は予防接種を受けるか否かの権利を有していますが、すべての労働者がその決定に対する責任を負う必要があります。労働者とサービスを提供する一般消費者の両方を保護することを目標とする雇用主に、すべての責任を負わせるべきではありません」とコメントしています。

なお、イスラエルでは法律で「保健省が3カ月間にわたりCOVID-19ワクチンを接種していない人々に関する情報を地方自治体や教育省と共有すること」を許可しています。この法律は予防接種を受けていない人に予防接種を受けることを推奨することを目的としており、他の目的で予防接種に関する情報を使用することを禁止しています。

しかし、2021年3月初めにイスラエルの高等裁判所は、保健省がCOVID-19ワクチンを接種していない人々に関する情報を地方自治体に渡すことを禁じる一時的な差し止め命令を出しました。この差し止め命令において、裁判所はイスラエルにおける「プライバシーに対する憲法上の権利を害する」と主張しています。

なお、イスラエルの保健省が発表したデータによると、450万人以上のイスラエル人がCOVID-19のワクチンを接種しており、ワクチン接種率は世界でも有数です。

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武漢風邪のワクチン接種で世界のトップを走るイスラエルですが、接種しない権利はあるが未接種者の教育職での就労権はないということでしょう。ワクチンアレルギーの人などはどう考えるのでしょう。ただ、この記事を読んでいると、パレスチナとの戦火やテロが収まらない戦時国家の、全体主義的なムードを感じてしまうのは考えすぎでしょうか。

確かに、高齢者や呼吸器や血液系の疾患を持つ人への直接のサービス提供者の接種が就労する前提の義務だというなら理解できますが、子どもへの感染では世界中でかぜの軽微な症状だという事実に立てば、国家規模の集団ヒステリーのようにも感じます。

子どもと保護者を守るという言葉は美しいですが子どもの実害の事実は示さず、保護者の感染可能性は学校や子どもからだけではないので非科学的で合理性がありません。実害も示さず非接種者には学校での就業を認めないというのは、生活の糧を人質にした見せしめにしか見えません。為政者は集団パニックに巻き込まれないように冷静にリーダーシップをとってほしいものです。

「お母さん」「お父さん」という表現を避ける

「お母さん」「お父さん」という表現を避けるよう、ニューヨークの学校がガイドラインを発行。インクルーシブ教育のあるべき姿とは

3/23(火) 18:01配信【FINDERS】

多様な人々が尊重される共生社会の実現は、世界的な課題だ。近年、この問題の解決を目指す「インクルーシブ教育」の注目度が高まっており、各地で取り組みが始まっている。

そんな中、ニューヨークの学校が始めたインクルーシブな取り組みを紹介したい。

「mom」、「dad」を「grown-ups」、「folks」に
これはは昨年9月、インクルーシブな学校を目指すべく、教職員向けガイドラインを発行。その中で、「mom(お母さん)」、「dad(お父さん)」、「parents(両親)」といった表現の言い換えを推奨していると、『City Journal』が今月初めに報じた。

このガイドラインの家族に関する表現の言い換えをまとめた章では、「家族はさまざまな形で形成され、構成されています。同校では、この多様性を反映したインクルーシブな言葉を使います。子どもが誰と一緒に暮らしているか、誰が子どもの世話をしているか、毎晩同じ場所で寝ているかどうか、両親に会っているかなど、決めつけないことが大切です」と記載がある。そして「mom」、「dad」、「parents」を「grown-ups(大人たち)」、「folks(両親)」、「family(家族)」、「guardians(保護者)」と言い換えるよう薦めている。片親や同性婚の両親のもとで育てられている子どもに対する配慮なのだろう。

また、ガイドラインには性別、性的指向、人種、民族に関する言葉遣いや言い換えについてもまとめられている。例えば、「boys(男の子)」、「girls(女の子)」を「people(人々)」や「friends(友達)」と言い換えたり、「What are you?(あなたは何者ですか)」、「Where are you from?(どこから来ましたか)」と聞くのではなく、「What is your cultural/ethnic background?(あなたの文化的/民族的背景は何ですか)」、「Where are your ancestors/is your family from?(あなたの先祖/家族はどこから来ましたか)」と言い換えたりするよう促している。

誤った報道に、学校側が声明文を発表
グレース・チャーチ・スクールが発行したこのガイドラインは、多くのメディアによって取り上げられ、注目を集めた。しかしその一方で、一部メディアが誤った報道をしていると同校の公式サイトで声明を発表した。

一部メディアは、このガイドラインが“教職員向け”ではなく“生徒向け”と報じたり、「mom」などの言葉の使用を“推奨”ではなく“禁止”していると伝えたりしていたという。これにより、間違った解釈が広まり、学校に批判の声も見受けられた。

同校は「人種差別に対抗し、可能な限り歓迎的で、敬意ある学習環境を提供するため、多くの構想の中の一つとして、昨年9月に教職員に対しガイドラインを提供しました。ガイドラインは、義務的なポリシー、カリキュラムの一環、学生に対する指導として発行されたものではありません。ガイドラインの意図と目的をもっと明確にするべきでした。(ガイドラインは)生徒との交流において、教職員が感性と包括性の文化を育むのに役立ち、専門的スキルの開発や継続教育のためのツールになると考えています」と述べている。

インクルーシブ教育は共生社会実現のための大きなカギとなるはずだ。しかし一方で、批判の声も上がるだろう。インクルーシブ教育の在るべき姿について、ぜひ考えてみてほしい。

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う~ん・・・としか声が出ません。これは、あくまでニューヨークの私立学校「グレース・チャーチ・スクール」という小さな私立学校の話であり、アメリカ全土の話ではありません。しかし、この記事を最初にピックアップした『City Journal』の狙いはなんとなく分かります。ポリティカルコレクトネス(性別・人種・民族・宗教などに基づく差別・偏見を防ぐ目的で、政治的・?社会的に公正・中立とされる言葉や表現を使用すること)を学校に持ち込む是非での炎上狙いではないかと勘繰りたくなります。

為政者は、その発言についての影響力を考えて時代に即した発言を心がけるべきでしょうが、それを社会全体で上から求めるのは間違っています。子どもにとっては、教員は教える人です。上からではなく論じ合うだけだと言いますが、そうしないと公平社会には到達しないのでしょうか。確かに様々な民族で構成された社会では、多数派の人が移民とは知らずに初対面者に「どこから来たの」は出身国を聞いているようにも受け止められ上から目線を感じるのかもしれません。「前はどこで暮らしていたの」と聞けば少し和らぐという意味でしょう。単一民族の日本人にはわからない機微はあると思います。

しかし、米国には様々な家庭があると言え「僕のお母さん」を「僕を生んだ方の大人」とでもいうのでしょうか。継母や両親ともに男性なら「僕の大人」だけでしょうか。「君どこから来たの」ではなく「君の民族的背景を教えて」と書いていますが、子どもがそんな風に話す方が気色悪いです。

家族やその背景についてや個人の特性については、違って当たり前でそれぞれの人がその出自や特性は変えようがないし、むしろ誇りを持つことは正義だという教育こそ大事だと思います。かの私立学校のガイドラインは、実母を母と呼ぶ感情よりも周囲を気遣う感情を持てというのは行き過ぎています。「みんなちがってみんないい」のインクルーシブ教育とは何の関係もないと怒り出す人がいても当然です。ブラックマターの影響かどうかは知りませんが、「過ぎたるは猶及ばざるが如し」と、今流行りの渋沢栄一ではないけれど紀元前からの人知である『論語』をお勧めしたくなります。

吹田市いじめ調査を研究所と協同

大阪府吹田市がいじめの大規模調査を実施。子どもの発達科学研究所と協同
[公益社団法人子どもの発達科学研究所]

2021/03/24-19:46【時事通信】

市全体で取り組む初のいじめ実態調査。講演で発表
大阪府・吹田市の要請を受け、公益社団法人子どもの発達科学研究所(大阪市北区梅田 代表理事:片山泰一)は、吹田市全体の小・中学校でいじめ調査を実施しました。市全体の小・中学校を対象にした大規模ないじめ調査は、日本では特筆すべきものになります。
なお、2021年3月23日にメイシアター(吹田市文化会館)にて「令和2年度いじめ予防推進事業講演会」が開催され、今回の調査結果をまとめた講演を、子どもの発達科学研究所の所長である和久田学が行いました。

吹田市では、令和2年度より「いじめのない学校づくり」を教育ビジョンに掲げ、「いじめ予防推進事業」を実施してきました。そのなかで、同市の教育委員会は、いじめの調査と予防を目的に、子どもの発達科学研究所が開発した「いじめ予防プログラム『TRIPLE-CHANGE』」(*1)を採用しました。

今回、子どもの発達科学研究所が発表した調査は、同研究所の特色でもある「科学的手法」をベースにしており、吹田市全体の小・中学校を対象とする大規模調査として注目されます。令和2年度に実施したTRIPLE-CHANGEプログラムでは、小・中学校の教師の方々に対し、90分の職員研修を10コマ開催しました。

リーダー研修の様子
また各学校にて、教師が生徒たちに向けてワークブックを使った「いじめ予防授業」を3時間ずつ行いました。
TRIPLE-CHANGEワークブック
調査に関しては、信頼性・妥当性を科学的に検証した調査項目を用いた「学校風土いじめ調査」(*2)を採用し、令和2年9月と令和3年2月に、吹田市全体の小・中学校の児童および生徒に対してアンケート形式で行い、データをまとめて分析をしています。このような大規模な現場調査は極めて珍しい事例として注目されています。
この調査結果については、2021年3月23日にメイシアター(吹田市文化会館)で開催した「令和2年度いじめ予防推進事業講演会」にて、子どもの発達科学研究所の所長・和久田学が発表を行いました。

■子どもの発達科学研究所およびプログラムへの問い合わせはこちら
公益社団法人 子どもの発達科学研究所
Tel/FAX:053-456-0575
E-mail:info@kodomolove.org
担当:安田・天野
■注釈(子どもの発達科学研究所の各プログラムについて)
*1:いじめ予防プログラム「TRIPLE-CHANGE」は、米国で科学的根拠があると証明されているプログラムの先行研究を活かし、子どもの発達科学研究所が日本の学校で実施可能なものとして開発した、いじめ予防プログラムです。今まで受講された皆様により、多くの学校現場で実践され、効果を上げています。このセミナーでは、たくさんの事例を通して、いじめ問題に関する「正しい知識/技法」を提供しています。また、受講後すぐに現場で取り組めるように、指導案や教材も準備しています。
URL:http://kodomolove.org/business/course/prevention

■子どもの発達科学研究所およびプログラムへの問い合わせはこちら
公益社団法人 子どもの発達科学研究所
Tel/FAX:053-456-0575
E-mail:info@kodomolove.org
担当:安田・天野
*2:学校風土いじめ調査は、学校で起こっている「いじめ」と、その学校や学級の「風土(雰囲気)」に着目した調査です。信頼性・妥当性を科学的に検証した調査項目で、「いじめ被害」と「学校風土」の実態把握を行います。子どもたち1人ひとりへの無記名のアンケート調査を行い、子どもたちの視点から「学校」や「学級」の風土(雰囲気)を数値(データ)で捉え、可視化します。それにより、教師の方々が漠然と感じていた学校や学級の「強み(長所)」や「弱み(短所)」をデータとして捉え、教師間で共有できるようになります。このようなエビデンスに基づき、課題解決に向けた具体的な学校経営や学級を行えます。
URL:http://stopijime.kodomolove.org/lp/

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いつまでも同じ調査を続けるだけでは時間の無駄です。調査から見出された傾向を把握し積極的にいじめを防止するプログラムの実施こそが必要です。我が国の公的サービスは調査と実践が乖離しています。今回の吹田市と研究所のプランは調査と実践がセットになっています。実践したことがどれだけの効果を上げたのか、効果が上がった理由と課題を調査して、さらにプログラムに磨きをかけていきます。言ってみれば当たり前のことですが、これが日本の教育や療育はできていません。

どんなに評価の高いプログラムでもやりっぱなしでは効果があったのかなかったのかわかりません。エビデンス(科学的根拠)のある教育・療育というのは個別にも全体にも7割以上の効果を上げるものを言います。もちろん、実施前のベースライン(事前調査)も事後のデータもどのように(客観性のあるもので)取ったかも重要です。このプランとプログラムが成果を上げ日本中に広がれば良いと思います。

 

精神疾患ある親の子 学校に悩み相談せず

精神疾患ある親の子は8~9割が学校に悩み相談せず…支援困難の実態くっきり

2021年3月26日 12時00分【東京新聞】

精神疾患がある親の元で育った人は、小学生の頃は約9割が、中高生の頃は約8割が自らの不安や悩みを学校に相談していなかった―。そんな調査結果を埼玉県立大の横山恵子教授(精神看護学)らがまとめた。親の疾患によって困難を抱えた子どもが孤立し、支援につながりにくい実態が浮かぶ。(近藤統義)

◆「大変だった」「不安だった」…
調査は横山教授や大阪大大学院の蔭山正子准教授らが2019年10~11月、ウェブアンケートで実施。2人が立ち上げに関わった「精神疾患の親をもつ子どもの会(こどもぴあ)」の活動に参加した成人を対象とし、20代~50代以上の120人が回答した。
親に関して「大変だった」「どちらかと言えば大変だった」と答えた人は小中高時代を通して8、9割。家庭での生活体験(複数回答)では全時期で7割超が「不安だった」、5割が「心身に不調をきたした」と答えた。
18歳未満で、病気や障害のある家族の介護や家事をする「ヤングケアラー」としての役割も尋ね、小中高の全時期で、6割が親の話し相手になるなどの「情緒的ケア」を、3割が「手伝い以上の家事」を担っていた。

◆「恥ずかしい」「自覚ない」相談は1、2割
こうした状況を学校に相談したことがある人は全時期で1、2割にとどまった。相談しない理由(自由記述)では「信頼して相談できる相手がいなかった」「恥ずかしいこと、隠すべきことだと思っていた」「相談をする発想がなかった」「困っている自覚があまりなかった」が目立った。
学校などが子どもの困難さに気づくことのできるポイントについては、複数回答で「いじめられている」「親が授業参観や保護者面談に来ない」「勉強に集中できていない」「遅刻や欠席が多い」―が多かった。

◆サイン見逃さない態勢づくり急務
学校側が悩みを抱える子どもたちのサインを見逃さず対応できるよう、こどもぴあは精神疾患への理解を促す教員向けの教材作りを進める。横山教授は「精神疾患の親がいる子は自分の感情にふたをしてしまう特徴がある。話を聞いてもらうだけで救われる子もおり、教員ら周囲の大人が気にかけることが必要だ」と指摘している。

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親がしんどそうにしているのを毎日見ている子どもがしんどくないはずがありません。黙り込んだり怒鳴り散らしたり気分変動の激しい大人に子どもは合わせざるを得ません。誰かに相談して解決しそうにも思いませんし、誰も家庭に踏み込むのは躊躇するので遠慮して聞いてもくれません。

うすうす、周りは気づいています。でも、家庭内の事ですから児相関係に報告するくらいしかできません。大方はネグレクトでの告発になりますが、行政が機敏に動いてくれないのが見えているので告発するほうもよほどのことがない限り子どもから話を聞いて解決しようとはしません。何も相談をかけにくいと思っているのは子どもだけではないです。

 

 

教員の懲戒免職・解雇理由、官報に記載

【独自】教員の懲戒免職・解雇理由、官報に記載へ…再応募時にわいせつ処分歴などチェック

2021/03/29 15:00【読売新聞】

許すなわいせつ教員
わいせつ教員問題の対策を強化するため、文部科学省は教員が懲戒免職・解雇された理由について、「子供へのわいせつ行為」など五つに分類し、官報に判別できるようにして記載する新制度を4月1日から始める。教育委員会などが教員を採用する際、応募者が過去にわいせつ行為で処分されていないかを把握できるようにするのが狙いだ。

懲戒免職されるなどして教員免許が失効した場合、教員免許法に基づき、官報に氏名や免許状の種類などが掲載される。免許が失効しても3年たてば再取得できるため、再度、教員に応募することが可能になる。

そのため、文科省では、官報に掲載された情報を基に免職歴を調べることができるツールを、教委や私立学校を運営する学校法人に配布している。

これまでは、応募者の免職歴が確認できた場合、処分した教委にその内容を尋ねるなどしてきた。ただ、「個人情報」などを理由に教えてもらえないケースもあり、処分理由を本人に尋ねても、虚偽の申告をされたらそれ以上追及するすべはなかった。

そこで、文科省は同法施行規則(省令)を改正し、処分理由について、〈1〉18歳未満や勤務する学校の幼児・児童生徒に対するわいせつ行為・セクハラ〈2〉それ以外のわいせつ行為・セクハラ〈3〉交通法規違反や交通事故〈4〉職務に関連した違法行為など〈5〉その他――の5類型に分けたうえで、これを識別できる形にして掲載することにした。

過去には、わいせつ行為で処分されても、それを隠す目的で改名して教員に採用された例もある。そのため、各教委に対しては、改名歴のある教員については官報掲載時に旧氏名の併記も求める。

文科省では2月末から、過去40年分の免職歴を調べることができるようにツールを大幅に拡充した。ただし、今回の処分理由の付記については、4月1日以降に懲戒免職・解雇された教員から適用される。

省令改正に先だって行われたパブリック・コメント(意見公募)では、「権利の侵害に当たる」との意見も寄せられたが、文科省は「懲戒免職は行政処分であり、犯罪歴を明記するわけではない」としている。萩生田文部科学相は「適切な採用選考が行われることが期待される。実効性のある対応を引き続き講じていきたい」と話している。

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現行の免許法に基づく官報記載とはよく考えたものです。わいせつ犯罪歴のある教員を二度と採用しない法律が見送りになった事は以前(子どもの性被害どう防ぐ?: 01/06)掲載しました。保育士登録も教員免許も性犯罪で失効してから最短2~3年で再取得できるという制度のほうがおかしいのに、法改正に踏み切れない行政も議会も情けないと書きました。子どもと過ごす職種であってはならない猥褻犯罪で免許を失効しながら、免許を再取得して再び教壇に立とうとするなど常識的には考えられません。

問題は、2020年度以前の処分が記載されないことです。国会などでは記録は存在しないというのが行政の口癖ですが、処分記録は全て保存されています。せめて10年遡って記載すれば、今後かなりのわいせつ犯罪者の現職復帰を防げると思います。権利侵害ではなく「懲戒免職は行政処分であり、犯罪歴を明記するわけではない」と文科省自ら言っているのですから、何年遡ろうが問題はないはずです。むしろ、遡らない方が子どもの被害が予防できず問題が大きいと思います。

文科省『#教師のバトン』ツイッター炎上

文科省企画、教員の魅力発信「#」窮状訴える投稿相次ぎ「炎上」

2021/3/30 【毎日新聞】

教員志望者が減る中、教員を目指す若者たちに仕事の魅力を伝えようと、文部科学省が教員たちの声をツイッターなどのネット交流サービス(SNS)で広げる企画を立ち上げたところ、当初の思惑と異なり、教員からは過酷な労働環境を訴える投稿が相次いだ。

萩生田光一文科相は30日の閣議後記者会見で、「『こんな職場に若い学生は来ない方がいい』みたいな意見もあって戸惑いを感じている」としつつ、「投稿いただいた先生がたの思いをしっかり受け止め、学校の『働き方改革』を進めていかなければならないとの意を強くした」と語った。

企画名は「『#教師のバトン』プロジェクト」。現場の先生たちが教育活動に懸ける思いなどを教員を目指している学生や社会人に知ってもらおうと、文科省の若手職員たちが発案した。

学校の日常の一コマや創意工夫、ちょっといい話などを「#(ハッシュタグ)教師のバトン」と付けてツイッターなどに投稿してもらおうというもので、今月26日にスタートした。
ところが、いざ投稿を呼びかけてみると、現場の窮状を訴える書き込みが相次いだ。
「20年間で削減された仕事は座高測定とギョウ虫検査しかありません」
「明日で退職です。朝から晩まで働きました。今思うと、失ったものがあまりにも多かった」
「教員の善意に甘え、保護者や社会にそんたくし、教員を守らなかった」と文科省の対応を批判する書き込みもあった。

こうした「炎上」を受け、文科省は29日、SNS上で「教員の皆さんの置かれている厳しい状況を再認識するとともに、改革を加速化させていく必要性を強く実感しています」「ご指摘いただいた通り、改革の質・量ともに全く十分ではありません」「いただいたご意見を分析し、本格的な改革につなげたいと考えております」などと釈明した。

文科省の2016年度の調査では小学校で3割以上、中学校では6割近い教員が「過労死ライン」とされる月80時間以上の残業をしていることが明らかになっている。

文科省は教員の負担軽減を図ろうと、中学校や高校の土日の部活動を学校管理下から外し、23年度から段階的に地域活動に移行させるほか、10年に1度の講習を義務づける教員免許更新制の抜本的見直しを中央教育審議会に諮問している。【大久保昂】

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以前にも「学校があてにされなくなった今、我こそはとオールマイティーの優秀な人材が集まるとは思えません」(教科担任制 02/10)と述べましたが、現場の少なくない職員も「この職業は勧められない」と思っているのです。こんなものをツイッターで公開すれば必ず炎上すると予測の立たない文科省官僚の感覚も相当現場とズレていることを露呈しました。確かに忙しいこともありますが、忙しくても自分の職業に誇りを持つ事はできます。一番の炎上の理由は、学校が現代に残る保守的な村社会の一つで、その障壁が変革を阻み未来を見えにくくしていることが大きいのかもしれません。

能力に見合っただけの評価もされないし、何が能力かも示されない中では、役人社会のように失敗をしないことが大事です。新しいことに取組んだりリスクのあることには近づけないような仕事は魅力がありません。民間の方がはるかに自由に創造的にリスクも背負って取組んでおり魅力的です。教員は教える専門職なのに総合職のようにあれもこれも仕事もこなさなければなりません。もちろん専門職なのですから、実践の結果が出せないなら子どもから選ばれなくなる仕組みが必要です。昔通りでは学校は変わらないのも事実です。教師が教師としてリスペクトされるにはまず教員を真の専門職とする学校制度に変えるべきだと思います。

映画「僕が跳びはねる理由」公開へ

自閉症の作家・東田直樹さんエッセー原作の映画「僕が跳びはねる理由」公開へ

2021年4月1日 12時00分【東京新聞】

作家の東田直樹さん(28)=千葉県君津市出身=が、自身の自閉症の症状や日常の思いをつづり、世界でベストセラーとなったエッセーを原作にしたドキュメンタリー映画「僕が跳びはねる理由」が、世界自閉症啓発デーの2日から公開される。東田さんは「見ている風景は同じでも、自分とは異なる物の見方や、感じ方をしている人がいることを多くの人に知ってほしい」と呼び掛ける。(柚木まり)

◆書くことは「自分がここに生きている証明」
自閉症は発達障害の1つで、社会的なコミュニケーションがうまく取れないなどの特徴がある。重度の自閉症の東田さんは、目の前にパソコンのキーボードのようにアルファベットを書いた厚紙を置き、指をさしながら読み上げて会話をする。今回は、オンラインでインタビューに応じた。

5歳の時に自閉症と診断された東田さん。幼いころから、パソコンで創作を続けてきた。原作のエッセー「自閉症の僕が跳びはねる理由」(エスコアール)は13歳で執筆し、誤解されやすい自分の行動を説明。自閉症の息子がいる英国人作家のデイヴィッド・ミッチェルさんと妻のケイコ・ヨシダさんが翻訳し、感情や思考を代弁した作品と高い評価を受け、欧米や中国など30カ国以上で出版、117万部を超えた。

映画は、英国など海外の自閉症の人たちの生活を通し、家族や社会との関わりを映し出す。音楽や映像で自閉症の人たちが感じている世界観が表現される。
東田さんにとって、文章を書くことは「自分がここに生きている証明」。「自分のことが自分でもよく分からない人はたくさんいます。僕は自分の世界観を言葉にすることで、自分らしく生きることができています」

◆コロナ禍でも「生きることが少しでも楽になれば」
新型コロナウイルス禍で、多くの人がコミュニケーションに悩む。東田さんは「人が生きる意味を見失いそうになっていると思います。僕は、いつもどうしたら幸せを感じることができるのか考えています。自分の書く文章で、生きることが少しでも楽になる人が増えてくれたら、こんなにうれしいことはありません」とつづる。

ミッチェルさんは取材に、東田さんとの出会いを「息子の閉じられた心を開く鍵を得た。息子が自閉症でない人と同じように、愛を含めたすべての感情と能力を持っていると感じられた」と振り返る。映画公開には「自閉症に尊厳を与える作品だ」と期待を込めた。
映画は、ジェリー・ロスウェル監督。角川シネマ有楽町ほか全国で順次公開。

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言葉を持たない、知的重度の自閉症と思われていた特別支援学校在籍の東田君。会話もできなくて「跳びはねて」いた少年の中に、こんなにも感性豊かな世界が広がっているなんてすごいなぁ。「僕が跳びはねる理由」(2007年刊行)を私が読んだときの感想です。その映画がついに完成しました。

でも、彼の言葉を信じない人は、「自閉症児はみんな実際には高い知能を持っており、なんらかの原因でそれが発揮できないだけである」という親の願望ではないか、ゴーストライターがいるのではないか、という人も少なくなかったです。それは、東田君の手にお母さんが手をそえて文字を綴るという、FC(ファシリテーティッド・コミュニケーション)の手法が使われていたことも原因の一つでした。その頃欧米では、FCによって虐待があるとして訴えられた家族や施設職員の裁判が続き、日本ではFCが懐疑的に受け止められていたからです。

東田君の言葉が本物だということがみんなに分かったのは、彼が自分でPC入力を始め、ブログをはじめたことからです。FCは卒業し自らパソコンに文を打ち込んだり、携帯用の文字盤を指で押さえながら、自らのことばで話すようになりました。質問にも、自分でポインティングしながら、ゆっくりですが、丁寧に答えられています。東田直樹君が、2010年10月から2011年8月まで、18歳の頃に書かれたブログから加筆、修正されたのが「あるがままに自閉症です 」本です。文庫本もありますのでぜひお読みください。映画上映は、まだ関西では予定されていませんが、情報が入り次第掲載したいと思います。

 

 

第14回世界自閉症啓発デー

第14回世界自閉症啓発デー(令和3年4月2日)に寄せて 厚生労働大臣メッセージ

はじめに、新型コロナウイルス感染症により日常生活が様変わりする中で、自閉症をはじめとする発達障害のある方々の生活を日々支えておられるご家族の皆様、地域で支援に携わっている関係者の皆様に心から敬意を表します。

毎年4月2日は、国連の定める「世界自閉症啓発デー」です。今年で制定から14回目を迎えます。また、我が国では4月2日から8日までを「発達障害啓発週間」としています。
未だ新型コロナウイルス感染症の状況が予断を許さない中ではありますが、日本自閉症協会をはじめとする関係団体の皆様のご尽力により、インターネットによる配信の活用など開催方法を工夫した上で、今年も、関連イベントが開催できますことに改めて御礼を申し上げます。

関連イベントとして、東京タワーや全国各地のランドマークを「癒やし」や「希望」などを表す自閉症のシンボルカラーである青色でライトアップする「ライト・イット・アップ・ブルー」などが行われます。国民の皆様には、こうしたイベントを契機として、自閉症をはじめとする発達障害への理解を深めていただきたいと思います。

発達障害は、生まれつきの脳機能の障害によるもので、親のしつけや教育が原因ではありません。その特性は一人ひとり様々であり、自分の得意なことを活かして活躍されている方が数多くおられます。

一方で、周囲の理解が十分でないことによって、その行動や態度が「自分勝手な人」、「変わった人」などと誤解され、生きづらさを感じながら生活している方もおられます。発達障害に対する正しい理解が社会に広まれば、周囲の方の接し方も変わり、そうした生きづらさも軽減されると考えています。

発達障害者支援法では、乳幼児期から高齢期までのライフステージを通じた切れ目のない支援を実施することや、家族なども含めたきめ細かな支援を推進し、身近な場所で支援が受けられる体制を構築することなどが明記されています。

厚生労働省においては、この法律の趣旨も踏まえ、ライフステージに対応する一貫した支援を行うため、各都道府県等に設置される発達障害者支援センター等において、専門人材の配置により、関係機関との連携や困難事例等への対応など地域支援機能を強化しています。また、自治体を通じて、発達障害のある方の御家族や御本人に対し、ペアレントトレーニングやペアレントプログラムといった発達障害の特性の理解や適切な対応等に係る研修等の実施や、ワークショップ等の開催など青年期の発達障害のある方の居場所づくりに取り組んでいます。

引き続き、こうした自治体を通じた取組を推進するとともに、子育て支援や教育等の分野でも適切な支援が行われるよう、関係府省と連携し、発達障害のある方がその力を発揮できる機会を増やしてまいります。
今後とも、皆様の御理解と御協力をよろしくお願いいたします。

令和3年4月2日
厚生労働大臣 田村 憲久


「世界自閉症啓発デー」に当たっての文部科学大臣メッセージ

4月2日は、国連で定められた「世界自閉症啓発デー」です。また、我が国では、4月2日から8日までの1週間を「発達障害啓発週間」とし、自閉症をはじめ、発達障害についての正しい理解が進むよう啓発活動に取り組んでおります。

文部科学省では、発達障害をはじめ、障害のある方が一生を通じて自らの可能性を追求し、その個性や能力を生かして活躍できるよう、学校教育、生涯学習、文化芸術、スポーツ等の各分野において、省内はもちろんのこと、厚生労働省等関係省庁とも連携し、横断的・総合的に関連施策を推進しております。特に、発達障害支援については、3年前に制度化された高等学校における通級による指導をはじめ、その一層の充実・整備を図っているところです。

この1年、新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため、私たちの日常生活は大きく変わりました。学校現場も例外ではありません。過去に例のない対応を余儀なくされている学校をしっかりと支え、全ての子供たちの学びを保障するとともに、発達障害を含め、障害のある子供たち一人一人に応じた、適切な指導及び必要な支援を行えるよう引き続き必要な施策を講じてまいります。

また、本年4月から、全国の児童生徒が1人1台端末環境での学びをスタートし「GIGAスクール元年」を迎えるほか、小学校における35人学級を段階的に実現してまいります。こうした、ICTの活用と少人数学級を車の両輪として、全ての子供たちの可能性を引き出す、「個別最適な学び」と「協働的な学び」を実現する「令和の日本型学校教育」の構築を進めてまいります。

結びに、この「世界自閉症啓発デー」や「発達障害啓発週間」が、全ての教育関係者等にとって、発達障害等についての理解を深め、本人や保護者の方々の気持ちに寄り添った支援について真摯に考え、実践する契機となり、障害の有無に関わらず誰もがその能力を発揮し、共生社会の一員として共に認め合い、支え合い、誇りを持って生きられる社会の実現につながっていくことを強く期待いたしまして、私からのメッセージといたします。

令和3年4月2日
文部科学大臣 萩生田 光一

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国連総会(2007.12.18開催)において、カタール王国王妃の提案により、毎年4月2日を「世界自閉症啓発デー」(World Autism Awareness Day)とすることが決議され、全世界の人々に自閉症を理解してもらう取り組みが行われています。

日本でも、世界自閉症啓発デー・日本実行委員会が組織され、自閉症をはじめとする発達障害について、広く啓発する活動を行っています。毎年、世界自閉症啓発デーの4月2日から8日を発達障害啓発週間として、シンポジウムの開催やランドマークのブルーライトアップ等の活動を行っています。京都タワーもブルーライトアップして協力しています。

自閉症をはじめとする発達障害について知っていただくこと、理解をしていただくことは、発達障害のある人だけでなく、誰もが幸せに暮らすことができる社会の実現につながるものとして、私たちNPOホップすてーしょんもこのイベントに賛同しています。セサミストリートのジュリアちゃんも自閉症キャラクターで今回のリーフやポスターのモデルになっています。

学習障害抱える児童、タブレット支えに無事卒業

学習障害抱える児童、タブレット支えに無事卒業 ノート代わりに黒板撮影、テストでも利用OK

2021年3月31日 10:30【京都新聞】

文字の読み書きが苦手な「学習障害」がある京都府長岡京市の児童が、理解を支える道具としてタブレット端末を活用し、今春小学校を卒業した。テストでの利用も認められており、国の施策で全児童生徒へのタブレット配備が本格化する中、障害がある子への対応の広がりに期待がかかる。ただ、専門家は「渡すだけでは問題が解決せず、個性に応じた補正が大切」と支援の必要性を呼び掛けている。

長法寺小に通っていた山木旬(しゅん)君(12)は、学習障害の一種「発達性ディスレクシア」と診断されている。知的能力に遅れは見られないが、漢字を枠の中に文字を収めたり、読んだりすることが苦手で、読み書きに多くの時間を要し、理解する前の段階でつまずく。「なんで自分だけできひんねやろう」と悩みは尽きなかった。

母の弥生さん(44)は、文部科学省が定める「合理的配慮」としての対応を学校と協議。文字やスペースを大きくし、ルビを打ったプリントや、ペンで触れると音声が流れる教科書に加え、6年生になるとタブレットを持参して使うことが認められた。

授業中は、読み書きを別の方法に置き換えている。ノートを取る作業の代わりに黒板を撮影。アプリを使い、画像への書き込みや自動読み上げができるようにする。画面上では自由に拡大可能なため、記入しやすくなるだけでなく、1文字ずつが認識できる利点もある。「置いてかれている」と感じていた授業が、少しずつ分かるようになった。2学期からは、一部の教科ではタブレットでのテスト受験も認められ、評価対象となった。

澄んだ空が広がった今月19日。卒業式を終えた山木君は、同級生たちと笑顔で記念写真に収まった。「しんどいこともあったけれど、楽しい6年間だった」と穏やかな表情を浮かべ、将来への思いを口にした。「夢は学校の先生になること。僕みたいな障害がある人に優しく教えてくれる先生がいたので、僕もそうなりたい」

■能力・特性に応じて調整を
文部科学省が推進する「GIGAスクール構想」は、タブレットやパソコンを小中学生に1台ずつ配備する計画で、新年度から本格運用が始まる。障害がある児童生徒の情報通信技術(ICT)機器持ち込みは、自治体によって対応に差があり、活用へのハードルが軽減される可能性もある。

NPO法人「支援機器普及促進協会」(長岡京市)の高松崇さんは「視力が低い場合は眼鏡を掛けるように、学習障害がある子は、ほかの子と困り方が違うからタブレットを使うということ」と、必要性を説明する。

端末配備で、個人負担だけでなく、周囲の子や保護者が抱きがちな不公平感が、取り払われる利点があるという。その上で、「眼鏡も個人に合わせた調整が必要であるように、機器を渡せば理解できるのではなく、その子に合った補正が大切」と指摘する。機器の役割は本人の自立の支援だ。能力に応じたアプリの設定や、紙に文字を書くのと同程度の入力技術が、子ども自身で機器を使いこなす上で重要となる。

山木旬君は、ICT機器を通じた療育支援を行う放課後等デイサービス「ヴィキッズ」(向日市寺戸町)に通う。入力練習だけでなく、検索方法や、授業と日常生活に役立つアプリの使い方を学ぶ。帰宅後も、学校で撮った黒板画像で復習を繰り返し、活用技術の向上に努め、学習意欲にもつながっている。講師の岡田拓郎(たくお)さん(39)は「日進月歩の技術を使った新たなアプローチ。学習障害であることを気にせず生きていけるきっかけになれば」と見守る。


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学習障害の子どものために、デジタル教科書やICT支援にPCやタブレットの教室持ち込みを学校に提案すると「他の子どもとの公平性の問題がある」と担任から何度も断られた経験があります。眼鏡や補聴器と同じことではないかと食い下がっても、それは社会に認められているからだと取り付く島もありませんでした。社会を変えるには学校がパイオニアになることなのに、そんな気概も学校からは失われてしまったかと悲しくなりました。

福祉行政や相談事業所にも学習障害は学校や塾が対応することだと誤解している関係者がいます。学習障害は聞けばわかるが読めないとか、喋れるが書けないというもので、教科学習以前の問題ですから、当然医療や福祉も関わるわけです。眼鏡や補聴器をはじめ障害の支援機器は福祉が扱っています。視覚障害の子どもに白杖の指導をしたり点字の支援をするのは福祉か学校かと言い合うことはありません。それと同じように考えればいいのに、かたくなに福祉支援の対象ではないと言い張る担当者が未だにいるのです。

それが、このGIGAスクールでやっと学校では支援が実現しそうです。でも支援機器の使い方はその子の特性によって違います。今後も、ICT機器の使い方が他の子どもと違うと言って特別を認めない先生が現れないか若干心配もあります。しかし、こうした記事が掲載されることで、ICT支援は学習障害への当たり前の対応だという事が広まればいいと思います。新しい放デイ事業所じゃんぷでは、「発達性ディスレクシア」に特化した療育を専門的に実施しています。特性に応じた学校での対応と同じように、家庭でも特性に応じた自学自習が必要です。アセスメントを繰り返しながら、正確で持続的な支援が必要です。詳しくは075-874-5170(学びの広場じゃんぷ)までお電話ください。

発達マイノリティーという考え方

発達障害は「障害」か 発達マイノリティーという考え方/下

西田佐保子・毎日新聞 医療プレミア編集部
2021年4月4日【毎日新聞】

「発達障害」は、先天的な脳の機能の偏りにより生じる障害の総称で、自閉症スペクトラム障害(ASD)、注意欠如多動性障害(ADHD)、特異的学習障害(LD/SLD)などが含まれます。重度のASDの作家・東田直樹さん(28)によるエッセー「自閉症の僕が跳びはねる理由」が原作のイギリスのドキュメンタリー映画「僕が跳びはねる理由」(2020年)の字幕を監修した、明治大学子どものこころクリニック院長で、東田さんとも交流のある山登敬之さん(63)は、発達障害ではなく、発達マイノリティーと呼ぶことを提唱しています。(前編「映画「僕が跳びはねる理由」で知る発達障害の誤解/上」)

発達障害は病気ではない
――山登さんは、精神的ストレスから生じるうつ病や統合失調症などの2次障害がなければ、特に発達障害に積極的な診断は必要ないとの考えをお持ちですが、その理由をお聞かせください。

◆発達障害は病気ではありません。「障害」とされているものは生物学的な特徴であり、個人差です。個人が困ることなく生活できていれば、診断の必要はないと思います。ただ、2次障害の他にも、日々の日常生活を送る上で支障があり、ご本人が悩み、周りも心配するケースなどがあります。その場合、医者がサポートできることがあれば、もちろんします。福祉のサービスを受けるために診断書が必要になるとか、そういうときも、ですね。

――いわゆる“大人の発達障害ブーム”で、その概念は広く知られるようになりました。

◆ASDであれADHDであれ、発達障害の人は、周囲の人と比べ自分にはできないことが多い、自分は周囲と違うなどと感じて、寂しい思いも悔しい思いも重ねてきています。「大人になって発達障害と診断をされて、自分の生きづらさに合点がいって、それから道が開けた」といった話ばかり注目されます。しかし、診断がついたからといって根本的な問題が解消されるわけではありません。発達障害に根本的な治療法はないのが現実ですし、必要なのは治療より支援です。マイノリティーはマイノリティーのまま生きていく。大変な思いをすることには変わりがないわけですよね。だからこそ、支援の重要性に目を向けるべきだと思います。

――ADHDの場合、薬物治療という選択肢もあります。また、不注意、多動性、衝動性などADHD特有の思考の“癖”と捉え、何らかの対策を取ることも可能ではないでしょうか。

◆確かにADHDの場合はできないことが具体的なので、工夫のしがいがあると思います。ASDの人たちのように、コミュニケーションの仕方がわからず人間関係を築けないという方に、助言をひとつするのも難しいじゃないですか。その点で言えば、ASDとADHDでは異なります。

――先ほども「マイノリティー」という言葉が出てきましたが、山登さんは「発達障害」の代わりに「発達マイノリティー」と呼ぶことを提唱されています。

◆「セクシュアルマイノリティー」から着想しました。後から知りましたが、僕よりも前に「発達的マイノリティー」と表現している精神科医の人もいますし、最近、発達障害の著作でベストセラーを出した本田秀夫さんは、発達障害は生きづらさを抱える少数派の「種族」であると言っています。
発達障害の人は、生まれつき皆と違うから「障害」と言われてしまいます。でも、発達の仕方は人それぞれ異なります。発達が平均的集団と異なる一群に名前をつけただけですから、社会的には「マイノリティー」と考えてもよいのではないでしょうか。

ASDの人たちの進路はどう決まる?
――日本の精神医療の現場では、米国精神医学会の作成する国際的診断基準「精神障害の診断と統計マニュアル(DSM)」をもとに診断する医師が多いといわれています。DSMの第4版(DSM-4)には「広汎(こうはん)性発達障害」というカテゴリーがあり、多くのケースで知的障害を伴う「自閉症」、知的障害は伴わない「アスペルガー症候群」、一部自閉症の特徴がある「特定不能の広汎性発達障害(PDD-NOS)」といった分類がありました。しかし、13年に改定されたDSM-5からは撤廃され、ASDという単一の診断名に統一されました。そのことにより診療の場で混乱が生じませんでしたか。

◆DSM-5でASDを診断するには、「複数の状況で社会的コミュニケーションおよび対人的相互反応における持続的な欠陥」と「行動、興味、または活動の限定された反復的な様式の存在」という二つの項目を満たす必要があります。「スペクトラム」は連続体を意味しますが、これは同じASDでも特徴の「濃淡」は異なるということです。特徴が濃い、つまり障害の重さ、生活の不自由度などは人それぞれで、精神医学的に障害として同じグループになっても、必要な支援は異なるのです。
ASDは人口の約2%を占めると言われていますが、軽度の方が最も多く、重度の方が最も少なくなっています。東田さんのような、会話も困難な、いわゆる古典的な「カナー型自閉症」の数は限られます。東田さん自身も、「僕みたいな自閉症とアスペルガーみたいな人たちを一緒にして語るのはどうか」と話していました。

――ASDの治療法は確立しておらず、療育が重要になります。ASDの人の多くはいつ診断され、どのように進路を決めていくのでしょうか。

◆日本は1歳半と3歳時の検診で、子どもの成育過程をチェックしていきます。3歳検診の時に言葉が出ないなど、同年代の子どもに期待されることができない場合、公的もしくは民間の療育のサービスを受けられます。そして、保育園や幼稚園で年長のとき、就学相談を受けます(ただし任意)。重度のASDの場合は、特別支援学校や特別支援学級に通い、軽度だと、通常学級に入って、週1回程度の特別支援教育を受けることになります。

――東田さんなど重度のASDで会話が困難ながらも知的レベルが高い人が、一般の人と同じ教育を受けることは難しいのでしょうか。

◆東田さんは小学校6年生から中学校卒業までは特別支援学校に通ったけれど、ちゃんと勉強したいということで、通信制高校に入学して卒業しています。ただ、重度のASDで会話ができず、知能検査で要求する問題に答えられないと、知的能力が低いと判断されてしまいますから通常の学校に通うのは難しい。「そのような検査が彼らに適切か」「その知能を正しく数値化できるのか」という問題もあり、教育現場の状況は変わっていません。

――卒業後は、どのような道を進むのでしょうか。

◆障害者雇用枠で企業に就職する人もいます。ただ、社内で働く人たちの理解や認識はさまざまです。最初は黙って受け入れているものの、知らず知らずのうちに排除する動きが出てきて、それにいたたまれなくて出勤できなくなってしまう人もいます。また、通常の就職が現状では困難な人は、就労継続支援A型や同B型といった施設に通所しながら働きます。ただ、そこでも適応できずに家に引きこもる人もいます。

――介護する保護者などが亡くなった場合、生活をどのように続けていくのですか?

重度のASDの方々は施設に入所、もしくはグループホームに入居するケースが多いですね。介護のサービスを受けながら、アパートから福祉施設に通所する人もいます。

日本はそれこそ高齢者の介護もそうですが、家族任せの面がまだまだあるので、介護する両親の体が動くうちは子どもの面倒をみようとする。ASDの人の自立を考えたら、もっと多くの選択肢があればよいと思います。

――海外でASDの人たちはどのように見られているのでしょうか。

14年に「シンプル・シモン」というアスペルガー症候群の青年を主人公にした映画が公開されました。あの中でシモン青年は「触らないで、アスペルガーです」と書いたバッジを胸につけているんですよ。感覚が過敏なので不意に触られるとビックリしてしまうというわけです。でも、「それだけこの種の障害が社会に認知されているんだな」と思って感心しました。日本では「アスペ」といったら、「コミュ障」と同様、一種の悪口ですから事情が全然違いますよね。

――ASDの方々が個性を伸ばし、満足度の高い生活を送るためには、私たちの手助けが必要だと、東田さんも語っています。具体的にどのようなサポートをすればいいのでしょうか。

◆例えば、足の悪い方が重い荷物を持って階段を1段ずつ上っていれば、僕らは何をすればいいかわかります。でも、電車の中で大きな声を出して、ぴょんぴょん跳びはねている人を見かけて「どうしたの?」とたずねる人は少ないでしょう。
ひょっとすると、その人は楽しんでいるだけかもしれない。でも、その人も、東田さんと同じ生きづらさや苦悩を抱えているかもしれません。そのような、伝わりにくい、伝えにくい、ギャップをどう乗り越えるか――。

先ほど、ASDの人たちの進学や就職などについてお話ししました。まずは、彼らの存在に関心を向けること、彼らがどのように生活しているかを知ることが第一歩かと思います。

やまと・ひろゆき 精神科医、医学博士。明治大学子どものこころクリニック院長。筑波大学大学院博士課程医学研究科修了。専門は児童青年期の精神保健。主な著書に「新版・子どもの精神科」(ちくま文庫)、「子どものミカタ」(日本評論社)、「東田くん、どう思う?」(東田直樹さんとの共著、角川文庫)ほか。

映画「僕が跳びはねる理由」
公式サイト https://movies.kadokawa.co.jp/bokutobi/

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映画「僕が跳びはねる理由」が京都でも上映されます。
アップリンク京都
https://kyoto.uplink.co.jp/map
tel. 075-600-7890 kyoto@uplink.co.jp
〒604-8172 京都府京都市中京区烏丸通姉小路下ル場之町586-2 新風館 地下1階
4/16(金)~ 公開 時間未定
4/17(土) 『僕が跳びはねる理由』特別ビデオ舞台挨拶開催 時間未定

発達性協調運動障害児の手先の不器用さ改善

確率共鳴現象で発達性協調運動障害児の手先の不器用さ改善、畿央大学などが検証

2021年4月5日【大学ジャーナルオンライン】

畿央大学の信迫悟志准教授らは、武庫川女子大学、明治大学、慶應義塾大学と共同で、コンパクトな確率共鳴装置を手首に装着することで、発達性協調運動障害を有する児の手先の器用さが改善することを明らかにした。

発達性協調運動障害(DCD)は、麻痺はないが協調運動技能の獲得や遂行に著しい低下がみられる神経発達障害の一類型。学校生活・日常生活やスポーツ活動の様々な運動スキルに不器用さが現れ、自己肯定感・自尊心の低下や不安障害・抑うつの増加といった心理面への影響も懸念される。DCDの頻度は学童期小児の5~6%と非常に多く、その過半数が青年期・成人期にも協調運動困難が残存するとされる。

一方で、身体への微弱な機械的ランダムノイズ刺激による感覚・運動機能の改善は、古くから知られている。この改善は確率共鳴(SR)現象と呼ばれ、健常者に加え脳卒中後片麻痺患者・パーキンソン病患者・脳性麻痺児でも観察されている。しかし、DCDを有する児に対する介入報告は極めて少なく有効性は不明だった。

研究グループは、6~11歳のDCDを有する児30名(平均年齢9.3歳)にSR現象を用いた二重盲検介入研究を実施。児の両手首に装着された振動触覚デバイス(SRデバイス)による振動触覚ランダムノイズ刺激によってSRを提供し、手先の器用さテスト(微細運動機能テスト)を行った。その結果、SR装置によってSR現象を付与している際に、DCDを有する児の手先の器用さが有意に向上した。

ただし、SRによる改善効果はその直後のSRを提供しない際に持ち越されなかった。今後は、SRの提供時間の長さやSR装置装着中の運動の種類と「持ち越し効果」との関連についての研究が必要としている。

論文情報:【Frontiers in Neurology】Influence of stochastic resonance on manual dexterity in children with developmental coordination disorder: A double-blind interventional study

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発達性協調運動障害(DCD)の子どもは、「ミルクを飲むときにむせやすい」「寝返りがうまくできない」「ハイハイがぎこちない」など、乳児のうちからその兆候は現れてきます。保育所や幼稚園に通うような幼児期には、「階段の昇り降りが苦手」「はさみがうまく使えない」「着替えが遅い、難しい」など、さまざまな形で症状が現れます。

DCDの頻度は6~10%と高く、小学校の30人学級ならクラスに2、3人はいる計算になります。注意欠如・多動性障害(AD/HD)の約30~50%、限局性学習障害(LD)の子どもの約50%に見られ、自閉症スペクトラム障害(ASD)と併存することも多くあります。そして、この障害は大人になっても、50~70%と高い頻度で残存するとされています。

これまでも発達障害のある子どもに不器用さが見られることは認識されていましたが、そのような症例が単独にも存在し、発達障害の子どもたちを理解し、支援していく上で重要であることが、近年専門家により指摘されています。発達性協調運動障害(DCD)の子どもたちの「不器用さ」は、生活の場面でも、学習の場面でも、本人の心に大きな負担となります。不器用さは、専門家ですら脳の機能障害と理解している人は少ないために周囲からの支援は受けにくく、逆に、保護者や教師から間違った対応がなされて、事態が悪化するケースがあります。

例えば、「縄跳びが飛べない」「縦笛が吹けない」「字をマス目に収められない」、そのような子どもに対して、教師も保護者も「練習が足りない」「怠けている」「だらしない」「何度も繰り返せば、必ずできるようになる」として、反復練習を強いる指導をしがちです。本来は発達障害の一種であることを理解した上で、ていねいな説明と適切なサポートや合理的配慮を行うべきなのに、挫折感や屈辱感を与えるような訓練が繰り返され、結果として本人の自尊感情が大きく損なわれます。

どんなに運動が下手でも、体を動かすことが嫌いな子どもはいません。比較されることがなく、“ここでは下手でもいいのだ”とわかれば、子どもたちは安心して運動にチャレンジします。小さな目標であっても、それを達成した喜びは子どもを前向きな気持ちにさせます。その環境の一つが、DCDの子どもたちが比較的多い放デイと言えます。運動が苦手で学校では外野に追いやられ、ボールが回ってこないのでスポーツの楽しさを得ないまま高学年になる子どもが少なくありません。そうした子どもたちにとっての放デイでのスポーツは、外野の声を気にせず安心してスポーツが楽しめる条件があります。

そして、今回の研究成果は、手先の不器用さにアプローチするデバイスの開発でした。これはもともと内視鏡手術などで敏感な感覚を必要とする道具として開発が進められていた技術です。DCD支援のセオリーは粗大運動から微細運動にというもので、いきなり細かな手先の運動から入るのは禁忌なのですが、このデバイスがあれば器用さが増すというものです。残念ながらこのデバイスがないと効果は持続されないのでさらなる研究が待たれます。

公立小「35人学級」、端末利用も本格化

学校現場も新しく公立小「35人学級」、端末利用も本格化

4/6(火) 19:32【産経新聞】

新型コロナウイルスの収束が見通せない中、各地の小中学校で6日以降、順次、新学期がスタートする。公立小では、教室の「3密」回避のため、1クラスの定員を引き下げた「35人学級」が始まる。導入初年は2年生が対象だが、すでに多くの自治体で実現済み。国の計画では3年生以上は卒業まで対象外となる一方、前倒しで高学年まで少人数化を拡充する動きもあり、地域や学年による学習環境の差の広がりも懸念される。

1クラスの人数は義務標準法で上限が定められており、教室の3密を解消するための方策として3月末に改正法が成立。公立小で、すでに35人だった1年生を除く2~6年生の上限を40人から35人にした。今年度から、学年ごとに5年かけて引き下げていく。

ただ、今年度の対象となる2年生は、指導の充実を目的に設けられた教員加配の予算措置により「すでに全国のほとんどの学校が35人学級となっている」(文部科学省)。そのため、学校現場の環境改善は限定的になるとみられる。

一方、国が示した移行計画に基づき少人数化を進めると、新3年生以上は卒業まで対象外となるため、一部の保護者からは「不公平だ」との声も上がる。東京都渋谷区立小では、児童数が計39人で2年生当時は各19、20人の2クラスだった編成が、新3年生に進級すると1クラス39人となり、学級人数がほぼ倍増するケースもあるという。

国の方針に先駆けて35人学級を前倒しで進める自治体も目立つ。埼玉県新座(にいざ)市は市立小4校で新3年生の学級が35人を上回ることになるため、独自に対象を拡大し、35人以下に抑えた。

平成20年度以降、少人数学級を増やしてきた北九州市では新学期から全ての学年で35人学級化が完了。市立小全体で昨年度に比べて約30クラスが増えることになった。東京都杉並区は都採用の教員に加え、区も独自に採用を行い、全学年を35人学級にしている。

都内では、昨年度時点で全学年が35人以下に収まっているのは公立小の約8割。2割は40人学級の学年が残るが、その中でも独自の工夫により学習環境の改善を進める例もある。

3年生から40人学級での編成となる荒川区立第三日暮里小では、月内にも全学年が利用できる校内専用のテレビ会議システムを導入。タブレットや電子黒板を使い、図書室やロビーなどを第2、第3の「教室」として活用して、分散させた児童を双方向で結ぶ授業などを検討している。

末永寿宣(としのぶ)校長は「学級という枠組みにとらわれず、校内全体を学びの場として考えた。教育効果も期待でき、教員の工夫次第でピンチをチャンスに変えられる」と話した。

■1人1台、先生が不安?
小中学校では3月末までにほとんどの自治体で学校現場にパソコンやタブレットといった1人1台の学習用端末の納品が完了し、新学期から本格的に授業などでの活用が始まる。ただ、不慣れな教員のスキル習熟や低学年に対する指導方法など課題が山積しており、政府の構想通りに進められるかは不透明な状況だ。

小中学生に対する1人1台の端末配備は新型コロナウイルス禍を受け、政府が前倒しで進める「GIGAスクール構想」の一環で、遅れが目立った学校現場のICT(情報通信技術)化の柱となる目玉政策だ。

文部科学省は学校現場での本格始動に合わせ、各地の教育委員会や学校現場から8人の教員を登用し、専属で支援を行うチームを強化。学校側の相談に対応するほか、ICT活用の参考授業例などを発信する。

ただ、学校現場では指導を始める前段階で課題が山積しているのが実情だ。6日に区立小中学校の入学式を行った東京都足立区では、5月から児童生徒に配布する計画だが、「チョーク1本でやってきたベテランを中心に不慣れな教員もかなり多い」(区教委)。

同区立校では、在校生の約2割に当たる約1万人の児童生徒の家庭には通信環境がなく、自宅への持ち帰りを前提にした文科省が示す構想の実現に苦心する。区教委の担当者は「教育方法を誤れば、子供に逆に苦手意識を与えかねないので丁寧に進めたい」と語る。

首都圏の公立小で低学年を受け持つ女性教員は「アルファベットを知らない子供にパスワードを入力させるのも一苦労。どう教えていくのか、走りながら考えるしかない」と話した。

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2年生はすでに措置済みと言うのは、京都府も同じです。国の加配を活用して平成20年度から、京都府の独自措置で教員配置の拡充を行い、小学校において30人程度(30~35人)の学級編制が可能となる教員を配置しています(京都方式)。ただ、国の制度は35人学級ですから、最小18人で平均27人ですからさらに減らせますし、これまでの加配部分を削らなければ通級指導や特別支援、ICT教育支援にも人手を回すことも可能となります。

「GIGAスクール構想」での混乱ぶりは記事にもうかがえます。この頃の端末は一度パスワードを打ち込めば端末自身が記憶していますし、iPad等は生体認証ですから、何故低学年にアルファベットのパスワードを毎回打たせているのか、導入担当者は何をしているのかと思ったりもします。そもそも、全ての生徒用端末は担当者がネットワーク上でパスワードを含めて管理できるようにするのが当たり前ですが、この記事を読んでいると不安にすらなります。

しかし、先生も子どもも習うより慣れろでしょう。導入すれば子どもは自分でどんどん学んでいきます。気になるのは、プログラミング教室の流行です。週1回90分で1か月2万円とは小学生にしては高額だと思いました。これは、いつまでたってもプログラミングを本格的に教えない学校の責任ではあるのですが、スクラッチなどはちょっと触れば子どもでも自然に学べるプログラム言語なのに「プログラミング」という言葉に大人が怖気づいてこんな高額な塾が流行る原因を作っているのではないかと思います。すてっぷやじゃんぷでも子どもの興味の持ち方次第では療育として十分に教えられる内容です。

子供たちが気を付けること

子供たちが気を付けること・・・専門家に聞く、学校での注意点 4月8日から新学期〈宮城〉

4/7(水) 19:58【仙台放送】

宮城県内ほとんどの小中学校で、4月8日から新学期が始まります。新型コロナウイルスの感染が急拡大している今、子どもたちが気を付けることを感染症の専門家に聞きました。

東北大学で、感染症を研究する吉田眞紀子助教です。県内では小中高校あわせて9件のクラスターが発生するなど、学校でも新型コロナウイルス感染の危険性は高まっています。子供たちは何を気を付ければいいのでしょうか?

東北大学大学院総合感染症学分野 吉田眞紀子 助教
「1番は“先生も生徒もマスクをしている”。2番は“距離がとれている”。3番は“換気がとてもいい”。これが守られていれば感染リスクはかなり下がる」

県内のほとんどの小中学校は8日から新学期を迎えます。子供たちや保護者に気になることを聞きました。
小学4年生
「楽しいけど、不安なところもある。体育の時にマスクを外して、集合するときに近づくから、どうなのかなと思います」
マスクを外す場面もあるのが、体育や音楽の授業。吉田助教も状況に応じてマスクをつける必要はあるとしています。

東北大学大学院総合感染症学分野 吉田眞紀子 助教
「できることならば、マスクはした方がいいです。広いグラウンドは非常に換気がいいため、1メートル、2メートルずつをあけて走るならマスクをしなくてもいいんじゃないか」

もう一つ、マスクを外す必要があるのが、給食の時間です。
小学4年生の保護者
「給食の時間にお話してるのをやめなきゃいけないのか」
マスク会食が呼びかけられる中、吉田助教も「給食での黙食」は大切と指摘します。

東北大学大学院総合感染症学分野 吉田眞紀子 助教
「食べるということは、非常にリスクを伴うタイミングではあります。『これおいしいね、食べる?』と会話をすると、その途端、口から飛沫が相手に届く。ちょっと寂しいけども、『まずはごはんは食べよう』。『食べる時は食べる、しゃべる時はしゃべると分けよう』と子供たちに話す」

子供たちの重症化リスクは低いとみられていますが、家族のためにも感染は避けなければなりません。子供たちからはこんな質問も…。

中学2年生
「友達とじゃれあって感染するケースがあるので怖いですね。除菌をするときに、一日に何回やったらいいのかとか気になります」

東北大学大学院総合感染症学分野 吉田眞紀子 助教
「何回すればいいのか。突き詰めると触ったたびに消毒しなきゃいけなくなる。それは実際には無理です。この感染症の中心となる感染経路は『会話・飛沫』なんだとだから、消毒にそこまで大変な思いをしてまでしなくて大丈夫」

コロナ疲れも指摘される中、吉田助教は過剰に心配することなく、基本的な対策を続けていくことが大切と話しています。

東北大学大学院総合感染症学分野 吉田眞紀子 助教
「今、分かってきたことをうまく取り入れて、過剰なことはしない。でも必要なことはしっかりときちんとやっていくことを守って、その上で、さまざまな遊びや授業を実践していってほしい」

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グランド・戸外はマスクはいらなかったはずが、いつの間にかの自己規制で外でもマスクをすることに変わっていきました。運動するときは、熱中症や換気障害の危険のリスクの方がはるかに高いのですからマスクは外して当然です。給食中はおしゃべりしないけど、遊び時間が長くなると前向きに考えます。そして、普段の自由な会話まで禁止する必要はないし、もしそれを規制するなら、そもそも授業が成り立たなくなります。

メディアは、子どもで重症化した人は誰もいないことをまず伝えることが大事です。子どもから家族に感染させない配慮を求めるコメンテーターがいますが、その配慮のない発言で敏感な子どもが不登校になっている責任こそ問いたいです。そもそも、この国のPCR陽性者率は欧米から二桁も少ないのです。日本は昨年2月からカウントして千人で5人ですが、アメリカでは千人で100人です。

東アジア圏は欧米と状況が全く違う事をメディアは積極的に伝えようとはしません。欧米の陽性者数で言えば誤差の範囲とも言える人数だけれども、人種的生物学的な違いかどうかは解明されてないので、伝統的に続けてきた手洗いうがいの予防を続けていくのが妥当な選択なのだと思います。

子どもたちにも、大人は正確な事実を伝えることが大事です。メディアは全ての事実を伝えているとは限らないという話も高学年以上には必要な知識かもしれません。そして、中学生くらいになれば、自分に大きな損害がないなら自分の意見が違っても大勢にあえて合わせておく処世術が大人にはあるということも伝えたいものです。

でも、長いものに巻かれる付和雷同型が増えると差別やいじめが起こりやすくなることも同時に教える必要があります。それ以上深い話になると政治や哲学・心理学の話になるので、自分で調べてみたら面白いかもしれないねと伝えようと思います。

「市立京都奏和高」が開校

不登校生の学び直し支援定時制の「市立京都奏和高」が開校

4月9日(金)10時20分【毎日新聞】

不登校など、さまざまな事情を抱える生徒を受け入れる定時制高校「京都市立京都奏和(そうわ)高校」(高崎利明校長)が8日、同市伏見区に開校した。伏見工業高と西京高の定時制を将来的に再編・統合する形にした。多様なカリキュラムや少人数教育など、子どもの学び直しを支援する体制を整えている。

市教委によると、定時制高校は昼に働く子どもが夜間に学ぶ場とされてきたが、近年は不登校の経験者や発達障害などの生徒が通うケースが増加している。需要の変化に対応するため、市教委は2014年から開校の準備を進めていた。校名には「さまざまな困りがある生徒が個性を奏で響き合い、共に和をもって学び合う」との思いが込められている。

生徒一人一人の事情に対応するため、授業を受ける時間帯や通う年数が異なる4種類のカリキュラムから選べるようにした。一人一人に目が行き届くよう、1クラスの人数は約20人に絞った。スクールカウンセラーなどの専門家も配置する。

2月に実施した入試は、定員80人に対し225人が志願(倍率2・81倍)。8日の開校式で、新入生代表の小林麻優(まひろ)さん(15)は「さまざまな困りに対し、全生徒が認め合い、学び合っていきます」と誓った。

伏見工業高と西京高の定時制は21年度から募集を停止し、22、23年度に閉校する。【添島香苗】

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京都府立高校にも京都フレックス学園構想スタイルの高校で清明高校と清新高校があります。清明高校は「昼間二部制定時制・単位制」で2015年に北大路でスタートしています。清新高校は丹後弥栄町で昨年度開校しました。開設理由は定時制高校や専門高校の定員割れ対策と、時代と共に生徒の特別なニーズも変わってきた事に合わせた学校が必要になっている事です。今年度の倍率は、府立高校は1倍程度ですが、奏和高は3倍近くあり狭き門となっています。

知的遅れのない発達障害の子どもを広く受け入れる高校を作ることは大事なことですが、結果として普通高校から発達障害の生徒が消え、インクルージョンと言いながらどんどん分けて区切ってエクスクルージョンが進んでいるのではないかと思うのは筆者だけでしょうか。できれば、どこの高校でも様々な学び方が普通にできるように支援していくのが本来のあり方ではないかと思います。ただ、そのためには高校選択の時点で支援を考えるのではなく、小学校の早期からの当事者と保護者への持続的で安定した支援が必要となるのは言うまでもありません。

ぼくは勉強がしたい

ぼくは勉強がしたい

2021年4月12日 【NHK NEWS】

読みたいのに読めない、読みづらい。書きたいのに、思うように書くことができない。そんな人たちがいます。ある少年は、まわりの大人たちの少しの工夫や補助する道具との出会いで勉強が楽しくなりました。いま、新たな一歩を踏み出そうとしています。

落ちこぼれだったぼく
「おれって、バカなんだろうな。てんで、できないやつなんだろうな」
神奈川県に住む菊田有祐さん(18)。小学生のとき自分のことをそう思っていた。いろんなことがクラスのみんなと同じようにできない。教室の後ろに貼られた書道は、自分のところだけ空白だ。観察日記も、調べ学習の表も、宿題もすべて出すことができない。
毎日のように放課後、残って宿題をした。

字を、書くのが苦痛
小学1年生の時にアスペルガー症候群と診断された。「この子は読み書きに苦労するかもしれない」主治医からそう言われた母は、つきっきりで読ませよう書かせようと努力してくれたが、一向に上達しなかった。

4年生のときの国語のテスト。名前の欄に大きく「きく田」と書いた。まわりの同級生が漢字でスラスラと名前を書くかたわら、名字を書くことで精いっぱいだった。同じころに受けた算数のテストは、2けたや3けたのかけ算が答えまでたどりつけていない。数字を書くだけでも難しいのに2列や3列にきちんと並べて書くなんてできなかった。

ふざけているわけでも、適当にしているわけでもない。考えていたことを書こうとするとそこで思考が止まり、初めにもどって考え直すの繰り返し。結局、考えがまとまらなくなってしまう。無理に書こうとすることで疲れてイライラが募り、鉛筆を2つに折って家に帰ることが日常になった。自分に自信が持てず、いつもおどおどしていた。そんな姿がいつしか同級生のからかいの対象になり、蹴られたり羽交い締めにされたりするようになった。「死にたい、飛び降りたい」そう感じるほど、追いつめられた。

文字が動く、逃げていく
奈良県に住む知直さん(19)も読み書きが苦手だ。小学校の高学年のころADHD(注意欠如・多動症)と診断された。視覚過敏があり、文字が黒、背景が真っ白といった具合にコントラストが強いと文字が見えにくくなる。背景を薄紫などに変えるといくらか和らぐが、それでも文字のフォントが明朝体だとお手上げだ。ゴシック体などと比べて細い部分と太い部分がある明朝体は、読もうとすると文字が動く。走り出す。逃げてしまう。どこを読んでいたか分からなくなる。

苦手なフォントのプリント
忘れられない出来事がある。6年生のある日、授業で配られたプリントがどうしても読めなかった。苦手なフォントが使われていたためだ。先生に授業で使うプリントを前日に渡してほしいとお願いした。前日にもらえれば、親に頼んで読みやすいフォントに打ちかえてもらうことができると考えたのだ。しかし先生の答えは「ノー」。授業の当日にプリントを印刷することもあるし、そもそもひとりだけ特別扱いはできないという理由からだった。毎日、毎日、読めない、書けない。朝、ベッドで泣きながら親に怒りをぶつけた。
「なんで目が覚めるの?なんで生きているの?」

希望の光が見えた日
読めない、書けない困難に直面していた2人の少年。彼らの学びを飛躍的に楽にした道具があります。パソコンやタブレット端末です。書くのが苦手な菊田さんは、5年生の夏休みに参加したセミナーでタブレット端末と出会いました。画面のキーボードを使えば、黒板の文字や先生の言ったことばを手で書かなくても端末に記録することができました。小学校ではこうした機器を持ち込むことは原則、禁止されていましたが、担任の先生が力になってくれて、6年生の4月から特別に認めてもらいました。

初めてタブレット端末を使ってノートをとった日。
「ママ、いつもの80倍くらいノートをとるのが楽だった!」そう、母親に報告したそうです。
菊田さん
「タブレットを使いだしたからといって、それで劇的に勉強ができるようになるわけではありませんが、少なくともぼくはノートを取ることが楽にできるようになり、頭の中にあった考えを形にするツールができたと感じました。授業が一気に楽しくなって理解も深まり、宿題なども提出できるようになりました」
それからはタブレット端末がいつも一緒。社会科見学にも修学旅行にも、つねに斜めがけにして持って行きました。
授業で発表するスライドを作る役目を買って出たときは「クラスに貢献している」と感じたそうです。イライラが減って友人たちと笑い合うことが増えていきました。

その後もタブレット端末などを活用して中学、高校と勉強に励み、ことしの春、大学に進学。起業して地方創生につながる観光の仕事を作り出すという夢に向かって新たな一歩を踏み出しています。

菊田さん
「学べることがうれしいし、すごく楽しみでわくわくしています。小学生のころの自分に伝えたい。もうすこし、もうすこしだけ我慢したら、自分の能力やできることに気付いて自分が好きになっていくので、もうすこし我慢してくれたらうれしいよ」

手段はなんだっていい
知直さんも中学校からタブレット端末の持ち込みが認められ、苦手なフォントを自分で変換するようになると授業が分かるようになりました。

その後、子どものころから大好きだったロボットを作りたいと高等専門学校に進学。
人の生活や仕事の動作を楽にするアシストロボットを作るという夢ができました。今、機械工学を研究できる大学への編入を目標に勉強を頑張っています。


知直さん
「自筆で書くことだけが『書く』ことなのかな?『書く』ことが『表現すること』だとしたら、道具はなんだっていいんじゃないかな。読むことも同じで『読む』ことが『情報を得る手段』だとしたら、読み上げソフトを使ってもパソコンを使っても手段はなんだっていい。ぼくはそう思っています」

気付いてほしい、知ってほしい
実は2人のように発達障害のある子どもが、読み書きを苦手とするケースは珍しくありません。

発達障害のある子どもの親およそ1000人に子どもの苦手なことを聞いた調査があります。
▽作文が嫌い・・55%
▽字を書くのに時間がかかる・・46%
▽スムーズな音読が難しい・・28%
(2018年全国LD親の会調べ)
多くの親が読んだり書いたりすることを子どもが苦手としていることに気付いていますが、対応が遅れてしまうことがあるといいます。

NPO法人 全国LD親の会 井上育世理事長
「発達障害はさまざまな症状が併発することが多いのですが、行動のほうが目立ってしまうのでどうしても読み書きの問題は見過ごされてしまいます。じっとしていられないから、集中できないから、勉強もできないと思われてしまうんです」
「まだまだ親も先生も、がんばって勉強したら読み書きはできるようになるものという考えが強い。学び方や得意なところが違うんだということが理解されるようになってほしい」

誰もが学びやすい社会へ
パソコンやタブレット端末との出会いによって読み書きの困難への対処法を見つけた菊田さんと知直さん。ただ、これが誰にでも当てはまるわけではありません。

専門家は、障害によって表れる症状には個人差が大きく、その人に合わせた学びの配慮が必要になると指摘します。

日本LD学会理事長 筑波大学 柘植雅義教授
「彼らが小学生だった頃にくらべて学びの配慮は格段になされるようになっていますが、十分かと言われたらまだまだ足りない」

「学びにおいては、ひとりひとりに応じた適切な配慮が求められています。先生と保護者が相談しながら、しっかりと『個別の指導計画』を立て、子どもの学びにとりこぼしがないよう、保護者も学校現場も私たち研究者も、向き合い続けていかなくてはなりません」

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まだまだ、こんなニュースがニュースになること自体日本はつくづく後進国だと感じてしまいます。何しろ、福祉関係者が読み書き障害を含む学習障害は学校の仕事だと言われる方が少なくないのです。こうした方々には、単に学習障害を知ってほしいだけではなく、福祉がいつも教育を先導してきた歴史を学んでほしいのです。びわこ学園創設者糸賀先生の言葉は今でも福祉と社会の関係のあり方を示してくれています。

『この子らを世の光に』と支援の必要な子は世の中の方向性=「みんなちがってみんないい社会」を示しているのです。障害のある子の親と支援者たちが重度の障害児でも学校教育が必要と、1979年養護学校義務制は普通教育義務制から半世紀後に実現しました。民間の福祉施設で自閉症や発達障害の支援に成功した成果が特別支援教育として何とか花開こうとしていますが、静かな障害、見えない障害と言われる学習障害の社会的認知も支援もまだまだです。けれども、共生社会の実現は福祉と教育が両輪で走り続けてこそ前に進めるのです。そのために、関係者は飽きることなく諦めることなく同じ話を何度もすればいいのだと思います。

ぼくは勉強がしたい

『僕が跳びはねる理由』特別ビデオ舞台挨拶決定

『僕が跳びはねる理由』特別ビデオ舞台挨拶決定

アップリンク京都 【新風館 地下1階】
https://kyoto.uplink.co.jp/map

■日時:4月17日(土)
■登壇者:東田直樹(原作『自閉症の僕が跳びはねる理由』著者)、金原由佳(映画ジャーナリスト)

04.17土
僕が跳びはねる理由 【上映後ビデオ舞台挨拶】
09:30~11:18
14:35~16:23
16:50~18:38

※リモート出演のみ、劇場での登壇はございません。
※登壇者は変更となる場合がございます。予めご了承ください。

※上映時間は毎日異なりますのでスケジュールをご確認ください。

自閉症者の内面を語った内容が大反響を呼び、世界30か国以上で出版された大ベストセラーを映画化!
みんな同じ空の下、“普通”の君と自閉症の僕との未来はきっとつながる??
『自閉症の僕が跳びはねる理由』(エスコアール、角川文庫、角川つばさ文庫)は会話のできない自閉症という障害を抱える作家・東田直樹がわずか13歳の時に執筆したエッセイ。他者との会話が成立しづらいため、今まで理解されにくかった自閉症者の内面の感情や思考、記憶を分かりやすい言葉で伝えた内容が大きな注目と感動を呼び、その後30か国以上で出版され現在117万部を超える世界的ベストセラー作品に。

サンダンス映画祭で観客賞受賞など、海外映画祭で絶賛!
このベストラー作品をもとに映画化された『僕が跳びはねる理由』は世界最大のインディペンデント映画祭としても有名なサンダンス映画祭(第36回/2020年1月開催)ワールド・シネマ・ドキュメンタリーコンペティション部門において観客賞を受賞、更に同じく2020年10月に開催された第39回バンクーバー国際映画祭の長編インターナショナルドキュメンタリー部門観客賞とインパクト大賞のダブル受賞など、高い評価を受けた。2005年、わずか13歳の少年が紡いだ言葉が海を越え、今もなお世界中の自閉症者やその親たちに希望を与え続けている。

自閉症者が見つめ、感じ、生きる世界を通じて、“普通”とは何か、そして“会話”の大切さを描く、感動のドキュメンタリー!

この映画は自閉症者の内面がその行動にどのような影響を与えるか、また彼らにとって自閉症という障害が意味するもの、そして彼らの世界が“普通”と言われる人たちとどのように異なって映っているのかを、世界各地の5人の自閉症の少年少女たちの姿やその家族たちの証言を追い明らかにしていく、誰も観たことのない驚きと発見に満ち溢れている。そして、「普通とは?」「個性とは何か」という普遍的な疑問、「会話(=コミュニケーション)の大切さ」「多様性の重視」など…他者と分断されている今を生きる誰もが共感しうる、感動のドキュメンタリー映画である。

東田直樹著『自閉症の僕が跳びはねる理由』と映画『僕が跳びはねる理由』とは…?
映画『僕が跳びはねる理由』の元となった原作『自閉症の僕が跳びはねる理由』は作家・東田直樹がわずか13歳の時に執筆したエッセイ。理解されにくかった自閉症者の内面を、自らも重度の自閉症を抱える著者が平易な言葉で記した内容が大きな注目と感動を呼んだ。
その原作を英訳したのはデイヴィッド・ミッチェルとその妻ケイコ・ヨシダ。デイヴィッド・ミッチェルはトム・ハンクス、ハル・ベリー主演の映画『クラウド・アトラス』(2012)の原作などで知られるイギリスのベストセラー作家である。

日本に滞在していた経験もあるデイヴィッド・ミッチェル、自らも自閉症の息子を育てる彼らが、困り果てていた我が子の行動に対する疑問の答えを東田の『自閉症の僕が跳びはねる理由』の中に見つけ、「世界中の自閉症の子を持つ親にもこの本を読んで欲しい、伝えたい」という願いから翻訳を行ない、2013年『The Reason I Jump』として出版した。『The Reason I Jump』は瞬く間に話題を呼び、現在では世界30か国以上で出版され、117万部を超えベストセラーとなり、今現在も話題を呼び続けている。

一方、2014年NHKが原作「自閉症の僕が跳びはねる理由」を取り上げ、「君が僕の息子について教えてくれたこと」として放映。番組内では東田直樹とデイヴィッド・ミッチェルが対面している模様も紹介された。その後「自閉症の君が教えてくれたこと」(2016)と翌2017年「自閉症の君との日々」(すべてNHK)と、3度に渡り本作が紹介された。
そして、この英語版『The Reason I Jump』が、本作にも出演しているジョスの両親(本作のプロデューサーを務めるジェレミー・ディアとスティーヴィー・リー)の目にとまり、映画『僕が跳びはねる理由』が誕生したのである。

【自閉症とは?】
自閉症とは発達障害のひとつ。原因は特定されておらず、生まれつきの中枢神経機能の障害であると考えられている。「対人関係の構築が難しく集団に馴染めない」「強いこだわりがあり変化を嫌う」という二大特徴があるが、これが本人の生活に支障を及ぼしていなければ障害とは呼ばない。反対に、それによって本人が苦しみ生活にもさまざまな不自由がある場合は、医療や福祉のサポートが必要となる。精神科の分野における自閉症の歴史はまだ80年に満たないため、その概念は近年でも大きく変化している。広汎性発達障害、高機能自閉症、アスペルガー症候群などの用語も生まれては消え、現在では「自閉症スペクトラム」(スペクトラム=集合体)という名称を使うのが一般的。「自閉症スペクトラム」は、障害者と見なす必要のない人まで含むと、全人口の10%を占めるとも言われる。もしもそれだけの人数がいるとなれば、これを「障害」と考えるのは無理があるだろう。現在では、「症状」を「個性」と受け止め、発達障害を持つ人を社会的マイノリティとして支援する流れも生まれている。

『僕が跳びはねる理由』(2020年/イギリス/82分/シネスコ/5.1ch)
監督:ジェリー・ロスウェル
プロデューサー:ジェレミー・ディア、スティーヴィー・リー、アル・モロー
撮影: ルーベン・ウッディン・デカンプス
編集: デイヴィッド・シャラップ 音楽: ナニータ・デサイー
原題:The Reason I Jump
字幕翻訳:高内朝子
字幕監修:山登敬之
原作:東田直樹『自閉症の僕が跳びはねる理由』(エスコアール、角川文庫、角川つばさ文庫)
翻訳原作:『The Reason I Jump』(翻訳:デイヴィッド・ミッチェル、ケイコ・ヨシダ)
配給:KADOKAWA

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アップリンク京都での上映時間が発表されました。今週金曜から1週間上映です。土曜日は上映後に原作者の東田さんからビデオメッセージが上映されます。イギリス映画でしかもドキュメンタリー映画なので、ちょっとスローでマイナーなイメージはぬぐえませんが観に行こう思います。

東田さんは自閉症関係者の間では良く知られていましたが、世界的に知られるようになったのは、小説家ディビット・ミッチェルの英訳からです。デイビット・ミッチェルもまた映画「クラウド アトラス」(2012年製作、主演トム・ハンクス)の原作者として世界的に有名になった観があります。この映画は、輪廻転生を描いたSF映画です。6つの時代設定とストーリーを行き来しながら物語が進みます。ジャンルとしてはSFですがコメディやサスペンスなど様々な要素が楽しめる作品です。

最初はシーンの転換が多くて展開に追いつけず眠くなりますが、徐々に話の関連が見えてきて引き込まれていく映画です。映画で著名になった小説家、彼の翻訳出版で世界のベストセラーになった本、この本が廻り廻って映画になる。自閉症を鍵にした輪廻転生を感じさせます。

 

退学処分の発達障害児、私立小を提訴 問題行動理由「差別的」

退学処分の発達障害児、私立小を提訴 問題行動理由「差別的」、学校側は「全力で対応した」

2021/4/15 6:00 【西日本新聞】森 亮輔

福岡県内の私立小に通っていた発達障害のある男児が、障害が起因とみられる問題行動を理由に退学させられたのは違法として、学校の運営法人に慰謝料など660万円の損害賠償を求め福岡地裁に提訴した。14日に第1回口頭弁論があり、男児側は「障害児への配慮が全くされず、違法の程度は甚大」と主張、学校側は「教育上の配慮は尽くした」と請求棄却を求めた。

訴状などによると、男児は2019年4月に私立小に入学。1年時から通学バス内で落ち着かず、級友とのトラブルも相次ぎ、手を出してしまうこともあった。2年時の20年6月、医療機関で発達障害の一つ、注意欠陥多動性障害(ADHD)と診断され、保護者は学校側に伝えた。

同年9月、級友ともめた男児が教室内で椅子を投げた。けが人はなかったが、事態を重く見た学校側は保護者に公立小への転校を提案。保護者は受け入れず、学校側は「学校の秩序を乱し、その他、生徒としての本分に反した者」を退学にできるとする学校教育法施行規則に基づき、退学処分とした。

男児側は、問題行動は発達障害に起因すると考えられ、通院治療で症状は改善していると主張。学校側の対応を「外部専門家の助言による事態改善を図らず、主治医との連携もしていない」と批判し、退学処分は「社会通念上、著しく妥当性を欠き、障害児に対する差別的な措置」と訴える。

男児の母親は西日本新聞の取材に「手がかかる児童を追い出したいから退学にしたとしか思えない」、代理人の小杉晴洋弁護士は「訴訟を通じ、発達障害に対する私立小の姿勢を問いたい」と話した。男児は現在、公立小に通い、特段のトラブルはないという。

一方、学校側は「発達障害を原因に退学させたのではない」と強調。退学処分の理由について「入学時から問題行動が繰り返され、椅子を投げるという非常に危険な行動があり、他の児童の安全確保に懸念が生じた。保護者の協力も得られなかった」としている。

男児へ対応するため常駐の臨床心理士を雇うなど配慮は続けたとして「男児が集団生活に適応しながら、心身ともに健やかに生活できるよう全力で対応した」と反論している。(森亮輔)

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公立の義務制学校は懲戒退学とすることはできない(学校教育法施行規則第26条第3項)と定められています。一方、私学の場合は懲戒退学処分を受けたとしても公立学校に転学することが可能であるため、学齢児童・生徒に対する懲戒退学処分も認められています。従って、学校との契約関係において逸脱があったときは退学を決定することができるというのが学校の言い分です。

これに対して原告は「訴訟を通じ、発達障害に対する私立小の姿勢を問いたい」というわけですから、退学の是非よりも学校の発達障害に対するあれこれの対応を白日の下にさらすというのが目的のようでう。確かに全体の授業が進められないとして転校を勧め、転校を拒否された場合の退学処分には法的な瑕疵はないかもしれません。

ただ、本人が暴力など危険行為に至る経過に、学校の合理的配慮がなされなかったり、発達障害に対して不適切な指導があった場合は学校の責任も問われます。本人の障害の状態にもよりますが、どの程度以上の配慮を合理的配慮として認めるか、どの程度の指導を不適切な指導と認めるかが争点になります。

私学公立間だけでなく、公立学校から支援学校への指導困難とされる生徒の転校ケースもたまにあります。子どもに柔軟に合わせられる支援学校の環境の方が子どもの成長につながると保護者に転校を勧めた結果です。そのほとんどは他害が一番多いと思います。しかし、支援学校もオールマイティーではありません。中には入院など医療的な支援が必要な生徒もいます。周囲の子どもに危害を加えたりその危険が高い場合というのは通常学校と同じです。

今回のケースがどういうものなのか判決が出るまでは静観するしかありませんが、どこまでを通常学校の合理的配慮とするのか、必要な支援と認めるのか、その線引きが明らかになるなら訴訟の意味はあると思います。

水泳授業における感染症対策

文科省、水泳授業における感染症対策の徹底を呼び掛け

2021.4.15 【リシード】

文部科学省とスポーツ庁は2021年4月9日、学校の水泳授業(幼稚園におけるプール活動を含む)における感染症対策について事務連絡を発出。地域の感染状況を踏まえ、密集・密接の場面を避けるなど対策を講じたうえで、水泳授業の実施について検討するよう呼び掛けた。

文部科学省とスポーツ庁は2021年4月9日、学校の水泳授業(幼稚園におけるプール活動を含む)における感染症対策について事務連絡を発出。地域の感染状況を踏まえ、密集・密接の場面を避けるなど対策を講じたうえで、水泳授業の実施について検討するよう呼び掛けた。

文部科学省およびスポーツ庁による事務連絡は、学校の水泳授業(幼稚園におけるプール活動を含む)における感染症対策の徹底を求めるもの。都道府県・指定都市教育委員会の学校体育主管課・幼稚園主管課らに対し、所管の学校などに周知するよう要請した。

感染症対策として、「学校プールについては、学校環境衛生基準に基づき適切に管理すること」「体調が優れない児童生徒の水泳授業への参加は見合わせること」「授業中、手をつないだり、体を支えたりするなど、児童生徒が密接する活動は避けること」「児童生徒が使用するタオルやゴーグルなどの私物の取り違えや貸し借りをしないよう指導すること」など8つの項目を提示。児童生徒の健康と安全を第一に考えて、それらの事項を十分に踏まえた対策を講じたうえで、水泳授業の実施について検討するよう呼び掛けた。

また、実施にあたっては、スポーツ庁が作成した「コロナ禍における体育、保健体育の教師用指導資料」も参考にすることとしている。《桑田あや》

https://www.mext.go.jp/content/20210414-mxt_kouhou01-000004520_1.pdf
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これは、水泳の授業してよいと言っているのか、感染可能性が高ければ見合わせてよいと言っているのかビミョーです。昨年も、「~すればできる」とあったのに実施した学校は皆無でした。授業中に騒ぐと飛沫が出るから歓声は避けるようにとの事です。それを気にするなら泳ぐ時の息継ぎに出る飛沫が最も多いのです。多くの学校プールは屋外の外気の中で行われます。外気の中で行われるスポーツは飛沫感染を気にしなくていいと言うのが公式見解でした。

結局、感染が起こった時のクレームに対する役人の言いわけ文書としか読めません。対策と書きながらも、これだけ微に入り細に入り飛沫感染の危険性を言うなら、昨年と同じようにやらない方がましだと考える学校が出てきても仕方がありません。

変異ウィルスを運ぶ可能性のある移動は控えて欲しいと大都会の首長が大騒ぎしていますが、この発言は一つ間違えば、マスク警察コロナ警察の復活を助長する発言です。そもそも、どんな場所でもウィルスは時間と共に変異します。その変異の方向性は、感染しやすくするために症状を軽くするというものです。重症者のベッド数が足りないのは感染した人の注意の問題であるかのような指摘の前に、欧米の感染(陽性者)率の20分の1、医療ベッド数は4倍の我が国が「医療崩壊」する本当の原因は何かを指摘して解決するのが為政者の役割だと思います。

メディアは相変わらず子どもの感染の症状について一切触れずに増えた陽性者数だけを報道し変異株は子どもにも感染しやすいという事だけ伝えます。このため大阪の府立学校は17校が休校しています。ただ、学校は2類感染症対応の法律に従っているだけで罪はありません。2類の指定を変えようとしない、変えないでいる理由も発表しないトップに問題があります。願わくば、白血病から快復した池江璃花子選手に感動した子どもたちが、憧れて泳げる水泳授業を実現してほしいものです。

障害者雇用、身構えないで

障害者雇用、身構えないで パラスポーツと出合い、イメージ一変

2021/4/16【毎日新聞】

障害者の雇用環境は厳しい。法定雇用率を達成した企業は半分に届かない。一方で、障害者雇用に積極的に取り組んでいる会社もある。その一つ、鉄道車両のメンテナンス会社「堀江車輛電装」(東京都)は働き方にもこだわる。きっかけは社長のパラスポーツとの出合いだった。

今から8年前のことだ。4代目社長の堀江泰さん(41)は、知人から誘われパラスポーツに関する講演を聞きに行った。帰宅後、自分が高校時代に打ち込んだサッカーのことが頭に浮かび、「障害者サッカー」とインターネットで検索してみた。出てきたのは、2010年に開かれた知的障害者サッカー世界選手権の日本代表戦の動画。精巧な戦術や、大柄な外国人選手をかわしていく技術に驚いた。

「何か関わりたい」と思い、ボランティアで知的障害者サッカーのスポンサー探しや大会運営などを始めた。それから障害に対するイメージががらりと変わった。それまで障害者と接した経験はほとんどゼロ。知識もなく、「暴れたりするのかな」と想像したことさえある。だが、日本代表の選手たちと接してみると、みんな「人なつっこいサッカー好きの弟」のようだった。

適正配慮し転換も
一方で、障害者を取り巻く雇用環境の厳しさも知った。選手たちの多くは特別支援学校を卒業後、工場勤務や配送などの仕事に就くが、競技と仕事の両立に苦労していた。「けがをしても休みづらい」「国際大会があっても長期の休みを取りづらい」――。

そこで、障害者雇用支援のため15年から、求職中の障害者と雇用先をつなげるマッチング事業を始め、16年には障害者の雇用の場を創出しようとビル清掃会社を買収した。障害者雇用促進法は従業員43・5人以上の会社に、従業員の2・3%以上の障害者を雇用するよう求めているが、堀江車輛電装は従業員68人で雇用率は約7%と大幅に上回る。

仕事の適性にも配慮する。雇用支援の一環で行っている障害者向けの就労体験で17年から講師を務める男性はその一例だ。大学卒業後に発達障害と診断され、16年に障害者雇用枠で採用された。当初はビル清掃を担当していたが、精神保健福祉士の資格を持っていることもあり、就労体験の講師の方が合っているとして配置転換された。

昨春、新型コロナウイルスの影響でいち早く「リモート就労体験」を始め、テレビ会議機能などを使いテレワークでデータ入力などの事務作業を体験できるようにした。講師の男性は「トライ・アンド・エラーを繰り返すことで自分の職域が広がる。『やってみよう』の精神で試行錯誤することがいい働き方につながると思う」と語る。

堀江社長に気負いはない。「どの作業が向いているか、今の仕事量は合っているか、一定の配慮さえすれば、『障害者雇用は難しそう』と身構える必要はない。その人の人間性を掘り下げる感じです。障害があってもいろいろな仕事ができると証明したい」

厚生労働省によると、20年6月時点で民間企業の法定雇用率は2・2%(21年3月から2・3%に引き上げ)で、達成しているのは48・6%と半分に満たない。一方、国の機関は97・8%(法定雇用率2・5%)、都道府県は89・3%(同)と高水準だが、市町村は70・6%(同)、自治体の教育委員会は38・6%(法定雇用率2・4%)にとどまる。【五十嵐朋子】

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障害者の雇用の場を創出しようとビル清掃会社を買収するあたりが、福祉の発想とは全く違います。雇用する会社がなければ作ればいい。作るのが面倒なら買収すればいいというコロンブスの卵的発想は民間ならではです。実際に雇用してみれば、バックヤード作業より講師の方が向いていたので配置換えしたというのも福祉的発想では考えが及びません。

ただ、企業の法定雇用率は大きな企業になればなるほどシビアで罰金を払う方が経営上優位だと言う計算が働きます。最近はようやく企業コンプライアンスの中にダイバーシティー社会の実現やSDGs(持続可能な開発目標)を掲げるのが大企業の条件とされるようになってきて障害者雇用にも積極的にはなっていますが、知的障害についてはまだまだの観があります。ぜひとも、この乙訓の地で働く場所がないなら会社を作ろうという起業家が出てくるのを期待します。

 

世界一受けたい授業 不登校新聞

オンラインイベント「世界一受けたい授業で伝えきてなかった事、お伝えします」開催&出演のお知らせ(録画版です)

2021年04月15日 14:02 【不登校新聞】

 4月17日(土)午後7時56分から日本テレビ系列で放送される「世界一受けたい授業」に本紙編集長の石井志昂が出演します。番組では「『絶対学校に行け!』はもう古い! 不登校という子どもたちの非常口」と題し、不登校の現状と展望について、石井が「授業」を行ないます。また、弊社では翌日4月18日(日)午後1時からユーチューブにてオンラインイベントを開催。「世界一受けたい授業」のオンエア中ではどうしても伝えきることのできなかった「周囲の大人はどうすればよいのか」や視聴者からの疑問点に石井が答えます。オンラインイベントは無料です。ぜひご参加ください。

◆テレビ出演概要

出演番組 「世界一受けたい授業」 
放送局   日本テレビ系列 
放送日時  4月17日(土)19時56分~20時54分
【昨日の世界一受けたい授業2時間目について】
Tverでご覧いただけます。
https://tver.jp/corner/f0072349


◆オンラインイベント概要(録画版です)

タイトル「世界一受けたい授業で伝えきれなかった事をお伝えします!」
日  時 4月18日午後1時~午後2時
アドレス https://youtu.be/cslnzkSUKKg
形  式 youtube
講  師 石井志昂(本紙編集長)
参 加 費  無料
内  容 放送内容の整理/周囲の対応方法/視聴者からの疑問に対する答え 

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世界一受けたい授業の2校時目「不登校」を見ていて受けたメッセージは、「学校だけが全てではない、フリースペースやホームスクールもあるよ」というものでした。ただ「勉強しなくてもいい」とは言っておらず「勉強は自分でするもの」ということに気づかせることが大事と言う感じでした。一つ目はその通りですが、勉強の必要性に気づくというのは、嫌になってしまった子どもにはなかなか難しいです。低学年ならなおさらです。低学年の場合はホームスクールで、親が見ていくのが現実的だという事かもしれません。

また、読み書き障害を含む学習障害が理由の場合は、まず障害特性を当事者も家族も知っていることが大事です。やってもやってもできない理由が努力の問題ではなく、特性の問題なので教え方や学び方の工夫が必要だということです。学習障害が理由で不登校になっている方がどの程度の割合でいるのかは分かりませんが、努力しているのに勉強ができなくて登校が嫌になる子どもは少なくないと思われます。世界一受けたい授業のTV録画と不登校新聞の石井編集長のYOUTUBEを観て考えたいと思います。

学校健診 下着脱ぐ必要ある? ない?

学校健診 下着脱ぐ必要ある? ない?検査精度上げる目的も…思春期の子どもに気遣いを

2021/04/19 17:30南日本新聞

「娘が学校の健康診断で医者の手が胸に触れるのを嫌がっている」―。鹿児島市の中学3年生の娘を持つ母親(53)から南日本新聞社の「こちら373」に学校での健診に配慮を求める声が寄せられた。調べると、健診時の脱衣や体に触れる診察に関する具体的な取り決めはないことが分かった。検査の精度を上げるために下着を取るよう指示したり、小学校では上半身裸にしたりするケースもあるようだ。

母親によると、娘は昨年の健診で、医師からブラジャー下に聴診器を入れられた。聴診器が胸の下から上に肌を沿うように移動し、胸の先端に手のひらが当たるなど不快な思いをしたという。一昨年は看護師に体操服と下着をめくり上げられ、胸が見えた状態で医師の診察を受けた。

母親が学校に問い合わせたところ、「診察法は医師の方針に従っている」との回答だった。母親は「多感な思春期で心の傷になる恐れもある。胸に直接手を触れないなど配慮してほしい」と訴える。

県内のある高校は下着を外して診察を受ける形だったが、学校医が変わったのを機に今年から着用したまま受けられるようになった。以前、人権上の配慮から下着着用を打診したこともあったが断られたという。教頭は「学校は健診に来てもらっている立場。無理は言えない」と明かす。

一方で、ある学校関係者は「脱衣で診るのは虐待を早期発見する狙いもある。短時間で異常を見落とさないよう努める医師の思いも分かる」と話す。

学校健診は、学校保健安全法で小中高校などに毎年の実施が義務づけられている。日本学校保健会のマニュアルに沿って、身長・体重測定、視力・聴力検査などが行われ、学校医の診察では心音や呼吸音の異常、背骨のゆがみ、皮膚疾患の有無などを調べる。

県医師会理事で学校保健担当の立元千帆医師(46)=あおぞら小児科院長=は「診察法は医師によってさまざま。脱衣させる方が検査の精度は上がる」とした上で、「聴診器で心音などを診る際、ほとんどの場合、胸に手を触れずにできる。(冒頭の事例は)医師の配慮が足りなかったかもしれない」とみる。

小児科医で薩摩郡医師会病院の相良久治院長(69)も、「病院で受ける詳しい診察は裸が基本。だが健診で確認する心臓や肺の音の異常程度であれば、下着を着用したままでも可能」と話す。

文部科学省は3月、健診時の脱衣を伴う検査における留意点を全国の教育委員会に通知した。プライバシー意識が高まり、現場で対応に困ることがあるためという。留意点に、具体的な診察法の記述はないが、「発達段階を踏まえた配慮を行う」ことを求め、工夫例として「必要性や実施方法について丁寧に説明し理解を得る」ことを挙げている。

相良院長は「生徒や保護者の要望を学校が把握し、医師と共有するのが望ましい。その上でどのような配慮ができるのか検討すべきだろう」と話した。

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昨年の春頃からSNS上で批判されている学校検診の女子の下着の脱衣の話から、今は医師の診察法もいかがなものかと非難の的になっています。ただ、これは学校だけの話ではなく、診察全般にかかわる話にも思えます。望ましいのは同性医師の診察だろうと思いますが、女医の診療所そのものが少ない現状では地域の医師会では解決できそうにもありません。

そして、課題は障害者や老齢期の介護に及びます。診察も介護も身体のプライバシーにかかわることですが、障害者や老人の清潔や排泄介護も同じ問題を抱えています。本当は同性介護を望んでいるのですが、これまでの子どもたちや保護者がそうであったように、立場が弱いものは声があげにくいです。

AIを内蔵した介護ロボットの開発がこの問題の解決の一助となるのか、新たな課題を抱えることになるのか、プライバシー問題は主観に左右され環境や関係性にも影響されます。そして、主観もまたプライバシーに関わるので、深くて複雑な問題だと思います。

緊急事態時 原則オンライン授業の大阪市

「学校ごとに格差」「回線整わぬ」 緊急事態時 原則オンライン授業の大阪市、戸惑いも

2021.4.20【産経新聞】

大阪府は20日、3度目となる緊急事態宣言の要請に踏み切った。緊急事態宣言が発令された場合、大阪市の松井一郎市長は、市立小中学校全約420校で原則オンライン形式で授業を実施する方針を示している。

全ての小中学生に1人1台のパソコンなどの学習用端末を整備する国の「GIGAスクール構想」を受け、市では今年3月末までに市立小中学生全約16万5千人が使用できる体制を構築。通信環境が整っていない家庭向けに、インターネットに接続できるルーターが貸し出せるようにした。

市教委によると、各校に対し1学期中にオンライン授業を試験的に実施するよう通知していたが、緊急事態宣言下でのオンライン授業の具体的な形は決まっていない。児童生徒が必要に応じて学習用の動画を視聴することや、学習プリントでの自習と併用することなどを検討しているという。

市教委教育政策課の担当者は「オンライン授業の試験では、教室と児童生徒との双方向でのやりとりを想定していた。宣言下で子供の学びを保障していくやり方について、詰めているところだ」と説明。ただ、現実的に実施は容易ではないとの見方もある。別の市教委担当者は「端末が配備されたばかりの学校もあり、準備は万全とはいえない。全校で一斉に始められる状況ではない」と明かす。

一方、大阪府の吉村洋文知事は20日、同市以外の府内自治体の対応について、記者団の取材に「最終的に各市町村長や教育委員会の判断になるが、オンラインはぜひ積極的に活用していただきたい」と言及。「これだけ感染が広がると、学校に行きたくないという保護者や子供の判断もあると思う。最大限尊重し、授業をオンラインで補うという考えだ」と述べた。

オンライン授業について、学校現場からは戸惑いの声も上がる。市立墨江丘(すみえがおか)中学校(大阪市住吉区)の林憲治郎校長は「学校によってはハード面もソフト面も整っておらず、格差が生じる」と懸念を示す。

同校には全校生徒分のパソコンが配備されたが、アダプターは1学年分しかなく家庭では充電できない。林校長は「約500人の生徒に一斉に動画配信できる回線も整っていない」と指摘する。昨年の臨時休校中と同様、必要な生徒には端末を貸与。学習には民間が提供する授業動画を活用し、ホームルームをオンラインで行う方針という。

市立大国小学校(同市浪速区)では、他校のアクセスが集中しがちな午前を避け、毎日午後の1コマ程度をオンラインでつなぐ形を想定。授業が長時間になれば児童の集中力が途切れがちになるため、プリント学習が主体となる。

岡田治美校長は「市長が方針を表明した以上、学校が『できない』というのは保護者に説明がつかない」と話し、オンライン授業開始後も「ネットにつながらないなどトラブルがあれば教員が家庭訪問する。そのくらいの細やかな対応が求められる」とみる。

保護者の不安も大きいようだ。市立小学校に4年生の長女(9)を通わせる市内の女性会社員(36)は「在宅勤務をしながら子供の授業を見守るのは大変そう」と気をもむ。長女が学校から端末を持ち帰ったことは一度もないといい、「いきなりオンライン授業が始まりそうで驚いている。すんなり使いこなせるだろうか」と話した。
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事業所にいる子どもも誰一人端末を家に持って帰ったとは聞いていません。配布はされたが設定ができていないのだろうと想像しています。ただ、大阪市のアダプターが一学年分しかないという話は事実上配備がされていないと同じです。また、各学校の回線容量が500人分整っていないという話ですが、回線は学校で同時に授業をする教員(クラス)分の回線容量があれば十分です。むしろ民間のクラウドを使う気なら、リモート用のサーバー容量が学校授業分が同時刻に一気に増えるとパンクしないかどうかを市教委は業者に確認しておくべきかもしれません。

それよりもネット環境のない家庭支援がどうなっているのかが気になるところです。すてっぷの利用者の中にもネット環境のない家庭は2割程度あります。こうした家庭への支援はどうするのかはっきりしないまま見切り発車と言うわけにもいかないと思います。それでも、何もかも揃わなければできないと判断するのではなく、OECD諸国中最下位に位置する日本のICT教育が、コロナのピンチをチャンスに変える絶好の機会として、学校関係者の奮闘が求められていると思います。

一斉休校に反対 小児科医が語る変異株の事実

私は一斉休校に反対する 小児科医が語る変異株の事実

聞き手・中井なつみ
2021年4月21日 15時00分【朝日新聞デジタル】

新型コロナウイルスの変異株の広がりを背景にした3度目の緊急事態宣言を前に、「子どもの休校」が再び取りざたされた。当面は見送られそうだが、これまでかかりにくいとされてきた子どもも感染しやすいとして、支持する声も根強い。感染症が専門で、日本ウイルス学会理事でもある長崎大の森内浩幸教授(小児科学)は、大人の行動制限とあまりにもアンバランスな議論に警鐘を鳴らしている。

社会がロックダウンしないのに
――感染者数の増加とともに、子どもたちの休校を求める声が聞かれるようになってきました

断っておきますが、私は絶対に休校すべきではないとは言っていません。私が反対しているのは、昨春のように感染状況に関わらず、全国一斉休校するようなやりかたです。たとえば、校内で感染が広がっていたり、クラスターが発生したりしている場合などは、休校も選択肢になるでしょう。

ただ、今の日本のように、大人たちがロックダウンせずに社会生活を送るなかで、子どもたちにだけロックダウンに相当する休校の措置を強いることは、大きな問題があると考えています。

――変異ウイルス株について、子どもへの感染力の強さを不安視する声も多いです

確かに、変異株が流行していなかったころと比べれば、ウイルスの感染力が強くなっていて、子どもの感染例が増えてきているのは事実です。ですが、子どもが大人に比較してかかりやすいということに関しては、まだデータがありません。

感染する子どもの数が増えていても、子どもが感染を広げやすいといった科学的な根拠も、今のところありません。日本の変異ウイルス株の調査においては、検査数もまだ少なく、検査対象も限定的であることから、今あるデータで判断することは時期尚早だと考えます。

「子どもが広げる」事実なし
一方で、日本より前に変異ウイルス株の流行が広がり、大きな感染の波ができたイギリスでは、感染が最初に広がったのは15~24歳で、24~49歳と続き、15歳未満の拡大が見られたのは一番最後だったという欧州疾病予防管理センター(ECDC)の論文があります。

それによると、15歳未満は、感染の拡大がみられた時期がほかの年齢層に比べて遅かったことに加え、ピークの山も一番低かった。このことから、変異ウイルス株の場合でも、子どもは流行の中心ではなく、子どもから大きく広がった事実はないことがわかります。同様に、子どもが重症化しにくいということも、変わっていません。

――そうなんですか。変異株の出現とともに、子どもにかかりやすいというイメージがありました

当初、イギリスでも「これまではかかりにくかった子どもの感染者が増えている」として、「子どもが感染する」例が多く報道されていました。ただ、流行の波が終わったあとに振り返ってみると、それは「注目されたから報道された」という報道バイアスがあったことがわかっています。

あくまでも、変異ウイルス株は「どの年齢でも感染力が強い」ということであり、子どもに限った話ではありません。

同じ変異ウイルスを経験したイギリスで起こらなかったこと(子どもが感染拡大の中心になる)が、日本では起こると信じる根拠は現時点ではないと思っています。
(後略)
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ほとんどの人が、メディアが何を騒ごうがこの感染症がインフルエンザ程度のもので、ワクチンができたのだから心配していないし、飲食店の時短をしてもたいして感染者が減るものではないと実感し始めています。

大事なことは高齢者が感染しないようにすること、ワクチンは高齢者から早急に接種する事が急務というのはわかります。また、感染者をゼロにするというのは妄言で科学的ではなく、規制すれば感染者は減るが解除すれば増える事の繰り返しということも、ほとんどの人はわかったのだと思います。

そして、感染者が増えれば重症者は増えて当たり前で、欧米に比べてさざ波程度の感染者変動で医療が崩壊すると一年経っても騒いでいるほうが異常だという事もわかってしまいました。為政者もメディアも陽性者増加を国民の慣れや不注意と原因を矮小化しているように思います。言いやすいところにだけものを言っている感が否めないということです。緊急事態というなら、政府や自治体の長は医師会の圧力に屈せず重症者病床を増やす目に見える行動が求められています。

子どもの感染も、一斉に休校することに意味はなく、症状も今までと変わらず軽症なのですから、一律に休校にしなくても学級閉鎖等様々な予防策を講じればいいのだと思います。メディアの煽りに非難が集中しますが、メディアと言うものは見てもらう事で収入を得るのですから煽るのはある意味仕方がないです。そして、メディアはいつも自分がダメージを受けにくい人の責任にするのです。総務省の放送局からの接待疑惑でも自分達に矛先が向かいそうになるとピタリと報道を止めるのがメディアの正体です。政府厚労省や行政機関が正確で科学的な情報と見通しを示し、メディアのいう事は正しくないと何度も発信すれば誤解は解消されると思います。

 

八百屋の店長は発達障害の看板娘

八百屋の店長は発達障害の看板娘

2021年04月22日(木曜日) 【サンテレビ】

発達障害で重度の知的障害のある西宮市の二十歳女性。家族の支えで八百屋の店長として奮闘する日々に密着。

西宮市に住む野草真菜さん。発達障害の1つ重度の知的障害があります。
「ようこそいらっしゃいました。いまから真菜ちゃんが玉ねぎを詰めます」
元看護師の母・美千代さんなどのサポートを受け八百屋の店長を1年半務めています。仕入れはこの春大学を卒業したお兄さんが担当。朝4時から市場や農家で仕入れます。この日はキャベツ1玉60円です。

気分が乗ってきた真菜さんがダンスを開始。明るさと笑顔が持ち味のハタチの看板娘です。
しかし…かんしゃく。

記者の美千代さんへの一言がきっかけで一転して感情が崩れてしまいました。小声で話しかけた一言を陰口と感じ、学生時代の苦しかった経験がフラッシュバック。笑顔の裏でつらい過去と戦ってます。

本当に爆発するんです。
「自分でもそうなったらアカンて分かっているんだけれど感情のコントロールができない」

母の美千代さんは真菜さんが3歳の頃、障害児の親のサークルを設立。
「この子を何とか普通にさせたい。あの頃は普通にさせたい。普通に学校に行かせたいという思いが集まってやった感じ」

進学は特別支援学校ではなく地域の小中学校の普通学級のみ。当時としては珍しく多くの苦労を経験しました。
「小学校1年生で不登校、中学1年生で不登校。それも乗り越えてきたが、安全安心という部分では足りなかった」

中学卒業後は専修学校に1人で電車通学できる程成長。しかし卒業後、作業所での就労はうまくいかず断念。途方に暮れる中、近所の八百屋のアドバイスでお店を始める事になりました。

真菜さんは西宮市内の複数の福祉施設で野菜の移動販売も行っています。
「おーきに」

常連さんがやって来ました。「新玉ねぎがおいしそうやなあ」
「どこにある?」「それはキャベツ」店長の電卓での計算が始まりました。

「計算しよ~まずピーマンは?」「ピーマン1万1000円になってる」
「うふふふ」「ゆっくりでいいよ」
「おつりは?」「30円です」「おーきに」

温かく見守る常連さんに思わず会話も弾みます
「いま私1人暮らし練習しています」
「練習してるの?すごい。頑張ってよ」

また母の美千代さんは2016年から障害児などの児童デイサービスを運営。
モットーは「みんな違ってみんないい」障害児の親の経験をいかした支援を行っています。
持ち前の行動力で道を拓いてきた親子。2人の夢は「お互いがそれぞれの人生を歩む。真菜は1人暮らしをして、完全自立は難しいので、支援を受けて自立する。真菜ちゃんらしく人生を謳歌して欲しい。私もこれから私の人生を謳歌したい」

地域で愛される「真菜ちゃんの八百屋さん」はきょうも自立に向け走り続けます。

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発達障害に「知的障害」は入るのかどうか聞かれることが良くあります。これは福祉の法体系が医学分類と違うことから生じる疑問です。福祉では「知的障害者福祉法」(1960年)が先に存在し、あとからASDやADHDや学習障害等も支援の対象にした「発達障害者支援法」(2005年)ができました。この時に、知的障害者も発達障害に含みこめばよかったのですが、すでにサービス体系が出来上がっている等様々な問題があり別々の法律となった事から、知的障害は発達障害に含まないと言う誤解が生じたのです。

医学的には、日本はWHOの国際疾病分類(ICD)を採用しています。新しいICD11では神経発達症群の中の最初に「知的発達症」が出てきます。そして「自閉スペクトラム症(ASD)」「発達性学習症(LD)」「注意欠如多動症(ADHD)」と続きます。(「障害」ではなく「症」と表現するのは固定的に捉えないという意味だそうです)また、実際には知的障害やASD、ADHDは併存する場合があります。知的障害とLDだけは併存しないですが、会話能力の低さから軽度知的障害と誤診される人がいます。

さて、就労場所を親子で作っていくことは大変なことです。母親の経営する放デイとの関係が見えなかったのですが、娘を商店事業主(店長)にして、敢えて児童の通所支援と成人の就労支援の併合事業所としない親子の思いがあるのだと感じます。障害者をバックヤードで働かせるのではなく、接客もやろうと言うのが最近の動向です。接客マニュアルをやたらに気する就労支援も見かけますが、番組のように知的障害者がありのままで接客する良さもあって、八百屋が地域の食卓を支え、地域が障害者の働く八百屋を支えるという関係性がいいなと思いました。

障害者広がるテレワーク

障害者広がるテレワーク

2021/04/27 【読売新聞】

新型コロナウイルスの感染拡大を受けて普及中のテレワークが県内の障害者雇用の場でも広がりつつある。障害者の雇用率アップを図る企業などと、心身の状態に合わせた働き方を求める障害者のニーズがマッチするからだ。

障害者のテレワーク拠点として注目されるのが、障害者総合支援法に基づいて都道府県や政令指定都市が指定する「就労継続支援事業所」のうち、雇用契約を結ぶ「A型事業所」だ。

福岡市博多区に今年2月、大手人材派遣会社の子会社「パーソルネクステージ」(東京)が開所したA型事業所「パーソルネクステージ福岡」は身体、精神障害のある20人と雇用契約を結び、ウェブサイト制作や企業の営業用データ分析などの業務を委託している。

このうち4割の8人はテレワーク勤務だ。一般企業で勤務経験のある広汎性こうはんせい発達障害の男性(28)は週3日、ウェブサイト制作に従事。「在宅だと仕事に集中できる。実務経験を積み、テレワーク勤務で一般企業に就職したい」と話す。スタッフとはパソコンで連絡を取り合い、体調や仕事の進み具合などを報告している。

障害者の社会参加促進を目指す障害者雇用促進法が企業に義務付ける障害者の法定雇用率は今年3月、0・1ポイント引き上げられて2・3%になった。これを受けて企業は障害者雇用を図っており、首都圏の企業が求人数の少ない地方の人材確保に乗り出す事例が目立つ。

その一つ、パーソルネクステージは九州を中心に、3年以内にA型事業所10施設を開設する予定だ。パーソルネクステージ福岡の管理者・小島浩一さん(59)は「テレワークの身体障害者は以前からいたが、コロナ禍で認知度が高まった。精神障害者に対する需要も増えつつある」と話す。精神障害者は対人関係で問題を抱えやすく、テレワークは離職防止を期待できるという。

ただ、障害者の定着に向けては課題もある。福岡市中央区の就労移行支援事業所「LITALICO(りたりこ)ワークス福岡中央」では昨年2月~今年3月、登録者15人がテレワークで企業勤務を始めたが、うち1人は離職し、別の1人は通勤に戻った。担当者は「企業側は障害者の能力や生活環境などから適性を見極め、コミュニケーションを通して心身の状態を把握することが重要だ」と指摘する。

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人間万事塞翁が馬、武漢風邪の予防策としたソーシャルディスタンスが新しい働き方を創出しているという話です。会社に行きづらい人が、自宅でできる仕事があるならわざわざ行く必要はありません。しかし、日本独特の同調圧力社会(ムラ社会)では、毎日顔を合わせることが組織の士気を保つために重要だという「昭和な人たち」がまだたくさんいて、なかなか変えることができませんでした。それが、やっと感染予防という大義名分の下に、テレワークが社会的に認知されたのです。

感染騒ぎが収まっても、この働き方を維持するための努力が求められると思います。ただ、顔を合わせる機会がないと、その人の得手不得手や人柄が見えにくくなります。利益追求の社会では結果さえ出せばいいとなりがちですが、発達障害を抱える人たちは、相手の考えている事を読み取ったり、困ったことや助けを求めることが苦手な人が多いです。そうした事情を支援者が知っているだけで本当に一緒に働いているという実感が会社みんなで持てるのかどうかは疑問です。こんな「昭和」な考え方では、一人ひとりにあった働き方など広げられないと言われそうです。それでも、物理的な関係から生まれる絆や繋がりのない社会は脆いものだと思うのです。

タブレット自費購入 公立高校

タブレット自費購入「怒りしかない」 公立高校でなぜ保護者負担?

4/28(水) 10:31【京都新聞】

京都府立高で2022年度の入学生から6万~7万円程度するタブレット端末の自費購入が決まったことに「怒りしか感じない。新型コロナウイルスによる不況下でどこにそんなお金があるというのか」との意見が府内の保護者から京都新聞社の双方向報道「読者に応える」に寄せられた。高校でのコンピューター端末の1人1台整備は全国で進むが、自治体によって公費を使うか保護者負担にするか対応が分かれている。府立高が保護者負担になった背景や費用の内訳などを探った。

意見を寄せたのは公立高2年と公立中2年の子どもがいる40代の母親。高校での端末整備については「コロナ禍で学校に行けない場合でも学習できる。また端末を使えば世界中の情報を取得でき、家庭環境に左右されずより良い学習ができる」と理解を示した。

しかし費用負担に話が及ぶと「夫の30万円前後の給料に私のパート代が5万円前後。子ども2人の塾代もあり青息吐息。高校入学時には制服や教科書、通学バッグや定期券などで20万~30万円は必要と言われる。さらに6万~7万円もする端末を買う余力はない」と不安を吐露。「自己負担を2万円弱までにするか、すでに持つ製品でも対応可能にしてほしい」と要望した。

公立高での1人1台端末の整備は20年度中に配備が終わった小中学校と違い国の予算措置がないため、自治体ごとに対応が異なっている。文部科学省が1~2月に行った調査では和歌山県など12自治体は公費で20年度中に整備し、15自治体は保護者負担での導入を検討している。

府教委は保護者負担での導入に決めた理由を「高校は端末を家庭学習で利用する場合が多く、『文房具』として使うには生徒の所有にする方が適している。また3年間の蓄積を卒業後も活用できる」(高校教育課)と説明し、公費で整備するには府の財政が厳しいことも理由に挙げた。

一方、負担軽減策に関しては「例えば電子辞書を買わずに代替のソフトを端末に入れれば出費が抑えられる。3年間のトータルで学校生活にかかる経費を見直していきたい」とし、低所得世帯には無利子貸し付け制度や端末の貸し出しなどを用意するとした。

端末の整備には府議会でも懸念が表明された。3月の予算特別委員会などで複数の府議が「導入の方向は賛同するが入学時の負担増は厳しい」「学校現場で格差が出ないようにすべきだ」などと指摘した。

そもそも端末費は「6万~7万円程度」と説明されるが、どういった内訳なのか。府教委は21年度から府立高5校で端末購入を先行実施しており、新入生に配布された案内には次のように記載されている。

(1)基本セットiPad第8世代Wi-Fi32GB10・2インチ3万4760円(2)キーボード付きケース9790円(3)アプリなどの設定費用8470円(4)故障補償(年額)4400円(5)端末管理(同)1980円(6)タッチペン8690円。これを全て合計すると6万8090円になる。

国は20年度補正予算で、高校で低所得世帯に貸し出す端末の調達費を計上し、1台当たり4万5千円を上限とした。府の場合は本体が3万円台だが、学習に必須とされるキーボードや学校で使うためのセキュリティー設定費などが費用を押し上げていた。

自宅で所有する端末の持ち込みも可能だが、ハードルは高い。先行実施校では、基本ソフト(OS)がiOS▽画面サイズが10インチ以上▽校内Wi-Fiは使えず、自費でネット接続する▽授業で活用するアプリは自分でインストールする-などを承諾した場合に認めるとした。

全国でも多くの自治体が保護者負担による端末整備を進めるが、家計を圧迫しない工夫も模索している。

広島県教委は21年度から全県立高で端末の購入を進める一方で、低所得世帯を対象に返済不要の給付型奨学金を創設した。全日制では3年間で最大10万5千円が受給でき、公立高では本年度2700人の申請を見込んで予算計上した。

東京都は22年度から都立高で端末の自費購入を実施する方針で、機種は教委が複数を提示し、学校が一つを選ぶ方式を検討中という。担当者は「負担軽減策もセットで必要だ。制度設計している」と話す。

滋賀県教委は県立高で22年度からの端末の自費購入を検討中で、負担を抑える方法も詰めている。京都府教委も「費用負担の増加は大きな問題ととらえている」とし、継続的に負担軽減策を打ち出して保護者の理解を得る考えを示した。

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GIGAスクール構想でもっとも大事だと思うことは児童生徒がPCを自由に家庭でも使える環境です。これが進まないと、今の学校でのパソコン授業の延長でしかなくなります。文科省は当初、自宅で自由に学習に使えるように一人一台の配備を決めたはずです。確かに、この記事にあるように高校生はPCを大半は自宅で使います。しかし、自宅で使うなら私費購入という行政の考え方は、一人一台公費購入したパソコンは、自宅では使わせないという発想が強いのではないかと心配します。しかも、文房具は私費だからPCも私費でというのは論理の飛躍だと思います。

高校では様々な教材を私費で購入するので、その上にさらに出費が重なると家計が苦しくなる家庭も出てくると言うのはとてもよく理解できます。何もかも公費でみるのはどうかと言う意見もありますが、私学とは違うのですから、公教育は義務制でなくても一律に負担を求めるのではなく所得に応じた負担が社会の公平性を担保するのです。生活費も教育費も労働力の再生産費と括ってしまうのではなく、教育は未来への社会投資という発想が重要だと思います。

先の話に戻って、個人所有でない学校PCの買い替え時期やら、補償費やメンテナンス費やらが気になります。そこを明確に公費で負担すると決めていないと、自宅に持ち帰れと文科省がいくら言っても無理です。壊れたり紛失されては学校は困るので、充電器付き金庫の中から、生徒用PCが自宅に解放されることはまずないと思うからです。

仮想現実で意思伝達学ぶ

悪くないのに先生に怒られたらどうする?発達障害ある子どもたちがVR=仮想現実で意思伝達学ぶ 静岡・島田市

4/29(木) 【静岡朝日テレビ】

発達障害のある子どもたちにコミュニケーション能力を高めてもらおうと、VR=仮想現実を活用した遠隔授業が静岡県島田市で行われました。

松田和佳アナウンサー:「こちらでは全国初の試みである授業が行われています。子どもたちはVRを装着し、自宅から画面越しでリモートの授業を受けています」

この取り組みは、福祉施設を展開する静岡県藤枝市の会社が新型コロナの感染拡大が続くなかでも、子どもたちが安心してコミュニケーション能力を高められるように始めました。

公開されたのは、東京のIT企業が開発した発達障害児向けの「ソーシャルスキルトレーニング」を用いた授業です。

株式会社ジョリーグッド竹内恭平さん:「もともとコミュニケーションが苦手で、相手の顔を見てしゃべることができないっていう子が、VRで何度もトレーニングすることによって、人の顔をきちんと見て、コミュニケーションを取れるようになったと」

対人関係や集団行動を疑似体験
子どもたちは特殊なゴーグルをつけて、プログラムを通し対人関係や集団行動をより実際に近い形で体験します。

〇VRの映像
(友達)きのう、TVで出てたラーメン特集見た?
(自分)こうたくん、今授業中だから
(先生)そこの2人、何やってるんだ、今授業中だぞ
(自分)え、なんで僕が怒られなきゃいけないの。ひどい、何かイライラしてきた

今回、体験するプログラムは「自分は悪くないのに、学校の先生に怒られた」という場面で、子どもたちは「深呼吸する」という対処方法を選びながら、自分の感情をコントロールする方法を学んでいました。

発達障害のある子どもたちは、初めてのことが苦手な場合が多く、失敗を繰り返すことで自己肯定感が低くなる傾向があります。こうしたマイナスの面がVRの授業では少ないと利用者は話します。

利用者仲田伊吹くん:「いつもだと机とかを蹴って選択しちゃうと、それで怒られて終わりだけど、VRだったら深呼吸するのも選択肢がたくさんあったから両方試してうれしかった」

株式会社リカバリー松浦妃佐子さん:「どっちもあることという、そういうことを体験することで、やっぱりこっちのほうがいいんだ、こっちのほうが安心するということを理解してもらうのでは凄い良いツールではないかとは感じています」

授業はワークシートに沿い「自己紹介」や「学校でおこられたこと」など、あわせて4つの項目に答えながら進みました。途中休憩をはさみながらオンラインの授業は1時間続きました。

株式会社リカバリー松浦妃佐子さん:「(授業に参加して)自信もついて、最終的には一歩勇気をもって踏み出すことが出来るようになったら、いいんじゃないかと考えています」
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確かに、上手に言えなくて事件の巻き添えを食らう発達障害の人は少なくありません。学校でのSSTはトレーニングをしたからと言って必ず同じ場面に遭遇するわけではないので、即効性があるわけではないです。しかし、「自分は怒りっぽいから誤解されやすい」とか「相手の気持ちが見えてないから誤解しやすい」という知識は持つことができます。そのことで、必要以上に落ち込んだり怒り続けたりする回数が結果的に減っていきます。大事なことは自分を客観的に知ることです。VRは言葉だけでなく情景で視覚的にリアルに伝えてくれるので理解がしやすいと思います。

同じようなことは10年以上前から通級指導教室では普通に取組まれてきています。しかし、トレーニング回数が週1回45分の通級の時間であれもこれもこなせるはずもなく、課題は分かっているけど指導の回数が稼げない問題が大きいです。優れた通級指導の先生も少なくないのに、何故目に見えた効果が上がりにくいのかという人もいます。多くは通級の需要が多すぎて、効果が上がる臨界点までトレーニングする回数が確保できないのです。これはSSTに限ったことではなく、読み書き障害や算数障害への支援回数でも同じです。

週1回45分の支援内容を、週3回にまで増やせないかというのが通級の先生方の思いのようです。しかし、そうなると通級の先生を3倍に増やす必要がありこの増員は近未来的には見通しがありません。じゃんぷのような発達障害支援に特化した放デイが、保護者も含め社会的に認知され利用が進めばかなりの効果が見込めると思います。

 

オンライン授業導入に差

オンライン授業導入に差、「学習の格差が広がるのでは」と懸念

2021.5.1 【SankeiBiz】

緊急事態宣言の発令に合わせ、大阪市立小中学校で4月26日から始まったICT(情報通信技術)を活用したオンライン学習。大阪府は府内の市町村に対面授業の継続を要請しているが、感染拡大状況が深刻な同市が独自で実施に踏み切った格好だ。ただ、ICT導入が進む学校で早速オンライン授業が始まった一方、いつ始まるかも不明な学校もあるといい、「学習の格差が広がるのでは」と懸念する声も聞かれた。

「失敗してもいい」
「点Gに対応する点はどこにあるでしょう」。大阪市立本田(ほんでん)小学校(同市西区)で4月26日に行われた6年の算数のオンライン授業。北野克弥教諭(29)が自前で作成した教材を画面に示しながら、「点対称の図形」を説明したのに対し、児童は質問にチャット機能で回答した。

グループ別に、マイク機能を使って話し合いながらの作業も。北野教諭は各児童に「困ったことはない?」「初めてだから失敗してもいい」と呼びかけた。

昨年度からオンライン学習を進めてきた同校は、市内の「先進校」の一つだ。高学年を中心に、各家庭のパソコンなどを活用させて放課後に宿題の指導をしたり、感染への不安などから通学できない児童に授業の動画を配信したりしてきた。宣言発令の前には、各家庭とオンライン接続できるかも確認済みだ。

授業を終えた6年の小谷知誠(ともなり)くん(12)は「タイムラグもあったけれど、いつもと近い授業を受けられた」としつつ、「(対面の)授業の方が、先生や友達にすぐ質問できるので頭に入る」。依光美優(みゆ)さん(11)は「画面越しに友達と分からない問題を教え合うのは難しかった」と話した。

「学力差開きそう」
同市は緊急事態宣言の発令期間中、タブレット端末などを持ち帰ってオンライン学習するのを基本とし、小学校の場合は午前中はオンライン学習を受けた後、登校。教諭から学習状況の確認や指導を受けた後、給食を食べてから下校。自宅でオンライン学習-というスタイルとしている。ただ、回線の問題から、オンラインを使う日時を地域で分けるほか、保護者が仕事などで不在のため、オンラインが難しい児童生徒は登校も可能だ。

だが、オンライン授業は全校で始められたわけではない。天王寺区の女性会社員(36)の小学4年生の長女(9)は、4月23日に3枚のプリントを持って帰宅。学校からは4月26日の1、2時限目は自宅でプリント学習するよう指示があったが、宿題と間違えて23日に終えてしまい、4月26日朝はリコーダーを吹くなどして過ごした。

午前10時半に登校し、給食を食べてから午後1時半に帰宅。翌日用のプリントを持たされており、4月27日もオンライン授業はなさそうだ。そもそも、この先のスケジュールが全く見通せていない。他の学校の様子を報道で知り、「プリントの枚数も少なく、20~30分で終わってしまった。学力差がすごく開きそうだ」と焦りも口にした。

民間学童も対応
オンライン学習の開始に伴い、仕事で親が不在など居場所のない子供の受け入れに備える動きも広がる。

大阪市北区の民間学童保育施設「なるには学問堂」は先週、宣言が発令された場合は子供を受け入れると利用者に案内した。

今回の対応では、登下校の時間が普段と大きく異なるうえ、低学年の子供の場合は保護者が面倒を見る必要もあるため、施設には保護者からの相談が相次いだという。運営会社の上村英樹社長は「『仕事ができなくなる』と困っている人が多い」と明かす。

同施設では午前から子供を受け入れられるよう、オンライン学習を受けるためのスペースを確保。早速、朝からの預かり依頼も入り始めているといい、「受け入れ態勢を整えていく」としている。
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学校のタブレット「家ではゲーム機」小中学生配備端末に“抜け道”

2021年5月1日 05時00分 【中日新聞】

全国の小中学生らに一人一台のタブレット端末などの配備が進む中、閲覧や使用を制限する「フィルタリング」を学校側が設定しても、子どもが抜け道や裏技を使ってゲームや動画サイトに熱中する問題が起きている。「GIGA(ギガ)スクール構想」を掲げ政府が主導した高価な学習用端末が「ゲーム機」となってしまう状況に、学校関係者や保護者は頭を悩ませている。(北村希)

「小三の長男が毎日、家でゲームをして困っている」。岐阜市内のある母親(42)が打ち明ける。

同市の端末配備は中部地方の中で早い。昨年九月末までに公立小中学校、特別支援学校の全児童生徒らに約三万二千台を配った。一台ずつネット回線を付け、当初から家に持ち帰らせている。フィルタリングをかけ、ユーチューブなどの動画サイトやブログ、有害サイトは見られない。アプリは学習用に限り各校が市教委に申請し、搭載する仕組みだ。

だが、長男は使用が認められているプログラミングアプリの中で、他の利用者が作った多数のゲームを発見。春休みは一日五時間ほど熱中した。最近は友達と情報交換し、他にもネット上のゲームを見つけては遊んでいる。大型連休で懸念はさらに増す。(後略)
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先進校は家庭のWI-FI接続環境も調査し準備万端でリモート授業に入り、そうでない大多数の学校はプリント学習では差がついて当たり前です。武漢風邪の変異ウィルスの感染防止のために学校閉鎖をしても、世の中はロックダウンしてないのですから、「頭隠して尻隠さず」状態で効果があるほうが不思議です。疫学的に効果の期待できない学校閉鎖と、それに伴うリモート教育の指導格差によって学力差が生じると言うのですから、大阪市教委のリスクマネジメントは正しいとは思えません。

配布タブレットを、プログラミングアプリでゲーム機にして使って何が悪いのかわからないです。鉛筆を使って家で漫画を描くなと言っているに等しいことだと思います。それよりも、自宅持ち帰りの全PCをセルラーモデル(データ通信モデル)にした岐阜市は太っ腹です。そこまで平等にこだわらわなくてもと思うのですが、学校らしいと言えば学校らしい選択です。しかし、子どもが自宅でも使えるようにしようと言う岐阜市教委の配慮は正しいです。

そして、子どもが遊びに使うために抜け道や裏技を使うのは大したものだと思えば済む話です。大人も負けじとフィルタリング技術に磨きをかければいいのです。学校だけで言われたとおりにパソコンを使っていても子どものPC技術は向上しません。PCの全児童配布は自学自習の機会を子どもたちに作ってくれるのです。遊びが目的だからいけないと言う発想は創造性のない人の貧困な発想です。

川崎の放課後デイで虐待

首つかみ投げる、ズボン下ろす川崎の放課後デイで虐待

2021年5月1日 【朝日新聞デジタル】

川崎市は30日、市内の放課後等デイサービスの2施設で、利用児童に対する虐待が確認されたと発表した。給付金の不正受給なども判明。同市は児童福祉法にもとづき、1施設を指定取り消し、もう1施設を指定のすべての効力を6カ月間停止する行政処分を出した。

市によると、2施設を運営する事業者は横浜市鶴見区の「BigForest」。横浜市内でも1施設を運営している。

川崎市が虐待と認定したのは、首をつかんで児童を部屋に放り投げる▽プールでホースを児童の口に入れ放水する▽児童のズボンを下ろす▽きつい言葉を投げかける、などの行為。1施設の施設長と、もう1施設の従業員の2人が関わった。

2施設のうち「JOYKIDSGO」(川崎区、定員10人)は、開設時の2020年4月にさかのぼって指定を取り消す。従業員の実務経験証明書を偽造するなど、不正な申請で指定を受けたという。また2施設で給付金の不正請求が確認され、加算金も含め計約4370万円を返還させる。昨年11月ごろ、2施設の関係者からそれぞれ虐待についての通報を受け、市が監査を実施していた。(大平要)

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私文書を偽造して施設を立ち上げ、利用者が来たことにする不正請求は詐欺です。子ども虐待は暴行です。神戸市や京都市、大阪市、名古屋市とやけに政令指定都市の不法放デイ報道が多いのは偶然と思っていましたが今回も川崎市・横浜市もとなると、政令指定都市は行政指導が行き届かない欠陥があるのだろうと思わせます。こうした、事業者が行政処分や刑事告発を受けるのは当然ですが、認可し監督している行政は誰も責任が問われないというのが釈然としません。不正の発見は行政が監視していて見つけるよりも、事業所職員の内部告発がほとんどだからです。

社会性の障害のある子どもたちには、不適切な行動が見られる場合があります。しかし、それで職員が腹を立てて実力行使するというのは専門家としてはあり得ない話です。怒鳴って暴言を投げかけたり体罰に及んでも、それが子どもの不適切行動を強化することが少なくありません。また、職員の暴言暴力も効果が薄れてくるとどんどん強化されることも、対人支援の専門家であればよく知られている事です。もしも、家に帰って暴力を受けたことを話せない子どもたちと知って、こうした行為に及んだとすれば、指導の未熟さの結果の脅迫・強要・暴行というより、障害者差別が根底にあるのだと思います。

教職員、保育士らに定期PCR検査

教職員、保育士らに定期PCR検査 大阪・寝屋川

5/6(木) 【産経新聞】

寝屋川市は、子供への新型コロナウイルス感染を防止するため、市立小中学校の教職員、保育所・幼稚園などの業務従事者らを対象に、2週間に1度のPCR検査を実施することを決めた。期間は6月から9月末までを想定しており、学童保育所である「留守家庭児童会」や放課後デイサービスの関係者も含め約200施設の最大約4250人が対象となる。同市によると府内初の取り組みという。  

学校や園などに検体の唾液を入れる容器を配送し、保健所が回収して検査機関に回す。対象者に費用の負担はなく、経費約3億1700万円の補正予算が市議会で可決された。

同市では学校や園で感染者が発生した場合、クラス全員のPCR検査と2週間の学級閉鎖を実施するなど独自の対策を定めているが、「教員らが感染した場合は学年閉鎖などで子供や家庭に大きな影響が出るため、無症状のうちに早期発見を図りたい」としている。  

同市ではすでに2月から特別養護老人ホームなど21施設のスタッフ約770人を対象にした2週間に1度のPCR検査を実施。これまでに2件の感染者が判明している。

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PCR検査は顕微鏡では見えないウィルスに感染したかどうかを調べる検査で、予防薬でも治療薬でもありません。それなのに、一部の人たちは何故かPCR検査をすると安心・安全だと言います。武漢風邪は感染後すぐに体内でウィルスを増殖して体外への排出が始まるので、発症前から監視する必要があるというのが、PCR検査を予防に使うと言う人の意見です。しかし、PCR検査が100%の精度ではないことで様々な問題があることはあまり言われていません。

PCR検査キットの感度(陽性発見確率)が70%で特異度(陰性発見確率)が99%だったとします。100万人の中に1万人が感染していると仮定した場合、感度70%の検査では感染者のうち3000人は陰性と判定されてしまいます(偽陰性)。感染していない99万人が特異度99%の検査を受けると、98万100人の人は陰性と判定されますが、9900人は陽性と判定されてしまいます(偽陽性)。

どんなに精度が高い検査でも、100%という検査はありません。したがって、検査をすればするほど偽陰性や偽陽性が多く発生することになります。しかし、検査数をいくら増やしても実際に感染している人数は変わりません。人口23万人の寝屋川市に4000人の対人サービス職員がいるとすれば、数値はこの250分の一ですから12人の擬陰性40人弱の擬陽性が2週間おきに出現するというわけです。9月までなら120人の偽陰性、400人の擬陽性です。

120人の偽陰性者は、陰性だったからと施設や園、学校で接触感染を繰り返します。400人の擬陽性者は感染法2類の位置づけでどんなに元気でも2週間の隔離を行い、職場はなかなか得にくい本来探さなくてもよかった400人の補充者を探し、家族も濃厚接触者も肩身を狭くして学校や職場に行けず、PCR検査の結果が運悪く擬陽性ならまた同じ繰り返しが始まります。

そもそも子どもには重症者はいないのですから、学校や園に予算を割くより老人施設と医療施設にその予算を割くべきです。重症ベッド数と医師・看護師を増やし、施設職員やケア要員を通常の倍程度に増やしたほうが現場は相当助かるでしょう。政治家や役人の「頑張ってます」アピールのパフォーマンスではなく、言いやすい人にだけ努力を強いるのではなく、言うべき人に言うべきことを言い、やるべきことを行い、武漢風邪で苦労している現場が一息付けて役に立つ施策をお願いしたいものです。

幼児や学童に集団発生「アタマジラミ症」


幼児や学童に集団発生「アタマジラミ症」 普通のシャンプーで寄生予防

2021年5月11日【読売新聞】

皮膚のトラブルでは、大阪医科薬科大の森脇真一教授(59)に聞きます。(聞き手・東礼奈)

◇皮膚のトラブル(15)アタマジラミ症洗髪で予防
「アタマジラミ症」は、頭部のみに寄生する「アタマジラミ」が、頭皮から血を吸うことによって起きる虫刺症です。初期は無症状ですが、寄生する成虫が増えれば、頭がかゆくなってきます。頭同士の接触や、ブラシ、帽子、寝具、タオルなどの共用でうつるため、季節を問わず幼児や学童間で集団発生します。

成虫の体長は2~3ミリ。卵は1ミリくらいで、毛髪の中に白く見えます。しかし、しっかり固着しているので、引っ張ってもなかなか取れません。

虫や卵を拡大鏡で観察すれば、容易にアタマジラミ症を診断できます。学校からの指示で受診される子も多く見られます。治療では、家庭用殺虫剤と同じ成分の「フェノトリン」が配合された市販のシャンプーやパウダーを使います。ただし、成虫と幼虫にしか効きません。卵は1週間で 孵化ふか するので、3日に1度、3~4回繰り返します。

最近、沖縄ではフェノトリンが効かないアタマジラミが増えており、本土でも、その割合が5%を占めることが確認されています。フェノトリンを使いながら、成虫や卵を物理的に駆除できる「すきぐし」で髪を根気よくとかすことも必要です。すきぐしはインターネットなどでも購入できます。

男児では髪を短くすることも有効です。普通のシャンプーで洗髪すれば寄生を予防できるので、集団発生があれば頻繁にお子さんの頭部をチェックし、しっかり洗ってあげましょう。

アタマジラミ症は軽い湿疹やフケ症とも似ていますが、自己判断は禁物です。症状や、周囲での流行状況などから「もしかして」と思ったときは、すぐに皮膚科の受診をお願いします。

【略歴】
森脇真一(もりわき・しんいち)
皮膚科専門医。大阪医科大卒。京都大、浜松医科大などを経て2009年から現職。医学博士。

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昔はプールで集団発生することが多かったですが、最近は子どもの洗髪が管理できない家庭が増えてくる中で発生する事も少なくないようです。特にボディーイメージが弱く、かつ、物事の段取りが苦手な発達障害の子どもの場合、頭を濡らすだけだったり、シャンプーを表面につけるだけで隅々まで洗えていないことが多いです。また、女子の場合はアニメの憧れでロングヘアーにするのですが、自分のイメージだけで伸ばしているので鏡を見てチェックすることも少なく、櫛で整髪したりのケア管理も不十分で、気が付くとアタマジラミが発生することがあります。

基本はショートヘアーの方がボディーイメージも持ちやすいし、洗う順序も多くないのでお勧めです。どうしてもロングを子どもが主張する場合は、洗髪の際に大人が介入する(日常的に手伝う)ことを条件にして認める場合もあります。これから汗ばむ毎日です。武漢風邪よりもアタマジラミの方が他人の帽子やタオルの接触感染に注意しなければなりません。帰宅してきたら髪の毛の生え際のチェックをしてあげることも大事かもしれません。

子どもの受診控え増加コロナ感染恐れ、健康状態悪化

検診後、子どもの受診控え増加コロナ感染恐れ、健康状態悪化が顕著

2021/5/11 12:24【山形新聞】

県内の医師、歯科医師が加入する県保険医協会(中島幸裕理事長)は10日、学校での健診後の受診状況に関して、新型コロナウイルスの影響を調べたアンケート結果を公表した。2020年度の未受診率では、高校の歯科が8割を超えた。これに伴い小学校では肥満や視力低下、虫歯が増加するなど健康状態の悪化が見られた。

調査は県内全ての小学校、中学校、高校、特別支援学校を対象に今年2月から3月にかけて行った。149校から回答があり回答率は36.2%。19年度(特別支援学校は調査対象に含めず)の7.8%を大きく上回った。

健診・検査の未受診率は歯科、眼科、視力、耳鼻咽喉科、聴力、内科について尋ねた。20年度は全体で歯科が47.6%で最も高く、次いで耳鼻咽喉科41.3%、眼科40.6%だった。中でも高校歯科が82.2%に上り、唯一8割超となった。19年度との比較では、最も差が開いたのは中学校内科が36%増の46.7%となった。

受診していない児童、生徒が多い理由を、同協会は▽新型コロナの感染を恐れた受診控え▽水泳授業がなくなり眼科・耳鼻科で所見があった子どもの未受診者の増加―などとした。

一方、未受診の要因で関連深いと思われる家庭状況(複数回答可)では、最多が「子どもの健康への理解不足」で、「保護者が共働き」「保護者が子どもに無関心」と続いた。

新型コロナの感染拡大による影響が「ある」と答えたのは小学校が最多の52.1%で、次いで中学校が34.5%。このうち小学校は「肥満の増加」が最多で、「視力低下」「保健室登校の増加」「虫歯の増加」などの事例が確認された。

同協会は「コロナ禍で子どもの健康状態の悪化が顕著になり、健康格差が懸念される」とし、「子どもの健全な発達のため、保護者への啓発など対策に乗り出す必要がある」としている。
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メディアの容赦ない感染恐怖の煽り報道がこんなところにも影響しています。「水泳授業がないなら泳げないのは同じだし、治療は感染の可能性が少なくなってから」とか「歯科は直接口腔内の治療なので感染可能性が高いのではないか」と保護者や子どもが考えても無理はないと思います。元々子どもの健康への理解不足があるにしても、感染騒ぎで余計に行かない理由を与えてしまうのでしょう。

外遊びが少なくなれば、家の中でゲームなどの遊びに変わるのは自明の理で、教育関係者でなくとも予測のつく事です。自治体の公園課は感染防止のために、昨年の4月と同じく公園のロックダウンをしています。公園や公園の遊具を封鎖したらどの程度の感染予防になるかどうかのエビデンス調査もしないまま、自粛ムードだけで公園ロックダウンをしているとしか思えません。同じ自治体内の教育や保健行政から子どもの健康上公園は開けて欲しいと言う要請はなかったのでしょうか。緊急時でも縦割り行政は強固に維持され、クレームを恐れる行政は報道に煽られた市民の声にどんどん臆病になっていきます。

オリパラ開催が可能な理由に、海外に比べて「さざ波程度」の感染者数と表現しただけで、武漢肺炎で亡くなった死者への冒涜だという意味不明のバッシングがありました。数値や根拠に基づかない感情的な煽りが、子どもを室内に閉じ込め、子どもの健康を害していることについては、こうした人たちの想像にも及ばないのでしょう。白血病から軌跡のカムバックをした池江選手に五輪辞退求める声もひどいものです。水泳アスリートを目指す子どもたちの目にこうした大人たちのやりとりはどう映るでしょう。公園の遊具を開放するくらいでは、子どもの肥満は解消しないでしょうが、事実と根拠に基づいて勇気をもって行動する姿はきっと子どもたちのお手本となるはずです。

 

世界2位の富豪、アスペルガーを公表

世界2位の富豪、アスペルガーを公表「変な投稿も、脳がそう働くから」

5/13(木) 【女子SPA!】

イーロン・マスク氏
天才実業家として知られ、昨年発表された長者番付で世界2位に選ばれたイーロン・マスク氏(49)。先週末、人気コメディー番組に出演し、自身がアスペルガー症候群であることを明かした。番組のなかで同氏は、これまで過激な言動で批判や炎上を招いてきたことについて、「脳の働きによるもの」と自虐的に語った。

僕は今夜歴史を作ることになる
米電気自動車(EV)大手のテスラと宇宙開発企業スペースXを創設し、「アメリカで最も革新的なリーダー」の1人と呼ばれているマスク氏。

今年発表された長者番付では一時、アマゾンCEOのジェフ・ベゾス氏を抜き世界1位の富豪に。その直後、ベゾス氏が1位に返り咲いたものの、マスク氏もその莫大な資産で世界2位に君臨している。

そんな桁外れな実業家であるマスク氏は先週末、米人気コメディー番組『サタデー・ナイト・ライブ(SNL)』に出演。番組のオープニングで驚きの告白をした。

「『サタデー・ナイト・ライブ』の司会を務められて光栄だ。本気でね。僕の場合、何かを発言した後に、それを“本気で言っている”とみんなにわざわざ言わないといけない。僕の話し方には抑揚や変化があまりなくて、コメディに向いているらしいからね」

「実のところ、アスペルガー症候群という障害を持つ人物として初めて、『SNL』で司会を務めることで、僕は今夜歴史を作ることになる」

アスペルガー症候群は神経発達障害の1つ。他人との関係構築やコミュニケーションに困難が生じることがある一方で、特定の分野へのこだわりや集中力が強く、成功を収める人も多いといわれている。最近では、「自閉症スペクトラム」という呼び方をされることが多い。

マスク氏の告白に会場では喝采が起こったが、2003年に同番組の司会を務めたコメディアンのダン・エイクロイドもアスペルガー症候群を公表していることから、ネット上では「事実と異なる」と指摘する声もあがった。

これまでの問題発言、子供のキテレツな名前もネタに
番組の中では、これまでたびたび批判や論争を巻き起こしてきた自身の言動についても言及した。

2020年にパートナーとの間に誕生した子供に「X AE A-12」というキテレツな名前を付け、世間をざわつかせたマスク氏。今回、その名前の読み方が「キーボードを駆けぬける猫」であることを明かした。

また、SNSで炎上を引き起こし、ときに訴訟沙汰に発展するほど、過激な言動を繰り返していることについては、次のように説明した。

「私が、ときおり変なことを言ったり投稿したりしていることは自覚している。でもそれは、私の脳がそう働くからだ」

「私の発言で気分を害した人にこう言いたい。私は電気自動車を考案し、宇宙船で火星に人を送りこもうとしている。そんな人間が、落ち着いていて、フツーの奴だと思ったか? とね」

マスク氏は、2018年4月1日のエイプリルフールに「テスラ社が破綻した」とツイートし、株価を最大8%下落させた。それ以外のツイートでもたびたび波紋を呼び、米証券取引委員会(SEC)に訴えられたことも。また、タイで少年らが洞窟に閉じ込められる事故が起きたときには、現場で救助にあたったダイバーを「小児愛者の男」と呼び、批判を浴びた。

放送中の発言で株価急落
今回のSNLで、暗号通貨のドージコインについても言及したマスク氏。「母の日スペシャル」ということで、番組に登場した母親のメイさんが、「母の日のプレゼントを楽しみにしているわ。ドージコインでないことだけを願っているわ」とコメントしたところ、「それだよ。その通り」と冗談交じりに返答した。

さらにドージコインについて、「世界を席巻する制止できない乗り物」とした一方で、「詐欺みたいなもの」と表現した。マスク氏のこの発言直後、ドージコインの株価は急落した。

<文/BANG SHOWBIZ、女子SPA!編集部>

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高級電気自動車、走るスマホと言われるテスラ、1段目と4段目が帰還するエコロケットのクールドランゴンの開発者兼経営者。マスク氏は米国でスティーブ・ジョブスを超える注目を集めています。彼が高機能ASDであるアスペルガー障害をカミングアウトした理由はわかりませんが、米人気コメディー番組『サタデー・ナイト・ライブ(SNL)』でも彼のこだわる一番乗りをしたかったのではないかと想像します。

二人の女性と3度の離婚をし、7人の子どもをもうけ、今またジョニー・デップと離婚したアンバー・ハードと交際しているという49歳の彼の私生活もジェットコースターのようにスリル満点です。2021年現在、純資産が19兆9,586億円超に達し、アマゾンのジェフ・ベゾスと富豪世界一の戦いを続けているマスク氏は、第3位のビル・ゲイツと同じプログラマーでありエンジニア出身の経営者です。著名な人が発達障害のカミングアウトをしてくれるのは子どもたちに良い影響を与えると思います。

小学生のスマホは慎重に

小学生のスマホは慎重にいじめ、犯罪のおそれも

2021年05月14日【産経新聞】

スマートフォンが小学生にも普及する中、SNSを巡るトラブルも増えている。ささいな行き違いから友人間でのネットいじめに発展したり、犯罪に巻き込まれたりするケースも。だが、SNS上でのトラブルを学校や保護者が把握するのは難しい。子供にどのようにスマホを使わせるべきか、慎重に考える必要がある。(木ノ下めぐみ)

大阪府東部に住むパート勤務の女性は、3年前に次女が巻き込まれたSNS上でのトラブルが、今も尾を引いていると話す。

炎上、不登校に
きっかけは、些細(ささい)なことだった。小学5年生だった次女が訪問先で撮影した犬の写真をFacebookに投稿したところ、グループ仲間の女児が「他人の犬の写真を勝手に上げるのはルール違反」との趣旨をコメント。次女は許可を得たことを説明したが、その後は「Instagram」や「TikTok」など、ほかのSNSにも写真や動画などを投稿するたびに批判され、“炎上”状態になった。

女性は次女の投稿内容を把握しており、「変な内容はなかった」と振り返る。状況が一向に改善しないため、投稿を控えることやアクセス制限、退会も勧めたが、次女は「退会したら学校で何をされるか」とおびえた。

次第に「学校にもネットにも居場所がない」とふさぎこむようになり、今も学校を休みがちな状態が続いているという。

被害、5年で倍増
短い言葉だけでやりとりするグループチャットは、大人同士でさえ誤解を招きやすい。実は、SNSには高度なコミュニケーションスキルが必要だが、生まれたときからインターネットが身近な「デジタルネイティブ」世代の子供たちは、ネットは使いこなせても、そこに潜む危険性を理解できているわけではない。

警察庁のまとめでは、2020年にSNSをきっかけに犯罪に巻き込まれた18歳未満の子供は1819人。全体の被害者数は前年から263人減少したが、小学生の被害は12人増の84人で、5年間で倍増している。背景にあるのが、スマホの普及だ。内閣府の20年度の調査によると、スマホでネットを利用する小学生442人のうち、41%が自分専用のスマホを持っていると回答した。

SNS上でのトラブルに遭遇した女児も、学童保育を卒業した小4のときに専用スマホを持ち始めた。母親の女性は「仕事で不在がちなので、スマホを持たせれば子供と連絡をとりやすく、安心できた」と話す。

規約浸透せず
実は、ほとんどのSNSは13歳未満の子供の使用を認めていない。Twitterは保護者の同意が必要で、近年小学生にも人気のTikTokは保護者が認めたとしても「アプリを使用できない」と規約に明記している。

だが、規約の内容が十分に保護者に浸透しているとは言い難い。東京都が21年、子供にスマホなどを使わせている保護者を対象に行った調査では、小学校高学年の保護者260人中、SNSの利用に年齢制限があることを知らなかった保護者は41.8%と、半数近くに上った。

子供たちに比べて、学校側や保護者はSNSで何ができるのか、知らないことも多い。例えばSNSを使っていなくても、オンラインゲームのチャット機能を使えば、不特定多数とのやり取りは可能だ。20年9月には、横浜市で小4女児がスマホ向けオンラインゲームのチャット機能で知り合った男に連れ去られる事件が発生している。

保護者はなぜ、小学生にスマートフォンを持たせるのか。
通信・ITサービスの調査を行うMMD研究所が19年12月、保護者約1000人を対象に行った調査では、小学生の子供にスマホを持たせる理由で多かったのは「習い事に通い始めた」(20.6%)、「学校の行き帰りが心配」(18.9%)など、子供の安全確認を目的としたものが多い。

ただ、子供たちのスマホ利用を保護者が管理できているとは言い難い。

内閣府の20年度の調査では、スマホを小学生に使わせている保護者の95.2%が利用時間や閲覧できるサイトの制限といった管理をしていると答えた一方、子供が具体的にどんなサイトを見ているのかなど、利用状況まで把握している保護者は40.3%だった。

子供のネット利用などに詳しい兵庫県立大学の竹内和雄准教授は「どうしてもSNSを子供に使わせたいなら、どのように使用しているかを親がもっと監督すべきだ」と指摘。「子供にいつからどのようにSNSを使わせるべきか、社会全体で議論する必要がある」としている。

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SNSの問題と言うより、それは学校でいじめがあると見るべきで、SNSがきっかけになっただけで、SNSの問題ではないように思います。確かに、デジタルコンテンツが小学生まで使えるような時代になっているのに、大人の管理指導がその浸透速度に追い付いてないことで生じている現象とも言えます。だからと言ってスマホを使うなと規制することはもはや不可能です。

ただ、スマホの個人識別はやろうと思えば簡単にできますから、端末の使用者が未成年である証明提供を、携帯会社が行う仕組みやそれに基づいた法規制はやろうと思えばすぐにできる内容です。未成年と識別される情報提供のある携帯端末はSNSにはアクセスできないようにするのは簡単なことです。

また、法の網をかけなくても、子どもの携帯端末の管理ソフトを使えば、大人の判断でアプリをインストールできなくすることも可能です。子どもの携帯端末の管理は保護者の責任です。少なくとも子どもに携帯を与えるなら管理ソフトを使ったり、管理会社と契約するのは親の義務だと思います。しかし、事はこうした親のネットスキルだけの問題でなく、子どものネットリテラシーやモラルの育成が課題だと思います。法律家や政治家は社会的規制をかけることを検討し、親や教育関係者はスマホの責任にせず、ぶれずに人権教育を進めていくことが大事なのだと思います。

ドラゴン桜

『ドラゴン桜』は現実味ゼロ──関係者が語る「底辺校」の残酷な現実

2021/05/14 【日刊サイゾー】
文=藤井利男(ふじい・としお)

『ドラゴン桜』(TBS)
低偏差値の高校に通う落ちこぼれの生徒たちが、カリスマ教師の優れた指導のもと、半年で東大に合格する──現在放送中の『ドラゴン桜』(TBS)は、そんなストーリーで好評を博したドラマが16年ぶりに復活した作品だが、現実は常にドラマよりも残酷だ。

『ドラゴン桜』は同名のマンガが原作の物語。「つべこべ言わずに東大に行け」を決めゼリフとする主役の「桜木建二」(阿部寛)が教壇に立つ高校は、偏差値が32といういわゆる底辺校で、そこから東大合格者を出すのがミッションだが、偏差値が40に満たない県立高校出身の30代男性のOさんはいう。

「偏差値が低い高校というと“不良の巣窟”みたいな想像をされますが、決してそうとは限りません。私はヤンキーではなかったので、入学する前は身構えていましたが、いざ入学すると、不良はごくわずか。欠席、遅刻、早退をする生徒がとにかく多く、教室は静かなものです。授業中は大半の生徒が寝ており、教師もいちいち怒りません。本人も親も教育というものにまったく興味がないので、『東大に……』と叫んでもまったく響かないでしょうね。

卒業後、地元の塾経営者と知り合いになり、出身校を言うと、私の母校は教育関係者の間で“無気力校”と言われていることを知りました。喜怒哀楽が欠落していて、他人に興味が無い子ばかりだったので、腹が立つというより『何てピッタリな表現なんだ』と思いましたね」(Oさん)

いくつかの不幸が重なり、実力よりはるかに偏差値が低い高校に通ったOさんは、奮起して大学に進んだが、高校時代は「暗黒の3年間」だったそう。マンガを読むか寝ているかの同級生ばかりで、学園祭も体育祭もまったく盛り上がらず、友達はほとんどできなかったという。一方、20年以上の教師経験を持つTさん(40代男性)は、よりシビアな現実を語る。

「これまでいくつもの高校で教鞭をとり、その中には偏差値が学区ビリの高校もあって、大きなカルチャーショックを受けました。赴任が決まった時は、マンガに出てくるようなヤンキー高校を想像しましたが、予想に反して教室は静かで、生徒も授業を聞いています。けれども小テストをやると、まったく理解していない。授業のペースが早すぎるのかと思い、ペースを落としてもダメです。

生徒を見ていると、高校生とは思えないくらい言動が幼稚だったり、極端に特定のことにしか興味が無かったり、中には会話がほぼ成立しない子もいて、知能指数が知的障害ギリギリの子、発達障害の子が恐らく相当数いたはずです。低偏差値校の生徒が“アルファベットが書けない”“分数の計算ができない”などと笑いの種にされることがありますが、マジメにやってもできない子がいるということを知ってほしいです」(Tさん)

そんな重たい話がドラマになるわけはないが、「つべこべ言わずに…」と尻を叩けば誰でも出来るほど、世の中は甘くないのだ。

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『ドラゴン桜』(ドラゴンざくら)は、メディアミックス・ジャパン(MMJ)・TBSテレビ制作によりTBS系「金曜ドラマ」枠で2005年7月8日から9月16日まで毎週金曜日22時 - 22時54分に放送された日本のテレビドラマ。三田紀房の漫画作品『ドラゴン桜』を原作に、元暴走族の貧乏弁護士が平均偏差値36の高校生を東京大学に現役合格させるまでを描いた作品。阿部寛主演。

2021年4月25日から、前作の15年後を描いた続編『ドラゴン桜』が「日曜劇場」枠で放送開始。第1シリーズで主要人物を演じた阿部寛と長澤まさみが同じ役で引き続き出演する。また、TBSとMMJの共同製作だった第1シリーズと違い、第2シリーズはTBSの単独製作となる。漫画版の続編『ドラゴン桜2』が原作だが、今の時代に合わせたエッセンスを入れ、ドラマオリジナルの展開が予定されている。

あらすじ
第1シリーズ
元暴走族の弁護士・桜木(阿部寛)は、経営難の三流私立校・龍山高校に債権者代理として乗り込む。教師・真々子(長谷川京子)らを前に、学校の解散と教師の解雇を通達。だが、弁護士としての名を上げるため、桜木は解散ではなく、東大合格者を輩出する進学校にする再建案をブチ上げる。桜木は東大受験のための特別進学クラスを創設し、生徒たちの東大合格のために奮闘する。
第2シリーズ
龍山高校での成功をきっかけに、同様の底辺高校再生の仕事が舞い込むようになった桜木は虎ノ門に事務所を構える順風満帆な弁護士人生を送っていたが、2年前に依頼された高校で特進クラスの8人中7人を東大に合格させたものの、一人だけ不合格だった男子生徒・米山がナイフで桜木を刺した上に自殺未遂を起こしたことによりマスコミから叩かれる一大スキャンダルとなり、自身も消息不明となっていた。前シリーズでの教え子であり、東大卒業後に弁護士となって桜木法律事務所で働いていた水野直美は独立して事務所を設立したものの経営が行き詰っており、かつての龍山に匹敵する落ちこぼれ校「龍海学園」から翌年に東大合格者を5名出す条件で再建を引き受けることで起死回生を図る。福井県で自堕落な生活をして落ちぶれていた桜木を見つけた水野は、彼を再び教育の場へと連れ出そうとする。
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水野直美弁護士こと長澤まさみは、『コンフィデンスマンJP』の「ダー子」にしか見えないなぁと思いつつ観ています。底辺高校は発達障害の受け皿でもあります。今回のドラマでは重度のASDとはっきり分かる昆虫大好き高校生(原健太=細田佳央太)まで登場します。「桜木建二」こと阿部寛の台詞は学ぶことの本質を語るので、一言一言胸に刺さります。

日刊サイゾーの編集部は学習障害についてもう少し正確に書いてほしいなと思いました。書けないだけ、計算ができないだけで知的な差異はないのだということや、偏差値とはワーキングメモリーを含む記憶力を測ったばらつきを指しているだけだということです。今後、原健太君がサバン症候群の能力を発揮して「記憶」と「偏差値」について一石投じてくれると思います。

中止・延期。子どもたち不在で事を進めていいのか?

今年も修学旅行、運動会が中止・延期。子どもたち不在で事を進めていいのか?
妹尾昌俊 | 教育研究家、学校・行政向けアドバイザー

5/17(月) 【Y!ニュース】

新型コロナウイルスの影響を受けて、1年前と同じく、今年も修学旅行や運動会などの学校行事の中止、延期などが各地で起きています。

「楽しみにしていた運動会は中止することにしました」。10日、福岡市の小学校では校長が校内放送で告げた。1年生のクラスでは「えー」と悲鳴が上がり、「寂しすぎる」と泣きだす児童もいたという。40代の女性教諭は「なぜ東京五輪はできて、運動会はできないのか」と憤る。

 福岡県教育委員会は10日、運動会やクラスマッチ、文化祭、学習発表会、修学旅行などの学校行事は宿泊等の有無にかかわらず、実施しないよう県立学校に通知。福岡や北九州、久留米、飯塚各市なども宣言期間中は運動会を実施しないと決めた。

(西日本新聞2021年5月14日)

変異ウイルスが猛威をふるうなかですから、理解できる部分も多々あります。しかし、一方的な中止等は、学校教育の根っこに関わる、別の問題もあります。

■多くの自治体が修学旅行や運動会の中止を呼びかけ
教育新聞(2021年5月7日)は、その日時点で緊急事態宣言が出ている都府県の状況を整理しています。(※5/7現在の状況。今後の状況等しだいで変更がある可能性はあります。)

東京都:学校行事で感染リスクの高い活動は中止。修学旅行は中止または延期。
京都府:学校行事で感染リスクの高い活動は中止。修学旅行は緊急事態宣言中は実施しない。※京都市も同様。
大阪府:府県間移動を伴う学校行事は中止、延期。修学旅行は緊急事態宣言中は中止・延期。※大阪市、堺市も同様。
兵庫県:学校行事で県外の活動は見合わせる方向。修学旅行は原則行わないが、一部は学校判断。
神戸市:児童生徒が接触する学校行事の活動などは中止。修学旅行は中止または延期。
愛知県:修学旅行を含め学校行事は中止または延期。
名古屋市:検討中。
福岡県:検討中。
福岡市:検討中。
北九州市:運動会や体育祭は延期

中止または延期という判断のところが多いようです。修学旅行は大人数で飲食や宿泊を伴う活動ですし、運動会、体育祭などでは接触する種目もありますから、新型コロナの感染防止の観点からは、延期等もやむを得ないという判断であろうと思います。

理解できる部分は多いのですが、一方で、とても気がかかりなこともあります。ここでは2点に整理したいと思います。

■疑問1:「中止」という選択肢しか本当にないのか?
延期はまだわかりますが、早々に「中止」を決定する自治体、学校もあります。本当に「中止」しか選択肢はなかったのでしょうか?

修学旅行について言えば、感染リスクが低い地域に変更、延期したり、日帰りの体験活動に変更したりする例が昨年度もありました。運動会なども、学年別に分けて開催したり、接触の多い種目は除いたり、保護者等の人数を限定したり(あるいは無観客にしたり)する例もありました。

こうしたことは、教育委員会も教職員もよくわかっているとは思いますがが、感染リスクが心配なので「中止」しかない、という考えのところもあるようです。

■疲弊して萎縮する学校現場
「もう少し柔軟に、幅広い選択肢から考えたらよいのに」と、私は感じますが、「行事を強行して、感染者が出たときには、すごく学校が非難される」という心配、もっと言えば、恐怖が学校や教育委員会には強いのだろう、と思います。

ある教員も「もちろん、やれるものなら、やりたいという気持ちは先生たちにもありますよ。でも、何かあったときすごくバッシングされるのはいつも学校です」と言っていました。

実際、行事にかぎらず、普段の学校で感染者が出たときも、学校の対応がマズかったのではないか、という批判、非難が多く寄せられる地域はあります。地域のかたや議員さんからクレームが入るのです。家庭内感染が主なルートであったとしても。冷静に話をしてくれる人ばかりではありません。

ただでさえ、多忙を極めているのが、多くの学校現場です。やっかいなクレーム電話に対応するのは、精神的にもすり切れてしまいます。

※もちろん、学校の対策が十分だったかどうかという検証や検討は重要なので、こうした苦言をすべて「クレーム」と見なすことも適切とは言えませんが。

「中止」とすぐに決めてしまう教育委員会や学校のなかには、こうしたこれまでの痛い経験があるため、萎縮してしまっているところもあるのです。

なお、文科省は感染対策は講じた上で、修学旅行等をなるべく実施してほしい、という考えです。再三通知を出していますが、この4月1日にも、「令和3年度における修学旅行等の実施に向けた配慮について」という文書を出しています。

■疑問2:子どもたち不在で決めていくのが「教育」か?
ちょうど約1年前の状況を振り返っても、修学旅行や運動会、体育祭、文化祭などの中止が相次ぎました。私が問題視しているのは、中止の是非というよりも、その決め方です。

すべての地域がそうだったとは申し上げませんが、一部の教育委員会や校長は、子どもたち不在でいろいろ事を進めようとしてきました。教育委員会と校長会でゴニョゴニョと協議し、早々に決めたところも多かったですし、昨年度は夏休みを大幅に短縮する動きも一方的でした。調査データがないので、推測になりますが、おそらく多くの地域では、こうした決定の前に児童生徒の声を聴いたという形跡はほとんどありません。保護者もほとんど関与できなかったところが多いのではないでしょうか。

約1年前に見られたことが、また今年も繰り返されつつあります。

本当にこんなことでよいのでしょうか?

ある学校(複数)では、修学旅行の代替となる校外学習を小6、中3の子どもたちが話し合いながら企画しました。そういう学校と、「コロナで残念だったね」で済ませる学校で、どちらが子どもたちが育つでしょうか?

■日本の教育は「従順さ」ばかりを育てている
子どもの権利条約では、子どもは自分に関係のある事柄について自由に意見を表すことができ、おとなはその意見を子どもの発達に応じて十分に考慮することを求めています(第12条)。

日本が子どもの権利条約を批准したのは1994年。25年以上経っているのに、学校や教育行政では、いまだに、子どもたちの意思や意見が十分に尊重されているようには見えません。子どもの権利・法律問題に詳しい、佐藤みのり弁護士はこう話しています(強調は引用者、大人んサー「夏休み短縮、部活動中止…子どもの意見を聞かず、大人だけで議論していいのか」) 。

 こうした声(引用者注:子どもたちの声、意見)に耳を傾けず、大人だけで物事を決めてしまうと、子どもは『どうせ自分たちが意見を言っても大人は聞いてくれない』と感じ、次第に『何を言っても無駄だ』と諦めるようになってしまいます。教育が大きく変わる可能性のある今こそ、大人が子どもの意見にしっかり耳を傾けるチャンスです。

 子どもの意見をよく聞き、それを踏まえて議論し、その過程や結論を子どもに分かりやすく説明することが大切です。そうすることで、子どもは大人が真剣に向き合ってくれたと感じ、今後もあらゆる場面で、自ら考え、意見を言えるようになるでしょう。

「主体性のある子どもを育てる」「自律的に学び続ける大人になっていってほしい」。こう日本中の先生たちは言うわけですが(学校目標にはそういう文言がよく入っています)、まったくきれい事ではないでしょうか?

「教育委員会や先生の言うことに黙って従うのが〝いい子〟」ではありませんよね?

■理不尽な校則を押しつけることも、根は同じ
茶髪禁止、ツーブロック禁止、スカートはひざ下5センチ、下着は白のみ。「ブラック校則」と言われることもある、合理的な理由がよくわからない校則を押しつけることも、行事の中止等と同じ根っこの問題がある、と私は見ています。

かつて荒れて生徒指導がたいへんだった時代に、頭髪や服装などを厳しくしないと、地域等からクレームがたくさん来る学校もありました。ともかく校則を守らせておけばそうしたクレームにはならないだろうという安直な考え方が教職員に引き継がれ、また、日々忙しいなかで、校則や学校の決まりを見直そうというエネルギーさえ生まれてこない。そして、子どもたちの意見表明や主体性を軽視してきたことが、こんにちまで続いているのです。

学校や教育委員会だけを責めて解決する問題でもありません。教育関係者に加え、保護者や地域のかたなど、多くのかたが、「大人の言うことを子どもたちは黙って従っていればいい」という教育をしてしまっている現実に気づき、「もっと子どもたち主体で練り直そう」、「コロナでたいへんだけれども、だからこそ、子どもたちと一緒に考えていこう」と転換できるかかどうかが、問われています。

※本稿は、拙著『教師と学校の失敗学:なぜ変化に対応できないのか』(PHP)を加筆して作成しました。

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筆者も妹尾氏の意見に同意します。一度決めたら変えられない。その理由に政権や学校の「権威がなくなる」ことを恐れているのだそうです。明治維新然り太平洋戦争然り、幕府の攘夷方針を変えることができず薩長に政権を明け渡した徳川、ミッドウェー海戦で空母を致命的に失うのに停戦協定等に移行できなかった大本営と同じです。そこに横たわっているのは、権威とか言うけど、それは言い訳でかっこつけてるだけだと思うのです。農耕型ムラ社会が足並みを揃える事で生産性を維持するために作った文化、身に染みた同調圧力が怖いだけではないかと思います。子どもと共に語り合う事は、自分たちのことは自分たちで決める自立心を育てていくのだと思います。

大阪市の小中学校 24日から通常授業

大阪市の小中学校 24日から通常授業を再開へ

05月17日【NHK】

今回の緊急事態宣言を受けて、大阪市立の小中学校が自宅でのオンライン学習と、学校でのプリント学習を組み合わせる形で対応していることについて、市の教育委員会は、今週後半から授業を段階的に再開したうえで、来週24日から通常の形での授業を再開することを決めました。

緊急事態宣言を受けて、大阪市立の小中学校では、子どもたちの感染リスクを抑えるため、先月26日以降、原則、自宅でのオンライン学習と、学校でのプリント学習を組み合わせる形で対応しています。

これについて、大阪市教育委員会は、この間、子どもの感染者数が徐々に減少傾向となっているほか、重症化した事例の報告もないとして、今週後半から授業を段階的に再開したうえで、来週24日から通常の形での授業を再開することを決めました。
具体的には、今週20日から、各学校の実情を踏まえながら授業を最大で4時間実施し、残りの時間は、オンライン学習などを行うとしています。

そのうえで、来週24日から通常授業を再開するとしています。
また、先月26日以降、午前のみの保育としている市立の幼稚園についても、来週24日から通常の保育を再開し、このうち、今年度、新たに入園した子どもについては、段階的に保育時間を延ばすとしています。

松井市長は、記者団に対し、「病床のひっ迫や、変異株の感染リスクを考慮し、子どもたちの接触機会を減らすための対策をとってきたが、幸い重症例もなかったので、通常授業に戻していく」と述べました。

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武漢風邪のピークアウトは連休前にあり、その後は下げ止まりの感があり、3月頃の100名以下にはなりそうにありません。それも踏まえて、宣言延長による学校の自粛登校の効果もあまりなかったということで、緊急事態宣言終了日の1週間前倒しで「再開」したのかも知れません。大阪市長の「幸い重症例もなかったので、通常授業に戻していく」の主語は子どもですが、もともと子どもの重症例は世界的に報告されていないどころか、無症状がほとんどです。通学自粛には結果的に意味がなく、他市と平等であるべき子どもの学習機会を根拠なく奪ったことへの取り繕いのコメントだとすれば残念です。

福島第1原発事故甲状腺検査、任意性確保に課題

福島第1原発事故甲状腺検査、理解進まず県聞き取り調査、任意性確保に課題/福島

2021/5/19【毎日新聞】

福島第1原発事故当時に18歳以下だった子どもに県が実施している甲状腺検査について、県は17日の県民健康調査検討委員会で、検査を受けた子どもと保護者への聞き取り結果を公表した。検査を受けることによる不利益や、自らの意思で検査を受けるかどうかを決める任意性についての理解が進んでいないことが明らかになった。

小中学生と高校生への甲状腺検査は、担当者が学校へ出向き、授業中などに希望者に対して実施されている。一方、学校での検査は断りづらく任意性が確保されにくいという意見や、無害の甲状腺がんの発見で心身に負担が及ぶ「過剰診断」の不利益を被るとの指摘も言われ続けている。

調査は今年3月、検査を受けた県内の高校生3人と、中学・高校生の保護者6人へのインタビュー形式で実施された。検査を授業中に学校で行うことに強制性を感じるかという質問には「半強制みたいな感じ」「時間をとってやるので、受けないのが変かな」などとの回答があった。また、検査を受けるかどうかを決めるうえで、検査による利益・不利益を知っているかとの質問には「受ける・受けないを決める考えはなかった」「デメリットは考えたこともない」「検査の情報は圧倒的に少なく、説明会をもっときめ細やかにやるべきだ」などの意見が出た。

県は今後、検査の利益・不利益を説明する文書を本格的に配る。星北斗座長(県医師会副会長)は「任意性の確保の工夫と同時に、検診の機会の容易さも考えなければならない」と指摘した。【寺町六花】
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武漢風邪のPCRスクリーニング検査で陽性になっても偽陽性もあるので罹患したかどうかは発症をみないと分からないことと同様の問題です。しかし、個人へのダメージが大きい点では比べ物にならないくらい、甲状腺超音波スクリーニングは問題が多いです。小児に関しては甲状腺癌の早期発見が再発率の低下に貢献するどころか真逆である可能性が高いという医師もいます。福島の放射能汚染の風評被害は、野菜や魚だけではありません。子どもたちの遺伝子異常の風評被害まであるからです。

超音波スクリーニングで発見される小さな腫瘍は悪性の甲状腺がんとは限らないです。しかし、今までは予防的には使われなかったこの検査が、任意ではあるけれども福島の子どもの早期発見のためにと言う大義名分で使われているのです。今までは、首にしこりなどの症状があって甲状腺超音波検査をしていたのが、症状のない人にまで拡大すれば、発見数は増えて当たり前です。そして、検査数を増やして腫瘍発見数が増えたからと言って悪性の甲状腺がんが増えたと言うエビデンスはありません。

韓国では甲状腺超音波スクリーニングでの過剰診断の問題が明るみにでてから甲状腺癌の手術件数は減少していますが、実は診断された数と手術数の割合は変化していません。つまり、甲状腺癌と診断された大多数の患者は過剰診断を知っていながらそれでも手術を受けることを選択しているのです。子供に対して癌を”放置する”という決断ができる保護者はなかなかいません。経過観察を選択したものの、数年後に不安に耐えられなくなって手術に踏み切るのです。子供にとっても甲状腺癌を経過観察するということは一生涯に渡って大きな重荷を背負わせることになります。

子供に癌患者とのレッテルを貼ることがQOLを大きく低下させる、ということを認識する必要があります。過剰診断の被害は小さな腫瘍が見つかった時点で始まっています。ところがこの小さな腫瘍が無害かどうかは時間がたたないと分からないのです。若年者の甲状腺癌の過剰診断は成人のそれより被害が深刻です。

それは問題が健康問題にとどまらず、人権問題も伴うからです。特に、福島県の子供に対しては、「遺伝子が放射線で汚染されている」「結婚すべきではない」等、心無い風評が残念ながら広がってしまっています。このような状況で子供たちに”がん”という診断名をつけることは彼らの人生に重大な影響を与えます。福島で甲状腺癌と診断された本人や家族が最も懸念しているのは健康問題ではなく「結婚」問題なのです。

不登校の「その後」見つめる

あの時ほしかったものを不登校の「その後」見つめるびーんずネット・金子純一さん(49)

2021年5月17日 【東京新聞】

七年前、仕事から帰宅すると、テーブルの上に小学三年だった長男からの書き置きがあった。「学校に行きたくないです」
突然の不登校にひどく慌て、悩んだ。「学校に行くことに意味を感じていたし、弱さや甘えを許してしまうと将来が心配だ、と思っていましたから」。一緒に風呂に入るたびに「新学期から学校に行こうな」と言い聞かせた。

長男は漢字を書くのが苦手だった。漢字ドリルの不正解だった部分に、先生が付せんをつけていく。その付せんが連なって、「ライオンのたてがみみたい」と同級生にばかにされたのだという。「漢字のない国に行きたい」と長男は打ち明け、大泣きした。

結局、新学期からも登校せず、子育てを巡って夫婦げんかに。翌朝、妻あかねさんから本を渡された。「子どもを信じること」(田中茂樹著、さいはて社)。先回りし、価値観を押しつける親の危うさが書かれていた。ぜんぶ自分のことだ、と思ったという。
「子どもが転ばないように、勝手に石をどけようとしていた。先回りはやめて、自分たちが変わろうって決めました」

二〇一八年、妻が産業カウンセラーの資格を取得したのをきっかけに、夫婦二人で「びーんずネット」の活動を始めた。不登校に関するセミナー開催のほか、不登校だった人々の「その後」に着目した事例集「雲の向こうはいつも青空」を年二回発行。今年三月で五冊目になった。

リアルで等身大の不登校を立体的に伝えるため、不登校の経験者や保護者、支える人々ら、一冊で七人のインタビューを紹介する。つづられているのは、正解のない、七人七色の雲と青空だ。読者は全国に広がり、「安心した」「勇気をもらった」との声が届く。
「不登校のその先はどうなるのか。悩んでいたあの時、まさに自分がほしかったものなんです」

長男は今、登校のない通信制高校の二年生。今年二月、肩まであった髪を切り、ファストフード店の厨房(ちゅうぼう)でアルバイトを始めた。やけどした手を見せるのも、どこか誇らしげだ。
「これで万々歳とは思わないけれども、親としてじんわりうれしい」。ほおが緩んだ。(石川修巳)

<びーんずネット>代表は妻の金子あかねさん。「まず、親が幸せになる」をキャッチフレーズに、気づきや学びの場となるセミナーをオンラインで開催。ほかにインタビュー事例集「雲の向こうはいつも青空」(税込み1100円)の発行など、不登校をテーマに活動している。詳しくはホームページへ。

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記事に出てくる「漢字のない国へ行きたい少年」は読み書き障害と思われます。小学校は毎日のように漢字の小テストがあります。先生は親切心ですが、読み書き障害の子どもにとっては、たまったものではありません。多くの学校は読み書き障害のない前提で学習を進めているし、読み書き障害のスクリーニングもしないので、苦しむのは子どもという事になります。

発達性読み書き障害の研究者で有名な宇野彰先生によると、学童期で日本語の読み書きで7~8%、英語になると10%存在すると言います。そのグレーゾーンまで含めると、無視できない数となっています。にもかかわらず、字が下手糞、書写が遅い、音読の家庭学習が不十分等といわれなき中傷を昔から受け続けてきたのです。しかし、現代は読み書き障害が発達障害の一つとして国際的に認知されているのです。これが不登校の主要な原因なら、学校は合理的配慮の不作為を問われ責任を追及されても仕方がありません。

不登校の原因は学習の問題だけではないですが、まじめな子どもであればあるほど、自分ができないのは他人がもっと頑張っているからに違いないと思い、自分を責めだんだん登校が苦しくなっていきます。学習障害を契機とする不登校だけは学校の力で防止してほしいものです。

わいせつ教師のブラックリスト

わいせつ教師のブラックリスト共有化を考える
園田寿 | 甲南大学名誉教授、弁護士

5/21(金)【Yahoo!ニュース】

■はじめに
教師による学校内での児童生徒に対するわいせつ事件があとを絶ちません。優越的立場を背景に、抵抗できない弱い者に対して自己の性的欲望を暴力的に満たすのは、もっとも卑劣な行為だといえます。ところが現行の制度では、処分を受けて教員免許状を剥奪された者が、最短で3年経過すれば再び教職に返り咲くことができるようになっています。性的な不祥事を起こした教員が再び教壇に立つことができないようにするべきだとか、3年という時間はあまりにも短すぎるといった意見がありますが、もっともだと思います。そこで、この点を改善すべく、法律案が検討されています。

法律案は、わいせつ教師のブラックリスト(データベース)を作成し、免許状の再交付にあたって全国の教育委員会、学校法人の採用担当者などが閲覧できるようにするという仕組みを提案しています。私は、この法律案の基本的な方向性に反対するものではありませんが、十分な議論が必要だと思います。本稿では、その議論の端緒を整理してみたいと思います。

なお、2021年5月10日付けで、学校における子どもの人権を考える会(共同代表:佐久間亜紀、慶應義塾大学・教師教育学)による「『教職員等による児童生徒性暴力等の防止等に関する法律』案についての論点整理」が公にされています。法案の内容については、基本的にこれに依っています。

■現行制度の確認
現行の教員免許法では、(1)懲戒免職、(2)分限免職、(3)その他教員にふさわしくない重度の非行がある場合には、「免許状取上げ」の処分を行い、「当該処分の日から3年を経過しない者」には免許状の再交付を行わないという規定になっています(第5条1項)。

懲戒免職とは、犯罪や重大な非行などを行ったことを理由として解雇される場合で、(「身分保障の限界」という意味の)分限免職は、心身の故障、勤務成績不良や懈怠(けたい)などを理由とした免職で、必ずしも犯罪や非行などを理由としたものではありません。

問題は、このような理由によって免許状が取上げられた者であっても、最短3年が経過すれば申請によって免許状が再交付されうるという制度になっている点です。

実際に、「福岡県で生徒へのわいせつ行為で懲戒免職を受けたことを隠し、虚偽の履歴書を提出して88~2018年に埼玉県で教員として勤務した」といったケースが報告(埼玉新聞2021年3月23日)されていますし、同様のケースは少なくありません。

■法案の内容
今回の法案はとくに以上のような点について、制度を改めることが目的です。そして、目玉となるのがデータベースの構築ですが、それは以下のような内容になっています。

(1)次のような行為を「児童生徒性暴力等」と定義する。
a. 強制性交、わいせつ行為(刑法上の罪)
b. 児童買春のあっせん、児童ポルノ所持、製造、輸入、盗撮による製造等(児童ポルノ禁止法上の罪)。
c. 児童生徒を著しく羞恥させたり、不安をおぼえさせるような態様で、衣服の上から、あるいは直接児童生徒等の身体に触れたり、通常衣服で隠されている下着や身体を撮影し、または撮影目的でカメラ等を向けたり設置したりする行為
d. その他、性的羞恥心を害する言動であって、児童生徒等の心身に有害な影響を与える行為

(2)児童生徒性暴力行為等によって免許状が失効した場合、各教育委員会がその教員の情報を、文科省が一元的に管理するデータベースに迅速に登録し、各教委や学校法人などが採用の参考とする際に閲覧できるようにする。

(3)各教委が第三者委員会の意見を基に、再交付の可否を判断する「裁量権」を認め、その際、教員の更生状況などを勘案する。

端的にいえば、文科省がわいせつ教師のブラックリストを作成管理し、このデータベースを各教育委員会や学校法人が参照して免許状の再交付の可否を決定するというものです。

はたしてこのような制度は、今までの制度に矛盾なく溶け込むのでしょうか。以下、その点を考えたいと思います。

■一般的な問題点
国の基本的な制度からの大きな方向転換になりはしないか
第一の論点は、ブラックリスト共有化という新しい提案が、国の従来からの制度に対する大きな方向転換になりはしないかという点です。

現在の刑罰制度は、根底に応報という考え方(苦痛を与えることによって過去の犯罪行為を清算すること)があり、その枠内で犯罪予防(一般人の犯罪を予防し、受刑者本人の将来の犯罪を予防する)を考えるというものです。そのため、実際の刑罰執行(行刑制度)は、受刑者の再社会化(更生=人生のやり直し)を目的として組み立てられてきました。

その一つに前科抹消制度といわれる制度があります。
これは、刑に処せられて一定の時間が経過すると、刑の言渡しがなかったことになるという制度です。刑の言い渡しを受けて、判決が確定すると市町村役場に置かれている犯罪人名簿に登録されます。しかし、前科は更生の障害となる場合があるため、昭和22年に刑の消滅の規定(刑法34条の2)が設けられ、執行終了または免除後一定期間(禁錮以上は10年、罰金以下は5年、刑の免除は2年)を罰金以上の刑に処せられることなく経過したときに、刑が消滅し(法律上の復権)、前科人名簿からの抹消が認められました。

わいせつ教師のブラックリスト共有化は、この前科抹消の制度と基本的に調和するのでしょうか。ブラックリストからの削除についての規定も、登載期間についての規定もないので、ブラックリストに登録することで、一度過ちを犯した者を刑法の原則を超えて社会から排除するおそれのある制度となる危険性はないのでしょうか。社会制度としてこのような仕組みを設けることは根本的に妥当なのかという点について疑問があります。

本制度は、再び教職に付かせないということだけが狙いなので、他の職業に付くことへの制約にはならない、つまり職業選択の自由を侵すものではないといえるでしょうか。これが次の論点です。

罰則規定がないのは問題
刑法学者としての観点からこの新提案を見た場合、もっとも気になる点は、情報漏洩や悪用についての罰則規定がないことです。

教育委員会や学校法人がブラックリストを閲覧するわけですが、教育委員は公務員ですから、得た情報を漏洩したり悪用した場合は守秘義務違反の罪(最高1年以下の懲役)がありますが、私立学校の採用担当者は私人であって、罰則がありません。私立学校の校長などが、友人の予備校や塾の経営者、さらには一般企業などに情報を漏らすようなケースも想定することが必要でしょう。

ブラックリストには性犯罪歴が登録されているわけですから、もしもこれが漏れたりした場合はたいへんなことになります。本人はもとより、家族や親戚へのダメージは想像以上でしょう。

ブラックリスト共有化が教員免状の再交付を厳格にするだけの制度だから問題はない、といえるのかです。

「児童生徒性暴力等」の概念は明確なのか
ブラックリストに登録されることは、本人にとって重大な制裁的効果があります。登録の前提条件である「児童生徒性暴力等」の概念は、明確なのでしょうか。

この概念の中には、刑法上の性犯罪から、明確に「犯罪行為」として認識されないような行為まで、行為の性質と重さの異なるさまざまな性的行為が含まれています。それらに対する一律的な行政的制裁として免状の取上げがあるわけですが、これにさらにブラックリストへの登録という実質的な制裁処分が課されることになります。その際、なされた行為における侵害性の軽重は問題となっていません。このような仕組みは、近代法の大原則である責任主義(許されるのは責任の重さに応じた制裁)に反する疑いが濃厚です。

また、具体的に当該行為が「児童生徒性暴力等」に該当するとの判断は、だれがどのように行うのかも問題ですし、本人の弁明の機会なども十分に保障されなければなりません。

■では、どうすればよいのか
誤解のないようにいいますが、私も性的な問題を起こした教師がわずか3年で免許状の再取得が可能であるという現状はたいへん問題だと思います。しかし、ブラックリストに登載して排除するという方向性にも疑問があります。

では、どうすればよいのか。

今回の法案では、教育委員会の裁量権を認めることも提案されています。一定の法定要件が具備されれば免許状がオートマティックに再交付されるのではなく、再交付の可否について教育委員会が個別に判断することになります。この提案じたいに異論があるわけではなく、むしろ望ましい制度だと思います。しかし、ブラックリスト方式を前提に考えると、教育委員会が検索して該当者がヒットすれば、それだけで該当者についてさらに実質的個別的な審査が行われる可能性は、特別な事情がない限りきわめて小さいと思われます。

この教育委員会の裁量権を活かすためには、再交付に際して参考とされるデータベースはブラックリスト方式ではなく、ホワイトリスト方式とされるべきです。つまり、まず全教員リストから、懲戒、分限等の処分があれば、その都度ここから該当者を削除していき、いわばホワイトリストを作成する。そして教育委員会が免許状の再交付を審査する際にはこれを参照し、申請者がこれにヒットしなければ、さらにその者について聴聞の機会も保障して個別に実質審査を行う。このような仕組みであれば、法案が目指すものと同じ効果が得られますし、官民の多くの人たちに共有されるデータベースのあり方としても望ましいのではないかと思います。

いずれにせよ、新しい提案について十分に議論されることが必要です。

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性犯罪の再犯率は低くありません。しかも、学校教員や施設職員から子どもが受けるわいせつ事件のほとんどは、行政処分を受け社会的制裁を受けたのだからと起訴されないことも多く、軽微なものと判断されるものは略式起訴程度で終わるものがほとんどで、服役をするほどのものはごく稀です。

犯罪の種類でいえばわいせつ罪は強制も準強制も最高懲役20年と罪が重いのですが、職員が犯す罪は健全育成条例違反の淫行罪がほとんどで懲役2年が最高で、初犯なら執行猶予がつくものがほとんどです。従って前科抹消制度が摘要されれば前科すら消えるのです。

免許制度をわいせつ前科のある人には免許を与えないようにする法案も、憲法の掲げる職業選択の自由を侵すとして断念されました。そこで、行政処分リスト(官報)を調べる証明システムを免許申請や採用時に求める仕組みを文科省が考えたのですが、履歴は今年からと言う情けないシステム(教員の懲戒免職・解雇理由、官報に記載 03/30)なので、日本版DBS(子どもの性被害どう防ぐ?: 01/06) を法律で決めようと言うわけです。英国では2012年にスタートしたそうですが、日本型民主主義(憲法)は時間がかかり過ぎます。

『ドラゴン桜』で説明した東大の「文化」

『ドラゴン桜』で説明した東大の「文化」にOBから疑問の声 学生間の試験対策を「発達障害の学生のため」と紹介?

2021/05/24 【リアルライブ】

日曜劇場『ドラゴン桜』(TBS系)の第5話が23日に放送され、平均視聴率が13.8%(ビデオリサーチ調べ、関東地区、以下同)だったことが各社で報じられている。第4話の14.3%からは0.5ポイントのダウンとなった。

第5話は、専科の生徒との勝負に負けた藤井(鈴鹿央士)は苛立っていた。そんな様子の藤井を案じた理事長の久美子(江口のりこ)は、東大専科と一流大学コースで再度勝負することを桜木(阿部寛)に提案する。そして、東大専科には5人目の生徒がやってきて――というストーリーが描かれた。

※以下、ネタバレ含む。

専科に来た5人目の生徒とは、学年で成績ワースト1位という発達障害の健太(細田佳央太)。桜木は健太のその異様な記憶力に注目し、健太が好きな昆虫研究の英語の論文を渡すことで勉強欲を刺激することに成功していた。

そんな中、水野(長澤まさみ)が話した、発達障害でも東大で勉強できる、ある文化が話題になっている。

「健太は目から入った情報は忘れないものの、一方では聴覚的短期記憶能力が低く、これまで授業についていけなかったとのこと。このことから幼馴染の麻里(志田彩良)から『仮に東大に入れたとしても講義についていけないんじゃ?』と指摘する場面がありました。しかし、水野は『大丈夫。東大には書き起こし文化があるから』といい、当番制で教授の話を書き起こす制度だと説明。『そのぐらい東大に通う発達障害の学生は多いのよ』と話していました」(ドラマライター)

この水野の説明に、視聴者からは「書き起こし文化なんてあるんだ!」「そんな文化あるなんてすごいな」という感心が集まっていたが――。

「しかし、SNSからは東大OBを名乗るユーザーから『ミスリード』を指摘する声が噴出することに。実際、この書き起こし文化は東大法学部の学生の間で自発的に行われているもので、発達障害の学生のためだけではなく、そもそもの目的は試験対策とのこと。ツイッターからは『発達障害を起源に持ってくるのは無理がある』『書き起こしは公式ではないし万能でもない』『学生間の試験対策を発達障害に配慮した文化にするのはちょっと…』という指摘が上がっていました。また、大学側の制度ではなく学生間で行われている文化のため、書き起こしがない授業も多く、語弊があるとの指摘もありました」(同)

ドラマでの説明と現実での乖離に、多くの東大OBが違和感を抱いてしまったようだ。

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前回(ドラゴン桜 05/15)、健太(細田佳央太)のサバン症候群が発揮されると書きましたが、予想通りでした。ドラマは全てが事実ではないのに、あえて疑義を唱える元東大生の『ミスリード』指摘にはステレオタイプの方に少なくない特性を感じます。けれども、東大が発達障害を持つ学生の支援に力を入れていることは事実です。2010年には、発達障害の学生をサポートする専門機関である「コミュニケーション・サポートルーム」を立ち上げています。

開設当時、東京大学学生相談ネットワーク本部は、「東大が多くの発達障害の人を抱えるのは事実」「支援室の開設は発達障害と共に生きる東大としての第一歩」と言っています。また、日本学生支援機構の調査によれば、東大は対人関係スキルを身につけるためのセミナーを全学生に向けて開催しているそうです。今回の件について、東大のコミュニケーション・サポートルームは学生のプライバシー保護のためにノーコメントだそうですが、ノートテイク支援の是非を聞いているだけなのにあえてコメントしないという事は、様々な支援事例があるので安易に触れられないということでしょう。

大事なことは、東大で授業の講義が書き起こされるかどうかの真偽ではなく、普通の学校の授業で視覚的支援が合理的配慮としてなされているのかどうかです。視覚的支援がないから学習に取り組めないし、不適応行動の原因を知能が低いからと誤解しているから、いつまでたっても不適応行動が収まらない、という桜木(阿部寛)の台詞にこのドラマのメッセージがあります。そして、「だけど」と付け加えた桜木(阿部寛)の、「無理やりに学習をさせようとはしなかった担任の行動は、健太(細田佳央太)の学校への安心を形成して、学習への嫌悪感を与えなかった」という台詞内容も支援の本質を感じさせました。

1人1台コンピューター「一見よさそう」の落とし穴

学校1人1台コンピューター「一見よさそう」の落とし穴
科学医療部次長岡崎明子

2021年5月25日 【朝日新聞デジタル】

小学生の娘が、学校から配られたiPadを使うようになってから2カ月がたつ。コンピューターを活用した教育を広げるため、文部科学省が進める「GIGAスクール構想」の一環だ。3月末までに、全国のほとんどの小中学校に1人1台分のパソコンやタブレット端末が配られた。

アップルのスティーブ・ジョブズは家で子どもがiPadを使うのを制限し、読書や会話の時間を大切にしていたという。だから私も、娘が幼い頃からなるべくスマホやiPadを遠ざけてきた。それなのに。

娘は喜々として「今日はヤフーで『三角形』を検索した」などと教えてくれる。国は、この構想は学びを個別最適化し、創造性を育むと言う。でも本当にそんなエビデンス(科学的根拠)があるのだろうか。

学びの質を研究してきた東大名誉教授の佐藤学さんに聞いてみた。「実は、ICT(情報通信技術)教育が学力向上につながるというエビデンスはほとんどないのです」

最も信頼できるのが、国際学習到達度調査(PISA)の調査委員会が2015年にまとめた報告書だという。先進国の集まりであるOECD加盟の29カ国のデータを分析すると、学校でコンピューターの使用が長時間になると、読解力も数学の成績も下がっていたという。衝撃的な内容だ。

PISAの担当者はその理由を二つ挙げる。一つは深い思考を育む先生と子どもの対話がコンピューターによって阻まれる可能性。もう一つは従来の授業スタイルのままコンピューターを入れることの限界だ。

佐藤さんはこれに加え、今のICT教育の現場で使われるソフトの質を挙げる。答えを入力すると即座に○×が表示され、正解なら次に進むといったものも多い。

ここから続き
「刺激と反応の学びは短期記憶にしかなりません。そもそもGIGAスクール構想は20年前のコンピューター教育。協同で探究する学びに改革する必要があります」

世の中には、「一見、よさそう」と思って導入したものの、実は効果がなかったということが結構ある。

今から半世紀前の1976年2月。米国の陸軍基地で1人の新兵が豚インフルエンザで亡くなった。見つかったウイルスは、18年のスペイン風邪と同じH1N1型だった。パンデミック再来を恐れた当時のフォード大統領は、専門家の助言に従い、全国民2億人以上にワクチンを接種するという前代未聞の事業を決断した。

接種は10月から始まり、4千万人以上がワクチンを打った。だがギラン・バレー症候群など多数の副反応が報告され、わずか10週間で事業は中止された。実際のところパンデミックは起きなかった。残ったのは、公衆衛生行政への不信感だけだった。

検証報告書は、貧弱な証拠から組み立てられた理論に、専門家らの過信があったと指摘している。エビデンスがない政策は税金の無駄となるだけでなく、ときに害を与える。

コンピューターに向かう時間が増えることが、子どもたちから深く思考する機会を奪うとしたら。その代償は計り知れない。私は子どもには、物事を多面的にとらえ、自分の意見をしっかり持った大人になってほしい。1人1台を進めるにしても、エビデンスのないまま広げ、貴重な学びの場が「実験台」になるのは勘弁だ。

コンピューターに一切触れるなと言っているわけではない。実はPISAの報告書には、ヒントとなりそうなデータもある。例外的に、オーストラリアではコンピューターを使うほど読解力が上がっていた。

日本のICT教育は、先進国の中では周回遅れだ。だからこそ、効果をあげている他国の例に学べるというメリットがある。ジョブズはこうも語っている。「教育の問題はテクノロジーでは解決できない。これは、政治の問題なのだ」(科学医療部次長 岡崎 明子)

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ICTを使えば学習ができるようになると言うのは正しくないです。当たり前のことですが、学習ができるように作られたICTならば学習ができるようになるのです。例えば、今はやりの講義アプリのスタディーサプリがあります。あれは、優秀な講師が講義をするので学力が平均以上の人にとってはとても役に立ちます。しかし、基礎学力の伴わない人が使っても成績向上は望めません。また、聴覚情報が苦手な人にも向いていません。

下のグラフは2015年のもので、このグラフだけで本当にICTの利用と非利用の格差が出たかどうかはどんなデーターの取り方をしたかどうかわからないので何とも言えません。こういう数字のマジックを使うのはメディアの得意技です。PISAの500を平均とした標準偏差100の5〜6点差は、入試偏差値の平均50・標準偏差10にすれば1ポイント未満の数値です。これをわざわざグラフで大きく切り取って見せているのです。また、日進月歩のICT世界での2015年当時とは一昔前とも言え、適切な学習アプリが開発されているとは言えないからです。少し自信がない記者は、アップルコンピュータのカリスマ、スティーブ・ジョブズを引っ張り出して、自説を補完します。

ICTを使った学習を○×の短期記憶の学習機とレッテルを貼るのも、メディアの得意技です。PISAの報告書によれば、周回遅れのはずの日本はICTを使ってないのに読解力は落ちているのです。このことについては何も触れずに我田引水です。ICT機器を学習に使うメリットは、その人の興味や関心、分かる速度に合わせて自学自習ができる事や、学習したことや気づいたことを簡単に仮想空間で共有できることです。まさに、教室から外に飛び出した授業が展開できる可能性が広がっているという事です。

ICTと学力とは関係がない事ですが、日本のワクチン開発が先進国の中で遅れているのは、政治の責任と言うより、メディアが散々ワクチンの副作用をエビデンスもないまま恐怖を国民に煽ったからです。副作用が恐ろしいぞと特殊例だけをあげて煽れば、誰も国内で売れない商品を開発しようとはしないでしょう。その舌の乾かぬうちに今度は開発が遅れているのは政府の責任だと言うのです。今回のメディアによるICTの教育展開の批判も同じ類の根拠のない無責任な主張ではないかと思います。今大事なのは、ICT機器を利用するためらいではなく、学校や家庭のネットワーク環境を整備してソフト開発にどんどん民間会社を呼び込んで良いソフトを競争して作ることです。

 

端末持ち帰り調査

<学校ICT時代端末持ち帰り調査>(上)小中学校編岐阜が先行、福井認めず

2021年5月26日 【中日新聞】

小中学生に一人一台ずつ学習端末を配備する国の「GIGA(ギガ)スクール構想」。新型コロナウイルス禍による休校も想定し、文部科学省は学校だけでなく、自宅での学習にも端末を生かしてほしい考えだ。こうした端末の「持ち帰り」にどう対応するか?。中部九県の県庁所在地と政令指定都市の計十市教委に取材した。(北村希、加藤祥子、河原広明)

昨年九月に全児童生徒への配備を済ませ、直後から「持ち帰り」に取り組むのは岐阜市。同市教委担当者は「休校時でも自宅の子どもと学校の先生をつなげる環境をいち早くつくりたかった」と話す。

学校便りの配信など保護者との連絡に用いたり、一部の学校で不登校の児童生徒向けに授業を中継したりするなど積極的に活用している。コロナ禍による昨年の一斉休校では「学びの保障」が課題に。文科省は「一人一台」の配備完了時期を二〇二三年度から二〇年度に前倒し。自宅への持ち帰りも促す。

名古屋と金沢、富山の三市も本年度中の持ち帰りを「認める」と回答。富山市では既に持ち帰りを進めている学校も。名古屋市教委の担当者は「学びの継続性を考えると持ち帰りは必要」と説明する。ただ、配備が慌ただしく進んだこともあり、自治体によっては一部の学校で「持ち帰り」を試行し、効果的な活用法を検討したり、課題を見定めたりする場合も。津市は本年度に全七十校のうち四校で試行。その結果を基に来年度以降の全体の対応を決める。

同市教委の担当者は「地域や学校ごとに状況が異なり、一斉に導入するのは難しい。小一から中三まで学年の幅も広く、どんな課題が出てくるか予想できない」と漏らす。
一方、「コロナによる休校など有事以外は認めない」とするのは福井市。市教委の担当者は「(破損時の)保険や家庭の通信環境の確保などで費用負担が大きい」と説明。「効果も十分検証されておらず、紙を用いた学習を続けながら、周りの状況を注視したい」とした。

通信環境確保に四苦八苦
「持ち帰り」では家庭の通信環境の確保が欠かせない。ネットを活用した調べ学習をしたり、休校時などに学校と家庭をつなぐ「オンライン授業」に取り組んだりするためだ。
GIGAスクール構想で配る端末は、通信回線の契約付きか否かの二種類。十市のうち唯一、「通信契約付き」にした岐阜市では、家庭の通信環境に関係なくネットに接続できる。残り九市の端末は、家庭で通信環境が整っていないとネットに接続できない。

名古屋市と津市、金沢市など五市は通信環境がない家庭に、ネット接続に必要な機器「モバイルルーター」を貸し出して対応する。機器を整えても、ネットにつなぐ通信費を誰が負担するかも各市の悩みどころ。使う頻度にもよるが、一人分は少額でも、全児童生徒分だと額が膨らむからだ。

全ての児童生徒分を市が全額負担する岐阜市や「検討中」の市を除き、各市は家庭負担が基本。その上で、名古屋市や津市などのように生活保護受給世帯などを対象に全額または一部を補助するケースが多い。

補助以外の方法も模索されている。長野市教委の担当者は「通信環境のある学校や公共施設を開放し、家庭の負担を減らす方向で検討したい」、浜松市教委の担当者は「市で負担するのは予算的に厳しく、休校時などに通信環境がない家庭の児童生徒は学校に来てもらう形も検討する」と話している。

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<学校ICT時代端末持ち帰り調査>(下)高校編配備済みの岐阜と福井は可生徒の個人所有方式も

2021年5月27日 【中日新聞】

国の「GIGA(ギガ)スクール構想」の一環で、県立高校でも生徒に学習端末の配備が行われている。中部九県の教育委員会に端末の自宅への持ち帰り状況を聞くと、認めているのは「一人一台」が完了した岐阜県と福井県のみ。そもそも全児童生徒の端末代を国が負担する小中学校と異なり、高校では国の負担は一部にとどまるため、配備状況に差が生まれている。(白井春菜、杉浦正至、福沢英里)

高校生の端末について、国は三クラスに一クラス程度分は配備できるよう負担。新型コロナウイルス関連の交付金なども使って「一人一台」を目指すよう求めている。小中学校で一人一台で学んだ生徒が、高校でも同じ環境で学べるようにするためだ。

交付金も投入して一人一台を達成した岐阜県。大垣市の大垣北高校は公費端末を生徒が家に持ち帰り、手書き入力ができる学習支援アプリで宿題をこなす。以前は宿題に使ったノートを授業開始後に教員が見て回ったり、授業後に集めてチェックして返却したり時間を要した。今では教員が授業前に自分の端末から各生徒の宿題の状況を確認でき、授業時間を有効に使える。

同県教委ICT教育推進室の室長は「コロナ禍や台風による臨時休校など有事への備えにもなる」と強調。推進室職員、ICT担当の教頭と指導主事の計十数人が県立校八十三校を手分けして回り、教員らの活用を後押し。画面のひび割れなどの破損は、故意でない限り県教委加入の保険でカバーする。

福井県も同様に一人一台を達成して持ち帰りを認める。担当者は「家庭学習に使い、休校しても学びの継続性を確保するため」と話す。学校の課題に取り組むなど授業と連動した活用を想定している。

富山県の端末配備は今年の夏ごろに完了する見込み。持ち帰りを認める予定だが、時期は各校が実情に応じて判断する。担当者は「オンライン授業や課題の提出など学校教育に限らず、教育目的なら資格取得に向けた勉強なども認めていく」と述べた。
一人一台の体制になっていない静岡、石川両県は、持ち帰りの方針について「未定」と答えた。

一方、生徒が個人所有の端末を持ち運び、学習に使う「BringYourOwnDevice(BYOD)」方式を採用する県も。大半の生徒が保護者負担で端末を用意し、それが難しい家庭には公費端末を貸し出す。

長野県は二一年度にタブレットかスマートフォンでBYOD方式に。公費で配備した端末は持ち帰りを認める方向で検討中だ。二一年度中に全生徒の三分の一強に国費端末が行き渡る予定の愛知県は現時点で認めていない。ただ、担当者は「端末の紛失や損傷時の補償、弁償の枠組みなど、さまざまな課題が解決できれば二一年度中にも認めたい」と話す。

通信費 多くは自己負担ルール作り課題
家庭の通信環境の確保はどうか。環境が整わない家庭向けに、多くの県でネット接続に必要な機器「モバイルルーター」などを貸し出す用意がある。通信料は県費で負担する岐阜県を除き、多くが自己負担。富山県は「今後の検討」とした。
家庭の状況に応じて、国の「高校生等奨学給付金」を案内する県も。通信料相当として年一万二千円が補助される制度だ。それでも足りない場合、福井県は低所得世帯向けに補助を上乗せしている。

スマホの所有率が高い高校生でも、端末依存やネットトラブルの懸念はある。岐阜県はフィルタリングソフトを入れて、会員制交流サイト(SNS)やゲームサイトにつながらない設定にしている。三重県の担当者は「情報モラルはこれからの社会を生きる世代に必要な基本スキル」と教育の必要性を強調する。
持ち帰り時のルールについて愛知、福井両県は学校の実情に応じて決めてもらう。富山県は、県教委で作ったひな型を各校に周知した上で、ルール作りを各校に委ねる。

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記事を読んでいて、この期に及んでもGIGAスクール構想での各生徒にPC一台配備の意味が理解できてない役人がいることが、明らかになった感じです。これは前回も掲載(「校長がブレーキになってはいけない」 文科相 02/20)しましたが、危惧した通り自治体によって相当違う対応になっています。

特に福井県は福井市教委と、福井県教委で真逆の対応となっているのが驚きです。小中では金がないから家庭に持ち帰らせないとし、高校は県が買い与えてでも家庭学習を推進する対応です。つまり県全体としてGIGAスクール構想をたたき台にしたICT教育の統一的な構想がないので、同じ県下でも方針が違うのでしょう。京都府と京都市も似ていますが、京都市は府と同じくらいの財政権限を持つ政令市ですので比較対象にはなりにくいです。

京都府や地元の自治体は、家庭持ち帰りや家庭の回線環境についてまだ統一的な見解を発表していませんが、この記事にあるような否定的な見解を持つ学校関係者も少なくありません。いったいいつになったら、子どもたちは家庭でルールに沿って自由に端末で学習ができるのでしょう。岐阜県のように持ち帰りを前提にセルラー機器(民間回線接続)を購入している自治体もあるのですから、 ひとえにICT教育担当の役人にかかっていると言っても過言ではないと思います。以下は東京渋谷区の子ども用の持ち帰りルール例です。かなり決まりが多いですが、それでも子どもを信じて持ち帰らせようと言う関係者の気持ちに共感できます。政府の施策なのに住んでるところでこれほど運用に差があっては、公教育の名折れだと思います。

裏面あり画像クリックでPDFが読めます

みんなと違う子だから発達障害?

『みんなと違う子だから発達障害』という考え方はなぜ危険なのか

5/27(木) 12:31【婦人公論】

個性の強さから学校で問題児扱いされるような子どもたちを集め、彼らに自由な発想と学びの場を提供することを目指した教育が、東京大学にて行われています。ディレクターを務める中邑賢龍教授が「みんなと違う子だから治療する、という考え方は危険すぎる」と警告する理由とは?

※本稿は、中邑賢龍『どの子も違う――才能を伸ばす子育て 潰す子育て』(中公新書ラクレ)の一部を再編集したものです。

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◆たくさん届く相談メールを前にして

毎日、さまざまな人から子育てについての相談メールが私のところに届きます。
自分の気に入らないことには感情を剥き出しにして抵抗する子、苦手なことに関して心を閉ざし、貝のようになってしまう子など、少し読んだだけで、見守る家族のご心労がひしひしと伝わってきます。

ここで見方を変えてみましょう。私からすれば、それらの子どもたちは、みな人間らしいとも言えます。親の苦悩を感じつつも、実際、その行動のユニークさや豊かさには、思わず頬が緩むこともしばしば。

しかし、だからといって、現状の学校や社会は必ずしもそんな彼らに優しいわけではなく、「集団に馴染めない=困ったこと」と一元的に捉え、彼らに特別な教育や指導を受けるように求めています。

実際、それが機能する子どももいるでしょう。しかし、その教育や指導に苦しみ、闘う子も少なからず存在します。

なぜ、子どものことをしっかり考えているはずの学校や社会が、結果として彼らにとっての《壁》になってしまうのでしょうか? 以下いくつかの事例を紹介しながら、彼らの行動の本質について考えてみたいと思います。

◆なぜ小学4年生はカーテンの中で授業を受けたがったのか
子どもが大人の常識とかけ離れた行動をとると、ほとんどの親は驚き、「信じられない! 何でこんなことするの! 早くやめなさい!」などと声を荒らげます。その行動の裏に、実は子どもなりの事情があるにもかかわらず、大人はそれを理解しようとする前に、まず声を出してしまう。

たとえば私の知る例として、カーテンの中に入って授業を受けようとする小学校4年生のA君がいました。

先生は「椅子に座って授業を聞きなさい」と怒るのですが、彼はカーテンから出ようとしません。先生が怒れば怒るほど、クラスの子どもたちの目も「勝手なことをする変わった子だ」というものになっていきます。

そこでA君に「なぜ授業中にカーテンに入りたがるの?」とお母さんがたずねたそうです。すると彼は、「カーテンに入っていたら、ノートを取らなくていいから」「そうしたら聞くことに集中できて、授業がよく理解できるようになる」「授業が分かると楽しい」と話したそうです。

◆「ルールを外れたから悪い」を改めよ
いったい、誰がこんな答えを想像したでしょうか? 子どもが机から離れてカーテンに入っている、と聞けば「授業を受けずにサボっている」と感じる親がほとんどでしょう。だからこそ、「椅子に座って授業を受けなさい」とたしなめると思います。

しかしA君の場合は、自分に一番合った学び方を自分で発見していたのです。
背景を知れば、カーテンに入ることは批判される行為ではなく、褒められるべき行為だったと私は思います。しかし日本の多くの学校においては、「授業は椅子に座って正しい姿勢で受ける」というルールが存在します。

つまり、彼がいかにカーテンの効用を説明したとしても、その理由や事情を理解していない先生にとって、この行為は単にルール違反となってしまう。

大切なのは「ルールを外れたから悪い」と一律に判断するのでなく、まずはその背景を探ってみること。彼らのユニークな行為の背景には、個々の子どもの有する性格や、認知の特性が影響していることが多々あるのです。

◆理解できない行動をとる可能性もある
これまでの日本では、そういった「違う」子を区別してきました。しかしそれでは進展がありません。「彼は『違う』子だから治療する」「ほかの集団に移す」といった発想にしかならないわけです。

自らの経験や知識に乏しい人が、A君の行為を受け入れることは容易ではないでしょう。
一方、最初から自分とは「違う」認知特性や、性格特性を有する人がいるのが当たり前で、理解できない行動をとる可能性がある、という事実を理解しておけば、次に出会ったA君のような子どもにも、温かく接することができるようになるはずです。

◆発達障害と診断される子どもがなぜ増えているのか
最近では自分の子どもが発達障害の診断を受けた、と相談される機会が増えています。国が積極的に発達障害支援を進めているという影響もあるのかもしれません。

なお私自身の考えを記せば、単にユニークなだけの子どもまでが発達障害の診断を受け、治療を受ける機会が増えているようにも感じており、そうした流れには危機意識を持っています。

もちろん社会に適応できず、子ども本人が困っているケースもあるでしょう。しかし、多くの場合は本人ではなく先生や親が困っているだけ、というのが現実です。子どもが一人で好きにしている分には何も問題ない。なのに、集団に適応するために治療が行われている、というのが実態ではないでしょうか。

◆集団に適応すべく投薬治療や訓練を受ける子どもたち
幼稚園や小学校のような一斉指導の場で、勝手な行動は認められません。事故が起こるのを防ぐ、また、他児の学びの妨害とならないため、結果として立ち歩きや発声、攻撃行動などを持つ子どもは、投薬治療やソーシャル・スキル訓練(SST: Social Skills Training)を受けるのが一般的になりつつあります。

しかし大人の立場として困る特性の多くは、実は子どもの持つユニークな個性であり、才能でもある。
私のまわりにいる研究者を見ていると、空気を読まない、集中力がすごい、こだわりが強い、思考が面白いほど拡散している、といった人たちばかりです。そしてその特性があるからこそ、ユニークな研究ができているわけです。もちろん、周囲が支えてくれる環境があるのが前提とはなりますが。

◆彼らを修正するのではなく環境を調整しよう
少し前なら、個性の強い子も、ある程度まで集団の中で許容される雰囲気がありました。
しかし、今の社会では基本的に「人と違う」行動は許されず、子どもたちも相当なストレスを感じているはずです。個性の強い子は、果たして本当に治療されなければならないのでしょうか。

このまま早期から子どもの治療を続けていく時代が続くと、おそらく個性が乏しくなる分、画期的なイノベーションが起こりにくい社会になる気がしてなりません。
ユニークな子どもたち、その全てを障害と認定し、性急に治療する、という考えはとても危うい。むしろもう少し、ゆるやかに支えていくことが重要です。

彼ら自身を修正するのでなく、環境の方を許容できるものに調整できれば、個性を伸ばしながら、成長することは十分可能なのです。

中邑賢龍

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中邑先生の主張に同意します。ただ、こういう主張を誤解して取り上げ、だから服薬も支援も必要なく昔のようにおおらかに構えていればいいのだというほったらかしの自然放置論は百害あって一利なしです。かつての民主党の「コンクリートから人へ」のスローガンに似ています。ダムは自然破壊だと主張してステレオタイプに全国の治水工事をストップした結果、大洪水の被災が毎年起こっています。なんでもかんでも同等に扱うと被害が大きくなる例はいくらでもあります。

中邑先生は東大で「異才発掘プロジェクト」を主催し、多くのユニークな子どもと触れ合っていますから彼らの事が良くわかるのだと思います。放デイで働く私たちも行動や学習不振の問題から支援学級に入級し才能を埋もれさせている子どもに出会う事があります。子どもの特性に大人が気づかず、やってもやっても分からない勉強を繰り返す事で学習性無力感に苛まれている子もいます。ある子は教室を飛び出し、ある子は教師に悪態をつき、仲間からは異端としていじめを受ける元々の原因は、特性に応じた大人の手立てが遅れたためです。

初期の段階で少し支援すれば、少し服薬すればこんなに傷つかずに済んだだろうと思うケースの方が多いのです。中邑先生のメッセージを読んで我が意を得たりと特別なニーズ支援を否定する輩がいそうで危惧します。大事なのは早期発見と早期支援です。もちろん、周囲の大人や集団が本人を受け止める度量を広くするのは大前提ですが、何もしないのはダンピングといって安上がりの教育施策に理由を与えてしまいます。アメリカのブッシュ政権の時期にインクルーシブ教育が大事だと言う建前で多くの発達障害児が通常学級に放置され大失敗をしました。個性の尊重と支援・治療は本来対立するものではありません。本人をしっかり見ないで、機械的でステレオタイプな支援が優れた能力まで摘み取ってしまうと言う警告だと受け止めたいと思います。

わいせつ教員対策法成立

わいせつ教員対策法成立 免許再取得、拒絶可能に

2021/5/29【毎日新聞】

教員による児童生徒へのわいせつ行為を防止するための新法が28日、参院本会議で全会一致により可決、成立した。わいせつ行為で懲戒免職となった教員の免許再取得を都道府県教育委員会が拒絶できるようにする議員立法で、国がデータベースを整備することも規定。一部を除き公布から1年以内に施行される。

新法では、教員のわいせつ行為などを「児童生徒性暴力」と定義し、同意の有無にかかわらず禁止すると明記した。国や地方自治体、学校に防止や早期発見、調査などの対応を求める。


現行の教育職員免許法では、免職により免許を失効しても3年後に再取得が可能。処分歴を申告せずに他自治体に採用され、わいせつ行為を繰り返したケースがあり、規制を求める声が高まっていた。

新法は、免許授与権を持つ都道府県教委に「裁量権」を与え、更生状況などが「適当と認められる場合」に限定。第三者による審査会の意見を踏まえることで、教委の判断が恣意(しい)的にならないようにして公平性を担保する。

採用時の活用を想定し、わいせつで免職となった教員の氏名や処分理由などを国がデータベース化するとした。

付則には、子どもに関わる職業従事者の性犯罪歴を照会する制度を検討することを盛り込んだ。

文部科学省によると、2019年度にわいせつ行為やセクハラで懲戒処分や訓告を受けた公立小中高などの教員は過去2番目に多い273人。文科省も昨年、免許再取得の制限期間を延長する法改正を目指したが、「職業選択の自由」に抵触する恐れがあるなどとして断念した。

「大きな一歩」「実効性懸念」
わいせつ教員対策を強化する新法は、再び教壇に立たせないようにするだけでなく、教育委員会や学校に防止や調査を求めた。問題を訴えてきた人らは「子どもへの性暴力根絶に向けた大きな一歩」と評価する一方、「身内に厳しく対処できるのか」との疑問も抱いており、実効性のある対応が必要と指摘する。

「教員の性暴力に特化した法律ができるのは画期的」。全国学校ハラスメント被害者連絡会の共同代表を務め、対策を求める5万筆超の署名を文部科学省に提出した郡司真子さんは強調する。指導や恋愛と称した性暴力もあるとし「何が問題か先生が理解できるよう具体的な基準を国が作るなど実効性ある対応を」と注文した。

小学生の時に被害に遭った千葉県の女子生徒(14)の父親も「大きな一歩。良い流れだ」と評価。ただ、実際に法律を運用する学校や教委について「きちんと対応するのか不安」と明かす。被害を受けた当初、校長は教員を異動させず、女子生徒に転校を勧めたといい、「教委や学校の姿勢に誠実さが感じられなかった」と振り返る。女子生徒は今も大人を怖がり、自宅からほぼ出られない。父親は「被害に遭った子どもの目線に立った対策を」と話す。

教員の性暴力対策の必要性を訴えてきたフォトグラファーの石田郁子さん(43)も、実効性に懸念を口にする。自身も10代後半、通っていた札幌市立中の教員から被害を受けた。市教委に訴えたが取り合ってもらえず、市と教員を提訴。昨年12月の東京高裁判決が性暴力を認めた後、市教委はようやく懲戒免職にした。「加害者が否定すれば教委はかばい、なかったことにされる」とし、独立した第三者が調査する仕組みが必要だとした。

性暴力被害に詳しい上谷さくら弁護士は「教育現場は性暴力が起きやすい構造にある。新法は現場が対策を講じるための大きな後押しになるはずだ」と語った。
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今後は教育委員会が免許再申請者の提訴を恐れて怯まない限りは現実的な法制度が教員レベルでは完成したと言えます。付帯決議はされましたが、保育士や指導員など福祉現場の法制度改革がまだ残っています。また、痴漢事件でみられるような事実無根の虚偽の訴えについても、個人的な恨みなどが法制度化によって増えてくることは予測がつくので、これへの罰則(刑法では虚構申告罪・虚偽告訴等罪・偽計業務妨害罪がある)や名誉回復の行政手続きなども用意する必要はあります。

学校内のわいせつ行為を警察に通報し行政処分と並行させる義務は良いと思います。校長らは嫌がるのですが淫行の軽犯罪であっても通報を行う必要があると思います。校長は事件化を嫌がり被害者の気持ちをなだめようとしますが、これが校内セクハラの温床にもなってきました。しかし、今回の法律もどこからを通報対象にするのかは曖昧です。

公立学校は独立性が弱く、校長は上を向いて学校経営をしがちです。職員の人事や懲戒行為は、もしもの公判に耐える体制が必要ですから校長は行政組織に守られる分、権限は少なくなる仕組みです。しかし、逆に言えばこの仕組みは、校長の判断の間違いも曖昧にする仕組みです。学校の権限と責任を増やし強化することで子どもの人権は守られるという意見は一理あります。

eスポーツで引きこもり解決 

eスポーツで引きこもり解決 潔癖症の漫画家とスクールの出会い

2021/5/30 【毎日新聞】

引きこもりだった人が、ゲームで社会とつながっていく。金沢市のビジネススクールと潔癖症の漫画家の出会いで生まれた漫画がある。なぜ、ゲームなのか。生きづらさを感じる人らのためのスクールと、漫画の世界観を紹介する。【森野俊】

潔癖症、学ランを洗濯する日々
漫画「ケッペキゲーマー」は人と接するのが苦手な主人公が、ゲームを通じて人とつながり、変わっていく姿を描いた物語。極度の潔癖症で引きこもりだった少年は、関節リウマチで手足が不自由な車いすの少女の一言でゲームに触れる。ゲームの前では全ての人が対等であることに気づいた少年は、ゲームの腕前を競う「eスポーツ」の世界に足を踏み入れていく――。小学館の青年コミック誌「ビッグコミックスペリオール」で連載が始まり(現在は電子版のみ)、28日に単行本1巻が発売された。

「漫画の半分くらいが、自分の経験や考えからできています。同じ境遇の人だけでなく、支える家族など周りの人たちにこそ読んでほしい。どんなことを感じ、考えているのかを周りの人が理解してくれるだけで、問題の半分は解決すると思います」

そう話すのは、作者の「あまの」さん。中学時代は毎日欠かさず学ランを洗濯し、卒業する頃にはグレーにしたほどの潔癖症という。当時は「人が触ったものが黒いオーラをまとっているように感じていました」と振り返る。

あまのさんは、障害者とeスポーツ、自身が抱える潔癖症をそれぞれ漫画にしたいと考えていた。半身不随のプロゲーマーの記事を読んで、「三つがクロスした一つの漫画を描きたい」と思うようになった。障害とゲームが関係する取り組みを探して見つけたのが、金沢市のビジネススクール「カラフル・金沢」。ゲームを使い、引きこもりだった人を就労につなげる取り組みを進めていた。

カラフル・金沢では、障害がある人や引きこもっていた人、生きづらさを感じる人らが社会生活を送るための訓練をし、就労や起業を目指している。2016年に「ビジネス」「生活」「起業・経営」の3コースで設立され、19年4月にゲームコースが加わった。ゼネラルマネジャー(GM)の別宗(べっそう)利哉さんは「好きなこと、得意なことは、社会でいろいろな経験をするきっかけにできます」と力を込める。

「ゲーム漬けにさせて本末転倒」「ゲームをして仕事につながるのか」。ゲームコースの開設当初はメールなどで批判があった。別宗さんは「いつもは教室の隅にいる子が、ゲームの話になると輪の中心にいます。コミュニケーションを生み、自己肯定感も上がると思いました」と振り返る。ゲームコースは、他の3コースを受講するゲーム好きな生徒が議論を重ねてできたものだった。

自力と他力を合わせる
現在ゲームコースには、精神疾患や知的な障害、発達障害などがある10~30代の7人が通う。ほとんどの生徒がアルバイトを含めた社会経験がなく、両親の職業すら知らない人もいるという。

授業では、eスポーツ大会で採用される「ぷよぷよ」などのパズルゲーム、「ウイニングイレブン」といったスポーツゲーム、「エーペックスレジェンズ」など操作が複雑なシューティングゲームを用いる。主に対戦形式のゲームをプレーして攻略法を話し合う。

また、1カ月に1回程度、生徒が授業で取り組みたいことを話し合い、実行するプログラムが用意されている。既存のゲームを幅広い年齢やあらゆる心身状態の人が楽しんで対戦できるよう、ルールを修正して遊んだり、自作のカードゲームでの対戦を提案したり。ゲーム大会の開催も案に挙がり、企画書や参加申込用紙の作成、当日の運営まで役割を分担して実施した。

プログラムには、企画や提案、タイムマネジメントなど社会人に必要な能力の向上を図る狙いがある。別宗さんは「自力と他力を合わせることの大切さを知る機会になります」と強調する。

あまのさんは19年6月ごろから、カラフル・金沢の取材を始めた。暗い雰囲気をイメージして訪れたが、参加者の表情は明るく、雑談も途切れない。「その中心にあるのがゲームでした」と振り返る。「人の目を見るのが怖いとか、何を話していいか分からないなど、社会で出くわすものの対策や練習、突破口の一つになると感じました」と話す。

あまのさんは転校が多く、人間関係を一から作る上で相手が何を考えているか分からず想像して苦しんだ。「それが潔癖につながったと思います。はたから見える以上に自分たちは苦しんでいます。引きこもりも潔癖も、やめられるならやめたい。漫画にはその気持ちを込めました」と語る。

漫画「ケッペキゲーマー」には、カラフル・金沢の別宗さんも「ぱすてるの別所さん」として登場。読んだ生徒は「障害のある方が描かれた漫画ですか?」「どうしてこんなに自分たちの気持ちが分かるんですか?」と感想を寄せた。

ゲームコースは開設して2年が経過した。オンラインで4人対戦ができるオリジナルのカードゲームを作った生徒や、コンピューターグラフィックス(CG)やアニメのキャラクターを用いて動画配信、投稿を行うバーチャルユーチューバー(Vチューバー)に挑戦する生徒も出てきた。別宗さんは言う。

「今まで人を避けていた子たちが、ゲームを通じて人を喜ばせています。好きなことだから主体的に動ける。これが社会に出るスタートです」
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記事を読んでいて、高3生でプヨプヨ日本選手権で1位になり外車を買った、ドラマ「コントが始まる」の神木隆之介演じる瞬太を思い出しました。金髪の青年で焼き鳥屋でアルバイトをしています。趣味はスナック通いで、主食はポップコーンです。小学生の頃から1人で家にいることが多く、買い与えられたゲームで時間を潰して過ごし、中学生になるとゲームセンターに通い始め、対戦型ゲーム「ぷよぷよ」に熱中します。「ぷよぷよ」一色の生活を始め、高校3年生の頃には日本一を決める大会で頂点に立ちます。元々は社交的な人間ではなく、目立たない存在でしたが、文化祭での演技が話題となり一目おかれる存在になります。卒業後はプロゲーマーの道を歩むが、春斗と潤平に出会ったことで「マクベス」のメンバーになりドラマが展開していきます。

ゲーム会社のセガはeスポーツ大会として2か月に一回、プヨプヨ選手権の賞金に100万円を超える金額を出資して、ゲーマ人口のすそ野を広げようとしています。これは任天堂をはじめ世界中のゲーム開発会社も同じ立場です。そんなわけで世界的には賞金1000万円を超える大会も少なくありません。このブログでも以前、障害者雇用の一環としてeスポーツの選手養成のための就労支援事業が出てきたという記事を掲載しましたが、プロスポーツなら就労職種の一つではあると妙に納得した経緯がありました。どんなことであっても、人は好きなものに対しては熱心に努力するので、上達が早くモノになるのです。好きこそものの上手なれです。

中学生徒8人が搬送 運動会練習中

熱中症か 中学生徒8人が搬送 運動会練習中 福岡 篠栗町

2021年5月31日 【NHK】

31日昼すぎ、福岡県篠栗町の篠栗北中学校で運動会の練習中に複数の生徒が相次いで熱中症とみられる症状を訴え、生徒の男女8人が病院に搬送されました。

31日午後0時40分ごろ、篠栗町の篠栗北中学校で、グラウンドで行っていた運動会の練習中に、複数の生徒が気分が悪くなったと学校から通報がありました。

消防と学校によりますと、男子生徒1人、女子生徒7人の合わせて8人が熱中症とみられる症状を訴えて病院に搬送されました。

このうち3人が重症とみられいずれも意識はあるということです。

学校によりますと、31日は午前中、全校生徒およそ310人が参加して、来月開催する予定の運動会のリハーサルを行っていました。

31日昼前ごろに、生徒2人が体調不良を訴え、このうち1人は回復しましたが、リハーサルが終わった後に別の7人が新たに体調不良を訴えたということです。

学校では、生徒にはマスクをするよう指導していましたが、競技中は外してもよいとして、生徒の判断に任せていたとしています。
また、生徒たちにはこまめな水分補給を呼びかけていたということです。

松本修校長は取材に対し「2年ぶりの運動会となり子どもたちが外で長く運動することに体が慣れていなかったかもしれない。今回の事態を重く受け止め再発防止に努めたい」と話していました。

31日の福岡県内は気温が上昇していて、篠栗北中学校からおよそ10キロの所にある福岡空港の31日午後0時40分の気温は28.9度を記録し、夏日となっていました。

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本番よりもリハーサルがしんどいと子どもたちは言います。集団演技で「ハイ良くできました。では、その調子でもう一回!」「なんでやねん!」と子どもたちは突っ込みを入れます。「できたんやったらもうええがな」と。発達凸凹の子どもたちにとっては、大嫌いな体育祭あるあるです。

それにしても、炎天下でマスクをさせて待機させたら危険と、誰も咎めない学校職員の思考停止状態が心配です。今のところ日本人の感染確率は0.5%、炎天下のマスク使用で重篤な熱中症確率は300名中8人で約3%、武漢風邪の6倍の確率です。さらに、PCR陽性者のうち人体に影響のない無症状者が6割(*)なので重篤な身体ダメージだけで考えれば熱中症は15倍以上の危険率です。(PCR検査を使用した調査では、陽性判定者のうち無症状だった例(無症状感染者)の割合中央値は65.9%;Annals of Internal Medicine誌2021年1月22日オンライン版の報告)

一般人ならともかく確率計算を生徒に教える中学校の教師は何をしているのかと心配になります。もちろん8名の生徒の熱中症確率は結果ですが、生徒を炎天下でリハーサルさせる経験はこれが初めてでもないはずです。「競技中は外してもよい」は下手な言い訳に過ぎません。待機時間の方が競技時間よりはるかに長いのは周知のことです。

熱中症は下手をすると死に至ります。それくらいの判断ができないくらい感染報道に洗脳されているのかと思うと恐ろしくなります。エビデンスのないリスクマネジメントは呪いよりタチが悪いです。屋外飛沫感染の事実は医学的に確認されていないのですから、体温調節が未成熟な子どもの高温下でのマスク装着は、運動の可否に関わらずリスクが高過ぎると思います。

トランスジェンダー女子の学校スポーツ参加禁止

トランスジェンダー女子の学校スポーツ参加禁止 米フロリダ

2021年6月2日 マイアミ/米国【AFP】

米フロリダ州で1日、トランスジェンダーの女性が公立校で女子の運動部に参加することを禁止する法律が成立した。

法律は7月1日から施行され、女子チームに入る生徒や学生は、出生証明書で生物学的な性を証明することが義務付けられる。

州内のキリスト教系の学校で法律に署名したロン・デサンティス(Ron DeSantis)知事は「競技の整合性を守ることが非常に重要だと信じている」と話し、「フロリダでは女子は女子の、男子は男子のスポーツをプレーする。われわれはスポーツを行う際、イデオロギーではなく生物学を土台にする」と続けた。

共和党のデサンティス知事は、性的少数者(LGBTQ)の「プライド月間(Pride Month)」初日に法律に署名した。

これを受け、ヒスパニック系で、ゲイを公表している民主党のカルロス・スミス(Carlos Smith)州議会議員は「おぞましい」ことだと話している。性的少数者の権利擁護団体ヒューマン・ライツ・キャンペーン(HRC)も、訴訟を起こす意向を表明している。

共和党の知事が率いる州では、すでに同様の法律が成立しているところもあるが、フロリダはその中でも最も人口が多い州となっている。(c)AFP

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宗教との関係があるのか共和党の強い州はLGBTQ問題を避けて通りたがるし、逆に民主党は伝統的なものに反発するキャンセルカルチャーの意識が強く、こうした極めて個人的で繊細な問題を政争の具にします。どちらも法律と裁判で決着をつけようとするのは、勝ち負けだけで良いのかと、スポーツ精神も地に落ちてしまい、ちょっと受け入れがたいです。

筆者の個人的な感覚では別に目くじら立てずにトランスジェンダーの参加を認めていいと思います。女子のラグビーチームに「男子サイズ」の人がボールをもって突進してきて、相手チームがフリーズしている動画を見たことがあります。それで勝ったから何なのと皆思うはずです。スポーツは見た目がチーム同士で拮抗しているから面白いのです。逆に言えば、チーム力が拮抗していれば性差は関係がないです。個人競技はウェイトで区別すればすむ話です。

日本のラグビー熱が盛り返したのは一昨年のワールドカップでしたが、これの下地を作ったのは外国人選手の活躍です。古くはプロ野球・大相撲・プロサッカー、最近ではバスケットやバレーボールまで外国人選手の参加で盛り上がりを見せます。ナショナルチームへの外国人参加は良くてトランスジェンダーの女子スポーツ参加の何が悪いのか良くわかりません。きっと、世間はそれで面白くなければ振り向きもしなくなるし、面白ければ盛り上がるだけです。

アマチュアの世界は純血主義でというのも、かえって気持ちが悪いです。大事なのはやっている本人と見ている人が感動できればそれでいいと思います。ラグビーワールドカップで、189cm・113kgのリーチマイケルの突進力にも感動しますが、スクラムハーフで166cm・73kgの田中史朗が巨人の中を潜り抜けていくのも痛快です。 日本がベスト8入りしても外国人がいるから興覚めだと言う人には言わせておけばいいと思います。女子スポーツにトランジェンダーの人が参加する事の好き嫌いは個人の勝手ですが、法律で規制したり裁判で争うような筋のものではありません。

家、学校つなぎ学習支援

家、学校つなぎ学習支援

2021/06/03【読売新聞】

高松市 オンライン対応進める
新型コロナウイルスの感染拡大や災害などで臨時休校になり、児童生徒が登校できない場合に備え、高松市が学校と家庭をオンラインでつなぐ学習支援を進めている。タブレット端末の使用による成果や課題などを踏まえ、今後、全市立小中学校への普及を目指す。(林信登)

休校想定 木太南小で試行
■Zoom使い
「みなさん、こんにちは。聞こえていますか」。5月28日午後4時頃、高松市立木太南小6年4組の教室で、平田将己教諭(26)がビデオ会議システム「Zoom(ズーム)」を通じて呼びかけると、児童約30人が画面越しに手を挙げるなどして応えた。

約30分間のオンライン学習で児童は、専用の学習支援ツールアプリで出された課題に回答した後、別のアプリを使って英語や国語の問題を解くなどした。その様子が教室の電子黒板に映し出され、平田教諭は「分からないことはないですか」などと状況を見守った。

久次米紗帆さん(11)は「教室で受けるのとは違い、新鮮な感じがした」、平田教諭は「細かい指導ができない側面もあり、画面越しのコミュニケーションを工夫していきたい」と振り返った。

■1人1台
昨春、新型コロナで市立小中学校が臨時休校となった際、各学校は児童生徒の学習に遅れが生じないよう、学習プリントを作成。各家庭に郵送したり、直接配ったりした。

この経験を踏まえ、市は教諭らの負担軽減などに加え、休校時の家庭学習をより充実させるため、国の「GIGAスクール構想」で昨年度末までに全69校で1人1台配布されている学習用のタブレット端末を自宅に持ち帰り、オンライン学習に活用することにした。

今年度から全学年で端末を活用している木太南小で7月まで毎週、オンライン学習を試行し、効果や課題を検証する。

■教諭も研修
教諭側も様々なノウハウを蓄積していく必要があるとして、放課後の30分間をオンライン研修に充てる取り組みを並行して進めている。市総合教育センターの中浦将治所長は「いざという時に備え、子どもたちも先生もオンラインでの学習に慣れておく必要がある。子どもたちの学びの機会が失われることがないようにしたい」と強調する。

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当事業所が知る限り、自宅に配布されたタブレットを持ち帰ってきたと言う話は未だ聞きません。大阪市の騒ぎのように校長と市長が、環境も整わないのにできないと校長が言えば、市長は組織の意向が気に食わないなら辞めたらいいとやり合っているのを横目に、無料で何回でも40分継続利用できる民間アプリZOOMを使って授業をすればいいじゃないかと考えている学校だってあります。

校長先生たちのいう環境が整わないというのは、GIGAスクール構想での自治体の教育専用サーバーに繋げないと言っているだけで、民間のリモートサーバーは、家庭にネット回線さえあれば誰でも使える環境にあります。批判することが目的で児童と教師の頭上で空中戦を演じるよりも少しはこうした動きに目を向けて欲しいと思います。何もかも揃わないとICTを使った教育ができないわけではないからです。できることからやればいいのだと思います。

回線が込み合う都会よりも地方の方が回線はサクサク反応するかもしれません。岐阜市の全ての児童生徒にセルラー(4G回線)付きタブレットを配布しているのは画期的と以前も書きましたが、岐阜市は全生徒がリモート対応できるのでどんな実践をするのか楽しみです。そして、子どものタブレットを後生大事に充電式保管金庫に入れている学校は、かならず遅れを取ると思います。タブレットが手元になければ子どもも教師も簡単なことでも使わないからです。GIGAスクール構想での狙いは子どものデジタルリテラシー(デジタル機器操作に慣れる事)をまずは育てることです。学校では金庫に保管せずいつでも触れてネット利用を含めて操作ができるようにしておくことがまずは大事です。そして家庭に持ち帰らせ短時間でも少人数でもリモートの経験をさせることが大事だと思います。

不登校YouTuberゆたぼん激怒

不登校YouTuberゆたぼん激怒過去動画への「マスクしろ」批判に「ホンマにアホやと思う」

6/3(木) 【J-CASTニュース】

【動画】「学校でマスクは外せ!」ゆたぼんさんの主張

■「学校でマスクは外せ!」と主張
2021年5月27日、今年2月に大阪府高槻市の小学校で当時5年生の男子児童が、体育の授業で持久走を走った直後、体調が急変し死亡していた、と毎日放送などが報じた。事故との関連は不明だが、児童はマスクをした状態で持久走に臨んでいた可能性もあるという。

このニュースを受けてゆたぼんさんは、「学校でマスクは外せ!」と題した動画を公開。「運動する時とか体育の時はマスクをつける必要はないし、逆にそれで死んでしまう可能性もあるから、みんなもマスクを外したほうがいい」と説いた。

続けて、「だいたい、いつでもどこでも『マスクつけろ』って言ってるやつが頭おかしいねん」と述べ、

「俺の動画でも、誰もいない海で撮影してる動画やのに『マスクしろ』ってコメントしてきたり、コロナが出る前の動画にも『マスクしろ』ってコメントしてくるやつがおって、ホンマにアホやと思うわ。自分で考えることもできひんで、脳みそが"マスク脳"になってて、完全に思考停止してるねんな!」
と痛烈に批判した。

「ホンマ何の意味があるねん!」
ゆたぼんさんは先日、自分の妹が学校の遠足で「コロナの影響でバスが乗れない」との理由から、児童全員マスクをつけたまま1時間歩かされたといい、「ホンマにヤバいなって思ったわ。沖縄でマスクつけて1時間歩くだけでも地獄やのに」「ホンマ何の意味があるねん!」と憤った。

そして、「結局これも『学校に行け、学校に行け』って言ってるのと同じで、みんながマスクつけてるから苦しくても『マスクしろ!』ってなってるだけやねん」とゆたぼんさん。「学校に行って死んでしまうくらいなら学校なんて行かんでいい。今自分に一番大事なものは自分の命!自分の人生!自分の心や!みんな人生は冒険だ!自由に生きよう!死んだらアカン!」と力説していた。

コメント欄には「確かに思考停止でマスクは危険だと思う」「これはぐぅ正論」「時と場合だね」「ちょっと極論じゃね?体育の時間は外しとるがな」など様々な意見が寄せられている。
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王様の耳はロバの耳や、裸の王様を思い出しました。『王様の耳はロバの耳』は、ロバの耳をした王様の散髪をした床屋が絶対にしゃべるなと言われたのに我慢できず、森の中の葦に向かって叫びます。すると、葦が風で揺れるたびにその言葉を繰り返し呟く様になり、いつの日かその葦の前を通る人々へ伝わってしまうお話です。

『裸の王様』は、周りがイエスマンばかりのある国の王様が、馬鹿には見えない糸で作った服と詐欺師に騙されて、無い服を着て国中を歩きます。国民も皆、見えないのに王様が怖くて裸でいる事を言えないのに、一人の子供が裸である事を指摘し、やっと大人も認めはじめますがパレードは延々と続く…お話です。

ゆたぼんの言う通りです。武漢風邪のウィルスが戸外で飛沫感染したと言う研究結果は世界中で一つもありません。あるのはスーパーコンピュータ富岳でランナーの飛沫シミュレーションをしたら、結構周囲に拡散するというだけで、感染の根拠ではありません。

ゆたぼんの地元沖縄では、来週から2週間の休校だそうです。市民の外出禁止を課さない学校休校は、感染拡大防止効果はなかったと言われているのに、何を根拠にして子どもの学習権を奪うのか意味不明です。私たちもイソップ寓話の床屋やアンデルセン物語の子どもになる必要がありそうです。

水泳の授業、あなたの学校は?

水泳の授業、あなたの学校は? 神戸・西宮市は中止、姫路市は実施

2021/6/6 【神戸新聞NEXT】

新型コロナウイルスの感染拡大を受け、昨年は多くの学校が中止した水泳の授業。今年は手探りで実施する市町も出てきた。兵庫県内では、対策を取って予定する姫路市、昨年に続いて中止を決めた神戸市など判断が割れている。(小尾絵生)

兵庫など全国の公立学校は2020年度、5月末までの長期休校が明け、手探りで学校生活を再開したこともあり、多くが水泳の授業を見送った。体育や音楽の授業、運動会、音楽会などの行事も縮小した。

スポーツ庁と文部科学省は水泳の授業について、前年度と同様、本年度も中止は求めず、感染対策としてプールの残留塩素濃度の管理▽身体的距離を2メートル以上確保▽手をつないだり体を支えたりするなど密接活動は避ける-などを求めた。

しかし、神戸市教育委員会は5月21日付で市立小中学校などに水泳授業中止の方針を伝達。理由には、更衣室で密になる、常に2メートル以上の距離を保つのは難しい、マスクの着脱ができない-などを挙げた。

西宮市教委も、市立小中学校に対し「水に入っての授業は行わないことが望ましい」と方針を伝えた。両市教委とも中止は2年連続。行えなかった指導内容は次年度の計画に盛り込むよう学校に求めた。

西宮市教委の担当者は「新型コロナの若年層の陽性者が増えている。水泳をきっかけに感染者を増やすわけにはいかない。ただ、昨年も授業を行えず、現中学3年生はそのまま卒業してしまう。中止は苦渋の決断だった」と明かした。

姫路市教委は原則実施を決定。2メートル以上の身体的距離を確保するため、これまで学年単位が基本だった授業をクラス単位に変えるなどし、1回当たりの人数を減らす予定だが、全学年で十分な授業回数の確保は難しくなるという。

小学校では6年生を優先するなど、学校は授業計画に苦心する。同市教委は「感染対策を最優先に、無理のない計画を立てるよう呼び掛けている」とする。

一方、県教委によると、県立高校では水泳は選択制が多く、人数が限られるため、原則実施が大半。神戸市教委も、市立高校については緊急事態宣言が解除された後は実施可能とする。
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プール授業を実施しても非難こそあれ表立って賛同されることはないのなら、「仕方がない」と表明して実施しない方が役人や教員にはストレスはかかりません。いったい誰のための水泳授業かと思いますが、いずれは収まる感染恐怖なら、今はやり過ごせばいいと言う判断は大人の理屈です。

プール授業で感染したというケースがこれまであったとは聞きません。もしあったなら、全国で水泳授業が何件実施されている中で何件の感染だったのか明らかにして欲しいです。民間のスイミングプールも営業をはじめ、各地の水泳競技の大会も開催され、何故、学校のそれもほとんどが戸外のプールの水泳授業が見送られるているのか、明確な理由は示されません。

一方、戸外活動中のマスク着用は児童には熱中症の危険があります。200人に一人の陽性者確率そのうち6割以上は無症状の武漢風邪を恐れて熱中症のリスクを冒しています。熱中症の重症者は死に至ります。武漢風邪で死に至る子どもは皆無です。水泳授業に変えての戸外の体育授業や教育活動は熱中症のリスクを考えてノーマスクでお願いします。

プール 香川県のほとんどの小学校が「対策取りながら実施」

去年は中止が相次いだ「プールの授業」 今年は香川県のほとんどの小学校が「対策取りながら実施」

6/7(月) 17:38【KSB瀬戸内海放送

高松市などの小学校では6月からプールの授業が行われています。
2020年は新型コロナの影響で多くの自治体がプールの授業を中止しましたが、2021年は香川県のほとんどの小学校で対策を取りながら行われています。

高松市多肥上町の多肥小学校は6月2日にプール開きしました。
(多肥小学校/久利知光教頭)
「学校として最大限のコロナ対策をしながら、子どもたちには存分に活動を楽しんでもらいたい」

■2021年は香川県の7市9町で全ての小学校が「実施」
プールの授業は新型コロナの感染拡大を受けて、2020年は高松市やさぬき市が全ての小学校で中止するなど、香川県でも見送る学校が多くありました。

KSBが学校や教育委員会に確認したところ、2021年は高松市や丸亀市など7市9町で全ての小学校が「実施」するとしています。一方、さぬき市は7つある小学校のうち1校が「実施」、3校が「中止」、残る3校は「検討中」としています。

高松市教育委員会は2021年4月、プールの授業を行う場合は、更衣室の密を避けることや泳ぐときに距離をしっかり取ることなどを各小学校に通知しました。

多肥小学校では着替え中の密を防ぐため、男子は体育館のステージ、女子は2つの更衣室に着替えるスペースを分けました。また、例年は2クラス合同で行う授業を、2021年は1クラスごとにしました。

(白戸ゆめのリポート)
「プールサイドには黒と赤のマークがそれぞれ2メートル間隔で付けられています。この場所に授業中、児童が立つことによって密を防ぎます」

この他、一度にプールに入る人数を減らしたり、対面にならないように一方通行で泳いだりとさまざまな対策をとっています。

■久しぶりのプールにあふれる笑顔
2年ぶりのプールの授業は例年通りとはいきませんが、児童たちには笑顔があふれていました。

(6年生の児童は―)
「初めに入る時はちょっと冷たかったけど水に入るとだんだん慣れてきて気持ちよかったです」
「みんなで安全に気をつけながら楽しく出来たと思います」

(多肥小学校6年生の担任/野﨑佳子先生)
「制限のある中でもきょうはマスクが外れたということで、子どもたちの久しぶりの笑顔が見られたというのが一番良かったと思います」

多肥小学校は例年、1クラス当たり10回以上プールの授業を行っていましたが、2021年は1クラス当たりの授業数は少なくなりそうだということです。

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これが普通の対応だと思います。500名に1名(*)の確率で感染して症状が出る武漢風邪を恐れて実施しないのではなく、クレームが恐ろしくてプール開きができない学校が少なくありません。文科省もスポーツ庁も感染予防をしながらプール指導を行う通達を出していますが、相変わらず、「対策を講じることが困難であり、児童生徒の安全を確保することができないと判断する場合は、今年度においては水泳授業の実施を控えるようお願いします」と昨年と同じフレーズを残しているので、各校が対策をしないままプール実施が見送られる可能性があります。どんなことでも困難な理由は挙げればきりがありません。大事なことは実施する気があるかどうかです。

国会で野党は武漢風邪を人質にして、オリンピック開催の是非を問いますが、どうすれば開催できるかは論じ合っておらず選挙前の政治利用としか思えません。政府もメディアに煽られた世論を気にして分かりにくい答弁で是々非々の姿勢が示せず、国民の不安を高めます。高松の学校もきっとメディアに煽られた人たちがクレームを入れてくると思いますが、先生たち子どもたちのために頑張ってください。応援しています。*0.5%のPCR陽性者の4割弱が感染症状のある人なので 、0.2%が発症確率となります。

各地で相次ぐ学校侵入

各地で相次ぐ学校侵入専門家、風化懸念も大阪・池田小事件から20年

6/8(火) 【時事通信】

大阪教育大付属池田小の児童殺傷事件後、全国の学校で危機管理マニュアルの作成が義務付けられた。

ただ、侵入事件は各地でたびたび発生。専門家は事件の風化を懸念しており、「学校現場の危機意識を高めることが重要だ」と指摘する。

「新しい先生が来ると、現場に連れて行き話をする」。昨年、池田小に着任した真田巧校長(53)は校内で唯一、事件を直接知る存在だ。当時は6年の担任で、校舎3階からうつぶせに倒れた教員や逃げ惑う子どもが見えた。職員室に急いだが全く状況がつかめず、犯人確保後にようやく不審者侵入を知ったという。

同小では事件後、正門に警備員が常駐し、フェンスには赤外線警報装置を設置。教室や廊下など約300カ所に非常ボタンが取り付けられた。年5回行われる訓練は、不審者役の侵入経路や居場所を教職員に伝えず開始。協力して発見し、さすまたで取り押さえる。真田校長は「情報交換や発信を通じ、他の学校でも学校安全を考える機会をつくる存在でありたい」と話す。

現在は各学校での安全計画や危機管理マニュアルの作成が義務化されたが、池田小の事件後も学校侵入自体は食い止められずにいる。2003年には京都府宇治市の小学校で男が1年の児童2人を負傷させ、14年にも金沢市の小学校で、運動会の最中に刃物を持った男が侵入した。19年にはお茶の水女子大付属中学校で、秋篠宮ご夫妻の長男悠仁さま(14)の机に刃物が置かれる事件も起きた。

池田小を視察し、事件翌年に公表された文部科学省の危機管理マニュアル作成に携わった学校安全教育研究所の矢崎良明代表(68)は「事件後、門や玄関の施錠が広まったが、まだ十分実施されていない地域や学校もある」と指摘。事件を知らない若手教員が増えており「休み時間でも教室を子どもだけにしないといった課題を忘れず、研修を通じて現場の危機意識を高めていくことが重要だ」と話している。

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毎日学校までお迎えに行く放デイ職員にとっては、校門の管理が厳格なのは面倒ですが、子どもの命を守るためには協力しようと思います。しかし、筆者が知る限り下校時にインターホンで顔確認して施錠を遠隔操作する設備のある学校は2校だけでした。テレビカメラは宇治の事件があってからは全校に設置されたようですが、まだまだ不審者にとっては入り放題というべきです。

学校には表門と裏門の二つがありますが、裏門はひっそりしている分カメラでも不審者は捉えやすいですが表門は保護者や業者、放デイの職員と見分けがつきません。学校開放の参観日や行事の時が最も不法侵入の可能性が高くなると思います。ガードマンが置けないならせめてICカードを関係者には与えて入校チェックを管理する等、防犯にはもうあと一工夫が求められていると思います。世知辛い世の中になったものですが、命にはかえられません。

最近は学校荒らしも増えていて、ICT機器が教室から盗まれるケースが相次いでいます。防犯をしようと思えば、タブレット充電器付き金庫となるわけですが、1台30万円近くする割には盗難を考えた構造ではないので簡単に開錠できてしまい保管した40台(時価200万円)すべて持って行かれるケースなどが後を絶ちません。自宅に持って帰らせれば教員の防犯配慮の負担も減らせるし児童のコンピュータリテラシーも高めることができます。

医療的ケア児支援法案成立へ

医療的ケア児支援法案成立へ 介護の担い手不足解消を=賀川智子(東京地方部)

2021/6/10【毎日新聞】

たんの吸引や人工呼吸器など日常的に医療的なケアを必要とする子どもたちと、その家族を支援する「医療的ケア児支援法案」が今国会で成立する見通しだ。小さな命を将来につなぐため孤軍奮闘してきた家族にとって一筋の希望の光になるかもしれない。だが、支援法ができてもすぐに担い手不足が解消し家族の負担が減るわけではない。

深刻なのは支援の地域間格差と親、特に母親の負担の大きさだ。九州地方に住む公務員、坂口菜月さん(31)は、1223グラムの低体重で生まれ、気管切開をした1歳2カ月の長女七海ちゃんが起きている間、20~30分に1回たんの吸引をする。ケアで睡眠時間が4時間ほどの日もあった。夫が仕事の平日は「少しでも目を離したら娘の命にかかわる」と気が抜けない。昨年11月から8カ所ほどの保育園に電話をかけたが入園できず、今春の職場復帰をあきらめ、来年3月まで育児休暇を延長した。日々不安だという。

事情に応じた、選択肢欲しい
七海ちゃんのような19歳以下の医療的ケア児はこの10年間で倍増し、全国に約2万人いる(2019年厚生労働省調べ)。背景に新生児医療の進歩があり、16年の児童福祉法改正で初めて「医療的ケア児」が定義された。今回の新法は「居住地域にかかわらず等しく適切な支援を受けられなければならない」との理念を掲げ、公的支援がこれまでの努力義務から責務に“格上げ”される。さらに学校の設置者に対し、保護者が付き添わなくても学校に通えるよう看護師の配置などを求め、普通学級から多くが門前払いされている現状の是正も促す。

ただ、課題は残る。
東京都の村林瑠美さん(36)は、特別支援学校小学部1年の長女が放課後等デイサービスに週5日通所し、午後5時半ごろ送迎車で帰宅する。会社の介護時短勤務制度を使い家で長女を迎えられるが、フルタイムの勤務は厳しい。村林さんは「入浴や夕食まで担ってくれる長時間のデイサービスや居宅介護など、各家庭の事情に応じたさまざまな選択肢から選べるようにしてほしい」と願う。

また、看護師らケアを担う人材は慢性的に足りない。そもそも「医療的ケア」は、医師法上は医師と看護職員が行う医療行為に含まれるものの、生活援助行為として治療行為とは区別され、ほとんどのケアは医師でも看護師でもない親がしている。12年の社会福祉士及び介護福祉士法改正で、研修を受けた介護職員などもたんの吸引などの医療的ケアができるようになったが、配置する学校は少ない。

学校の理解不足、看護師依存増す
NPO法人「地域ケアさぽーと研究所」の下川和洋理事は、「医療行為だから医療の専門家以外にはリスクが高い」と配置を敬遠してしまう傾向があると言う。その結果、看護師のいない学校では結局は親が付き添わないといけなくなる。下川理事は「一番の課題は医療的ケア児の正しい理解が学校現場にないこと。看護師以外にもできるケアは多くあるのに、看護師への依存度が増している。医療職でない人でも法的に可能な範囲できちんとケアを担ってもらうのが大切」と指摘する。

学校を出た後の生活介護事業所などでも「看護師の配置が難しく、受け入れ先がとても少ない」と東京都の福満美穂子さん(49)は言う。長女の華子(かこ)さん(17)は生後22時間後、脳に酸素が届かず脳性まひで寝たきりになった。いま特別支援学校高等部3年で、卒業後の居場所探しで悩んでいる。

新法が成立しても、新型コロナウイルスへの対応などで看護師不足がすぐに解消するとは思えない。一方、国はコロナワクチンの「打ち手」を歯科医師らに広げている。ならば、看護師の配置を進めるのと同時に、ケアの担い手の職種や範囲をさらに広げることはできないだろうか。国の責任の下、ガイドラインを示して担い手を配置すれば母親の負担は減ると思う。

戦後間もなく制定された児童福祉法の理念にこんな文言がある。「すべて児童は、ひとしくその生活を保障され、愛護されなければならない」

その責任は保護者だけでなく国や地方公共団体も負う。私は、医療的ケア児やその家族への支援は、一部の特殊な問題ではなく、みんなが共有して取り組まなければならない問題だと思う。障害の有無に関係なく、すべての子どもを全国どこでも安心して産み育てられる環境の整備は少子化対策そのものだからだ。

国はこども庁の創設を検討しているが、2万人の子どもに「学校に通って友達と一緒に勉強する」という当たり前の権利を認めずに、少子化対策と言えるだろうか。新法に実効性を持たせるため、国は柔軟性とスピード感を持って取り組んでほしい。

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特別支援学校も2012年から「社会福祉士及び介護福祉士法」の一部改正によって、研修を受け認定された教員は常勤する学校看護師の元で・口腔内の喀痰吸引 ・鼻腔内の喀痰吸引・気管カニューレ内の喀痰吸引・胃ろう又は腸ろうによる経管栄養・経鼻経管栄養という特定行為ができるようになっています。同じように放デイも看護師が勤務し登録特定行為事業者(喀痰吸引)として認定され、研修認定者がいれば、先に掲げた5つの医療的ケアの実施が可能となります。

乙訓近辺には向日市と洛西の2か所に登録特定行為事業者(喀痰吸引)の放デイがあります。ただ、医ケアを必要とする子どもは単に痰を吸引したり栄養を注入すれば良いと言うものではなく、気管カニューレが抜け落ちたり、突然呼吸が不安定になる等、呼吸器系は命にかかわることも少なくないので安全安心な仕組みが必要です。医師がいない中で実施されるこの仕組みは、看護師の心理的負担が大きいとも言われます。また、この法律は、発達障害者支援法と同じく理念法なので具体的な施策は書かれていません。現場が必要とする財政的保障や医療スタッフの配置等が進むように、この法律の積極的運用が行政に求められています。

「みんな仲良く元気よく」が子どもを追いつめる

なぜ「みんな仲良く元気よく」が子どもを追いつめるのか

06/10 【婦人公論】

個性の強さから学校で問題児扱いされるような子どもたちを集め、彼らに自由な発想と学びの場を提供することを目指した教育が、東京大学にて行われています。そこでディレクターを務める中邑賢龍教授は「かつての日本では、それぞれの特性に合った生き方を選べた。今はそれが許されていないことが教育に悪影響を及ぼしている」と警告しますが――

※本稿は、中邑賢龍『どの子も違う――才能を伸ばす子育て 潰す子育て』(中公新書ラクレ)の一部を再編集したものです。
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第二回●「子育ては褒めるのが大事、叱るのは良くない」が招く危うい未来
なぜ子育てしにくい社会が放置されているのか
プラットフォーマーと呼ばれる巨大企業があらゆる業界を飲み込み、成長を遂げる中、ここにきての新型コロナウイルスの広がりもあり、さまざまな企業や業種が時代に取り残されれつつあります。

その結果、足元の経済格差はさらに広がってしまいました。国の財政難も深刻になり、自助努力が難しい人だろうと公助になかなか頼れないという“壁”のようなものを感じる時代になっています。

本来ならば公助の社会を構築するべく、地域住民がより協力する必要があるのかもしれませんが、そうしたコミュニティも、すでにこれまでの変化の中でほぼ崩壊してしまいました。

弱々しい社会に、親子の問題の解決を頼るのが難しいのは明白で、また同時に社会そのものの構造として、多くの人が子育てしにくいと感じる状況が続いています。
しかし、放置していればいつまでも解決はなされない、そうした社会が築く“壁”について、今回少し考えてみたいと思います。

人と違うことをすればいじめられるから
「個性を豊かに」と言いながら、学校などでは、自分の気持ちを隠して同化しないと仲間に入れません。「仲良くする」とはつまり、みんなと一緒に遊ぶことで、仲間から外れて一人でいると「可哀想な子」だと捉えられてしまう。

今「人と違うことをすればいじめられる」と考える子や親が多いようです。
だからこそ目立ってはいけない、自分の好きなことばかりするのは良くない、時には我慢して集団に合わせるのが必要と考えます。しかしそんな環境で育った子どもは、きっと大人になっても人と違うことをするのを強く恐れるはずです。

社会に出ても空気を読み、上司の意見に同調しながら働くことで認められるのが、今の日本かもしれません。しかし、現実として活発な議論ができないような組織から、変化やイノベーションは起きません。

やりたいことを我慢し、人の都合に合わせて行動する人は「優しい」と評価されますが、それはそれで、どこかおかしい。
いじめられないように、自分を殺して生きるなんてとても馬鹿げています。絶対に、いじめる方が悪いのですから。

大人に求められるのは”違い”を認めること
今の学校では一つの目標に向かい、協働して成果をあげることが重視されています。「みんな仲良く、元気良く」という言葉が絶対。現実としてそうなることを期待されているわけで、それに該当しない子どもはいじめられる傾向が強くなると言えます。

いじめられる子どもは素直に、その特性に従って行動しているだけなのに、ペースが違う、方向が違うといったことを理由に、いじめの対象になるわけです。
「好きなことをやりたかったとしても、人と違うといじめられてしまうし、やめた方がいい」と言われたら、言われた人は自己否定するしかありません。

私は繰り返し「子どもは皆違って、それでいい」と述べていますが、でも現実の世界でそれを通したら、子どもがいじめられてしまうと心配になっている人もいることでしょう。
だからこそ大人である私たち自らが違いを認め、ユニークさを評価し、それで社会の雰囲気を変えていく必要があるのです。

閉鎖的で、変わることのできない組織は必ず衰退していきます。一方で、私たちの手にはインターネットという、場所や立場を超えて発言し、人と結びつくツールがあります。枠を超えてダイナミックに結合する新しい社会を創造し、そちらを選んで生きていきましょう。

かつては特性に合った仕事で生活できた
こういったお話をする際、いつもアフリカのマリ共和国の首都、バマコに行った時のことを思い出します。

街を歩く人に「どんな仕事をしているの?」と聞くと、多くの人は「色々」と答えてくれました。彼らは特定の職に就いているのでなく、その日、そこにあった仕事をするのだそうです。

自分ができる仕事を少しだけやって、それで生活する。彼らは決して裕福な生活を送っているわけではないですが、のんびりした穏やかな暮らしがそこにはありました。

日本でも、それぞれの特性に合う仕事を選び、それで生活できる社会がかつてありました。特に半世紀前までの働き方は多様でした。たとえば1960年代くらいまでの産業構造を調べると、第1次、2次、3次産業がバランスよい状態に保たれていることが分かります。

そのため少々の凸凹やペースの違いがあっても、個人の特性に応じた働く場所がありました。小さな工場に行けば気難しい職人さんがいて、愛想は悪くとも、コミュニケーションは上手でなくとも、素晴らしい仕事を見せてくれました。

また、街の八百屋や魚屋に行けば、休むことなく動き回る店主が、詳しく商品の説明をしてくれました。こちらが早く帰りたくても話が続くので帰れない、なんてことがあっても、そこで得た野菜や魚の知識は今も生きています。

読み書きが苦手で、学校の成績が悪かった友人がいますが、彼は中学を卒業し、地元で家業の農業を手伝っています。テストの点が悪くとも、体力があって根気強い彼は、農業には適していたのか、高校に進学することのないまま、今でも楽しそうに働いています。
日本でも、それぞれの特性に応じて、自分のペースで働けるような社会があったわけです。

追いつめられた人にさらに無理を強いていないか
しかし、パソコンやインターネットが登場し、道路や航空路などの整備で物流が発展すると、スピードや経済効率が優先されるようになり、ペースが遅いというだけで社会から取り残される人が出てきました。

また農業や製造業の大規模化・機械化の中で、多くの人が仕事を変えることを余儀なくされ、現在では商業、運輸通信業、金融業、公務、その他サービス業からなる第3次産業がすっかり主流になっています。

第3次産業はほかの産業形態に比べ、コミュニケーションや読み書きの力が問われます。時にはパソコンの前に座り、同じ部屋の中で、長時間仕事を続ける必要もあるでしょう。

つまり、特性的にそれが苦手な人だと「働く」という点で、すでにたくさんの壁が生まれてしまっているわけです。

実際そういった社会構造の変化によって不適応を起こした人が増えた結果、彼らを支援する意味でも「発達障害」という障害が、制度側の都合で生みだされたようにも感じています。そして、彼らを社会構造に当てはめるための訓練が今も続いているのです。

追い詰められた人に、さらに無理を強いる。そうしたアプローチばかりになっている今の社会は、とても残念です。むしろ苦手を認めつつ、特性を活かして働ける仕事を意識的に生み出す。そうした動きがより活発になってほしいと筆者は考えています。

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中邑先生の多様性社会が大事だと言う意見には完全に同意できます。しかし、ちょっと観念的でステレオタイプな感じもします。昔が良かったと言われるけど、生産力が低い時代では子どもは親の所有物のように乳児や女児の子捨てが当たり前だったし、戦後でも今は虐待と言われるような事が躾として認められていたのですから、一面だけで子どもの環境の是非は評価できません。

昔、支援学校の国際交流の時間に外国のアーティスト(絵画)を招いて、授業の前に校内を案内した時の事を思い出しました。彼は生徒たちの織物作業の授業を見て、いろいろ質問していました。彼の質問に対して、生徒はこの程度の事ができても社会には通用しないからというような返答をしました。

絵描きの彼は、手を大きく振って「それは間違いだ」と生徒に演説を始めました。「君たちの織りのスキルはアフリカの途上国なら指導員になれるレベルだ、世界は日本のように機械化されている国だけではない。人口比で言えば日本が珍しいくらいだ」と生徒に語り掛けました。生徒たちはこの外人のおっちゃん何言ってんのという表情でしたが、話が終わると笑顔でアフリカの学校の様子を聞いていた光景を思い出しました。

中邑先生の話やアーティストの話で、この国の現状がすぐさま変わるわけではありません。でも、大人が子どもに向かって発信するメッセージは、常識や現実だと思っていることは結構限定的なもので、一昔前や違う国では、違う文化があり、それもまた現実なのだと伝える事が大事です。

だからと言って、この国を昭和に戻したり発展途上の国にすることはできないけれども、変わらないものは何もないというメッセージを送り続ける事が大事なのだと思います。今後生産労働時間が減り、余った時間を生かせるのは凸凹の子どもたちだと私は思っています。中邑先生の文章は、それは違うなと思わせるところもありますが、色々考えさせてくれる本です。

「教職員がPCR検査の検体採取」 1人が感染

徳島教組「教職員がPCR検査の検体採取」 1人が感染 新型コロナウイルス

2021年6月15日 【朝日新聞】

徳島県教職員組合は14日、阿南市内の中高一貫校で4月末に新型コロナウイルスのクラスター(感染者集団)が発生した際、教職員がPCR検査の検体採取に従事させられたと明らかにした。作業後に1人の感染が判明したという。県教組は教職員に検体採取にあたらせないよう求める請願か陳情を県議会に出す方向で調整しているという。

県教組によると、検体採取はドライブスルー方式で、教職員は車に乗った生徒の名前を確認して唾液(だえき)採取用の容器を手渡し、採取後に回収する作業などに当たった。フェースシールドや手袋の配布はあったが、マスクは各自が持参した不織布マスクだったという。

小原伸二委員長は「十分な説明もないまま危険を伴う作業をさせるのはおかしい。子供の命を守るのは当然だが、教職員の命も守らなければならない」と語った。一方、県教委は「しっかりとした安全対策をするとともに、教職員には十分な説明を行って児童生徒の速やかな教育活動の再開のため、今後とも必要な協力は行う」としている。

作業について、県感染症対策課は生徒本人が唾液を採取し、教職員は容器の回収にとどまり、保健所職員の立ち会いのもと十分な安全対策をとっているなどとして、「容器の受け渡しであって検体採取ではない。作業による感染は考えにくい」としている。(杉田基)

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教員に検体収集を行わせているのは職務内容ではなく危険な行為で不当だと言う教員組合の頓珍漢ぶりは驚きですが、報道はもっと問題です。検体を「採取」と朝日は書いていますが、実際は症状のない生徒から検体ボトルを保健所職員と一緒に集めただけです。教諭は生徒と毎日向き合っており、クラスターが発生した学校なら教員が感染する可能性はいつもあり、たまたま検体集めをした教員が感染したからと言って作業が感染の原因とは考えにくいという公式発表もあるのに、「検体採取」の後に「感染」と表題に書くのは二つを関係づける印象操作であり、フェアな報道ではありません。

こんな報道をしても、不安を煽るだけで感染予防にはつながらないばかりか、教員や子どもに関わる職員は感染予防に協力するのは仕事じゃないと思っているという誤解を、市民に与えるだけで迷惑です。この間のメディアの煽りに煽る感染報道は売らんがための「炎上商法」とも言えますが、商売の域を超えています。

朝日はオリパラ開催反対を社説に書きながら、会社自身はオリパラのオフィシャルパートナーです。オリパラ報道・放映は協力金や放映権料を支払っても十分利益が出る見返りがあるのでしょう。夏の高校野球も朝日が主催ですが、今年は感染懸念の報道すらなく実施です。高校野球は甲子園の賃貸料も放映権料も無料ですからCM料で丸々利益が出ます。それでも、オリパラも高校野球も儲けが目的ではなくスポーツへの貢献だと朝日は言いきります。

やっている事と言っていることが違う場合、その言葉には信憑性はありません。この間のオリパラ中止を煽る報道は朝日だけではありませんが、世間が注目してくれれば(儲かれば)炎上商法でも何でもあり、というのがメディアの本音ではないかと思います。しかし、結果としては、社会の公器としての報道の権威を貶めておりたいへん残念です。

 

いじめ動画流出で学校が英断 生徒4名が逮捕 (香港)

いじめ動画流出で学校が英断 生徒4名が逮捕されるも厳しい姿勢を貫く
暴行動画を確認した学校が、警察に通報。被害を受けた生徒のことを一番に考え、行動を起こした。

2021/06/16 【ニュースサイトしらべぇ】

いじめが起きてもそれを隠し、学校と保護者・生徒の間で穏便に済ませようとするケースがある。しかしこのほど、ある学校がいじめ行為を確認し、警察に連絡。強い姿勢を示したことを、『South China Morning Post』など海外のメディアが報じた。

■教室で起きた悪質ないじめ
5月27日のこと、香港の学校に通う男子中学生(13)が、ある女の子をデートに誘おうとした。それを知った女子3名、男子1名の計4人が教室で同生徒にからみ、いきなり顔面を平手打ちする、ひざまずかせて思い切り蹴り上げるといった暴行に及んだ。

男子生徒の顔を打った生徒の数は、少なくとも3名。さらに何者かが、男子生徒を背後からキックまでする様子を撮影し、短い動画にまとめてSNSで公開した。

■即座に動いた学校
これだけひどい目にあったにもかかわらず、男子生徒は親や教師に被害を打ち明けることができずにいた。しかしSNSにアップされた動画が話題になり、学校側も確認。男子生徒とその保護者に代わってただちに通報し、警察の介入を求めた。

学校側はその後、ホームページに「いじめは一切許容しません」という声明を掲載。「警察の捜査が進んでいる段階のため、情報の開示はできません」「ですが学校側も厳しく対処していく所存です」とも書いている。

■逮捕者は4名
この件について調べを進めた犯罪捜査班は、同じ学校に通う14~15歳の生徒4名(男子1名、女子3名)の身柄を確保した。すでに全員が保釈金を支払い自宅に戻っているが、捜査が完結したわけではない。

被害を受けた生徒は、重傷は負っておらず、警察も「病院で治療を受ける必要はなかった」と発表している。

■学校に期待する対応
いじめ問題は多くの学校で起きるが、対応は学校によってずいぶん異なる。教職員がいじめを隠し再発防止に失敗した結果、罪のない被害者が自殺してしまうケースも実際にあった。

この動画を見た人たちの多くは通報・逮捕を肯定的に評価しているようで、「逮捕するのが当然」「典型的ないじめっこ集団だと思う」「被害者の痛みを思い知れ」と厳しく加害者を批判するコメントがネットにあがっている。

被害者、加害者、そしてその保護者たちは、学校の指導法と対処をしっかり見ている。「どうせ通報なんかできっこない」と加害者に思わせないためにも、厳しい対応を望む声は多い。 マローン 小原
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確かに学校の対応は素早く、行き過ぎた暴力を学校で隠蔽せず、警察を介入させた姿勢は評価できます。保釈金を払って釈放という事は香港では中学生でも大人と同じく拘置所に拘留し日本とはかなり違うようです。学校があえてホームページに学校見解を発表しているという事は、これまでも同様の事件が続き、学校としても決着をつけたかったのでしょう。SNSではいじめた中学生らを袋叩きにしていますが、子どもの行動は大人社会の反映だという意見が見当たらず、強制消去されたのかもしれません。

1年前に香港政府は中国共産党の指示によって市民に対して言論の自由を暴力で封殺しました。その前から現在に及んで、ウィグルやチベットで民族の宗教や文化を奪い漢民族との混血を強引に進め、歯向かうものは親族までも収容して強制労働に向かわせています。昨年からは、内モンゴルの学校でモンゴル語の禁止が始まりました。こうした権力の暴挙に対して何も言えない社会の中で、子どもの人格がどのように形成されていくか考えただけで恐ろしくなります。

今回の香港の学校の行動は正しいですが、中国共産党の決定が全てに優先される中で、封建時代のような社会感覚が育つのは仕方がないのかも知れません。120年以上培われた香港の民主主義が暴力によって簡単に散ってゆく姿を私たちは目の当たりにしました。今国会で「中国」を名指しにしてその暴力政治の非難ができない国会議員や政党には、民主主義を語る資格はないと思います。

見て見ぬ振りをすることを公の場で行う姿を、子どもたちがどんな目で見ているか想像できないはずはありません。それでも中国の暴挙を告発できない議員には、いじめっ子の取り巻きでものを言わない子どもたちと同じ感情=次は自分が報復される恐怖感があるのかも知れません。そんな負い目を中国から受けている人に公教育が任せられるはずがありません。

「どうしても頑張れない人」に必要なこと

『ケーキの切れない非行少年たち』著者が語る、「どうしても頑張れない人」に必要なこと 「細かく口出しばかりをしてはダメ」

6/16(水) 【Real Sound】

児童精神科医・宮口幸治氏の70万部を超えるベストセラー『ケーキの切れない非行少年たち』(2019年、新潮新書)。医療少年院には、丸いケーキを3等分する問題にもうまく答えられない非行少年たちがいると指摘し、そうした認知機能の弱い「境界知能」の少年たちに合わせたトレーニングの重要性などを論じた。

今年の4月には続編『どうしても頑張れない人たちケーキの切れない非行少年たち2』(新潮新書)が刊行された。今作は仕事や勉強などを「どうしても頑張れない人たち」に着目し、周りはどう支援するといいかが詳細に紹介されている。宮口氏に、前作の反響と今作を執筆した狙いについて話を聞いた。

■「どうしても頑張れない人」がいる理由
記者:前作はベストセラーになりましたが、改めてその反響はどうでしたか?
宮口:SNSの反響を見ていましたが、たくさんの若い方が読んでいることに驚きました。新書を初めて読んだという方もいました。「犯罪者への見方が変わった」など、前向きな感想が多かったように思います。

若い人たちは専門書に関心がないと思われているかもしれません。でもそれは大きな思い違いです。みんな専門書でも手にとって、しっかり勉強してわかりたいと思っている。今回、改めて気づいたことでした。

記者:前作出版後、少年院の矯正教育のプログラムに変化はありましたか?
宮口:まだこれからでしょうね。少年院などの国の施設は本1冊ですぐに変わらないでしょう。ただ、多くの施設関係者から「子どもたちにもっと可能性があることに気づいた」という反応をもらいました。「今までどうしていいかわからなかったけれど、ヒントをもらった」と言われました。また、本で紹介したコグトレ(認知機能強化トレーニング)の依頼が殺到するようになりました。

記者:今作は「どうしても頑張れない人たち」がテーマですね。
宮口:前作よりも前から考えていたことでした。(企業などのメッセージで)「頑張ったら支援します」という言い回しをよく聞くことがありますよね。私はひねくれているところがあって、「じゃ頑張れない人はどうなんだろう」と昔から思っていました。

記者:頑張ったときだけというのは、少し突き放しているような印象を受けます。
宮口:支援することはいいですよね。でも頑張れなかったときは支援しませんという条件つきなんですよ。やっぱりそれはよくありません。本来の支援のあり方は、頑張れなくても、成果を出せなくても、ずっと支援をすることです。自分の子どもが何かを頑張れなかったとしても、無条件の支援をするじゃないですか。支援される側からしても、無条件の支援があって初めて心に響くと思います。

記者:「どうしても頑張れない人」がいるのはなぜなのでしょう?
宮口:頑張るための最低条件として、安心・安全の土台が必要です。食べ物がない、住むところがない、虐待を受けている。そんな状況で頑張れるはずがありません。さらに何度も失敗体験が積み重なっている場合、頑張る意欲は出てきません。昔から動物実験でも、どんなにやってもダメな場合は、無気力になってしまいます。人間も同じです。また、頑張れないのは知的なハンディも背景として考えられます。

記者:見る、聞く、想像するといった認知機能の弱さが原因である可能性を指摘していました。
宮口:認知機能が弱い子どもで分かりやすいのは知的障害の子たちです。頑張れないし、できないんですよ。たとえば、小学校3、4年生のクラスに1年生がいるようなイメージです。九九もわからない子に、3、4年生の算数はまずできません。毎日授業についていけなければ、頑張ろうという気は絶対に起きません。そういう場合は、手順を追って指導していかないといけません。

記者:学校を卒業してから社会に出るとさらに大変そうでした。
宮口:学校で先生が見てくれているときはいいかもしれません。しかし、社会に出ると、ハンディがあってしんどいことを考慮してくれなくなります。見た目だけでは、他の人と違いがわからないこともあるからです。ただサボっていてやる気がないと見られてしまう可能性があります。

記者:一方で、「努力しないで頑張らなくていいんだよ」と言う主張に対しても、宮口さんは違和感を抱いているように感じました。
宮口:できることはちゃんとやり尽くして、それでもできない場合にはじめてかける言葉だと思います。発達障害や知的障害の場合、主治医は平気で「この子にあまり負担をかけないように」と言ったりします。だから親も信じてしまう。でもやらせる前に「頑張らなくていいよ」と言うのは本当に無責任と感じます。昔と違って今は、IQは環境と関わり次第で変わる可能性があるとされています。何もやらせないまま、気がついたら手遅れになってしまうことも多いのです。

■実は支援する側が元気をもらっている
記者:努力をしたとしても「どうしても頑張れない」。そんな人たちに対する支援の3つの基本は、安心の土台、伴走者の存在、チャレンジできる環境だそうですね。
宮口:わかりやすいように、電気自動車に例えてみましょう。子どもなど支援する相手を電気自動車、支援者を充電器だとします。電気がなくなりそうになったら、いつ帰ってきてもきちんとした電圧で充電してくれる。これが安心の考え方です。

伴走者は横の助手席に乗ってくれる存在です。注意したいのは、運転について細かく口出しばかりをしてはダメであること。とにかく静かに見守りながら、困ったときにちゃんとアドバイスをあげるという姿勢が大事です。

安心の土台と伴走者の存在があると、初めて新しいことにチャレンジしたい気持ちが出てきます。子どもだったら、勉強、スポーツ、友達関係など。大人だったら、仕事、趣味など。何でもいいので新しいことができる環境に身を置くと、頑張ってみたいと思うようになるんです。

記者:発達障害や知的障害のケースだけでなく、多くの人の日常のいろいろな場面で参考になりそうです。
宮口:実はそうなんです。この本は基本的にみなさんへのメッセージです。会社の部下と上司など、いろんな場面でこの原理は使えます。ちょっとでも力になってもらえたら、という意図がありました。

記者:支援中に逃げ出したり反抗してしまうような人が、本当は一番支援が必要だとしていました。そんな矛盾の中でどうすればいいでしょう?
宮口:とても難しいところです。でもちょっとした工夫ができるはずです。たとえば、余計な声かけをしないこと。ずっとかまってほしいわけじゃないんですよ。余計な一言を言うことで、やる気を奪ってしまうことがあります。求められたときには決して見捨てずに「いつまでもいますよ」と示すだけでもいいですよね。

これが簡単なようで、ものすごく難しい。支援する側も生身の人間なので、自分の調子が悪いことだってあります。そんなときに逃げ出したり、反抗されたりしたら、支援をやめたくなってしまう。せっかく助けようとしたのに断られたとものすごく傷ついてしまう。だから支援をしている人にも、同じように安心・安全と伴走者が必要なんです。支援者同士で、足の引っ張り合いなどをしている場合じゃないんですね。

記者:他に支援について考える上で大事なことはありますか?
宮口:実は支援をする側が逆に元気をもらっているのだという視点です。誰だって人の役に立ちたい。人に世話をされて幸せになるんじゃなくて、人の世話をして感謝されることで元気になっていくんです。だから支援をしてくれる人に、しっかりお礼を言ってあげたら、ものすごく元気が出ると思うんですよね。そういう視点は大事かなと思います。

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逃げ出す人こそ支援が必要とはその通りです。逃げ出しはしないけど、当事者に不適切な言動をとられるのは、事業所の日常です。支援する側がそのことについて、怒ったり無視したりしていたら、それは支援のプロではなくただの素人です。だけど、寄り添うだけでは相手は変わらないです。そこにプロフェッショナルとしての支援者のスキルが試されます。

つまり、逃げ出したり反発したりするの当事者だけの責任ではないです。支援者との関係性が当事者の行動を生み出しているのですから、支援者の行動を変えて行けばその関係性は変えていけると思います。確かに、手ごわい方もおられますが、そんな時は相手だって手ごわいなぁ、やりにくいなぁ、支援されにくいなぁと感じているのです。そんなことを色々考えさせてくれる一冊です。

 

学校が親子に立ちふさがる「壁」となってしまう理由

学校が親子に立ちふさがる「壁」となってしまう理由

6/17(木) 【婦人公論】

個性の強さから学校で問題児扱いされるような子どもたちを集め、彼らに自由な発想と学びの場を提供することを目指した教育が、東京大学にて行われています。そこでディレクターを務める中邑賢龍教授は「親子のために存在する学校が、彼らの前に立ちふさがる”壁”になることもある」と指摘します――

※本稿は、中邑賢龍『どの子も違う――才能を伸ばす子育て 潰す子育て』(中公新書ラクレ)の一部を再編集したものです。

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◆なぜ学校が親子にとって”壁”になってしまうのか

以前にも増して、最近「学校に子どもが馴染めない」と心配する親が増えているように筆者は感じています。

その結果、親は「子どもが教科書を読めないので、タブレットの持ち込みをお願いしたい」、「子どもの興味が違うので、内容をそれに合わせてほしい」、「ぺースが遅いので時間を延長してほしい」といった希望を、学校に伝えるようになりました。

一クラスに何十人もいる児童、生徒を一斉に教える先生からすれば、そんな余裕があるはずもないので、単に親のわがままやクレームとして聞きながしているかもしれません。学習指導要領に定められた単元をちゃんと教えなければならない先生ができることには、実際、限度があります。

しかし、子どもが可愛い親は、なんとか学校での問題解決が図れないか、一所懸命に模索する。そしていつの間にか学校を、目の前に立ちふさがる“壁”として見出してしまうのです。

◆学校には複数のステークスホルダー(利害関係者)が存在する

そもそもですが、学校はいくつかの組織から成り立っています。

小・中学校なら義務教育ですから、国の定めた法律の元で学習指導要領に従い、決められた時間数の教科を、教科書を使って教えていくことになります。

それを教える教員の養成は、国が定めた教員免許を発行できる大学や学部中心に行いますが、免許そのものの交付や採用試験は各県の教育委員会が実施。採用された教員は、市町村が管轄する学校への配属となります。

そして学校ごとに最高責任者としての校長がいるのに、県にも市町村にも教育委員会があって、そこに委員会の最高責任者である教育長がいます。

つまり、学校には学校長、市町村教育委員会、都道府県教育委員会、文部科学省という複数のステークホルダーが存在しているのです。

◆だから「たらいまわし」が起こる

そのため、もちろん事案によりますが、もし学校ですぐに解決できないような問題が生じれば、責任の所在が明確でないことから「現場は上の判断で」「上は現場の判断で」といった、たらいまわしがしばしば起こってしまう。

加えて言えば、教育内容も、義務教育であるが故に全国一律で自由度は極めて低く、親の要望に臨機応変に応えることは難しいというのが実態です。

そうした状況が、親や子どもたちが学校を“壁”として感じてしまう理由の一つではないかと筆者は感じています。

◆「原則」に縛られる学校教育

時に学習指導要領も、学校を越えられない“壁”にしてしまうことがあります。

前提として、義務教育では検定された教科書を使い、教科ごとに決められた時間数の授業を実施することが求められています。

すでにあらゆるものがデジタル化されて長いですが、2021年2月現在、教科書において、デジタル教科書はあくまでも副教材にとどまり、印刷された紙の教科書を同時に使うことが原則になっています。

授業についても対面が原則で、2020年の春、コロナ禍で一斉休校となった際に行われたオンライン授業もなかなか授業時間数に加えられませんでした。そのため、多くの学校では、土曜日や夏休みなどに補講を行う必要がありました。

◆自由に学びたいだけなのに

一方、著書『どの子も違う――才能を伸ばす子育て 潰す子育て』に記したようなユニークな子どもたちの多くは、そもそも集団での一斉指導の中で学んでいくことをあまり得意としていません。「個々に応じた教育」と言いながらも、現実として学習指導要領に則ることが重視され、変わらない形で続く教育のもとで学ぶのは容易ではありません。

本来なら、教科書も時間割もない、そんな緩い授業や教室があってもいいのかもしれない。しかし現在の学校教育の中で、そんな自由な学び方は認められていません。

通常教育の中、一部の生徒を対象に、特別な授業スタイルで教えることは大変でしょう。

通級指導教室と呼ばれ、一部の時間だけ部室などを使い、少人数で教えるクラスはありますが、特別支援教育の範疇に入ることからか、そこで学ぶのを拒否する子どもや親もいます。

ユニークな子どもの多くは障害があるわけでなく、もっと自由なスタイルで学びたがっている。それだけなのに、いまだに彼らは自分たちを抑え込むことに必死な学校に身を置くことを求められているのです。

◆世界一多忙な日本の教員

しかし現実を見れば、あまりにも忙しくなった個々の先生からすれば、未来の学校の姿など、考える余裕も無いのかもしれません。

以前より、学校においてはあらゆる管理が厳しくなっています。特に2002年からは、文部科学省が学校設置基準において学校評価を求めるようになり、学校でもPDCAサイクルの確立が強く求められるようになりました。

OECD加盟国など48カ国・地域が参加(初等教育は15カ国・地域が参加)し、日本では小学校約200校及び中学校約200校の校長が参加した「OECD国際教員指導環境調査」(2018年度)によると、参加国・地域の中学教師の平均勤務時間が38・3時間/週であるのに対し、日本の教員の労働時間は56時間/週にまで達し、これは参加国中で最長となっています。

それだけ多忙になっているにもかかわらず、学習進度は守らなければならないので、学習につまずきのある子どもなどへの個別対応が難しく、また同時に、個々のペースを容認しにくくなっていることが考えられます。

逆に、学習進度が早いような子どもたちも、現在の法律で飛び級が認められていないことから、一斉指導の中で授業の妨げと認識され、結果として排除されている可能性もあるでしょう。

ともあれ、こうして学校が置かれた状況を少し鑑みただけでも、それが“壁”とならないための施策が今急いで求められているよう、筆者には感じられてならないのです。

中邑賢龍

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今回はやたらに学校の融通の悪さの言い訳が多いです。学習指導要領はあくまでも基準であり、全員に摘要するものではないことは法律の中でも明らかにされています。学校教育法には第四章 小学校 第二十九条、第五章 中学校 第四十五条にも、その教育の目的は「心身の発達に応じて」施すと断りがあります。学習指導要領は標準的な「心身の発達」に従って作られているだけで、学習障害など凸凹の子ども達にまで適応できるものではありません。つまり、学校のいう教科書通りにというのは言い訳に過ぎず、標準に収まらない子どもの「心身の発達に応じて」教育を考えていくのも学校の仕事なのです。

学校人事への権力関係を全て会社経営になぞって「ステークホルダー=利害関係者」と表現するのはちょっと無理があります。国民主権なのですから、利害関係者は「国民」一つです。ただ、国民とは誰なのか問題があり、国民の利益を執行する組織系列を複数の「利害関係者」と表現したのだと思います。それは、教育行政だけでなく福祉行政も行政と名の付くものはみな同じ構造です。この構造は、明治時代から変わっていない行政構造というか、ますます強固になっていると思います。

外交・安全保障と金融を除く行政機構に必要なことは、上位機構からの権限移譲と既得権限の廃止です。権限移譲によって組織の責任者や、その責任と義務の執行が身近に見える仕組みが作れます。責任は取ってもらうが法に基づく限り自由にやってよろしいという仕組みがこれから求められているのだと思います。もちろんチェック機能は議会だけでなく地域コミュニティーにも任せる仕組みが必要です。中邑先生は、自由な学びには自由で自立的な行政機構が必要だと考えているのだと思います.。

 

 

「水泳用マスク」1万3000枚配布

新型コロナプールでも対策日立市、小・中学校に「水泳用マスク」1万3000枚配布

 2021/6/19【毎日新聞】

2年ぶり授業に笑顔
新型コロナウイルスの感染拡大を防ぎながら泳ぎを学ばせようと、日立市でマスクを着用しての水泳の授業が始まった。同市は市立小・中学校の全児童生徒、教職員に「水泳レッスンマスク」を計約1万3000枚配布。子どもらは2年ぶりのプール授業に笑顔を見せた。【田内隆弘】

マスクは表面がシリコン素材、肌面はポリエステルとポリウレタンでできていて、洗って繰り返し使用できる。教室からの行き来やプールサイドなどで着用し、泳ぐときは首に掛けるという。ひもは伸縮可能で、安全のため約4キロの負荷がかかると外れる仕組みだ。

市立坂本小学校(鈴木孝裕校長、児童363人)では18日、5年生を対象に初めてマスクを着けての水泳の授業が行われた。授業の冒頭、教員が「大声は出さない」などと注意。昨年はコロナ禍で水泳の授業がなかったこともあり、児童は歓声を抑えながらも、笑顔で、水に潜っていた。

5年1組の滝夏帆さん(10)は「プールでマスクをすると聞いてびっくりしたけれど、2年ぶりの水泳の授業はうれしい」、吉成脩羽斗(しゅうと)さん(10)は「授業が楽しみだった。普通のマスクより息苦しい気がするけれど、水泳用としては十分だと思う」と喜んでいた。

鈴木校長は「今までにない発想を取り入れることで、感染対策につながれば」と話した。

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プールマスクの存在を初めて知りました。水に落ちた時にマスクがはりついて呼吸ができずパニックを起こして事故につながるので、水辺では原則マスクはつけないと言うのがプール安全指導で教えられてきたことですが、このマスクは簡単に外れるそうで、安全に脱着できるという事です。

プール水は塩素で殺菌されているので接触感染の心配はありません。水泳中の呼吸は最も遠くに飛沫が飛ぶ勢いがありますが、マスクをつけているから飛沫は大丈夫です。マスクに飛沫が付着してもプールの塩素水がマスクを洗い流します。そもそも、プール内のマスクは塩素水飛沫が広範囲を殺菌するので、本当は必要のないものですが、ここではあれこれ言ってはいけません。子どもたちのために何とか水泳授業を実現しようとしている日立市とその学校の前向きな努力に、心から敬意を表したいと思います。

低学年に性の第一歩を教えています 小学校のプール授業

低学年に性の第一歩を教えています小学校のプール授業の奥深さ
斎藤秀俊 | 一社法人水難学会会長、国大法人長岡技術科学大学大学院教授

6/21(月) 【Yahoo!ニュース】

2年ぶりの学校プールの季節。先日、小学校勤務33年のベテランから「2年生、心配だわ」と心配の声を聞きました。低学年に着替えの機会を使って性の第一歩を教えているのですが、今年の2年生はどうしようかと。

2年生、1から着替え指導すべきか
2年ぶりの学校プールの季節がきました。昨年はコロナ禍でほとんどの学校プールがお休みとなりました。特に小学1年生は大きなプールでのびのびと泳ぎを勉強するはずだったのがかなわず、泳ぎが1年遅れになってしまいました。

先日、小学校勤務33年のベテランから「2年生、心配だわ」と心配の声を聞きました。「1年生って学校では勉強ばかりでなくて、すべてのこと何でも1から教えるのよね。例えば体育の授業の前に、体操着に着替える練習をするのよ。もちろん、体操着から普段着に着替える練習も。」「プール授業の着替えは普段の体育と違って水着でしょう?教えることが一杯あるのよね。」「去年はプール授業が無かったでしょう?だから2年生に最初のプール授業で1から着替え方を教えなくちゃ。そうすると、2年生の授業を半分そこにあてがうことになるかな。」

彼女の学校では2校時をくっつけてプール授業としています。2年生に着替え指導をきちんとやるとなると、水着への着替え方に20分、普段着への着替え方に20分、合計40分で初回のプール授業90分の半分近くを使うことになります。2年生なりの水泳授業も待ち受けている中で、この時間は痛いそうです。でも、「丁寧に教えなければならないことが着替えにはある」と言います。

性の第一歩を教える機会
これまでの担任の多くが低学年。ベテラン先生は若いときから着替え指導にこだわりを持ってきました。

「1年生に何も教えずに着替えをさせたら、真っ裸になる児童はいるでしょうね。そうでなくても、大切なところが見えているのに自分では気が付かずにいることもあるのよ。」

人間の尊厳、性に関わる大切な一歩。コロナ禍でプール授業ができず1年間そのままになっていました。陸上の体育と違って、プール授業では着替えの時に下着をとる瞬間があります。1年生の時に「大切なところを人に見せないように気を配って着替える」ことを実践で教えるのですが、それが昨年はできなかったのです。

「家庭ではお風呂に入るときには特に気にしないじゃないですか。その雰囲気を学校に持ち込んでは困るんです。中には人前で裸になることに抵抗のない子供もいるの。」

学校は公共の場。家庭とは違ったルールがあります。公共の場ではいろいろなトラブルから自分を守らなければならないし、そしてそこに集まるお互いを尊重しあわなければなりません。特に性の第一歩は人間の尊厳を考える第一歩ですから、まだ性への自覚に乏しい低学年から行動で覚えさせたいとのことでした。

「着替え中に友達の腰タオルをわざと下げる子、いるのよね。」

同性間でも、友達の羞恥心をあおるようないたずらをする子がいます。それがいけないことだということを低学年からしっかりと教えないと、単なるいたずらという認識のまま成長する恐れがあります。だからこそプール授業時の着替えは「してはいけないこと」を身体で覚えることができる、低学年にとっては良い時間だということでした。

性の第一歩を教えていきつつ、ひいては人間の尊厳を守る心を育みたいとベテラン教員は意気込んでいました。

下着がポイしてあることも
ベテラン教員の学校では、いわゆるラップタオル、つまり大きいサイズのバスタオルにゴムを縫いつけ、両端にはスナップを取り付けて留められるように作られたスカート状のタオルを家庭に準備してもらっています。

女の子はそれを肩から下げて、男の子は肩か腰から下げて着替えをします。着替えの指導のイロハはここから始まるのです。

「最も多いのは、スナップの留め忘れだね。肩から下げているタオルで身体を隠してるつもりなのに、スナップを留め忘れた隙間から大切なところが見えてしまうの。だから、スナップの留め忘れがないかしっかりチェックしてから、着替えに入るようにしているよ。」

「男の子の場合は、わざとだらしなくタオルを巻くような児童がいるのよね。どこか、家庭のお風呂を引きずってる感があるかな。だからしっかり、しつこく指導しますよ。きちんとタオルを巻く指導から始めます。」

水着に着替えて、それでおしまいではありません。水を漏らさぬ指導が続きます。脱いだ下着をどうするかの指導です。

「脱いだ下着を机の上とか、椅子の上とかにそのまま脱ぎ捨てる児童がいるのよ。女の子でもいるかな。脱いだ下着は人に見せてはいけない。だから、すぐに袋の中にしまうように徹底指導します!」

なるほど、たしかに公衆浴場の脱衣所を思い出すと、下着が丸見え状態で脱ぎ捨てられているカゴとバスタオルをかけて中が見えないようにしてあるカゴがあります。これまでどういう教育を受けてきたかが、大人になってから行動で明確になるものだと納得してしまいます。

一つ一つ丁寧に着替えを指導するのはたいへんよいことですが、プール授業前後ともなると教室はあたかも戦場の様相です。特にプールから上がって水着から普段着に着替える時がたいへんです。子供たちがびしょびしょの状態で、しかも教員もびしょびしょ。床を濡らさないようにする工夫をしながら子供たちを教室に誘導して、それからさらに床を濡らさないようにして、指導を緩めることなく着替えさせなければなりません。

「33年繰り返しているので、ワンオペの達人になったけど、赴任したある小学校ではボランティアで学校に来てくれるおうちの方々が低学年の着替えを手伝ってくれました。」

教員も着替える時間を作ることができるし、おうちの方々にも公の場で着替えに注意する大切さが分かって、大変良いシステムだと思ったそうです。

家庭にお願いしたいこと
「特に1年生なら、プールが始まる前に、家庭で着替えの練習をしてもらえるとうれしいです」とベテラン教員の心からのお願い。

最も訓練してほしいことがラップタオルの取扱い方法。タオルによっては4つも5つもスナップがついていて全部留めるのがおっくうになり、2つ、3つ留めればいいかと妥協してしまいます。加えて、身体の水分を拭きながら下着を着ける練習。お風呂から上がった直後に、これもラップタオルを肩や腰から下げながら家庭で確認してほしいそうです。

下着も洗濯かごに直接ポイするのではなく、プール袋に入れてしまう練習をプール授業が始まる前とか、最中とか、お風呂の脱衣室で行ってほしいそうです。

参考 生命(いのち)の安全教育
令和2年6月に政府の「性犯罪・性暴力対策強化のための関係府省会議」において、「性犯罪・性暴力対策の強化の方針」が決定されました。

この方針を踏まえ、子供たちが性暴力の加害者、被害者、傍観者にならないよう、全国の学校において「生命(いのち)の安全教育」が推進されています。

これに併せて、教材・指導の手引きが公開されています。例えば、生命の安全教育教材(小学校(低・中学年))では、次の項目について子供向けに図1のようなスライドを使って説明できるように編集されています。

・「水着で隠れる部分」は自分だけの大切なところ
・相手の大切なところを、見たり、触ったりしない
・いやな触られ方をした場合の対応

参考スイミングスクールでは
水難学会の新西道浩理事によれば、スイミングスクールでは小中学生の会員を受け入れる際にプライベートゾーンに関する指導をしているそうです。会員向け広報誌での周知やロッカー巡回という指導を定期的に行っていて、かなり早い時期から生命の安全教育を意識してるとのことでした。
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水着の着替えなど昭和の小学校出身の大人は当時教えられた経験はありません。あの頃はただタオルを腰に巻いて着替えていたので面倒だなぁと思っていた事と、塩素臭とコンクリートの匂いの混ざった薄暗い更衣室の記憶があります。時々、素っ裸で着替える友人もいて、「勇気あるなぁ」くらいにしか思いませんでした。そう言えば昔は、「このパンツ誰のですか」と帰りの会で先生が聞いていましたが、子ども心には「てことは、本人はすっぽんぽんでズボンはいてるのか」と妄想していましたが、友人に聞くと「水着の上からに決まってるやんけ」と笑われた思い出があります。

プールの低学年の授業が性教育の第一歩とは気が付きませんでした。ベテランの先生が「ワンオペ」で指導しているとのことなので、多くの先生が具体的な実践を見ていないかも知れません。学校は教科だけを教えているのではなく、学校生活全般で様々な事を教えています。発達障害の子にとっては、教科外の不定形な集団指導場面が苦しい場合もあります。けれども、みんながいないと「恥ずかしい」の意味も教えにくいです。でも、学校はいろんなこと教えているなぁと教員OBながら感心します。

 図1 生命の安全教育教材(小学校(低・中学年))のスライドの一部抜粋(筆者抜粋)

障害児通所支援の機能見直しへ 厚労省検討会が初会合

障害児通所支援の機能見直しへ 厚労省検討会が初会合

2021年6月21日【教育新聞】

障害のある子供が放課後や学校の長期休校中に通う「放課後等デイサービス」など、障害児通所支援の在り方について、厚労省は有識者による検討会を立ち上げ、このほどオンラインで初会合を行った。こうした障害児通所支援は利用者数が顕著に増加している一方で、実態として補習塾的機能や預かりが中心となっている事業所もあるとし、役割や機能の見直しに着手する。

障害児通所支援についての議論を始めた厚労省検討会(YouTubeで取材)
厚労省によると、障害児通所支援のサービス利用児童数は2014~19年度の間に2.3倍に増加。その一方で、補習塾的な機能や預かり中心の事業所があることや、障害児の保護者の就労を支える側面もあること、現状の放課後等デイサービスでは、専修学校や各種学校が対象となっていないなどの課題が出ている。

また、これらのサービスが充実したことで、発達障害をはじめとする、これまで障害と認識されずに育てづらさや生きづらさを抱えていた子供の支援につながった一方で、こうした子供たちが適切な支援を受けながら保育所や学童保育などを利用しにくくなっているなど、インクルージョンの観点からの課題も指摘されている。

こうした状況を踏まえ、検討会では関係団体へのヒアリングを実施するなどし、障害児通所支援の役割や機能の在り方を整理。9月をめどに報告書を取りまとめる。

初会合で座長に選出された柏女霊峰(かしわめ・れいほう)淑徳大学教授は「保育教育施設での(障害児の)インクルーシブな受け入れは伸びていないのではないか。詳細を分析しなければいけない。その上で、本当に障害児通所支援が、その機能として何をすべきなのかというマクロ的な議論をしなければいけない」と強調した。

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サービスは使いやすければ利用が増えるもので、普通はそこに利用者のニーズがあると考えます。放デイの利用が伸びているのは利用者にとって使いやすいからです。また、保育所や学童保育に障害児が増えないのは使いにくいからで、放デイの利用が伸びている事は結果であり原因ではありません。つまり、放デイの責任でも放デイ利用を認めた障害福祉行政の落ち度でもありません。障害のある子もない子も利用しやすい保育所や学童保育サービスを怠ってきた側に責任があります。

だから、柏女座長が放デイの中身をどうこう言う前に、学校や保育所が障害のある児童に使いやすい配慮や工夫がされているのかどうかを調査することが先だと言っているのです。以前、学習障害は教育が支援を担うもので、放デイはサービス提供はしないと公言する関係者がいるらしいと書きました(学習障害抱える児童、タブレット支えに無事卒:04/03)が、その理由は、教育の学習障害支援の足らずを福祉が肩代わりする必要はないという論理です。しかし、学校の学習障害児への支援と、放デイの学習障害児への支援は法的にも行政的にもお互いに独立しているもので、どちらかで代替できるものではありません。

その法的根拠としては、放デイなどの学習障害児支援の責務が法令に明記されていることです。厚労省の支給決定事務等の事務処理要領の「障害児通所給付費に係る通所給付決定事務等についてR3年4月」には、「2 対象となる障害児(法第4条第2項) 児童福祉法における障害児とは、身体に障害のある児童、知的障害のある児童、精神に障害のある児童(発達障害者支援法第2条第2項に規定する発達障害児を含む。)以下略」とあります。

発達障害者支援法の条文は「第二条  この法律において「発達障害」とは、自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害・・以下略」と学習障害が明記されています。つまり、放デイ支援で学習障害児は支援の対象なのです。もちろん教育と福祉と家庭が相互に連携しあい協力をすることは大事です。しかし、自分はやらないから、他の分野で責任を持てなどと言える道理は無いのです。

保護者や一般市民が細かな法令を知らないのは仕方がないにしても、もしも、関係者が公言しているとなると、これは明らかに違法行為であり障害者差別だと言えます。さすがに府県レベルや厚労省で学習障害児を放デイでサービスをしないと言う人はいませんが、地域でこんな暴言を関係者が言っているなら行政処分の対象です。今回の厚労省検討会の議論の行方が、保育所や学童保育でインクルージョンが進まない原因が、放デイの利用数が伸びた事等と、原因と結果が入れ替わったりしないように見守りたいと思います。

 

学校集団接種「推奨しない」文科省

学校集団接種「推奨しない」文科省、同調圧力を懸念

2021年6月22日【朝日新聞】

文部科学省は22日、新型コロナウイルスワクチンを12歳以上の中学高校などの生徒に学校で集団接種することについて、「現時点で推奨しない」とする通知を各都道府県などに出した。個別接種が難しいなどの理由で学校集団接種の実施が必要な場合は、接種の有無によるいじめや差別が起きないよう相談窓口を設けることや、接種を行事参加の条件にしないことなどを求めている。

通知は、学校集団接種を推奨しない理由として、保護者への説明機会が乏しくなる▽個々人の意向が必ずしも尊重されず同調圧力を生みがち▽接種後の体調不良に対するきめ細かな対応が難しい――を挙げた。萩生田光一文科相は22日の閣議後会見で「学校での集団接種は受ける人と受けない人の差別化につながり、いじめにつながることも心配される。希望する子どもは親の同意のもとで、個別接種を進めていく」と述べた。

一方で通知は、個別接種の体制確保が難しい場合などに、市町村の判断で学校集団接種をすることを条件付きで認めた。その際、生徒や保護者に接種が強制でないことなどを丁寧に情報提供することや、授業中ではなく放課後や休日、長期休業中に実施するなどの工夫を求めている。

また、特に思春期の子どもに接種前後の不安をきっかけに起きやすいという「予防接種ストレス関連反応」についても説明。「周囲の生徒の様子などの影響を受けてその場の生徒に連鎖して生じることもあり、落ち着いた雰囲気で、万一に備えた体制を整えておくことが必要」と示している。

16歳未満の接種は原則、保護者の同意が必要。小学生については保護者同伴が必要となる。(伊藤和行)

文部科学省通知の主な内容
●中学高校などの生徒に対する新型コロナウイルスワクチンの学校集団接種は、現時点で推奨しない

●学校集団接種が必要な場合の留意点
・効果や副反応など丁寧な情報提供
・差別やいじめが起きないよう、学校は接種が強制ではないことを指導し、市町村は相談窓口を設置
・授業中ではなく、放課後や休日、長期休業中に実施
・業務は教職員に求めない
・「予防接種ストレス関連反応」が生じないように環境を整備

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抗議殺到で個別接種に切り替え 12~15歳にワクチン接種開始の京都・伊根町

2021年6月8日【京都新聞】

京都府伊根町は8日、12~15歳の新型コロナウイルスワクチンの接種を始めたことに対し町外から抗議が殺到したことを受け、中学生を対象に検討していた集団接種を個別接種に切り替える方針を明らかにした。町は「強制的に打つという誤解を解きたい」といい、本人や保護者の同意の下で接種する手続きをより明確にして、これ以上の抗議を避ける狙い。接種時期は未定。

12~15歳の接種については、厚生労働省の専門部会が米ファイザー製ワクチンの対象年齢として了承しており、国は保護者の同意手続きが必要としている。町は当初、学校のテスト期間に配慮して6月下旬に1回目の接種を検討。保護者の同意を文書で確認する方法をとる予定だった。

同町では6日、小学生と高校生に接種した。7日朝から、町役場に「子どもへの接種はリスクがある」「殺すぞ」などと職員を問い詰める電話が相次ぎ、コールセンターを停止。抗議電話は8日までに170件あった。脅迫を思わせる内容もあり、町は京都府警宮津署に被害届を出すことも検討している。
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マスクをしていないと携帯電話中の女子学生の顔を殴る役人(北海道)がいるかと思えば、子どもへのワクチンが危険だと役所に脅迫や威力業務妨害をする市民がいます。どちらも科学的な根拠を持たずに感情的に他者を傷つけたり脅迫している違法行為です。

確かに学校の集団接種は、同調圧力が強くかかり受けない自由を行使しようとするには勇気が必要です。そして、1000人に7人程度が陽性者でその6割が無症状で、子どもに重篤な症状が一例も報告されていない武漢風邪に、リスクの高い大人に接種が済んでいるなら、集団免疫を広げると言うだけで子どもの接種を急ぐ根拠にはなりません。

急ぐべきは高齢者やそれに続く成人の接種であることは間違いありません。伊根町にはきっとたくさんワクチンが送られ、高齢者も高リスク患者も成人も皆終了したから次は子どもにとなったのかもしれません。乙訓では65歳以上の接種が進み、60歳までの高齢者は7月中に1回目が接種されるようです。

都市部では人口の少ない自治体ほどは接種が進みません。行政サービスは田舎の方が早く行き届くが、都市は便利さを享受しているのでおあいこだと言われます。しかし、命にかかわる有事に公平に対応できないのは問題です。抗議電話は町以外からのものも多く、いつまで待っても接種券が送られてこない都市部の市民の苛立ちが、田舎の役場にぶつけられたような気もします。

この苛立ちに加担しているのが恐怖の煽り報道です。女子学生がマスクを外して電話をしているだけで、役人の立場を忘れるほど苛立つのです。最近、アクリル板は飛沫を滞留させるという研究が電通大から発表されました。テレビで連日見かけるアクリル板は感染を広めたかもしれません。メディアが必ず正しいわけではない証拠です。もちろんこの報道は地上波ではほとんど扱われませんでした。

また、今回のワクチンとは違いますが、子宮頸がんワクチン(HPV)の副反応の恐怖を大々的に煽った結果、日本ではワクチン接種率が極めて低いのです。ワクチンを打てば76人に1人の子宮頸がん発症の確率は216人に1人と3分の1に減ります。しかし、こうした効果は宣伝されずにひどい副反応を起こした人たちの裁判を報道することで日本はワクチン接種を推進している他国より2倍以上の女子が命を落とす危険にさらされています。恐怖や鬱屈した感情をメディアが煽ることによって、社会が歪んでいく危険性も私達は熟知しておく必要があります。

「学校の防災訓練は非現実的」 学校安全部会で専門家指摘

「学校の防災訓練は非現実的」 学校安全部会で専門家指摘

2021年6月23日【教育新聞】

第3次学校安全推進計画の策定に向けた検討を行っている中教審初等中等教育分科会学校安全部会は6月23日、第2回会合をオンラインで開き、防災教育をテーマに議論を行った。同部会委員で、内閣府の「防災・減災、国土強靭(きょうじん)化ワーキンググループ(WG)」でも委員を務めていた大木聖子・慶應義塾大学環境情報学部准教授は、発表の中で現状の学校の防災訓練が非現実的であると指摘。第3次計画で、幼児教育・保育における防災教育の必要性や、実効性のある防災訓練を学校現場に浸透させることを提案した。

この日の会合では、内閣府から5月末に同WGが取りまとめた「防災・減災、国土強靱化新時代の実現のための提言」についての報告があり、それに続いて大木准教授からの発表が行われた。

内閣府の提言では、東日本大震災の発生から10年を踏まえ、防災・減災、国土強靭化の新時代に向けて、防災教育を第3次学校安全推進計画の柱として位置付け、全ての子供が災害から自らの生命を守れる能力を身に付けられるようにする方針を掲げた。学校で行われている現状の避難訓練は、実施率は高いものの内容は形骸化しているとして、全ての小中学校で、地域の災害リスクや「自分は大丈夫だ」と思い込んでしまう正常性バイアスなどの知識を教えることや、教職課程に防災教育の指導法を組み込んだり、地域と学校が連携して防災教育を支援する「防災教育コーディネーター(仮称)」を育成したりすることを盛り込んだ。

内閣府の防災・減災、国土強靱化新時代に向けた防災教育の提言
続いて発表した大木准教授は、専門の地震学の見地から、「教師の指示に従って、全員が校庭に避難が完了するまでの時間を計測する避難訓練」について、震度6以上の地震では声を発することができないほどの揺れになることから、教師は事実上指示を出せないことや、校舎は一般住宅よりも耐震性が高いにもかかわらず、校庭に避難することに合理的な理由はないことを指摘。

「地震学者の観点から見ると、非現実的な訓練が行われている。最も違和感があるのは、余震を想定している訓練がないことだ。大地震で余震が伴わないものはない」と批判した。

また、幼稚園や保育所などでの、未就学児を対象とした防災教育に力を入れるべきだと提案。第3次計画では、地震の概念が十分にない未就学児の命を守る視点を意識したものとすることや、発達段階に応じた防災教育スタンダードを策定することで、就学前から高校段階までシームレスな防災教育を実践できると強調した。

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地震想定の訓練でグランドに避難するのは、地震から火災が発生したので屋外に避難するというシナリオがあるからです。その理由は、グランドで消防署職員が子どもたちと一堂に交流する機会を持つことで、防災教育の一環としたいという目的があるからです。

その際に、整然と移動できたことを評価しているだけのことで、時間短縮はその結果であり「押さない走らない喋らない戻らない」おはしも訓練に時間短縮目的などありません。また、余震の事にも触れており建物の壁や天井が崩れることも想定して移動するように指導されています。正常性バイアスの問題は防災知識を教えた子どもには起こりにくく、知識のない大人に起こりやすい問題です。大木さんは、学校訓練で教員や子どもの取材をせずに、思い込みで発言しているのではないかなと思います。

すてっぷでも、この5月に地震から近隣住宅に火災が発生した想定で広域避難場所に移動する訓練をしています。子どもたちは、落下物から頭部を守る動作や整然と行動する姿は、毎年学校で2回訓練している効果を感じさせるものでした。問題は、被災後何日間この子たちと安全に過ごせるかどうかの訓練はないので、シミュレーションだけでもしておいた方が良いなと考えています。こちらは何パターンか思い込みでやるしかないのですが・・・。

「くたばれ学校」投稿の少女学校の部活禁止に違憲判決

「くたばれ学校」投稿の少女学校の部活禁止に違憲判決

6/24(木)【朝日新聞】

米連邦最高裁は23日、学校への不満をソーシャルメディアに投稿した少女の部活動参加を禁止とした学校の処分について、違憲だとする判決を言い渡した。少女の投稿が学校側に混乱をもたらしたとは言えず、合衆国憲法修正第1条が定める「言論の自由」の範囲内だと判断した。

問題になったのは2017年5月、当時ペンシルベニア州の高校1年だったチアリーディング部の少女(18)が土曜日にコンビニから、共有アプリ「スナップチャット」に投稿した写真。私服姿で舌を出し、中指を立て、《くたばれ学校くたばれソフトボールくたばれチア全部くたばれ》との文字を添えた。

この投稿を少女の友人を通じて把握した顧問が問題視した。「汚い言葉を使わないスポーツマンシップが求められる」などの教育委員会規則に反するとして、少女は1年間、部活動を禁じられることになった。

判決は公立校について、学校外における生徒の言論であっても規制が可能だとの見解を示す一方、今回の事案では少女の言論を制限するだけの理由がないと判断。処分について「合衆国憲法修正第1条に違反する」と結論づけた。

少女は訴訟を支援した人権団体を通じ、「私は、今日の10代がするように自らの不満を表現した。若者には、学校に行ったときに罰せられると心配することなく、自分たちについて表現できることが必要だ」と声明を出した。(ニューヨーク=藤原学思)

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合衆国憲法修正第1条とは、宗教の自由、表現の自由、報道の自由、平和的集会の権利等、国民の表現の自由を掲げたものです。今回の高校生の汚い表現は、スポーツマンだからと言って部活動参加を禁止してでも妨げるほどの理由にはならないという判決です。そもそも、こんなことが裁判になるところがアメリカらしいですが、日本ならどうなったかなと思います。「くたばれ学校」ではなく「学校なんかなくなれ」だったら問題なかったのか、使った言葉が「Fワード(F*ck)」で、これがどの程度の反社会的な言葉か理解できていないのでピンときません。

お国が変わって中国ならどうなるのだろうと思います。学校やクラブをディスったぐらいでは何ともないのかもしれませんが、これが香港政府や中国共産党に「くたばれ」と書き込めば監獄行きなのでしょうか。香港の新聞「リンゴ日報」は、香港国家安全維持法に違反したとして警察に資金が凍結されたことなどを受けて、24日の朝刊を最後に発行停止に追い込まれました。学校への高校生の書き込みと新聞の主張を一緒くたに考えるのはいかがなものかと言う意見もあります。

しかし、たかが高校生の言動に4年もかけて合衆国憲法を持ち出して言論を戦わせるアメリカと、たかがスポーツ・芸能新聞の政府批判の表現が気に入らないと120年以上も続いた表現の自由を弾圧で消し去る世界人口の5人に1人を占める中国との違いは、単なる政権の違いとは言い難いものがあります。

京都市 介護従事者や保育士など対象 ワクチン優先接種始まる

京都市 介護従事者や保育士など対象 ワクチン優先接種始まる

06月28日【NHK】

京都市は介護従事者や保育士などのエッセンシャルワーカーを対象にした、新型コロナワクチンの優先接種を28日から始めました。

京都市左京区の「みやこめっせ」に設置された京都市の集団接種会場には、午前中から介護施設や障害者施設で働く職員やスタッフなどが次々に訪れました。

訪れた人たちは、5つのレーンに分かれて、健康状態に問題がないか確認する医師の問診のあと、順番に接種を受け、30分ほど待機して体調の変化がないか、様子を見ていました。

今回の優先接種は、京都市内で働く介護従事者や保育士、それに教職員など、生活を支えるエッセンシャルワーカーおよそ5万人が対象で、今後は、市バスの運転手やゴミ収集の作業員などにも拡大していくということです。

接種を受けた介護従事者は、「病院に行くことも多いので、早くワクチンを打って利用者の方に安心して付き添いたいです」と話していました。

京都市医療衛生推進室の板原征輝 担当部長は、「子どもを守るためにも、地域の人たちに接する職種から先に受けてもらっています。このまま計画が順調に進むよう、ワクチンの安定供給を国に要望していきたい」と話していました。

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京都市が京都府より動きが早いのは、人口がほぼ同じでもトップダウンでの「関所」が少ないからでしょう。府や県は協議したことを、各自治体におろし、各自治体はそれをまた協議して決定するという手続きがあり結果的に実施が遅くなるのかもしれません。普段はそれでもいいかもしれませんが、有事の時は政府からのトップダウンが早く末端まで届くようにしないと、有事の時間勝負の対応に間尺が合いません。

先日、京都府から事業所職員のPCR検査用の採取容器が送られてきました。ワクチン接種を一刻も早く広げようとしている時期に、頓珍漢なタイミングで送られて来た原因はわかりません。採取日のみ1日だけの感染検出のために症状のない何万人も検査を行い、陽性反応が出れば各保健所は事業所に行ってクラスター調査を行うことになり、ワクチン接種で投入すべき人員を割くことになります。当然事業所も、擬陽性であっても最低三日程度は休業が必要になります。

武漢株からインド株に変異していることが危険とメディアは煽りますが、インド株の主症状の多くは頭痛と鼻炎です。高齢者の重症化率はワクチン接種の広がりで顕著に減少しています。今は、ワクチン接種を高齢者と関係者に急ピッチで接種することが優先課題です。京都市が事業所PCR検査をとばして事業所職員ワクチン接種に取り組んだのかその両方を実施したのかはわかりません。ただ、一般的にはトップダウンが通りやすい仕組みは、決めたことでも状況を見て柔軟に変更する決断が早いと言えます。

先日、海外選手に陽性者が出ているのに、日本のバス運転手も自治体コーディネーターも選手と一緒にバスに同乗して宿舎に向かい、濃厚接触者と認定されたという報道がありました。感染しているかもしれない海外の選手に対応するのはとても感染リスクが高いです。ワクチン接種は高齢者からという順番ルールはあるけれども、ホスト自治体に海外変異株を広げないためには海外選手の対応をする関係者は優先してワクチン接種をすべきです。トップダウンの「関所」の自治体で協議の機会があったはずなのに、国からの指示はないとして何も変更して決められなかったのです。一方、接種のやり方は自治体に任されていると言うのが国の言い分ですが、全体を俯瞰して危機の予測ができるのは政府ですし、オリパラは国家事業です。こういう事態こそメディアは正確に取り上げて欲しいものです。

小児科医に聞く 子どもにも多い「ビタミンD欠乏症」

小児科医に聞く 子どもにも多い「ビタミンD欠乏症」が身体に与える影響は?

6/29(火)【ベネッセ】

子育て食についての本を著した小児科医の伊藤明子先生は、子どもの発達障害の研究とビタミンDの研究をしているドクターでもあります。そこで今回は、ビタミンDの働きと健康の関係について、お伺いしました。

増え続けている子どものビタミンD欠乏症
日本の0~15歳の「ビタミンD欠乏性くる病」と診断された子どもの数がここ数年で、3倍以上増えています。原因は2つ、太陽光を浴びていないことと、動物性タンパク質の摂取不足ではないかと考えられています。

近頃の保護者のかたは、太陽によるシミ・シワを嫌がったり、皮膚がんリスクをおそれるあまり、お子さまが日光浴するのを避けたり、かつ日焼け止めをしっかりと塗布するかたが多く見られます。これに加えて、卵や魚などの動物性タンパク質の摂取量が少ないと、「くる病」のリスクはどんどん高まってしまいます。

「我が家は、日光浴させています」というかたの場合も注意が必要で、保護者のかたが子ども世代だった当時は、例えば、冬場は1時間日光にあたっていればビタミンDが生成されると言われていましたが、現在では温暖化などの地球の環境の変化により、東京以北では十分ではない*(コラム下参照)ことが、環境省の発表で明らかにされています。

ビタミンDは体全体に関わる要素
ビタミンDが不足しているのは、子どもだけではありません。
日本では、まだ大人のビタミンD欠乏に関する正式がデータは発表されていませんが、日本と似たようなライフスタイルで暮らす韓国では、調査対象の7割超がビタミンD欠乏症だったというデータがあります。私のクリニックに不調を訴えていらっしゃる患者さんの血液検査をすると、およそ9割のかたがビタミンD欠乏症であることがわかります。実感としては、日本でも同じくらいのビタミンD欠乏症のかたがいるのではないかと思っています。

ビタミンDは骨だけではなく、全身にかかわる要素なので、皮膚や免疫、メンタルやがんにも関係しています。ビタミンDの数値が低い人は、女性の場合は乳がん、男性の場合は前立腺がんのリスクも高いということもわかっていますし、結核などの感染症にもなりやすいのです。

また、メンタルの面でも、うつや精神疾患との関係も研究で出ており、ビタミンDの数値が低いお子さまに発達の課題がある子が多いことや皮膚トラブルが多いことなどを示す研究もあります。

ビタミンD不足の解消は健康的な食事から
一方で、ビタミンDの量は一般的な健康診断の血液検査では項目として含まれていません。気になるかたは、栄養療法をおこなっているクリニックなどに相談するのがおすすめですが、まだ日本全国には行き渡っていないのが現状です。

ですで、まずは直接口に入れる食べ物から、ビタミンDを摂取してほしいと思います。どのような食べ方がよいのかは、「小児科医が実践している、健康レベルが決まる食事法とは?」を参考にしてみてください。
食生活を変えることで、家族全員がもっともっと元気になれるといいですね。

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「暑いし、中で遊ぶ」子どもの口癖です。そのたびに(外遊びの科学的根拠:2020/12/02)で書いたように外で遊んで背を伸ばすビタミンDを体内に生成しようと外遊びを促しています。それを聞くと「しゃーない(しかたがない)なー」としぶしぶ外に出ていく子どもたちです。これから暑い日ばかりですから、本来ならプールや水遊びが熱中症を防ぎながらの遊びには最適なのですが、まだ水場はコロナストップが解除されていません。

学校や公共施設で水遊びができるようにして、子どものビタミンDの生成を支援し、夏休み明けの子どものうつ病等を原因とする不登校を防止しようと言う行政関係者はいないものでしょうか?いつまでも世界からすればさざ波程度の陽性者数の増減ばかりに注目せず、子どもにとっては鼻かぜ程度の症状なのですから、子どもの生活や健康を維持することも考え、決めたことでも状況によっては変更して、柔軟でバランスのいい施策をしてほしいものです。

*大気の対流でオゾンは低緯度から高緯度に運ばれ、オゾン生成のもっとも盛んな太陽直下の低緯度上空よりも、高緯度上空のほうが高密度となる。これが、温暖化によってさらに加速され、高緯度の紫外線量が低下する。

「発達障害の子、退園も」保育施設の規則

「発達障害の子、退園も」保育施設の規則に 差別解消法抵触の恐れ

2021年6月30日 【毎日新聞】

東京都世田谷区にあるスポーツ教育をうたう認可外保育施設の規則に、「発達障害で園生活に支障があるときは退園してもらうことがある」という趣旨の記載があることが毎日新聞の取材で判明した。障害者の差別的取り扱いを禁じる障害者差別解消法に抵触する可能性があり、監督権限を持つ世田谷区は施設に対し修正するよう助言している。

この保育施設は「バディスポーツ幼児園世田谷校」。運営会社のホームページ(HP)などによると、2~5歳児を対象に、保育のほかスポーツに特化した教育を実施している。この施設のほか、都内と神奈川県に系列園や姉妹園が計7カ所ある。

施設は入所希望の保護者らを対象にした説明会で園の規則を配布している。そこには「園児が自閉症、注意欠陥・多動性障害などの発達障害と診断され、または園児にその恐れがあり、当園にて今後の園生活や体育全般に支障があると判断される時は、子どもの成長、発達を考慮し特別支援教育への移行を促し、退園していただく場合がある」などの記載がある。

施設は2019年10月から始まった幼児教育・保育無償化の対象で、国が定めた認可外保育施設の指導監督基準を満たしているとして区の上乗せ補助も適用されている。区は「立ち入り検査の際、規則の文言が解消法に抵触する可能性があると判断したため口頭で園側に修正を助言した」(保育認定・調整課)と話している。

毎日新聞はこの規則の意図などについて、園の運営会社に書面で取材を申し込んだところ、6月22日に「区と相談しながら内容の修正を行っている」と回答があったが、実際に退園児童がいたかどうかなど詳しい説明はなかった。

16年4月施行の障害者差別解消法は、公的機関や民間事業者に対し障害者の差別的取り扱いを禁じている。今年5月には障害がある人の移動や意思疎通などを無理のない範囲で支援する「合理的配慮」を民間事業者に義務付ける改正法が成立した。

厚生労働省保育課は、発達障害を理由にした退園規則について「これまで確認されたケースはない。認可外保育施設の利用はあくまで個別契約の範囲だが、一般論でいえば障害者差別解消法に抵触するおそれがある」と説明する。

同法に詳しい名城大の植木淳教授(憲法)は「(障害者への)不当な差別的取り扱いに当たる可能性が高い」としたうえで「保育士には障害教育に対する一定の知見が求められていることからすると、発達障害の事実だけで保育に支障をきたすということは通常考えられない」と指摘した。【遠藤大志】

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障害者差別だとレッテルを貼るのは簡単ですが、どういう経緯でこういう表記になったのかを取材してほしいところです。認可外の保育施設が該当するかはわかりませんが、通常の保育施設は国や自治体が障害児加配制度を使って、人手は確保できます。ただ、加配支給額は非正規雇用程度の金額です。障害児への支援に力を入れる保育施設では正規職員を障害児担当にして非正規職員を障害のない子どもの担当にしているようです。

保育士は、都市部ではいつも人手不足で、キャリアや支援スキルのある保育士を雇用するのが大変難しい状態にあります。障害児支援となると、通常の保育理論の上に発達障害についての知見やキャリアも必要となり、人探しは大変困難です。パート雇用で期限付きのワンポイントリリーフだと思って来た加配の保育士が音を上げるケースもあります。

そういうこともあって、放デイや児童発達の事業所が保育所に出向いて、発達障害のある子どもの支援方法を助言する保育所等訪問支援の事業も作られたのですが、民間保育園からの要請は少ないです。おそらく、大きな行動問題のある子は入園の段階で断られるか、保健師の紹介で公立園や障害児の受け入れ実績のある園に入園しているのかもしれません。記事のケースは入園中に、保育士の手に負えない行動問題が顕在化した場合に退園させる旨が規則になっているので、なにか特殊なケースがあったか、経営者の単なる知識不足が原因だと思われます。

差別は解消する必要がありますが、現場の困り感も汲んだうえで解決を図る必要があります。行動問題のある子を在籍させることで支給を上回る経費がかかるとすれば、民間が障害児保育や統合保育に参入する意欲を削ぎます。民間でもインクルージョンを進めるには、加配の支給額を上げたり、障害児担当保育士の認定制度を作ったりして周辺環境を整えることが大事です。合理的配慮は、事業者の事務・事業活動への影響の程度(事務・事業の目的・内容・機能を損なうか否か)、実現可能性の程度(物理的・技術的制約、人的・体制上の制約)、費用・負担の程度、事務・事業規模、財政・財務状況を考慮しなければなりません。理念だけでは合理的配慮はすすまないと思います。

最年少12歳・開心那「緊張は感じていない」 スケボー代表

最年少12歳・開心那「緊張は感じていない」 スケボー代表会見

2021年7月1日 【毎日新聞】

東京オリンピックで初採用されるスケートボードの代表選手が1日、オンラインで記者会見し、パーク女子代表に選出された12歳の開心那(ひらき・ここな)=hot bowl skate park=が「緊張は何も感じていない。自分の国で開催される五輪で初めて代表になれてすごくうれしい」と笑顔を見せた。

パークは、複雑に湾曲したくぼ地状のコースで技や滑りを競い合う。日本オリンピック委員会(JOC)によると、記録が残る中では1968年メキシコ五輪に13歳で出場した競泳女子の竹本ゆかりを抜き、夏季五輪で日本選手最年少となる。

開は北海道出身で、小さい頃から苫小牧市のスケートパークなどで技を磨いてきた。名前は南国好きの母が「ココナツ」にちなんで名付けたという。10歳で出場した2019年日本選手権で初優勝し、米国で行われた同年の五輪予選対象大会、デュー・ツアーでも3位に入った。

現在の世界ランキングは日本人3番手の6位。1位の岡本碧優(MKグループ)、2位の四十住さくら(ベンヌ)とともにメダルの期待が高い。開は本番に向けて「五輪では自分の力を出し切りたい」と意気込みを語った。【浅妻博之】

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和歌山県の四十住さくら選手(19才)がメディアを賑わせていましたが、今度は中1の選手です。オリンピックで行われる種目は2つで、街の中を滑るようなコースで技を競う「ストリート」と、複雑な形のコースで技を競う「パーク」です。四十住さくら選手も開心那選手も後者でオリンピックに出場します。北海道で5歳から練習を重ね、段々と技を出せるようにもなっていった開心那さんは、2018年にはVANSアジアで優勝、世界選手権では7位に入賞。2019年には日本選手権のパーク女子で10歳にして初優勝しました。その試合がきっかけとなり強化選手に選ばれています。

スケートボードは年齢制限が設けられていません。そもそも、オリンピック自体に年齢制限がある訳ではなく、競技ごとに年齢制限が決められています。ボクシングは17歳~34歳、飛び込みは15歳以上といった年齢制限があります。危険が伴うようなスポーツには年齢制限が設けられているようです。スケートボードは危険がないと言えば嘘になりますが、今のところ年齢制限の話はありません。今回は最年少オリンピック出場者と言われておりこれでメダリストになればと活躍が注目されています。

 

都立高入試の男女別定員「候補者は姿勢示して」

都立高入試の男女別定員「候補者は姿勢示して」弁護士ら議論求める

2021年7月3日 【東京新聞】

東京都立高校の男女別定員制は廃止すべきではないかー。同じ高校に入るのに男女で合格最低点に著しい格差があり、是正措置を講じても女子が男子より数十~百点以上高い学校もあったことが、本紙が情報公開請求した資料で分かった。多くの場合で、女子の方が高い点数を取らないと合格できないのは不公平だとして、都議選の争点にするよう求める声もある。(奥野斐)

◆「時代の流れに逆行」
「能力に応じて等しく教育を受ける権利を保障する憲法や、性別による教育上の差別を禁止した教育基本法に反している」
制度の撤廃を目指す「都立高校入試のジェンダー平等を求める弁護士の会」は6月下旬に記者会見し、男女別の定員制と合否判定の撤廃を求めた。性的少数者への配慮から、願書の性別欄をなくす動きが広がっていることも踏まえ「多様な個人のあり方を尊重する時代の流れに逆行している」と指摘した。

都教育委員会によると、男女別定員は都立高の全日制普通科110校で設定。入試の募集人数は、都内公立中学3年の男女比率に応じて決められている。2021年度入試の募集定員は、およそ男子52%対女子48%で、ある高校では男子132人に対し、女子122人と、10人の差があった。男女別定員制を採用しているのは、全国の都道府県立高で都が唯一とされる。

◆合格最低点が男子より243点高い例も
都教委は男女の合格最低点の差を縮小するため、定員の9割まで男女別に合否判定し、残りの1割を性別に関係なく合格者を決める緩和策を導入。今春の入試では42校が利用した。

本紙は、緩和を実施した学校長が是正状況を答えた資料を入手。学校名などは伏せて開示された。合否は多くの場合、内申点(300点満点)と筆記試験(700点満点)の合計で決まる。15年度入試では、是正後の合格最低点が243点も女子が男子を上回るケースがあった。20年度入試でも、女子が男子より50~70点余り高い学校が少なくとも4校あった。

予備校講師で受験コンサルタントの新野元基さんは、点数差が生まれる背景に私立校の影響を指摘する。「私立の女子校で高校から入学できる学校が減っている。特に中から上位校を志望する女子の選択肢が限られ、都立の倍率が上がる傾向がある」と分析し、私立校を含めた入試制度全体の見直しを求めた。

今春、都立高1年になった女子生徒の母親(48)は「この入試制度は不公平と感じた」と話す。女子の枠が小さく、男子より倍率が高い学校が目立った。「男女別をなくした方が個人の能力に見合って受験できる」

都高等学校教育課の担当者は「定員がある以上、同じ点数で女子が入れないケースはある。男子の方が倍率が高く、高い点数でないと入りにくい学校もある」と説明。一概に女子が不利ではないとの見解だ。

◆都議会でも制度に疑問
こうした中、現役都立高教諭らが5月下旬、男女別定員制を廃止し、性別で不利にならない入試をしてほしいとネット署名を始め、既に3万筆余が集まった。

都議会でも制度に疑問を投げ掛ける質問が出た。6月議会では、藤田裕司教育長が「男女別定員による不公平感を低減し、より男女平等な入学者選抜を目指す」と答弁した。

「弁護士の会」のメンバーで、自身も都立高出身の山崎新弁護士は「都は点数差と格差の是正の方策を速やかに明らかにしてほしい」と話す。最終盤に入った都議選についても「候補者はこの問題への自らの姿勢を明らかに」と訴えた。

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確かに試験に男女の格差を設けるのはおかしいです。(消える公立高願書の性別欄:02/08)でも書きましたが、要するに「女子の方が成績が高い」から「男子が少なくなる」ので男には下駄をはかせて、学校が男女同数になるようにしているということです。私学なら男子校も女子高もあり、男女同数の学校がわが校の教育コンセプトだと言えば通りますが、公立の場合はそう簡単にはいきません。男女平等に成績で選別するのと、男女の人数差が生じないように男女枠定員を設けるのとでは、前者が公平に決まっています。後者を取るならば、世の中には障害者も1割いるのだから公立高校に障害者枠を設けよという議論になります。第一、男女以外も含めて性差に敏感になっている風潮の中で男女枠を設けること自体が制度疲労と言えます。

ただ、気になるのは選挙の争点にするという動きです。この弁護士会は都議選の「候補者はこの問題への自らの姿勢を明らかに」して、政争の具にしたいのでしょうか。性別の問題は欧米のように政治化したり裁判をして解決するとは思えません。公教育はあらゆる市民に開かれたものですから様々な意見を聞く必要がありますが、今回の入試の男女枠問題は選挙で解決するような問題ではないと思います。手元に資料はないのですが、この男女枠がかつては女子の高校教育の拡大に寄与したのかもしれません。制度には必ず理由があるはずですから、それを明らかにしながら、結論として時代に合わないのなら変えれば良いと思います。

「男子の方が倍率が高く、(男子が)入りにくい学校もある」と性別枠組みを肯定したポンコツ発言を役人がするから炎上するのは無理もないですが、だからと言って一足飛びに政争の具にする内容ではないと思います。政治化するぞと脅したり、対立を煽ることによって余計に本質が見えなくなり、反対するものを袋叩きにするようなことは今回のコロナ騒ぎでも経験しているはずなのに、懲りない人がいるものです。

教諭の叱責で不登校「わが子も同じ」保護者から反響

教諭の叱責で不登校「わが子も同じ」保護者から反響 毎日嫌だと涙/授業の前に気分悪く

7/5(月) 【岐阜新聞】

岐阜県内の小学校で児童が担任の教諭の叱責(しっせき)をきっかけに不登校になっている問題を取り上げた「あなた発!トクダネ取材班」の記事を受け、取材班のLINE(ライン)には、複数の保護者から「わが子も先生に怒られて学校に行けなくなった」という声が寄せられた。教育関係者からは「学校も指導の在り方を見直すべきだ」との声が上がった。

可児市の40代の女性は、小学5年の長男が「先生に怒られるのが怖い。話しかけても怒られるだけ」と登校を渋っていると話す。きっかけは週に1回の花の水やり当番を忘れ、担任の教諭に叱られたこと。忘れた本人が悪いことは理解しつつも、「叱るべきところで叱るのは当然だが、一人一人性格が違うのに全員に完璧を求めるのはどうなのか」とも思う。

「毎日なんとか頑張って学校に行っているが、担任は『来て当たり前、嫌なことがあるから逃げるのはずるいよ』と長男に言い、さらに追い詰めていると感じる」という。「毎日嫌だと泣く中、学校に行かせ続けて良いのか本当に困っている。私も甘やかして育てたのかと、自問自答の毎日だ」と複雑な胸中を明かした。

県内の別の女性は娘が小学1年の時、合唱祭に向けた練習中に教諭の厳しい指導を受け、一時不登校になった。その後叱責はなかったが、音楽の授業の前になると、めまいを起こしたり気分が悪くなったりする症状が2年生になるまで続いた。

「2年生での担任は若い先生だったが、娘の話をちゃんと聞いてくれた。ささいなことでも褒めてくれたり、悩んでいたら励ましてくれたり。様子を見ながら対応してくれたことで娘は乗り越えられた」といい、現在は問題なく通えているという。「褒めて育てると言われる世の中で、叱る指導は逆効果なのではないか」と疑問を投げ掛けた。

学校現場を知る関係者にこの問題について尋ねると「指導をきっかけに児童が教員を怖がり、学校に行けなくなるケースはよく聞く」との声が上がる。

県内のある小中学校関係者は、「厳しい先生に低学年学級を受け持たせると学級のまとまりが生まれ、3年生以降も教職員の指示をよく聞き、それが良いこととされる時代があった。だが不幸な子を生んでいるのなら、学校も考え直すべきだ」と話す。

「昔よりも保護者の教員に対する『かくあるべき』という許容範囲が狭くなっているのは確かだが、保護者や児童に理解されてこその教員だ。プロとして対応していかなければ」と言い切る。「問題が起きた際に、教員と児童の間で生じたずれを修復するためにも、学校と保護者が協力して何がいけなかったのかを振り返り、改善に取り組む必要がある」と強調した。

県立高校の男性教諭(42)は、過去に定時制高校で勤務していた時を振り返り、「生徒の6割が小中学校で不登校を経験しており、絶対に怒鳴ってはいけなかった。生徒は繊細で、必要がない場面で怒鳴ると恐怖や理不尽さを感じさせるのだということを常に意識していた」と明かす。

「厳しい指導で子どもは伸びる」「親が叱らなくなった今だからこそ、学校が叱らなければ」と考える教職員もいるというが、「100人のうち99人がその指導で育ったとしても、1人が教員のせいで学校に来られなくなることは公教育の場では許されない。こぼれ落ちる子の原因になっていることを学校は自覚すべき」と指摘する。

その上で「教室は閉鎖的な空間で、教職員が『自分が正しく導かなければ』と悪意なく指導をエスカレートさせやすい。違う目線を持った第三者の存在が学校には必要ではないか」と述べた。

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「叱咤」は、大声をあげて叱る、あるいは叱って励ますこと。「叱責」は、責任者が下の者の失敗や過ちをきつく非難すること。 要するに大声を上げたり、心が痛むほど叱ることを言います。私たちが、学校にお迎えにいっても他人が見ていることもお構いなしに、子どもをしかり飛ばしている光景をたまに目にします。先生ご本人は、子どもとの信頼関係の中で大声を上げているのかもしれませんが、それは独りよがりな大きな勘違いです。

定時制高校の先生が言うように、不登校経験者の中には発達障害の子もいて、彼らには叱責へのトラウマがあります。発達障害のために不注意や配慮に欠けた言動で叱られ、幼少期から言っても言っても繰り返すので、声を荒げる大人も少なくありません。その結果、大きな声や叱責に対して敏感に反応する子どもが多いのです。また、虐待は世代間で繰り返すと言われますが、不適切な躾も繰り返されます。怒鳴られて育てられた子は、成人して無自覚のままだと怒鳴って躾をするしか術がないのです。しかし、教員であるならこれは言い訳に過ぎず、指導力不足教員と言わざるを得ません。

教員の中にも、怒鳴られて育てられた人はいます。しかし、教員自身の家族性の問題を公教育に持ち込まれたら先生を選べない子どもはたまったものではありません。職場の同僚は、こうした先生には気づいています。しかし、触らぬ神になんとかで放置したままか管理職に押し付けてしまいます。管理職は、逆切れされて教員からパワハラを訴えられるのを気にして毅然と指導できないこともあると言います。人格の尊重を学ぶ場で、子どもの人格が傷つきトラウマを持ってしまう事ほど理不尽なことはありません。

大谷、球宴での二刀流が決定

大谷、球宴での二刀流が決定 エンゼルス・マドン監督が明言
スポーツ

2021/7/6 【毎日新聞】

米大リーグ、エンゼルスのマドン監督は5日、大谷翔平(27)がオールスター戦(13日・デンバー)で、投打の「二刀流」でプレーすると明言した。アナハイムでのレッドソックス戦前に「投げることについては結論が出ている」と語った。

ア・リーグを指揮するレイズのキャッシュ監督と既に話し合っており、登板する場合は1イニングを見込んでいたという。マドン監督は「どう投げるかについては結論が出ていない。先発で投げるのか、途中から登板するのかいろんな方法がある」と話した。

大谷はファン投票でアの指名打者(DH)部門で初めて選出された。4日には選手間投票により先発投手部門でも選ばれ、史上初の投打同時選出を果たした。前日恒例の本塁打競争にも出場が決まっている。

オールスター戦では公式戦同様にDH制が採用されるため、登板するにはDHを解除する必要がある。

大谷は今季、投手で12試合に登板し、3勝1敗、防御率3・60。打者では4日終了時点で78試合に出場して打率2割7分8厘、リーグトップの31本塁打、67打点、12盗塁。

5日には、6日午後6時38分(日本時間7日午前10時38分)開始予定の本拠地でのレッドソックス戦先発に備え、投球練習をした。球宴では登板間隔によって実際に投げない投手もいるが、大谷は中6日と十分に間隔が空く。(共同)

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投手でも打者でもメジャーリーグで活躍するなんて無理に決まっている、という常識を覆して二刀流でアメリカ全土を沸かしている大谷翔平は、オールスター戦の前座の本塁打競争も本番の投手も指名打者(DH)でも選出されました。何より、選手たちの投票で先発投手が決まったと言うのですからこれは快挙です。

指名打者と投手のどちらも無理なく出場できるようにとオールスターのルールを変える動きも*あると言います。アメリカではワクチン接種も進み野球場の人数制限もマスクも解除しているそうです。既成のルールに縛られずに、良いものは良い、変えるべきものはさっさと変えていくというのは、アメリカ文化の良いところです。

日本の野球シーンは、阪神タイガーズの「今年こそ優勝!」の勢いに甲子園は応援のファンで連日燃え、甲子園で観客を入れて実施する高校野球の地方大会は全国各地で熱い戦いが始まりました。それなのにオリパラは、陽性者がまた増えてきたと、無観客もやむを得ないと連日報道されています。同じ先進国でありながら、同じ国内でありながら差が大き過ぎると思います。

当然、今後も加速度的にワクチン接種は進み重症者が減って行くのは、欧米の様子を細かに知る政府には予測がついているはずです。このまま行くと、同調圧力に弱く、決めたことがなかなか変えられないという、我が国の一番ダメなところをオリパラで世界に示すことになります。ワクチン執行もオリパラ推進も世界一だと示せるように、二刀流の大谷選手の活躍から学びたいものです。

*DH制は投手の代わりで野手無しの専門打者として登録する。MLBルールで大谷が投手をするには、DH(指名打者)を果たした後DHを解除して投手になるしかないので、大谷の投球ウォーミングアップが不十分になり身体ダメージが大きい。自チームの選手シフトもやや不利になる可能性がある。

「難聴を知的障害と誤診」中2女子、事業団を提訴

「難聴を知的障害と誤診」中2女子、北九州市福祉事業団を提訴

2021年7月6日 【毎日新聞】

北九州市の難聴の中学2年女子生徒(13)が、幼少期に市立総合療育センターで適切な検査を受けないまま知的障害と誤って診断され、実際は難聴と判明するまで約7年半にわたって適切な治療や教育が受けられなかったとして、センターを運営する市福祉事業団に約2000万円の損害賠償を求め、福岡地裁小倉支部に提訴した。6日に第1回口頭弁論があり、センター側は請求棄却を求めた。

訴状などによると、2歳のころから言葉の遅れが見られていた女子生徒は、3歳だった2011年にセンターで知的障害・広汎(こうはん)性発達障害と診断された。だが、知的障害児向けの特別支援学校で小学5年生になった18年、担任教諭から「唇の動きを読んでいるので、耳が聞こえていないのでは」と指摘され、他の病院の検査で難聴と判明。一部の音は聞こえるが不明瞭で、言葉として聞き取ることができない「オーディトリー・ニューロパチー」と分かった。

原告側は、センターで適切な聴力検査を受けられなかったために知的障害と誤診され、成長を発達させる重要な時期に言語獲得や適切な療育を受ける機会を奪われたと主張している。

女子生徒は現在、人工内耳を埋め込む手術を受け、声を出して簡単な会話もできるようになった。6日の弁論にも出廷し、裁判長に向かって「よろしくお願いします」とあいさつした。母親(39)は取材に「何度も難聴ではないかと訴えたが検査を受けさせてもらえなかった。センターは過失を認め、責任を持って向き合ってほしい」と話した。

市福祉事業団は取材に「具体的な主張の中身は裁判で明らかにする」とコメントした。【成松秋穂】

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極端に悪い聞き取り―オーディトリー・ニューロパシー
知的・発達障害と診断される子も

2020/08/25【時事メディカル】

東京医療センター臨床研究(感覚器)センター 名誉センター長 加我君孝医師

オーディトリー・ニューロパシー(AN)は、1996年に初めて報告された聴覚障害だ。同年に発表された2件の論文のうち、一方を報告した東京医療センター(東京都目黒区)臨床研究(感覚器)センター名誉センター長の加我君孝医師は「特に子どものANは、言葉の発達のためにも早期に発見して治療を行う必要があります」と話す。

言葉の発達が遅く、聞こえに心配があれば、早めに聴覚専門の医療機関へ

▽検査によっては正常に
ANを発症すると、中、高音域は音として比較的よく聞こえるのに、言葉の聞き取りが極端に悪くなる。聞こえの程度を調べる純音聴力検査と、正確に聞こえているかを見る語音聴力検査で、内耳に障害がある難聴(感音難聴)とは異なる特徴を示す。

また、音を受け取る内耳に障害がないかを調べる歪(ひずみ)成分耳音響放射検査(DPOAE)と、内耳から脳への聴神経の伝達経路に異常がないかを調べる聴性脳幹反応検査(ABR)を行うと、通常の感音難聴とは違う結果が出る。

加我医師は「通常の感音難聴はDPOAEもABRも無反応ですが、ANはDPOAEが正常、ABRが無反応となります。内耳では聞こえているのに、脳で聞き取れない状態です」と説明する。

▽3歳までに人工内耳を
問題は、ANが疑われる新生児が、先天性難聴の約5%前後存在することだ。新生児の聞こえを調べる新生児聴覚スクリーニング検査が推奨されているが、検査自体を行っていない施設もあり、行っていてもDPOAEのみだとANが見逃されてしまう。加我医師は「ANによって言葉の遅れが目立つ子どもは、知的障害や発達障害と診断されてしまうことも少なくありません」と指摘する。

新生児ANの場合、発達とともに主に〔1〕ABRが正常化して聴覚と言語の障害がなくなる〔2〕DPOAEも無反応となり重度の難聴になる〔3〕DPOAEもABRも変化なし―のいずれかになるという。変化は1~3歳ごろまでに生じるため、いかに早い段階で発見して治療を行うかで、言葉の成長が大きく左右される。

治療は、多くの場合が人工内耳手術の適応になるが、一部に補聴器が有効なタイプもある。子どもに人工内耳を入れる場合は、成長の過程を考えると、遅くても3歳くらいまでが望ましい。

加我医師は「言葉の発達が遅く、少しでも聞こえが心配だと感じたら、周囲の意見に惑わされず聴覚専門の医療機関を受診してください」と呼び掛けている。精密聴力検査が可能な医療機関は、日本耳鼻咽喉科学会のホームページで確認できる。(メディカルトリビューン=時事)

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就学相談で子どもの観察をしていた時、知的障害か難聴か迷った事があります。加我君孝医師が言うように、前から名前を呼べば一見聞こえているように見え、しかし、顕著な言葉の遅れがあるので知的な遅れかと思うケースです。また、言葉は知的発達だけでなく対人関係にも大きな影響を与えますので、難聴が放置されていると、対人関係も悪そうに見えてASDかもと思う事もありました。その中に、僅かですが難聴の子どもがいたのです。保護者ですら難聴とは微塵も思っていないケースもありました。

新生児の聴力スクリーニング検査には成分耳音響放射検査(DPOAE)も、内耳から脳への聴神経の伝達経路に異常がないかを調べる聴性脳幹反応検査(ABR)も検査機器がコンパクトになっていて簡易に実施できます。しかし、幼児検診では、難聴は早い段階でスクリーニングされているという思い込みもあり、オーディトリー・ニューロパシー(AN)を見落としやすい原因になります。

この障害は1996年に初めて報告された聴覚障害ですから一般には良く知られていないかもしれません。そして、難聴そのものは0.4%の確率でほぼ乳児期にスクリーニングされているので、言語聴覚士など聴覚のスペシャリストがいないと、ANが見落とされる可能性はまだまだ高いかもしれません。ただ、記事のケースは、親が難聴かも知れないと幼児期に訴えているのに検査もせずに医師が診断していたとなれば、普通ではあり得ない対応だと思います。

不登校になった「きょうだい児」

不登校になった「きょうだい児」 兄に響いた先生の言葉 佐藤仙務

2021年7月8日 【朝日新聞】

私が養護学校の小学1年生だったとき、普通学校に通っていた二つ年上の兄が不登校になった。小学3年生の夏ごろから1人で学校に行けなくなった兄は、よく母と一緒に私が通う名古屋の養護学校についてくるようになった。

当時小学1年生だった私は、そんな生活を少し不思議に思うくらいだったが、おそらく母は「このまま一生、学校に行かなくなるのではないか」と心から心配していたはずだ。

学校に行かなくなった兄障害児の僕と迎えた小4の春
母としては、何とかして学校に行ってもらいたい思いがあり、兄と交渉した結果、一緒に学校に行くことで話がついたようだった。日中は母に教室の後ろにいてもらい、教室で一緒に過ごす。そんな日々が始まった。

それから母はますます忙しくなった。朝は父を会社へと見送り、そして5年生の長男を小学校へ見送った後、私と不登校の兄を車に乗せ、私の通う養護学校に向かう。私を送り届けたら、今度は兄と小学校に行って、一緒に教室で過ごす。もちろん放課後になると、母は兄を連れて養護学校まで迎えに来てくれる。兄は日によって、母が付き添っても学校に行けない日もあった。

小4の春、先生と出会う
そんな生活を続けて、兄が小学4年生になった春のこと。転機が訪れた。4年生になった兄のクラスの担任が新しい先生へと代わった。当時50代ぐらいの女性の先生だったのだが、兄が不登校になっているといううわさを耳にし、以前から気になっていたという。その先生は自身のお子さんが不登校だった経験もあったそうで、きっと不登校だった私の兄のことを放っておけなかったのだと思う。

先生は本当に優しくて明るい人だった。4年生になっても母と登校する兄に対して「1人で学校に来なさい」ということを言わなかった。むしろ学校は無理に行くべき場所ではないという持論を持っていた。それに先生は教室の後ろで兄を見守る母を決して邪険にすることなく、「私では分からない目線で、お母さんが気付いたことを何でも教えて」と言っていた。

兄は先生のことをとても信頼しており、「学校が終わったら家に遊びに来て」とよく言っていた。先生は多い時には週何回も家に立ち寄ってくれた。

先生の言葉が兄に届いた
だが、そんな怒濤のように思えた生活にも終わりが訪れる。それはある日、先生が学校でふと兄にこう言ったことがきっかけだ。

「もし途中で帰りたくなったら、先生がすぐに家まで送ってあげる。」

きっと、他の先生が同じことを言っても兄は首を縦に振ることはなかったと思う。でも、先生がそう言うならと、学校に1人で行くチャレンジを始めた。

これは後日談だが、先生は当初から兄の不登校を深刻に捉えていなかったらしい。ただ、先生は年の近い弟が障害児である兄にとって、母親を私に取られている感覚がしているはず、と心配していたようだ。だから先生は、兄が母と一緒に学校に行くことも決して否定せず、教師としても全力で愛情を注いでくれた。

今度は僕が、兄の学校へ
それからというもの、兄は不登校ではなくなり、学校もほとんど休むことはなかった。そして私も兄がきっかけで、その先生と仲良くなることができた。先生は小学4年生の兄の担任を終えた後、今度は一つ下がって3年生の担任になった。その頃私も3年生になっていたので、先生の計らいで兄の通う学校に行く機会が増えた。

先生のクラスで健常児のみんなと交流を深めた。当時私は、養護学校で過ごす日々を日記で記していたのが、それを見せると興味津々で見てくれたことがうれしかった。

私はずっと養護学校ではなく、一般の小学校に行きたいと思っていた。でも実際に行ってみると、思っていた以上に大変な部分もあった。少人数の養護学校と違い、大人数の子どもたちの中で過ごす上で、自分の居場所や役割というものをどこで見いだせばよいのか分からなかった。その時、何となくだが、兄の学校に行きたくないという気持ちも理解できた気がした。

あらためて気づいた「養護学校もいいところ」
それからも兄はときどき、私の通う養護学校に遊びに来た。そして、恒例のように学校に来るたびに目をキョロキョロさせ、ボールプールを見つけては、間髪入れずに勢いよく飛び込むのだ。手足をバタバタと動かし、ケラケラと笑いながらも、いつかと同じように私にこう言うのだ。
「学校にボールプールがあるなんていいなー」
私はやっぱり幼稚な兄だなと思いながらも、少しニヤッとしてこう返した。
「養護学校も、なかなか良いところでしょ」

あれから20年以上の月日が経つが、先生は今でも不登校の子どものための支援をしているという。そして兄も今では、家庭を持ち、この春からランドセルを背負うことになった女の子の父親をしている。(佐藤仙務)

佐藤仙務
佐藤仙務(さとう・ひさむ)
1991年愛知県生まれ。ウェブ制作会社「仙拓」社長。生まれつき難病の脊髄性筋萎縮症で体の自由が利かない。特別支援学校高等部を卒業した後、19歳で仙拓を設立。講演や執筆などにも注力。著書に「寝たきりだけど社長やってます―十九歳で社長になった重度障がい者の物語―」(彩図社)など。ユーチューブチャンネル「ひさむちゃん寝る」では動画配信も手がける。
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障害児の「きょうだい」(ひらがな表記は姉妹や兄妹、姉弟も表現するから)支援の必要性は、問題が起きない限り見過ごされがちです。保護者は障害のあるきょうだいの事で手いっぱいの場合もありますし、共働きだとどちらの親にも余裕がありません。それを小さな時期から感じ取って甘えたくても我慢する日常が続くとしんどくなるきょうだいもいます。それを見ている障害のある当事者からの視点が今回の記事です。

当事者のみんながこの様に感じているわけではないのでしょうが、低学年なのに、兄や担任の分析が的確だと思いました。そして、一言一句漏らさず兄と担任のやり取りを知っているところは、家族がオープンな関係を大事にしているのだろうと感じました。障害のある当事者も含めた家族もまた、健常者の兄を支えているのだろうと思います。

一般的に言うきょうだい児問題は幼少期の問題ですが、障害のあるきょうだい児の問題は成人になっても続きます。親が当事者を支えられなくなった後の問題や、結婚問題なども深刻にとらえている人は少なくありません。これらを家族だけで支え合うのは困難です。公的な相談支援や同じ境遇のきょうだい同士のピアカウンセリングなどをすすめていく必要があると言われています。

いじめを受けて学校が行った「仲直りの会」を疑問視

いじめを受けて学校が行った「仲直りの会」を疑問視 いじめ問題専門委員会〈仙台市〉

7/8(木) 【仙台放送】

2018年、仙台市泉区で母親が女子児童と無理心中した事件で、7月7日、仙台市のいじめ問題専門委員会が開かれ、いじめの訴えを受けて学校が行った「仲直りの会」について、疑問の声が上がりました。

7日、調査部会でいじめの再発を防ぐ提言などの協議が行われ、当時小学2年の女子児童へのいじめを受けて学校が行った「仲直りの会」に、多くの委員から疑問の声が上がりました。

いじめ問題専門委・調査部会 甲斐田沙織 委員
「仲直りの会って、そんなに簡単にできるものかなと。非常に安易に行なわれていた」

いじめ問題専門委・調査部会 新免貢 委員
「学校側が善意で行っていることでも、児童生徒には、そのこと自体がプレッシャーであると私は感じる」

学校は当時、女子児童の母親からいじめの相談を受けたわずか6日後に「仲直りの会」を開いていて、委員からは「事実確認をした上で行うのが望ましい」という声も上がりました。

いじめ問題専門委・調査部会 小野純一郎 部会長
「委員は長期欠席などにつながるようなきっかけになってしまったんじゃないかと
「仲直りの会」のやり方がもう少しきめ細かくやった方がよかった」

仙台市の「いじめ防止基本方針」は、被害児童が関係改善を望み、加害児童の内省の深まりが確認できた場合は、謝罪や和解の場を設けるとしていて、調査部会は「仲直りの会」のあり方についても、提言としてまとめる方針です。

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「握手して」「ハイ仲直り」喧嘩の際にはこの指導はありですが、いじめの場合は成り立たないです。いじめは一方的なもので、仲直りと言うのは被害者にも落ち度があると暗に示しているようなものです。こんなポンコツな生徒指導をした学校も学校ですが、これを調べている専門委員会が3年前の話を扱っている事の方が驚きでした。母子が無理心中で亡くなった原因が、学校のいじめであったことを世間が知ったのは、事件から僅か半年後の父親の会見でした。

最初は亡くなった児童の小学校の父母に児童の急死を知らせる通知こそあったものの、それ以上の説明は学校からはなかったのです。憤った父親は娘の遺したメモを手に会見を開いたのです。
《しにたいよ しにたいよ なにもいいことないよ わるいことしかないよ いじめられてなにもいいことないよ しにたいよ しにたいよ》
メモ用紙いっぱいに鉛筆書きの平仮名で「しにたい」の4文字が繰り返されていました。児童は登校渋りが増え校長室登校をしていたと当時の関係者は言います。

父親は、『娘は同級生からいじめを受けており、母親もいじめへの対応で体調を崩して友人づきあいが減った』と明かし、そのうえで『学校に繰り返し相談したが、表面的な対応が続いた』として無理心中の責任は学校にあると訴えました。メモは事件当時に児童が書いたものだと言います。お母さんは、わが子を守るために何十回も学校を訪れ、地域の一部の住民は、『モンスターペアレント』と心ない噂を立てる人もいたそうです。

母親が、遺したメモには、《今回の事が将来にわたり影響が及ぶ可能性が大きいことを重く認識してほしい。娘の学習する機会、心身の健康が奪われている。いつかの時点で本当に自殺する事があれば、今回の事が原点である事を訴え続けていきます》と書いてあったと言います。学校の誰が思いついたのか明らかではないですが「仲直り会」は、無理心中の引き金になったとしても不思議ではありません。

しかし、こうした全容を明らかにするのに事件から3年もかかり、まだ検討を続けているというお粗末さです。加害者の子どもや保護者への配慮があったのかもしれませんが、母子が二人亡くなっているのですから、せめて母子の親族には真実を早く知らせよう、間違いがあったら早く正そうと言う気持ちは働かないのでしょうか。遅くても真実を明らかにするに越したことはありませんが、親族がこの件を提訴しなかったことを良いことに結論を先に延ばしていると言われても仕方がないと思います。

教員免許更新制、文科省が廃止検討

教員免許更新制、文科省が廃止検討 うっかり失効の原因

2021年7月12日 【朝日新聞】

教員免許に10年の期限を設け、更新前に講習を受けないと失効する「教員免許更新制」について、文部科学省が廃止する方向で検討していることが、政府関係者への取材で分かった。教員の資質確保を目的に第1次安倍政権時代の2009年度に始まったが、教員の負担が増え、教員不足の一因にもなっていると、学校現場から批判が出ていた。

更新制については萩生田光一文科相が3月、中央教育審議会に「抜本的な見直し」を諮問した。中教審では廃止論が大勢で、8月にも廃止の結論を出す見通し。これを受け、文科省は廃止を表明し、来年の通常国会で必要な法改正を目指す方向だ。廃止となった場合、教員が受けてきた30時間以上の更新講習の代わりに、オンラインによる教員研修の充実などが検討されている。

更新制は「不適格教員の排除」を目的に自民党などが導入を求め、「教員の資質確保」に目的を変えて09年度に始まった。無期限だった幼稚園や小中高校などの教員免許に10年の期限を設け、期限が切れる前の2年間で計30時間以上、大学などでの講習を受けなければ失効するしくみだ。

ただ、夏休みなどに自費で受ける講習は多忙化する教員に不評で、文科省が今月5日に公表した調査では、約6割が講習に不満を抱いていた。更新期限があるため、定年退職前の教員が早期退職する動機となったり、産休や育休をとる教員の代わりに任用する教員が不足したりと、教員不足の一因とも指摘された。また、制度が複雑なため、現職教員が更新を忘れて教壇に立てなくなる「うっかり失効」も相次いでいた。

これまでの中教審の小委員会で文科省は、都道府県などが行う教員研修をオンラインなどで充実する案を提示した。委員からは「こういうことができれば更新制でなくてもできるのではないか」などと賛同する発言があり、廃止論が大勢となっている。(伊藤和行)

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記事にもあるように、この制度は指導力不足教員問題から教員の質を確保するために作られた制度ですが、案の定、ただの研修制度として骨抜きにされた経過があります。「指導力不足教員」は法令(教員免許法改正法の施行通知)では「指導が不適切である」教諭等と表現されています。「指導が不適切である」ことの認定について、教育公務員特例法の一部改正関係(第25条の2第1項関係)には、以下のように記載されています。

「指導が不適切である」ことに該当する場合には、様々なものがあり得るが、具体的な例としては、下記のような場合が考えられること。
各教育委員会においては、これらを参考にしつつ、教育委員会規則で定める手続に従い、個々のケースに則して適切に判断すること。
1 教科に関する専門的知識、技術等が不足しているため、学習指導を適切に行うことができない場合(教える内容に誤りが多かったり、児童等の質問に正確に答え得ることができない等)
2 指導方法が不適切であるため、学習指導を適切に行うことができない場合(ほとんど授業内容を板書するだけで、児童等の質問を受け付けない等)
3 児童等の心を理解する能力や意欲に欠け、学級経営や生徒指導を適切に行うことができない場合(児童等の意見を全く聞かず、対話もしないなど、児童等とのコミュニケーションをとろうとしない等)

簡単に言えば、児童に合わせた学習内容が作れず、児童に合わせた指導ができず、児童の気持ちが理解できない教員です。これだけでは、多くの教員が当てはまりそうですが、重要なのは3番目です。学習内容や指導方法の良し悪しは教員のキャリアやスキルの問題ですから指導を受ければ改善できます。しかし、相手の気持ちが理解できない問題は訓練を受けても簡単には改善しません。

更新制は知識だけを更新する座学なので、このタイプの教員の課題を支援する研修にはなり得ていないというのが現場の感覚かもしれません。むしろ、このタイプの教員は座学研修はしっかり受けるまじめな方が多いようにも思います。更新研修を受けても、現場で失敗したことを自分からうまく謝れなかったり、自らの間違いを認めず、児童の問題にしてしまう等の社会性の課題は解決しません。更新制は、教員の資質向上を掲げたけれども一部の教員には効果がないのです。

一度決めてしまうと効果がなくてもいつまでも変えられないと、感染防止施策をあげてこのブログで非難してきましたが、やればできるじゃないのと少し政府を見直しています。願わくば、プール授業の中止や校外行事の見送り、屋外のマスク着用等、根拠のはっきりしない学校感染防止施策も、効果のないものとして文科省が必要なしと例外なくキッパリと指示を出し、さっさと撤回させてほしいと切に思います。

知的障害者対象に「農業科」 奈良県立高が新設、全国初

知的障害者対象に「農業科」 奈良県立高が新設、全国初の試み

7/13(火) 【日本農業新聞】

相互理解へ学科超え実習
奈良県は2022年度、知的障害のある生徒が農業を学べる学科を県立高校に新しく設ける。全国初の試みで、3年間茶や野菜の栽培などを学ぶ。障害のない生徒も同学科の生徒と実習などに取り組み、障害の特性などへの理解を深める。農福連携が広がる中、その担い手育成に乗り出した格好だ。(本田恵梨)

4月から県立山辺高校(奈良市)に「自立支援農業科」を新設する。同校には現在、農業が学べる「生物科学科」と、県立高等養護学校(田原本町)の2、3年生で農業を学びたい生徒が通う分教室があり、両校の生徒で野菜栽培などに取り組むこともあった。一方で、分教室では教育課程が異なり交流程度にとどまってしまう、高校卒業資格が取れない、などの課題があったという。

県学校教育課は「共通の授業や実習の機会をこれまで以上に充実させることによって、農業知識はもちろん、コミュニケーションも一緒に学んで相互理解につなげてほしい」と話す。

農福連携の担い手育成
新学科では、養護学校のサポートを受けながら、それぞれの障害の程度に応じて指導していく。分教室は段階的に移行。生物科学科は「生物科学探究科」として新たに設置する。

農福連携で生産した食品を認証する日本基金が18年度に行った調査では、多くの農業者が障害者の農業技術習得や障害者とのコミュニケーションに課題を感じているという。基金は「農作業経験のある障害者や障害特性に理解のある農業者が育成できれば、農福連携の広がりにつながる」と話す。

農水省によると、農福連携に取り組む農業経営体などは19年度末時点で4117。国は、農業高校などでの農福連携学習や特別支援学校での農業実習などを推進し、新たに取り組む組織などを24年度までに3000増やす目標を掲げる。

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農福連携は、障害者等が農業分野で活躍することを通じ、自信や生きがいを持って社会参画を実現していく取組です。農福連携に取り組むことで、障害者等の就労や生きがいづくりの場を生み出すだけでなく、担い手不足や高齢化が進む農業分野において、新たな働き手の確保につながる可能性もあります。近年、全国各地において、様々な形での取組が行われており、農福連携は確実に広がりを見せています。

ライフステージで考えていくと、支援学校高等部の進路実習に農作業を提供する農業団体との連携があり、成人期では福祉施設と農業団体の農作業の事業委託の連携、そして、農業団体が実際に障害者を職員として雇用していくという流れがあります。先の高校の話は、農村地域での公立高校の定員割れ、支援学校高等部への発達障害生徒の増加という全国的な傾向の中での新しい高校教育のあり方の一つとして、インクルージョンと農福連携を模索している姿と言えます。

農業は作業の種類が多く、作業の内容も異なることから、障害者一人ですべての農作業をするのは困難です。しかし、農作業を切り分け、複数の障害者が一つのチームとなって、能力に応じてそれぞれが得意な作業を行うことで農作業も可能となります。更に、農作業をマニュアル化したり、農作業・農器具を工夫することで、障害者ができる農作業の範囲は拡大します。これから農業の経営も実際の農耕の作業もAI化が進み、人間の仕事は農場の整備や自動化できない収穫作業などに変わっていきます。

AI化には大規模化が必須となります。そうなると、今の個人経営では農業は成り立たず、自ずと団体経営や法人経営に変わっていきます。しかし、人口減による人手不足から、今でも外国人労働者を農業研修と言う名目で雇用していますが、これもある程度の規模の農地でないと雇用できません。人手を失った農地は手つかずの休耕地として年々増えています。傾斜地の棚田は、斜面の崩壊を未然に防いできました。また、水田は洪水や地すべりも防止しています。人手不足による農地の喪失は私たちの大切な環境資源を失うことにもつながります。

このようにして、農福連携は単なる障害者雇用の促進施策というより、先祖から引き継いできた農地を守り環境を守る大プロジェクトです。その一環として、後期中等(高校)教育のあり方を障害のある人も含めて考え変えていくことは大事な取り組みだと思います。

「ギフテッド」の子、進まぬ理解 高い知能

「ギフテッド」の子、進まぬ理解 高い知能/特定分野に優れた能力親も孤立、自ら「応援隊」設立

2021/7/14【毎日新聞】

生まれつき高い知能や、芸術など特定分野で優れた能力を持つ「ギフテッド」と呼ばれる子どもたちがいる。天才のイメージが持たれがちだが、学校や同世代の子どもたちとなじめず、孤立するケースも少なくないという。ギフテッドの子を育てているという親に、その苦労や思いを聞いた。

ギフテッドは、米国では認知が進んでおり、知的能力や特定の学問、リーダーシップ、芸術などのうち、一つ以上の分野でずば抜けた能力を見せるか、その力を潜在的に持つ人と定義されている。

兵庫県伊丹市の冨吉恵子さん(49)の長男(20)も、幼少期からギフテッドの特徴があった。小学校では授業を仕切ったり、教師も知らないことを発表したりした。漢字ドリルに四つ並んだ漢字を使って即興で物語を作ることもあり、創造力の高さをうかがわせた。

ところが、学校生活では摩擦を生む。権威で支配されることに反発したのだ。授業で計算問題を解く際、タイマーで時間を計る教師を「時間制限にどんな効果があるのか。計算が速くて何の意味があるのか」と問い詰め、明確な回答がないと「信念もなくやっているのか」と憤った。宿題をやらず、テストでは用紙に記された「解きなさい」の文言にも怒る。寄り道を禁じる下校のルールには「寄り道しないと人生の醍醐味(だいごみ)は生まれない」と反論し、「学校には余白がないから息が詰まる」と愚痴をこぼした。

冨吉さんが胸を痛めたのは、長男が幼い頃から「生涯の友達がほしい」と毎日のように訴えて泣いたことだ。小学校低学年の頃、同い年の子どもたちは遊びといえば鬼ごっこ。大人のようには会話を楽しめず、孤独に苦しんでいた。

長男を「ギフテッドかもしれない」と感じたのは小学4年の時。小児科医の勧めで知能検査を受けると、高い知能指数(IQ)が出た。長男には頭痛や湿疹の持病があったが、医師からは同級生と精神年齢が合わないストレスが原因だと指摘された。臨床心理士からは、周囲の精神年齢が近づく高校生になるまでは友達はできないと断言された。

医師には私立中学校への進学を助言されたものの、長男が「偏差値主義者のビジネスに乗りたくない」と葛藤するあまり体調を崩し、受験をやめた。進んだ公立中ではほとんど授業に出ず、小学3年から毎日続けていたニュース解説の手作りの壁新聞を張りにだけ行った。全日制高校への進学は諦める一方、中学卒業から半年で高卒認定試験に合格。通信制高校を転々とし、交友関係のストレスで難病を発症しつつも1年浪人して大学へ入り、映像学部で学んでいる。

発達障害と誤診
こうした苦労があった子育てだったが、支援はほとんどなかった。世界では専門の教育プログラムが導入されている国があるが、日本にはない。ギフテッドへの認知が進んでいない日本では、発達障害と誤診されることも少なくない。冨吉さんも精神科医やスクールカウンセラーに相談したが、「放っておいてもちゃんと育つ」としか言われなかった。

発達心理学が専門の角谷(すみや)詩織・上越教育大准教授によると、ギフテッドは言語や認知能力は発達しているが情緒的には標準あるいは遅れていることがある。角谷准教授は「自身の興味に強く動機づけられた行動を取る、必要性がないものには取り組まない、権威でコントロールされることに抵抗するといった行動などの背後にある深い洞察を周囲に理解されずに『わがままな子』とみなされたり、行動を周囲に理解されずに不登校になったりすることも多い」という。

手探りで長男を支えてきた冨吉さんは2017年、同じ経験や悩みを持つ親たちに呼び掛け、「ギフテッド応援隊」を設立。会員で集まって交流し、専門家を招いて講演会も開いてきた。21年4月には一般社団法人化し、会員は全国に約250人にまで増えている。

活動の一環で、電子書籍「ギフテッド育児奮闘記」を20年10月に出版した。幼児期から高い言語能力や音楽の才能を発揮した女児や、国内の小中学生が対象の算数オリンピックで小学3年の時にファイナリストになった男児ら会員の子ども8人が登場。その多くが学校になじめず、学ぶ環境を求めて親が奮闘する経緯を紹介した。出版を企画した会員でフリー編集者の万永安芸さん(44)は「一言では伝わりにくいギフテッドも、実例を並べることで見えてくるものがある」と狙いを語る。

冨吉さんは「ギフテッドの親は子どもと学校の間で対応に疲れ切っている」と明かす。秀でた面を説明すると自慢や過保護と思われてしまい、誰にも相談できずに孤独を感じる親は少なくないという。「ギフテッドの存在と特性を知り、特に教育関係者に理解ある対応をしてほしい」と願う。【稲田佳代】

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ギフテッドの正式な定義はなく、アメリカでは州によって様々な定義が用いられています。その中でも大半の州が下記のテキサス州の内容と同じような定義を用いています。
「ギフテッド・タレンテッドの生徒とは、同じ年齢・経験・環境を持つ子供と比較して、著しく高いレベルを達成する、あるいはその可能性をうかがわせる子供。知的能力、独創性や芸術の分野において高い実行能力を示す、並外れたリーダーシップ能力を持つ、あるいは特定の学術分野で秀でている。」

ギフテッドは発達障害とは違うという様に記事では読めますが、ギフテッドには「英才型」と「2E型」の2種類があります。英才型は全般的に高い知能を持つ人を指します。認知や記憶などの能力が高いため、学業成績はかなり優秀なことが多いです。社会性も高く周囲から見ても非常に優秀に見えるため、才能を伸ばすための機会が提供されやすいとも言えます。

2Eとは「twice-exceptional」のことで、「二重に例外」という意味です。ギフテッドと発達障害を併発している状態を指しており、ある分野では突出した才能を示しますが、苦手なことはとことん苦手な傾向にあります。「発達に凸凹がある」などと表現されたりもします。突出した能力が見られるものの、社会性が劣るなどマイナス面の印象が強くなりがちで、才能に気づかれることなく過ごしているケースが多いです。これは学校の先生や友だちが気づかないというだけでなく、両親や自分自身すら気づいていないケースも含みます。放デイで働く私たちがたまに出会う子どもは2E型です。

ギフテッドと発達障害は異なる概念ですが、いくつか共通する特徴が見られるため、ギフテッドなのにADHDやアスペルガー症候群と誤診されているケースが非常に多いです。「ギフテッドかつADHD」や「ギフテッドかつASD」、「ギフテッドかつLD」という存在(=2E)を正しく理解することが大切です。

ギフテッドと発達障害の共通点
・好きなこと・興味のあることへの集中力が非常に高い
・完璧主義で、細かいところまで気にして締切を守れないことがある
・論理的思考力が高く、考えが奥深い
記事の子どもはASDの特性があり、正論であっても嫌がられる言い方であることが分からないという、他者感情が読めない2Eタイプです。問題の本質は障害と言えば何か健常者より劣るような印象を持ちやすいことです。発達障害があっても誰も真似のできない発見や開発をする人はいます。類い稀な才能を開花できるかどうかはその人を取り巻く人的環境が大きいのです。大人が扱いにくい子どもだと言う理由で「障害」のレッテルだけ貼られて才能が葬られていくとすれば、それは人類の大きな損失だと思います。彼らを面白がって認めてくれる、カリスマティックアダルト(身近な憧れの大人)の存在が欠かせません。

ヤングケアラー、小学生も全国調査

ヤングケアラー、小学生も全国調査 政府方針、早期発見と支援狙い

2021/7/5 20:17【毎日新聞 】

政府は、通学や仕事をしながら家族の介護や世話をする子ども「ヤングケアラー」の実態を把握するため、今年度中に全国の小学生にアンケートする方針を固めた。政府は2020年12月~21年1月に中高生を初めて調査、その結果を4月に公表したが、小学生は対象から外れていた。調査対象を拡大することで、子どものケア実態をより正確に把握し、支援につなげる狙いがある。【山田奈緒、三上健太郎/デジタル報道センター】

中高生への実態調査で家族のケアを始めた年齢は中学2年が平均9・9歳、全日制高校2年が平均12・2歳との結果が出た。過度なケア負担で学業や進路選択に支障が出たり、孤立につながったりすることが分かっており、実態調査を通じて小学生のヤングケアラーを早期に発見したい考えだ。

調査方法は中高生調査と同様、厚生労働省と文部科学省が協力し、子どもに直接尋ねる形を検討している。ただ、低年齢の子どもは家庭状況を客観視することや質問内容の理解が難しい。有識者らから意見を聞き、質問方法などを調整する。

小学生のケアを巡っては、研究者や自治体の調査でも実態把握は進んでいない。一般社団法人「日本ケアラー連盟」は15年に新潟県南魚沼市で、16年には神奈川県藤沢市で教員にアンケートし、間接的に小学生のケアを調べた。例えば南魚沼市では、働いている親に代わって年下のきょうだいを世話する小学4年の女児、精神疾患がある母の感情面をサポートする小学3年の女児、日本語が第一言語ではない母の通訳に追われる小学4年の男児――など、幼くても家族ケアの担い手になっている小学生がいた。

政府は大学生も初めて調査する。ヤングケアラーに法令上の定義はないものの、同連盟は「18歳未満」と定義し、埼玉県が全国で初めて制定したケアラー支援条例も児童福祉法に合わせて「18歳未満」と定める。18歳未満との位置づけが主流だが、元ヤングケアラーや専門家から、ケア負担が大学生活や就職活動などに影響しているとの指摘が出ていることを踏まえ、調査対象に加えた。

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核家族化が進み、さらに母子家庭が激増している中で、親が家族を支えられなくなると、子どもが家族を支えることになります。しかし、子どもは社会的救済の手段も知らないので、周囲の大人の気づきは遅れがちです。一昔前なら、担任の先生が家庭に立ち寄って、子どもの家族状況まで気にしていたのが、最近は出来るだけプライバシーに立ち入らない方向に学校が変わってきているので、家族の事情はなかなか把握が難しいと言います。

片親の場合の社会的交流環境は、頼る親族もなく、就労環境も非正規の場合は誰も家族がどうなっているのか子どもがどうしているのかも本人からの発信がない限りは把握できません。こうした中で、親を支えるために家事や精神的な支えをしている子どもたちがいます。昔も、親や家族を支える子どもはいましたが、今日のヤングケアラーの特徴は、文字通り社会から孤立していることが特徴だと言えます。

「進路の変更を考えざるを得ない、もしくは変更した」「自分の時間がとれない」「友人と遊べない」「睡眠時間が十分に取れない」などの悩みを持ちながらも、親から「他人に相談してはいけない」と口止めされたりしているので、スクールソーシャルワーカーに家の事情を話したがらない子どもは多いと言います。そして、親のケアは家族から離れない限りいつ終わるとも分からない、見通しのない中でのくらしが続くので、次第に子どもの精神までも蝕んでいきます。

今回政府が小学生を対象にしたのは、前回の調査で家族のケアが始まった年齢の最年少が小3か小4という回答を得ていたからです。放デイにも「要保護家庭」の子どもは来ており、ヤングケアラーの子どもや今後その可能性がある子どもも通所してきています。片親と子どもだけという小さい家族の場合は病気などで簡単に家族の機能を失ってしまいます。この対策を地域で作っていくためにも全量調査はとても必要だと思います。